【銀行向け】地域商社が輸出取引を始める時のポイントを解説!

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    この記事は、銀行等が経営する「地域商社」が貿易を始めるときのポイントを説明しています。

    全国にある都市銀行、地方銀行、信用金庫は、長らく護送船団方式により守られてきました。しかし、昨今、銀行を使わない取引の拡大、ブロックチェーン技術等の発達により、経営環境は悪化。ある大手雑誌には「危険な銀行ランキング」なども紹介されています。

    このような状況下の中、銀行としても新しい事業を模索されている所もあるでしょう。

    例えば、既存の顧客リストをもとにした貿易取引などが考えられます。これは、銀行の立場だからこそできる貿易です。自社の顧客が持つ商品力を理解し、必要な所へ輸出をする。これができれば、地域経済の発展と顧客からの信用獲得(融資獲得)の両方から有益であると考えます。

    今後も、金融機関の立場を活かし、世界中へ商品を届ける動きは活発化するとも予想してります。例えば、「あの銀行さんを使えば、この国への輸出ルートを作りやすい」、このような噂になれば、貴行を利用する価値が出てくるのではないでしょうか?

    • 銀行は、単なる金貸しで終わっていれば、没落。
    • 需要と供給を結ぶ国際ラインになれば、強い。

    私は、こう考えております。そこで、この記事では、貿易取引が初めての銀行・金融機関の皆様に向けて、貿易取引を始める上でのステップ、注意点などをご紹介していきます。なお、基本的な知識は「貿易会社の設立ノウハウ」をご覧ください。

    銀行が貿易を始めるときに考えるべきこと

    日本の人口縮小が続いています。地方は、ますます疲弊し、悲しい状況です。私は、仕事柄、日本全国に行くことが多いため、東京などの都市部と、地方との格差をヒシヒシと感じます。また、地方でも都道府県によって、圧倒的な格差があります。

    そんな疲弊する地方でも、手をこまねているわけではないです。各地自体が主導して、いわゆる「地域商社」を確立して、輸出等にチャレンジする所が増えています。そして、この地域商社の一員として、銀行等が加わることが多いです。

    この記事では、銀行等が地域商社を確立して、海外企業等との間で、貿易取引する上でのポイントを説明していきます。

    地方自治体から要請で地域商社を設立

    「地域の逸品を海外に輸出し、地域経済の発展を。その主導を銀行さんにお願いしたい!」

    このように自治体から要請を受けた銀行は、地域の特産物等を扱う「地域商社」を確立します。地域商社にすることで、様々な補助金等を受けやすく、自治体からのサポートも手厚いです。

    ただ、実際に、このような要請を受けたとしても….

    • 日々の貿易業務では、L/Cくらい。
    • 海外取引の入出金くらいしか経験がない。
    • 自社に全く貿易ノウハウがない。
    • 対応できる人脈も少ない。

    そのような銀行も多いでしょう。この記事は、まさに、上記の方々を対象としています。どのような流れで貿易取引を始めればいいのか? 又は、検討すればいいのでしょうか? 銀行家の立場から、貿易を始める上で必要なポイントを確認していきましょう!

    基本的な準備

    まずは、地域商社を設立するさいに、補助金や助成金がないかを検討します。日本政府は、特に海外輸出に関するビジネスに多額の補助金を出しています。これを適用できないか?と考えます。

    • 経済産業省
    • ジェトロ
    • ドリームゲート
    • 各種補助金サイト

    などで、地域商社の設立にかかる費用の補助や、海外輸出をするときにかかる費用を補助する制度がないかを確かめてみましょう。もちろん、地域商社の設立を希望する自治体にも確認します。

    税関コードの取得、リアルタイム口座の取得

    次に税関コードリアルタイム口座の開設をしています。税関コードとは、輸出入の情報を記録する数字のことです。貿易に関する実績は、この数字に記録されていきます。現時点では、意味が分からなくても良いので、まずは登録を済ませましょう!

