貿易業界の閉鎖性は問題!AIにより業界は再編される!?

貿易業界 閉鎖性貿易コラム
この記事は約8分で読めます。

貿易業界の閉鎖性と古さは「ヤバイ」です。この先、5Gが普及し、AIが浸透してくると、既存の業界ルールは、大きく壊される可能性が高いでしょう。時代に取り残された企業は、淘汰されて消える。他方、ITをフル活用した新興企業は、大きく成長する可能性があります。古臭さとチャンスの両面を持っている貿易業界に対して提案するのは「貿易業界全体のスコア化」です。

スコア化とは、貿易業界に属する企業の「見える化」です。貿易業界に新規参入する企業と新しい取引を始めるときは、いわゆる「与信調査」などをして、取引リスクを考える企業が多いです。これについては、納得ができます。しかし、この調査をするさい、昔ながらの古臭いルール(合理性に欠けた判断基準)で判断する企業が多く、新規参入者がなかなか取引を始められないことが多いです。

そこで重要なのが判断の基準とする「客観的なスコア」の導入です。つまり、貿易業界に関わるすべての企業をスコア化し、新しい企業が参入しやすい環境を整えることです。これにより、既存の「見せかけ企業」の淘汰は、進みます。他方、個人事業主などの小さな企業、かつ、健全性が高い所の新規参入が促進されます。

貿易業界とIT化

「貿易業界」というと、非常に対象が広くなってしまうため、ここでは通関業者やフォワーダー、船会社など、荷主と荷主をつなぐ会社をさしているとお考え下さい。これらの業界を一言で表せば、時代遅れの斜陽作業、徐々に存在意義がなくなってきています。業界には、さらなるITの投入が必要であると考えます。なぜか? 今から、この考えに至る理由を説明していきます。

新規荷主はチャレンジができない。

日本政府としては、少子高齢化による国内市場の縮小を考えて、日本企業に海外マーケットをせめるように勧めています。その具体策がEPA(自由貿易)です。自由貿易とは、特定の国との間の関税やその他、国際取引上で問題になる「壁」を壊し、お互いの経済成長を活発化させるために設けられている仕組みです、

最近では、日本と含む11か国が加盟する「TPP11」、日本と欧州との間で結ばれている「日欧EPA」、トランプ政権が強く求めている「日米自由貿易」などの進展を考えると、明らかに「外需(世界に進出しなさい)を狙いなさい」との政府メッセージを読み取れます。

一方、通関業者やフォワーダーなどは、財務省の下部組織である税関長から営業許可をもらい、日本企業の貿易手続きのアシストを使命とする会社です。つまり、本来は、親分である日本政府の意向をくみ取り、積極的に貿易ビジネスを始めようとする人を受け入れるべきなのです。

ところが、実際は、これとは真逆のことが起きています。通関業者などは「新しい荷主」に求める条件を必要以上に高くし、新規の荷主を受け入れることに積極的ではありません。すでに貿易ビジネスをしている人のみを受け入れているのが現状なのです。ビジネスには、既存の顧客の積み上げと新規の受け入れの両方が必要であると理解する社員が少ないのです。彼らは、口をそろえてこう言います。

  • 個人の顧客さんは相手にしない
  • 過去、個人とはトラブルになった。

バカの一つ覚えのように、あまりにも画一的な線引きをして、会社としてビジネス拡大につながる機会を自ら失っています。たしかに完全に個人でやっている人の中には、無申告品を持ち込んだり、お金の支払いでトラブルになることが多いです。ただし、それらリスクを個人であるというだけで画一的に適用することはあまりに合理性に欠けます。

実際の所、個人事業でやっている人であっても、お金の支払いは非常にしっかりしている人もいます。合理性がない基準により新規荷主の受け入れを決めることは、まさに「愚の骨頂」です。

あまりにも画一的な線引きはビジネス上の合理性を欠きます。法人であれば安心ですか? ホームページがあれば安心? ドメインメールであれば、企業の財務体質は健全だと判断できる根拠はどこにあるのでしょうか? では、法人の内、法人税を納めているのは、何パーセントなのでしょうか? 節税などの目的で家族だけで構成している法人も多いのですが..あまりにも合理性がない基準で新規荷主の受け入れ可否を決めすぎています。

新規荷主の受け入れの判断は、アリババのような評価スコアを導入すればいい。

では、通関業者やフォワーダーが新しい荷主を受け入れる場合は、どのような観点で判断すればいいのでしょうか? 実は、ここにビジネスの大きなヒントがあります。現状の判断基準は、各社の「時代遅れのルール」に基づき、判断している場合が多いです。

例えば…

  • すでに貿易実績がある
  • 法人であること
  • メールアドレスがドメインメールであること
  • 住所や建物がしっかりしていること

など、到底、ビジネス上で相手の良しあしを判断する上で適切ではない項目でおこなっているのが現実です。そこで、これをもう少しシステマチックに判断するために、中国で展開されているアリババのような評価システムを貿易業界にも導入すればいいと思います・

例えば…

  • 資本金情報
  • 会社設立日
  • 会社の資金状態
  • 貿易実績(税関の輸出入符号に紐づく情報をAPIで提供してもらうなど)

など、貿易に関するあらゆる項目を「スコア化」して、新規荷主と取引を始める上での判断材料とします。できれば、輸出入者符号ともリンクさせて、過去の輸出入状態(中身は見えないが違反事例などの有無)なども含めた点数にすれば、より新規荷主の実態に即したスコアになります。いわゆるクレジットカード会社が利用している「信用情報」にも似た存在です。これを貿易業界に関わるすべての企業に適用するのです。

2019年5月現在、このようなサービスは一切ないため、もし、資金力と開発力に自信があるIT企業があれば、検討されることをお勧めします。(一民間企業が難しければ、税関が主体となり導入すればいいと考えています。)もちろん、この仕組みは、荷主だけの判断に利用するのではなく、通関業者やフォワーダーの良しあしを判断するときのスコアとしても利用ができます。

例えば…..

