空気清浄機は小型・スマート化へ 海外スタートアップ製品に商機

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アジア各国では近年、PM2.5や黄砂などを起因とする大気汚染問題に伴い、空気清浄機への注目度が急上昇してきた。さらに2020年は空気清浄機の新型コロナウィルスに対する一定の効果が確認されたことから、世界的にも大きく需要を伸ばした。

いまや必需品とも言える空気清浄機だが、今年注目されたトレンドは「小型」「スマート」だ。外出や旅行に持ち運んだり、車で使用できるような多様なシーンで利用できる小型の製品、そしてスマホアプリで制御やモニタリングができるタイプの製品が注目されている。

そんなトレンドに伴い、小型の空気清浄機を手がける数々の海外スタートアップが現れ、大手企業製品にはないユニークな特徴を備える製品が次々と登場している。

日本国内市場ではすでに海外大手メーカー製品の人気が高く、海外スタートアップ製品を受け入れる土壌が十分に整っていると言える。アメリカのスタートアップ製品やアジア製品は、比較的安価でデザインが優れているものも多く、輸入に商機を見出せるのではないだろうか。

アジアで市場が急成長 欧米からユニーク製品が続々登場

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各国の空気清浄機の状況・サービス情報

タイ:コロナで市場が成熟 現地メーカーも

2019年、タイ・バンコクでは人体に有害なスモッグが社会問題となり、空気清浄機の欠品が相次いだ。当初は大型で騒音のある高価格帯の製品が出回っていたが、2020年にはロックダウンによるさらなる需要の増加によって、消費者が適切な情報を得られるようになったことや、タイ工業規格協会が空気清浄機の新しい基準を整備するなど、タイの空気清浄機市場に成熟がみられている。

また、タイを拠点とする電機メーカー「Mitsuta」が、手頃な価格で高性能の製品を発売してそのコストパフォーマンスが評価されている。

フィリピン:ネックレス型が大ブーム

フィリピンでは、2019年からネックレス型の空気清浄機が大きな注目を浴びていた。ドゥテルテ大統領が公的な場で何度も装着していたことが報じられたためだ。新型コロナウィルスが流行すると、日常的にこのデバイスを装着する人が急増した。2020年10月には、フィリピン保健省が、ネックレス型空気清浄機はコロナウィルスに対する有効性が不透明なため、コロナ対策としては推奨するものではないと注意喚起するほどの大きなトレンドとなった。

フィリピンのファッション企業「Boardwalk」が”ニュー・ノーマル・コレクション”としてネックレス型を発売している。可愛らしいデザインやクールなデザインなど、多様なタイプを揃えている。USB充電も可能だ。

シンガポール:香り・保湿など多機能の老舗メーカー 

シンガポールでは、パンデミックによって空気清浄機の売り上げが5倍伸びたと報告された。しかし集合住宅の多いシンガポールでは空気清浄機の歴史は比較的長い。

現地大手のブランド「Novita」は、空気清浄機市場で16年のキャリアがある。同社の製品は騒音が少なく、浄化の効率が良いと高く評価されている。基本的な性能である空気中のアレルゲン・細菌・臭いの浄化、加湿機能、マイナスイオンの放出などのほかに、香り付きの「空気清浄濃縮液」を使用するのが大きな特徴だ。この液体は、専用の加湿機能付きの空気清浄機で使用することで、肌のカサつき、細菌やウィルス除去、臭い除去に効果があるという。メーカー専用の消耗品だが、6種類の香りが販売されており、選ぶ楽しみも提供している。

韓国:IoTスタートアップの小型製品、デザインオフィスのおしゃれな製品

ここ数年、韓国では、中国からやってくる粉塵問題で空気清浄機の需要が順調に伸びていた。2018年には114%、2019年には85%の成長を見せ、この傾向は続くと思われた。しかし2020年、中国での工場稼働が止まった事に加え、晴天が続いたことで汚染濃度が大幅に減少。その結果、他国とは違って韓国市場の空気清浄機の売り上げは予想外に落ち込んだ。

一方で、ガジェット大国とも言われる韓国では、革新的なIoT(モノのインターネット)製品を提供するスタートアップが次々と登場している。IoTスタートアップの「BRUNT」は、 小型バケツのようなデザインのデスク用空気清浄機。大きさの割に浄化速度が早く、騒音がほぼない。スマホアプリによる制御や空気モニタリングもできる。シンプルなデザインだが、縦置き・横置きにも対応している。同社は今後、海外輸出にも力を入れる予定だそうだ。

またデザインオフィス「SWNA」による卓上空気清浄機「JAJU」は、手のひらに乗るくらいの小さなサイズ。優れたシンプルなミニマリスト・デザインが各国メディアで注目されている。

インド

インドでは経済成長に伴うスモッグの悪化により、過去4年で需要が急増した。また大都市だけでなく、小規模な街でも順調に需要を伸ばしてきたため、低価格製品も市場に出回るようになり、2020年はコロナの影響で売上高が前年比2倍以上と言われている。