    一方、リアルタイム口座とは「輸入取引」のときに関係します。いわゆる日本側の消費税や関税等の支払いを特定の口座から引き落としができます。これは、フォワーダーが取引を始めるかどうかの判断に影響を与えます。もちろん、輸出取引しかしない場合は、すぐに作成しなくても良いです。少しでも輸入の可能性があるなら、作成しておきます。

    貿易取引の具体的な検討ポイント

    次に、より具体的な貿易取引を検討していきます。

    1. 輸出先の選定方法
    2. 決めるべき条件
    3. 輸送費の見積もり方法
    4. 輸出通関の準備
    5. 輸出後の書類保管
    6. 輸出免税の適用

    1.輸出先の選定

    まずは、輸出先を見つける方法です。輸出先は、アリババ等への出展、海外見本市への出展等が主な方法です。銀行等であれば、自社の海外支店のネットワークから見込み客を発掘できます。

    つまり、日本側の商品と、輸出先で、その商品を販売するネットワークを持つ企業とをつなげることがポイントです。輸出先で販売ルートを持つ企業を見つけます。販売ルートを持つ企業は、次の2つの方法で開拓します。

    • 在日の輸出先国大使館(例:タイであれば、東京にある在日タイ大使館)の商務部から紹介
    • 現地で販売されているお店の商品ラベルから特定する。

    例えば、タイに輸出を検討する場合は、東京にある在日タイ大使館の商務部に問い合わせます。商務部は、タイと日本の経済拡大を目標としているため、取引先の企業の紹介等も受けられます。

    また、輸出先のスーパー等の販売店からも情報を調査できます。商品にラベルが貼ってありますね?このラベルの「販売元」等を調べることで、現地に販売ネットワークを持つ会社がわかります。その他、ジェトロには、海外ミニ調査サービスがあります。こちらも活用をしてみましょう!

    2.契約条件(決めるべきポイント)

    今回は、海外支店のネットワークから生まれた貿易取引との仮定で話を進めていきます。

    =相手のことがわからない場合は、交渉の前にある程度、信用調査が必要です。

    信用調査の結果、特に問題がなければ、具体的な交渉を始めていきます。この交渉やコンタクトは、できるだけメール等で行い、後からいつでも送信内容、時系列、許諾内容を確認できるようにします。もし、全く返信がない場合は、電話でもOKです。但し、やり取りは、メールが基本です。

    *後ほど、トラブルになった際に重要な証拠としての意味を持ちます。

    相手の交渉の中では、次のポイントを確認します。

    • 相手へオファーを送る場合は、自社のプロフィールを作成する。
    • 長々と書かない。要点を簡潔に。
    • 相手のメリットを考える。

    相手に対して、取引を持ち掛ける場合は、希望する内容、要点等をできるだけ簡潔にします。くだらない季語や挨拶などは不要です。あなたは、何を希望しているのか?どうしたいのか?をできるだけ簡潔にまとめます。

    このとき、あわせて「自社のプロフィール」を作成して置き、相手が確認できるようにします。

    例えば、メールの本文内に、自社プロフィールが記載されているURL、商品URL等を記載する他、商品に関するパンフレット(カタログ)を添付するのもいでしょう。また、ある程度の価格も記載します。例:FOB TOKYO PORTなど(東京港だしの価格)いずれにしろ、相手のメリットを第一として内容にすることがポイントです。

    Q.輸出先の相手と交渉する内容は?
    • 何をいくらで購入する?
    • その商品の代金は、いつ、どのような手段で支払う?
    • インコタームズは何にする?
    • 最小購入数量と価格は?
    • リードタイムは、どれくらい?
    • 商品にダメージが発生していた場合は?
    • 海上保険はどうする?
    • 輸送はどうする(航空?フェリー?コンテナ船?)

    などの項目を交渉で決めていきます。なお、メールでやり取りした内容は「ウィーン売買条約」等にも関係するため、受け入れられる条件、受け入れられない条件等を項目ごとに回答します。

    Q.お金の受け取り方法は?

    輸出代金の受け取り方法は、T/T(銀行決済)、ペイパル、ペイオニア、L/C決済、エスクロー等があります。アリババを使う場合は、アリババの支払い(エスクロー)、その他の場合は、T/T、ペイパル等が多いかと思います。L/C決済は、一回の貿易金額が200万円を超えるときに検討します。とは、いえ、銀行としては、本業の銀行経由の支払いが本望だとは思いますが….

    Q.売買契約書、インコタームズ、国際輸送の関係は?

    上記の内容の結果、ある程度、まとまったら、プロフォーマインボイス等を作成します。この一連の流れの中で特に考えるべき点がインコタームズと国際輸送です。

    インコタームズとは、国際貿易の「型」です。この型には、売り手と買い手の危険負担の範囲と費用負担の範囲が定義されています。売り手と買い手は、たった一つのインコタームズに合意をして、取引をします。そして、このインコタームズは、後述の国際輸送とも大きく関係してきます。

    例えば、相手との間で「FOB」で取引をする場合は….