  • どのフォワーダーに頼めばいいのかわからない。
  • 本当にしっかりと貨物を運んでくれる船会社(フォワーダーなのか)なのか?
  • 財務状態の健全性はどれくらいあるのか?
  • 資金的に問題はないの?

など、荷主側としても、サービスを提供する側を平等に選べる余地ができます。閉鎖的な業界であるからこそ、なかなか実態がつかめてこないため、客観的な判断がしやすいスコアが重要になるのです。通関業者やフォワーダーは「自分たちは選ぶ方だ」と考えている節がありますが、このスコアシステムができれば「選ばれる方」にもなるということです。これにより、荷主とサービス提供者側がスコアにより可視化されて、業界全体の流動性があがると考えております。

長期的な貿易業界の流れ。B TO C化

貿易業界全体を「スコア化」して客観的な判断ができるスキームを作ることが重要だと考えます。これにより、一社員による合理性が欠けた判断を回避することができ、新しい荷主がより柔軟に輸出や輸入にチャレンジできるようになると考えています。

また、このスコア化と合わせて、通関業者やフォワーダーは、ご自身の置かれている長期的な流れや傾向を把握するべきだと考えます。それは世界的な「B TO C取引の拡大」です。B TO Cとは、一般の最終カスタマーに対して商品を販売するビジネスです。いわゆるEC(ネット販売)がこれにあたります。

これまでコンテナによる貿易ビジネスをやっていた人が言うには、最近は、とにかく商売がやりにくくなってきているといいます。ネットにより、バイヤー側に値段がすぐにばれてしまうこと、さらに一般の顧客であっても、直接、海外ショップに注文ができることなどの影響するようです。

インターネットによって、世界中の情報がフラットになってきており、それが貿易ビジネスに大きな影響を与えていることを知っておくべきです。もちろん、どれだけECが発達したとしても、事業レベルの取引がなくなることはありません。しかし、コスト削減の一環として、輸出者と輸入者の間に位置する会社は、長期的に値下げ圧力が強まる可能性が高いです

この圧力に耐えられない会社は、少しずつ淘汰されて、業界全体の再編が進んでいくはずです。私の考えでは、日本にいてもアフリカの○○を購入。ブラジルの○○を購入。逆に日本の○○をカナダに販売するなどが、今以上に手軽にできる世の中になると予想しています。非常にフラットです、まるで国内通販サイトで購入しているような手軽さで世界中の商品を入手できる。このような世の中が必ず訪れると考えています。

やはり、通関業者やフォワーダーに属する会社の方は、物流が「大規模から小規模」に変化していることを踏まえながら、今後のビジネスを考えなければならない岐路に立たされていると考えるべきです。物流が大から小に変化しているとは、貿易をするプレイヤーがこれまでよりも「個」に近くなることを意味します。つまり、大企業や、取り扱う貨物量が多い大口荷主だけを商売の相手にするのは、非常に危険だといえます。

このような貿易業界の現実を考えた上でこれまでのように「法人でないからダメ」など、合理性に欠く判断により取引を始めるかを判断するのが適切なのかを今一度、考えるべきです。もし、この記事を見ているIT会社の方は、ぜひとも貿易業界に「スコア性」の仕組みを導入していただきたいです。きっと「仮面をかぶった会社」が一気に競争社会へ引きづりこまれるはずです。

やる気があるの?財務省と経済産業省

貿易業界全体をスコア性にし流動性を高めるのが私の考えです。また、これとプラスして効果的な方法が財務省や経済産業省が罰則規定付きの新規荷主の受け入れを義務化をすることです。

例えば、新しく貿易ビジネスを始めたいと荷主側から要望があったときは、ある一定以上の基準を備えている荷主は、断ってはならないなどです。もちろん、この基準は、有識者会議などで考えればいいです。とにかく、通関業者やフォワーダーの合理性が欠けた基準により、これから貿易ビジネスをする人のチャンスをつぶすのは、日本政府の輸出拡大方針にもマイナスです。つまり、ITと法律の2つの側面から、貿易業界に参入する企業のハードルを下げることが、今後の貿易業界全体の発展につながることだと考えます。

関連記事:貿易をするときは、個人事業主でも可能!?

まとめ

  • 貿易業界は古い。ITの導入により改善すべき点が山ほどある。
  • 新規参入者が参入しずらい業界
  • 許可制などを取り、排他性が高い。
  • 新規の貿易者を受け入れる体制ができていない。
  • 新規の貿易者の受け入れを判断するときに「合理性がない基準」により判断している。
  • 貿易業界全体に「スコア」を導入し、新規参入者が正当に評価される仕組みを作るべき
  • スコア化は、既存の通関業者、フォワーダーを選ぶときの判断材料の一つにもなる。
FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録

[スポンサードリンク]


\ 通関代行・対比表、輸送見積もり好評受付中 /
お問い合わせはこちら!
\ 通関代行・対比表、輸送見積もり好評受付中 /
お問い合わせ先
タイトルとURLをコピーしました