そんななか、スタートアップの登場も目立ち始めている。ユニークな発想で海外メディアで話題となっているのは首都デリーにほど近い都市を拠点とする「Ubreathe」。”スマートポット”と形容される同社の製品は、本物の観葉植物を使用している。見た目は植木鉢に植えられた観葉植物だ。同社は、汚染物質を吸収して、きれいな空気を放出するサイクルを持つ特定の植物を利用し、そのプロセスを50倍に増幅させたシステムを実現して製品化した。コンパクトなサイズで、メンテナンスはフィルター交換の必要がなく、月に1回の水やりだけという手軽さも特徴だ。

アメリカ

アメリカの一般大衆誌「USA Today」は、専門家や販売データの独自調査やGoogleトレンドに基づいて、2021年のトレンド製品を発表している。ラウンジウェア、自宅用フィットネス器具、ワイヤレスイヤフォン、スマートスピーカーに並び、空気清浄機もトレンド入りした。パンデミックの影響で台頭した空気清浄機の成長は、2021年も継続するだろうと同紙は予測している。

さて、アメリカのスタートアップが手がける空気清浄機は小型がメインだ。

車内での使用に最適な「Cleanlight Air」は、車内のカップホルダーに収まるポータブル型だ。殺菌効果のあるUVライトが搭載されており、車内の殺菌が可能。スポンジに市販のアロマオイルを垂らして、車内で良い香りを楽しめるのも大きな特徴だ。

ウェアラブル型の「ReSPRSeLF」は、他の製品と同じく、イオンを生成する小さなデバイスを首から下げるタイプだ。フィルター交換などのメンテナンスは必要ない。同社は、同製品のコロナ対策としての有効性は100%ではなく、感染予防にはマスク装着やソーシャルディスタンスを保つなどの基本的な行動が必須だと強調している。

ヨーロッパ:エコやアートなスタートアップ製品

ヨーロッパ各国でも、屋外の大気汚染はもとより、屋内の汚染物質に対する注目度が大きく上がっている。ロックダウンで屋内に籠る時間が多いこの時世に、家庭用の空気清浄機が大きな伸びを見せている。

フィルターレスの「Eteria」は、イタリアのスタートアップ「Vitesy」による、ほぼ無音のスマート型だ。空気の状態をアプリで監視することができる小さなセンサーを各部屋に設置して、滞在する部屋にコンパクトな本体の浄化装置を運んでセンサーに取り付けるというユニークなシステム。フィルターは水洗いできるため交換の必要がなく、製品の素材は再生プラスチックを使用したエコ製品だ。

フィンランドの家族経営企業「6G」によるスマホサイズの「6G Cool」はポータブル型で、煙、花粉、アレルゲン、ウィルスなどを取り除くHEPAフィルターとPECOフィルターを組み合わせた世界最小の空気清浄機だ。USB充電式で、ストラップがついており、首やバッグから下げて外出時も使うことができる。

オランダ発の空気清浄機「Onda」は、これまでに紹介した製品のなかで最もユニークだ。壁掛け式で、一見アート作品のような見た目の本製品は、自然光を利用して微細な汚染物質を除去できる成分でコーティングされた布を使用している。布に描かれたアートのような曲線は、モニターしている空気の状態を光で表現する。

まとめ

小型化、スマート化が進む空気清浄機市場。日本の大手メーカーの製品は世界的にも人気が高いが、国内スタートアップ製品は多いとは言えない。一方で、海外スタートアップによる製品の多様性、革新性には目をみはるものがある。こうした市場は、輸入ビジネスとして新規参入する価値があるのではないだろうか。

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この記事の参考サイト

  • ExpatDen, How to Choose a Good Air Purifier in Thailand
  • The Nation Thailand, Under new standards, air purifyer must also clean the air
  • We Do Air, The 5 best air purifiers in 2020
  • Gov. Ph, Duterte wears air purifier to fight coughs, colds: Palace
  • Boardwalk, Ionizers and air purifiers
  • The Korea Bizwire, COVID-19 Paradox: S. Koreans Staying Home, but Air Purifier Sales in Freefall
  • Seoulz, Top 10 Korean IoT Startups to Keep an Eye on – Best of 2021
  • Business Today, As AQI dips across India, air purifier sales soar over 50%
  • Yourstory, This startup is fighting indoor air pollution with its smart pot plant
  • USA Today, 10 huge trends that will be everywhere in 2021
  • Trendhunter, Nano-Ceramic Filter Air Purifiers
  • Trendhunter, UV-Powered Portable Air Purifiers
  • Trendhunter, The 6GCool Mobile Air Purifier Protects Against Bacteria, Dust & Allergens
  • Yanko Design, THIS NANO-COATED TEXTILE AIR PURIFIER BEATS LIKE A HEART TO SHOW THE AIR QUALITY IN YOUR HOME
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