船会社の倒産 インコタームズとフォワーダー

船会社 倒産 インコタームズ国際輸送
この記事は約5分で読めます。

韓進海運による経営破綻は、貿易取引の輸送リスクを知る好機でした。「物を届ける。物を受け取る。」この単純な流れの中にも想定するべくリスクがあります。そこで、この記事では、船会社の倒産とインコタームズにより、どのようなリスクを考えるべきかをご紹介していきます。

船会社 倒産 インコタームズ

船会社の倒産とインコタームズ

輸送上のリスクを下げることは、安定的な貿易取引をする上で重要です。輸送上のリスクにも様々な物がありますが、その中の一つに「船会社」の倒産があります。詳細:「船会社のクライシス」世界ランク七位のメガキャリアでも、収益性の悪化により、経営破綻に追い込まれる時代です。

「輸出側の作業も終わり、いよいよ日本に貨物が到着しようとしている。ところが、いきなりその船会社が倒産して留められてしまう。」

このような状況をイメージできますでしょうか? もちろん、「そんなことはあるはずがない」と言いたい所ですが、実際、2016年に起きた出来事です。当時、倒産した韓進船は、港への荷役料が払える見込みがないとの理由から、世界中の港から「入港拒否」を受けて洋上で待機させられました。

もちろん、ここ日本の港も入港拒否をしたため、韓進海運に貨物を乗せている荷主は、多大な影響を受けました。結局、韓進と直接契約をしている荷主は、自社の費用と責任をもって代替え輸送の手配、フォワーダーを通していた人は、フォワーダーによる責任と費用により、当初の予定地まで貨物が輸送されたのでした。

船会社の経営破綻を通して考えてみると、やはり、インコタームズと船会社との契約方法が重要であることがわかります。インコタームズにより、輸出者と輸入者、どちらが対処するべきなのか?が明確になり、船会社との契約方法で「代替え輸送の責任の所在」が明らかになるからです。

インコタームズと責任

インコタームズとは、輸送上における危険負担と費用負担の分岐点を明確にした物です。危険負担とは、輸送上のトラブルにより、貨物にダメージが発生したときの責任範囲、費用負担とは、輸送にかかる費用の支払い範囲を指します。

「輸出はFOB」、「輸入はCIFである」と覚えている方が多いです。しかし、本来は、危険負担と費用負担の分岐点を理解した上で、取引に応じた最適な条件を選ぶべきです。この危険負担の分岐点を理解せず、昔ながらの「慣習」でインコタームズを決めていると、船会社が破綻したときなどに、大きな痛手を負います。

関連記事:インコタームズ入門

インコタームズにより、売り主と買主のどちらが対処するのか?が決まる。

船会社の倒産とインコタームズ 3つのポイント

船会社を選定する上で、次の3つのポイントを意識して、インコタームズを考えましょう!

  1. ”こと”が発生したときに、誰に連絡をするのか?
  2. 海上保険の支払いは受けられるのか?
  3. 誰に運送責任があるのか?生じる損失は、どちらが負担するのか?

1.”こと”が発生したときに、誰に連絡をするのか?

船会社が倒産したときに、誰に、何を伝えればいいのか?を把握しておきましょう。関係するのは、売り手、買い手、船会社、フォワーダーと、買い手の先にある業者です。特に買い手の先にいる業者は、納期遅れにより多大な迷惑をかけるため、逐一、細かい状況報告した方が良いです。

2.海上保険の支払いは受けられるの?

万が一、船会社が倒産したときに、その損失は、海上保険で賄えるのか? 賄えるときは、どの範囲まで可能なのか? を調べておきます。 2009年改訂協会約款のICC(A)を付保している場合は、船会社の倒産による損害の補償として海上保険を適用できると解釈されています。ただし、海運会社の「倒産情報を知っていた場合」は、補償の対象外になります。

3.揚げ地までの運送責任は、誰が負うのか?

船会社が倒産したときは、誰に運送責任があるのでしょうか? 船会社でしょうか? それとも売り手でしょうか? これは適用するインコタームズとフォワーダーに依頼をしているのか?で決まります。

船会社が倒産したときの運送責任は、船会社自体にあります。しかし、B/Lの約款には、経営破綻とともに「運送契約を解除する」旨の記載があるため、船会社に責任を追及する権利はありません。そのため、船会社が倒産したときの運送責任は、売り手、買い手または、フォワーダーにあります。三者の内、いずれが負担者になるのか?は、インコタームズで決まります。

3-1.フォワーダーを通して運送契約をしているとき

この場合は、FCRによって、フォワーダーが揚げ地までの輸送責任を負っています。そのため、売り手や買い手が何かをする必要はありません。

3-2.直接契約をしているとき

船会社と直接契約をしているときは、売り手と買い手のインコタームズによります。それぞれのインコタームズと危険負担の関係は、次の通りです。この中にあるCIFは、売り手が輸出国から輸入国までの海上運賃と保険料を支払う条件です。しかし、危険負担の分岐点は、輸出国側の本船甲板にあるため、航海上のアクシデントは買い手が負います。

上記の事実をふまえて、採用するインコタームズを決めるようにしましょう!

インコタームズ売り手/買い手
EXW買い手
FCA買い手
CPT買い手
CIP買い手
DAT売り手
DAP売り手
DDP売り手
FAS買い手
FOB買い手
CFR買い手
CIF買い手

■ポイント 危険負担と費用負担の分岐点は、常に同じではありません。

まとめ

  • 船会社は、航海途上で倒産すると、運送契約を強制的に解除する。もちろん、何の補償もなし
  • 運送契約解除後の対処は、インコタームズに基づき決まる。
  • 解除時、危険負担を負っている方が輸入港到着までの費用を負担する。(船会社と直接契約をしているとき)
  • フォワーダーを通して契約しているときは、フォワーダーが揚げ地まで輸送をしてくれる。
  • あらゆるリスクを想定した対処方法を考えておくことが重要です。

海上輸送/フォワーダーを選ぶときの5つのポイント(注意点)

船の手配 独立系NVOCC(フォワーダー)を選ぶべき理由

FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録

国際輸送見積もり


【基幹記事/カイコン】海上輸送入門・保存版

[スポンサードリンク]


\ 通関代行・対比表、輸送見積もり好評受付中 /
お問い合わせはこちら!
\ 通関代行・対比表、輸送見積もり好評受付中 /
お問い合わせ先
タイトルとURLをコピーしました