    取引相手が「日本の港から、輸入国までの輸送費用を負担する」と判断できます。

    一方、これが「CIP」であるなら、

    輸出者であるあなたが「国際費用と海上保険費用を負担しなければならない」と判断できます。

    相手と「何のインコタームズで合意するのか?」は、その後の国際輸送で大きく関係してくるため、十分に気を付けましょう。ちなみに、取引で多く使われるインコタームズは…

    等です。また、このインコータムズには、バージョンがあります。最新のインコータムズは「インコタームズ2020」であるため、売買契約書等には、このバージョンを含めて記述をします。特にアメリカは「FOB」に対する考え方が独特であるため、気を付けます。

    例えば、航空輸送なのにFOBを指定したり、定義されていない「EX GODOWN」を使ったりすることは間違いです。また、コンテナ輸送なのにFOBを指定するのも、厳密には誤りです。

    インコタームズ・FCAとFOBの違い。コンテナはどちらを?

    輸出にかかる費用例

    例えば、ある商品を輸出する場合は、次のような費用が発生する可能性があります。見積もり範囲にもよりますが、3~7番までは、全てフォワーダーから見積もりを依頼できます。

    1. 商品代金
    2. 特定原産地証明書等の取得費用
    3. 梱包代(資材代や人件費等)
    4. バンニング(貨物をつめる費用)
    5. 日本の搬入地までの輸送代
    6. 税関検査代(必要な場合)
    7. 輸出通関代
    8. 国際輸送代

    3.輸送費の見積もり方法

    貿易取引は、輸送ルートの構築が一つの課題です。この輸送ルートを相談できるのが「フォワーダー」です。フォワーダーとは、飛行機や船のスペースを業販価格で購入し、荷主で再販売する業務をしています。旅行でいう「旅行代理店」のような位置づけです。

    国際輸送の見積もり等は、このフォワーダーに対して行うことが一般的です。その理由は、直接、船会社や航空機会社に依頼をするよりも安いからです。一見、航空機会社等へ直接依頼した方が良い気がします。しかし、それは、完全な誤解であるため注意します。

    輸送量がそれほど多くない場合(例:月間、何十本もコンテナを輸送する等)は、迷わずフォワーダー一択です。特に今回は、スタートアップです。基本は、フェデックス等のインテグレーターを利用しても良いほどです。

    輸送量が少ない状態、かつ、輸送料金を下げたいときは、フェリー輸送または、LCL輸送を検討します。もし、温度を一定に保ちたい場合は「リーファーコンテナ」も便利です。初回は、まず輸送ルートを構築し、安全に荷物が輸送されることを目指しましょう!

    選ぶインコタームズにより、あなたが輸送の見積もりをするべきか?が変わります!

    4.輸出通関の準備

    無事に相手との契約が完了し、輸出通関をする場合は「輸出通関で必要な書類」を用意します。併せて「輸出通関の流れ」、「航空輸送貨物の輸出の流れを徹底解説」をご覧ください。

    5.輸出後の書類保管

    無事に輸出が完了したら、輸出に関連する書類を保管します。貿易取引に関する書類は、既定の年数保管する義務があります。時々、経済産業省や税関等から事後調査が来たときは、輸出許可書を含めて一式を提示する必要があるため、抜かりなく保管します。

    6.輸出免税の適用

    輸出取引には「輸出免税制度」を適用すると、消費税が還付されます。必ず、この制度を使い、少しでも輸出利益を増やしましょう!

    以上、銀行が輸出取引をする場合の流れや注意点等を解説しました。何かわからない点等がございましたら、以下のメールに連絡をお願いします。(記事の追記事項として検討します。)個別回答が必要な場合は「有料貿易相談」で対応いたします。

    もし、フェリー船の手配等、物流関連のお見積りが必要な場合は「輸送の見積もり依頼ページ」からよろしくお願いします。

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    輸出ビジネス
    この記事の執筆者
    HUNADE

    貿易サイト「HUNADE」の代表。通関業者で勤務した経験をもとにして「もっと貿易を身近に。」をミッションに活動中!難しい貿易をできるだけわかりやすく解説し、貿易の一助になることが目標。基本的には、東海地方に住みながら国内各地、海外などでも活動し、できるだけ柔軟な発想を維持できるように努力しています!

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