日本に住みながら米国へ輸出、米国のアマゾンで販売をする!
輸出は、必ずしも日本をベースしなくてもいいです。海外から海外への展開もできます。特に最近は、EPA(自由貿易)の発達により、これまで以上に海外間での貿易が活発です。
例えば、日本企業でありながら、中国で生産した商品をアメリカに輸送して、アマゾンアメリカで販売するなどです。この記事では、中国などの第三国で生産された産品をアメリカアマゾンで販売する為の具体的なステップをご紹介していきます。
アマゾン販売で輸出を構築する方法
海外で生産した商品を米国アマゾンで販売するには、どのようにすればいいのでしょうか?
海外工場から米FBAに直送するときの8つのポイント
海外の生産工場→アメリカアマゾン倉庫を実現するには、次の8つのポイントがあります。
- アメリカの輸入規制や制限をチェック
- 関税率の確認する。
- 海外の工場(サプライヤー)を見つける
- インコタームズを決める。
- 見本品の取り寄せと梱包の最適化
- フォワーダーの確保
- 海上保険の用意
- 出荷指示
1.アメリカの輸入規制や制限をチェック
まずは、アメリカ側の輸入規制を確認します。つまり、そもそも輸入可能な商品なのか?を調べるのですね! 確認ポイントは、次の8つです。
- 輸入禁止対象物品
- 制限貨物
- 船や飛行機での輸送時に「危険品」対象
- 化粧品や食品ではないのか?
- ワシントン条約の規制対象品
- 商標権や知的財産の侵害
- 報復関税など、一時的な制裁対象国となっていないか?
- アンチダンピングなど、アメリカが制裁を与えている国ではないか?
アメリカの輸入規制は、次のページで調べましょう!
- ジェトロの米国ページ
- 税関国境保護局(U.S. Customs and Border Protection)
- アマゾンアメリカの出品制限リスト
2.アメリカの関税率の確認
次にアメリカ側でかかる関税率や輸入税を調べます。関税以外にも特定品目に対して特別な税金が設定されていることもあります。輸入税の確認は、アメリカの輸入原価を計算する上でも重要です。
3.海外の工場(サプライヤー)の選定と見本品の取得
アメリカに輸出する産品の製造工場を探します。理想は、すでにアメリカ市場に輸出経験がある所です。
例えば、ホルムアルデヒドの規制をクリアする製品を製造できる工場、アメリカの認証をクリアする商品を製造できる工場などでうす。
サプライヤーは、トレードインディア、グローバルソース、アリババなどを使いましょう!また、別記事「海外のサプライヤー(仕入れ先)を探すときに便利な3サイト」
4.インコタームズを検討
サプライヤーとの取引条件(インコタームズ)を決めます。インコタームズは、輸出者と輸入者の責任と危険負担の範囲を明確にする物です。2020年現在はインコタームズ2020、11あります。この中から最適な一つを来ます。代表的なインコタームズは、EXW、FOB、FCA、CIFなどです。
製品重量や容積なども確認しよう!
- 貨物の重量が100キロほどであれば、宅配便
- 貨物重量が500キロほどであれば、航空便
- これ以上の重量は、海上貨物を検討します。
これら重量による観点と「配送料金、配送日数、航空便では配送できない貨物」の3つの点を総合的に判断して、どの輸送方法が良いのかを考えます。
例えば、宅配便のフェデックスであれば、工場から貨物を引き取るため「EXW」、最短の日数で先方へ送付できます。ただし、配送料金は、最も高いです。比較検討するときは、必ず各社のサイト内で提供されている簡易計算ツールを利用しましょう!
5.梱包の最適化
「できる限り配送料金を安くしたい。効率的な物流を構築したい。」と考えるときは、サプライヤーと相談をして、梱包を最適化します。この最適化には、国際物流間での効率性とアマゾン倉庫に納品するときの効率の2つがあります。
米アマゾンで販売されいる方は、FBAを利用が前提になるため、FBAが荷受けをする梱包要件を満たしておきます。つまり、サプライヤーと相談をしてラベル要件や梱包要件などを調整します。
- カートンの総数と重量
- 原産国
- アマゾンのラベル

アマゾンの梱包要件を満たす。かつ、物流費用が高くならないようまとめる。また、盗難被害を想定して、不要な表記を削除する。
6.フォワーダーの確保
中国からアメリカ、イギリス、欧州のFBAへ配送する場合は、アマゾン自体が「Amazon Global Logistics 」を提供しています。
その他は、中国とアメリカ間の輸送が得意なフォワーダーを利用します。フォワーダーとは「ある地点とある地点との間に貨物を運ぶ時は、海上が良いのか? 航空が良いのか? どの船会社が良いのか?」など、国際物流に関するすべての手配をコーディネートする会社です。
もし、アメリカのFBAに納品することを前提にする場合は、FBAに納品したことがあるフォワーダーを選びます。
一般的にフォワーダーは、物量が小さい仕事を引き受けたがらない傾向にあります。そのため、2、3社に見積もりを依頼して、その中から最適な業者を探します。
中国から米国アマゾンへのFBA納品ができるフォワーダー例
- FBABEE
- TJ China Freight Forwarder
- Noviland, Inc.
- Freightos等
また、アリババの出品ページでもアマゾンFBA納品に対応する事業者の一覧が紹介されています。
中国からアメリカアマゾンへのFBA納品
7.海上保険の用意
「万が一の事故に備える」これが海上保険をかける理由です。
例えば「コンテナの上面部分に穴が開いており、そこから海水が侵入して貨物がダメになってしまった。」通常であれば、あり得ないことが国際物流ではあります。これらのリスクを回避するために海上保険をかけます。
8.出荷指示
いよいよ出荷の準備です。この場合は、輸出国側の国内輸送、船のスケージュール、アメリカ国内の通関時間、配送時間などを考えて、FBAの納品日をうまく調整します。既述の通り、出荷日や配送日数などは、フォワーダーと打ち合わせをします。打ち合わせの結果、正式な輸送を依頼するときは「シッピングインストラクション」をフォワーダーに送ります。(EXWなどの場合)
シッピングインストラクションは、出荷を指示するための正式な書類です。フォワーダーなどは、この書類をもとにして配送スケージュールを確定させます。シッピングインストラクションは、船荷証券(B/L)の基にもなる重要な書類であるため、記載内容を入念にチェックします。また、併せてアメリカ側の通関で必要になる委任状「POA」を提出することもあります。
- 通関業者への依頼 シッピングインストラクション
- ISFファイリング(24時間ルール)
- 輸入ボンド
まとめ
- 製品の輸入制限を確認
- サプライヤーの選定とテスト輸入
- インコタームズを考える。
- 輸入原価とパッキングの確認
- フォワーダーを選ぶ
- 海上保険を用意する。
- 正しく出荷を指示。アメリカ輸入のルールを覚える。


国際輸送の見積もり依頼例
種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 横浜 | ハイフォン | 冷凍和菓子 | リーファー |
法人 | 深圳 | 名古屋 | ●●●●●用紙 816トン | 海上輸送 |
法人 | 横浜 | ハイフォン | 冷凍和菓子 | リーファー |
法人 | 深圳 | 名古屋 | ●●●●●用紙 816トン | 海上輸送 |