種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 上海 | 大阪 | アルミ製品 1.8トン | 海上輸送 |
法人 | 東京 | 基隆 | 冷凍海産物 3トン | リーファー |
法人 | 上海 | 大阪 | アルミ製品 1.8トン | 海上輸送 |
法人 | 東京 | 基隆 | 冷凍海産物 3トン | リーファー |
非常事態宣言下のタイ。チャトチャック市場に入ると、あまりにも悲惨な光景に足が止まる。人の声がしない。シャッターが閉まっている。だだっ広い静かな敷地内に一人ぽつんと置かれ、絶望的な気持ちになる。人の消えたバンコクの市場を報告します。
関連記事:バンコクの悲惨な現状2 バンコクのマーケットは壊滅的!?
バンコクの悲惨な現状レポート1(5/21日公開)
タイでは、厳しい規制の非常事態宣言が出されている。
なぜ、こんなにも変わり果てたのか? そこには、タイの現在の状況がとても強く影響しています。現在、タイ全土で非常事態宣言が出されています。街ごとにロックダウンはされていませんが、集団クラスターで部分的に封鎖している場所があります。
夜間外出禁止令は出されていませんが、コンビニの営業は5‐23時迄。23:01‐4:59迄停止です。感染者の多いor少ない県によって規制の違いはありますが、飲食店での酒類の提供は禁止。バンコクでは店内飲食が可能なのは21時迄で、着席可能な人数は本来の25%以下に制限されています。かなり厳しい措置ですが、これでも緩和されています。
このような措置は昨年も一時期ありましたが、今後も続けば、深刻な社会問題です。つぶれているお店は結構あり、観光客の多い地区程その傾向が顕著です。飲食店でこれですから、観光客の来ない市場はもっと悲惨な状況です。
ホテルで14日隔離しなければならない。これでは気軽に行けない。
バンコクの現在の姿は、観光客がいないことが大きく影響しています。一部の国を除き、タイへの入国は可能ですが、ハードルは相当高いです。日本人の場合、バンコク行きの便の大幅な減少、チケット代の値上がりがネックになっています。それに加えて10万B以上の保険の加入、PCR検査での陰性証明書などの持参が必要です。
入国後も、タイ政府指定のホテルで14日間の隔離措置があります。もはや、以前のように気軽にタイへ行くことは難しいです。これでは観光客は来ません。その結果が今の市場の状態なのです。市場には、多少のタイ人客はいますが、仕入れに来るバイヤーや外国人観光客がいなくては商売が成立しないお店が多いです。
観光客に関する上記の措置は、当分続くと思われます。それでも今年の10月以降には、徐々に緩和されていくだろうと噂されています。日本よりも観光客への依存度が高いため、そうせざるを得ないのでしょう。
チャトチャック市場
通常の1/10の客数。それが今のチャトチャック市場です。馴染みの古着店はほとんどシャッターが閉まっており、“いつ行けるかわからない”店主から毎週LINEが入ります。古着店の店主たちの多くは、タイ南部のパッタニー県に住んでいます。平日は地元で仕事をし、土日に市場で働きます。しかし、今、彼らはバンコクへ行けないのです。
「当面の間、不要不急もしくは居住地で働いている場合は、県境を越えた移動を中止もしくは延期すべきである。」
タイ政府からのお達しが出ています。そのため、一番人気の古着セクションはシャッターが閉まっているお店が多いです。メイン通りにあるお店は、それなりに開いています。また、雑貨や日用品店も開けている所が多かったです。
しかし、その他は全滅状態。特にセクションの3つ目あたりからのsoi(小道)にあるお店はほぼ全てが閉まっています。あまりにも悲惨なので、閉まっている店がどれぐらい連続しているか数えながら歩きました。55件目に、Tシャツ店がオープン。しかし、そこからまた連続して48店がシャッターで
した。「お店、貸します。売ります。電話を。」の張り紙も多く見受けられます。ほぼ毎週行っていたこの市場へ、当分の間は用がないことが寂しいです。
プラトゥーナム市場
大型のモールが建ち並ぶレディース・アパレルの地です。ここは、観光客よりもタイ人の客割合が多いです。歩きまわった結果、一番人気のプラチナム以外は全滅状態でした。
プラチナム・センター
客の入りは、通常の1/5あるかどうかです。お店は9割方オープンしていますが、なにせ客がいないので、皆、スマホをいじりながら時間を流しています。ここには、オーダーをしに行く長い付き合いのお店が何軒かあります。
“あなた以外客が来ないわよ!”
“いつになったら、日本人は来るの?”
“モール側が、ようやく家賃を下げてくれたわ”
日々、タイ人客と観光客でごった返していた光景は、どこに行ってしまったのか?プラトゥーナム市場で一番人気のモールがこのような状態ですから、他は行かなくても知れています。地方でお店を営むタイ人も買い付けに来る所なので、上記の政府のお達しがあるため、お店にはかなり痛いでしょう。もはや、プラチナムとは名ばかりの結構深刻な状況かと思います。
MARKET
閉館したISETANが入っていたセントラル・デパートの対面にあります。
“チャトチャック市場の人気店が集結!”
オープン前の触れ込みは力強かったのですが、今や、その姿は全くありません。まだオープンして2年位でこの状況では、先は短いかもしれません。館内で元気なのは、ドン・キホーテ位です。
パラディウム・センター
1Fは、人がパラパラ。2F、3F、4Fと階を上がって行くほどに、悲惨な光景となっています。もともと“買うモノがない”と有名なモールで、閉まっているお店は多かったのです。2Fに事務所を構える知人のバイやーは“静かで、仕事するには絶好の環境”と笑っていました。
B1Fにある長い付き合いのカーゴ店は“日本人が来ないから、荷物が減っている”それでも他店に比べて荷物量は多いです。つぶれているカーゴ店が目に付きます。同じくB1Fにあるシルバー店は、どこも客がいませんでした。
インドラスクエアー
館内はクーラーが作動していません。大型の扇風機が各所に置かれています。9割方お店は閉まり、客もいませんから電気代がもったいないのでしょう。あまりにも悲しい状況なのに、笑ってしまいました。シーンとした館内は、パラディウムと同じくらい絶望的です。
バイヨークスカイ・ホテル
事前に店主から“店は閉めるよ”と言われていましたが、よく買い付けに行くB2Fと4Fの状態にショックでした。ほぼ、閉まっています。「ご注文は、LINEで」の張り紙がそれなりに貼られています。日本人ご用達のお店が多いだけに、ここがこんな状態だと、近い将来、タイの商品は日本のオークションから消えてしまいますね。
こんな状態でも、出来ることはやって行こう。
どこへ行っても買い付けが出来ないため、今はLINEでオーダーしたり、商品画像を送ってもらっています。買ったはいいが難問もあります。こんな状況なので、日本行きの便は大幅に減少。通常4日程で届くEMSでさえも、到着に一週間、遅いときは二週間近くかかっています。バイヤーにはなんとも苦しい状況ではありますが、制限されている中でもやれる最良のことを、と仕事を続けています。
「市場に、笑顔が戻ってくるのはいつになるのか?」
その日迄、なんとか踏ん張るしかありません。
バンコクの現状、画像で紹介!
*画像の無断転用は犯罪行為です。固くお断りいたします。
バイヨーク周辺
チャトチャック周辺
インドラマーケット
MARKET
パラディウム
プラチナムファッションモール
レポート1のまとめ
- タイの現在、移動や店内飲食などがいろいろ規制されかなり厳しい状態。
- 入国後、ホテルで14日間隔離。もはや、気軽にタイへは行けない。
- 人がいない。こんな変わり果てたチャトチャック市場を見るのはつらい。
- プラチナム・センターでさえ、活気を失っている。他の場所は絶望的。
- 買い付けが出来ない、到着が遅れるなど、バイヤーにはとても苦しい状況。
2021年バンコクの現状・その2(6月8日公開)
感染者数の大きな減少はなく、非常事態宣言延長へ。
その後のタイの状況ですが、大きな変化はありません。非常事態宣言は延長され、日々の感染者数も増えたり減ったり。以前に比べれば多少は減っているようですが、新規の集団感染者が多く見つかっています。感染者が一番多い県はバンコクで、次に多いのが収監所です。
日々、各県と収監所を区別しての感染者数が報告されますが、日によって収監所での感染が一番多いときがあります。さらには建築現場作業員宿泊所、工場、市場での集団感染が目立ちます。政府は集団感染した場所をすぐに封鎖し、周辺住民を含めて積極的にPCR検査を行っています。日本と違って、場合によっては強制的ではあるけれども、タイ政府は迅速に対応しているようです。
日本は憲法上強制が出来ませんので、出来うる最大限のことをしているのではと思います。厳しい状況はまだまだ続きそうですが、タイも日本も、世界各国のがんばりが続くことを願っています。
一度、規制緩和の発表はあったが、すぐに取り消しに。
感染者の多い場所が上記のようにある程度は特定しており、感染者数は多いけれど広く分布していないことから、バンコク都から一部を規制緩和すると発表されました。以下の施設が営業可能になりました。
- 美術館やギャラリー
- ネイルサロン、美容クリニックなど
- スパ、マッサージなどの健康施設
- 公園、植物園(集会宴会は禁止)
*その他の施設は6月14日迄封鎖継続
これで、ようやく日課のランニングが公園で出来ると喜んだのも束の間、数時間後に政府から規制緩和はしないと発表されました。タイらしいと言えばそれまでですが、チャトチャック市場が開いているなら、公園を開放してもいいのでは?タイでは、これまで公園でのランニング中での集団感染は一度もありませんが、うーん、これには参りました。美容院はオープンしているけれど、マッサージ店がまだオープン出来ないのも?と思えてなりません。今回の規制はなかなか厳しいです。
ワクチンの接種は始まっている。しかし、ワクチンの入荷は遅れている。
タイでは、ワクチン接種も始まっています。年配の方や、感染のリスクがある職業に従事している方から優先的に行われています。チャトチャック市場の店主の何人かも“接種した”と報告がありました。接種は強制ではありませんが、聞く所によるとプーケットでは住民のほとんどが接種して、まもなく来るであろう観光客へ“安全なプーケット”をアピールしたい考えだそうです。
観光地はどこも死んでいる状態ですから、このような取り組みを海外へ訴えるのは大切でしょう。なお、在住外国人のワクチン接種の登録は始まりましたが、ワクチンの入荷が遅れそうで、接種出来るようになるのは10月頃からとなりそうです。
他の市場の状況はどうだろう?
上記のような状況の中で、バンコクの悲惨な現状1でお知らせ出来なかった他の市場はどうなっているのか?結論を言えば、思っていたよりも活気があった所もあれば、封鎖中の所もあります。以下、ご報告します。
ボーベー市場
安価なアパレル商品が揃っている市場です。いろんな通りにお店は点在していますが、メインはB1Fから4Fにお店が入っているボーベータワーです。
私は、無地のTシャツやポロシャツ、パロディTシャツを買い付けに行きますが、行く頻度はチャトチャック市場に比べれば少ないです。一ヶ月に一度行くかどうかです。外国のバイヤーも来ますが、タイ人客の方が多い印象です。
館内の様子は、シャッターが閉まっていたチャトチャックやプラトゥーナムのようではありませんでした。お店の9割方はオープン。客もぽつぽついて、特に変わることのない日常がそこにありました。買い付けに行くお店の主人も“そんなに変わらない”と言っておりました。しかし、チャトチャック市場などの様子を伝えると、かなり残念がっていました。さほど普段と変わりはなくても、売れていないお店は多い気がします。
バンコク/タイの三大卸売り市場 サンペン、ボーベー、チャトゥチャック
サンペーン市場
中華街の通りにお店が点在している市場です。用がなく長い間行きませんでしたが、見た感じは“いつもの日常があった”です。閉まっているお店はほとんどありません。通常よりも人は少ないですが、他の場所に比べれば活気はある方です。
しかし、いつもはうるさい中国語が全く飛び交っていなかったので、中国人観光客のいない街はどこか沈んでいるようにも感じました。その他クロントゥーイ市場やパークローン花市場では、多くの感染者が出て封鎖されています。先にもご報告したように、市場での感染者が多く見受けられています。これ以上悪化しないことを祈るばかりです。
ナイトマーケットもかなり悲惨な状況。
つぶれた所、感染拡大で封鎖中の所、人が来ないので営業していない所が多いです。
タラート・ネオン
プラトゥーナムにあるローカルな市場です。噂では聞いていたように、全てのお店がなくなっていました。観光客を集めるにはロケーションが良くなく、タイ人客も少なかったです。いつなくなったのかは不明です。
パラディウム前の屋台&ナイトマーケット
夕方からTシャツやジーンズ、帽子やバッグなどのハンガー屋台が出現します。見たときは、わずかな屋台しか出店していませんでした。ナイトマーケットを見に行くと、現在は営業していないと言われました。
ARTBOX
スクンビットのアソーク駅とナナ駅の中間に位置する公園内の市場です。ここは、一年程前にナイトマーケットの契約が終わったようで、現在はやっていません。
ラチャダー鉄道市場
一年程前につぶれました。その後復活しましたが、出店している数は1/3程に減っています。観光客の中でも中国人が多かったのですが、今やわずかなタイ人客がいるだけです。
ホイクワン・ナイトマーケット
一度、移転しました。その後、市場で感染者が多く出て封鎖されました。今は再開されたようですが、タイ人客は少ないと聞きます。
パッポン・ナイトマーケット
現在、ゴーゴーバーやビアバーが営業停止中です。そのため、マーケットはやっていません。観光客メインの所なので、このままではつぶれる可能性があるようです。近くのシーロム通りの屋台も現在はかなり減っています。同じことはナナの街にも言えることで、今まで見たことのない物静かな街に変わっています。屋台は少なく、つぶれているレストランが多く見受けられます。
観光地や大型百貨店なども苦しんでいる。
人のいない市場の厳しさはさることながら、数多くの観光地も大打撃を受けています。ワットポーは、一時入場が禁止されました。現在は入場可能ですが、観光客の来訪がないので閑散としているようです。水上マーケットやアユタヤ遺跡なども似たような状況です。知人が住んでいるパタヤでは、観光客がいないために夜の街はゴーストタウン化しているそうです。一度パタヤでのんびりしようかと思っていたのですが、その状況を聞いたのと、県を跨いでの移動の自粛が出ているので断念しました。
一方、バンコクの大型百貨店に目を移すと、これまた悲惨な状況です。制限はあるけれども店内飲食が再開されたので、週末にはタイ人客が押し寄せています。しかしながら平日は閑散としています。リモートワークに切り替えている企業や店員を減らしている店が多いので、街や店内で見かける人も少ないです。タイは、今、我慢のときであります。
レポート2のまとめ
- 緊急事態宣言は延長され、予断を許さない状況はつづく。
- ワクチン接種は始まった。しかし、ワクチンの入荷は遅れている。
- タイ人客メインの市場は、さほど変わった様子には見えない。
- 観光客メインのナイトマーケットは、どこも悲惨な状況。
- 観光地は閑散とし、百貨店は週末だけやや賑わっている。
タイの写真集
ボーベー市場
サンペーン市場
パラディウム前の屋台
タラートネオン

