貿易円滑化協定 不明瞭な通関手続きの改善につながる?

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2017年2月22日、世界貿易機関は、WTO協定に「貿易円滑化協定」を追加しました。また、同日、無事に「発効」に至りました。これにより、汚職まみれ?であった途上国側の税関手続きが明確化されることに期待が寄せられています。この記事では、貿易円滑化協定について詳しくご紹介していきます。

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貿易円滑化協定

2017年2月22日、貿易円滑化協定(Trade Facilitation Agreement (TFA))が発効しました。この協定が発効された目的は「貿易手続きの透明性の向上と迅速化」にあります。貿易手続きの透明性とは、発展途上国における不明瞭な審査基準の見直です。また、迅速化とは、途上国における通関時間の短縮を言います。それぞれを詳しく確認していきましょう!

透明性とは?

例えば、ある物を途上国へ輸出するとします。現地の税関に通関の審査をお願いしているのに、一向に許可になりません。なぜか? この理由は様々ですが、一つに税関職員の「見返り」などがあります。日本など、主要先進国であれば、表面上、何らかの公権力を行使して、見返りを受け取れば一発でアウトです。もちろん、見えない部分では、あるかもしれませんが、表立って行われることはないはずです。

しかし、発展途上国は、この部分が曖昧になっているため「金を出せば許可にする」そんな露骨な汚職が行われることがあります。また、発展途上国側で独自の輸入規制を強いて、海外の商品が事実上、輸入しずらい状況にしていることもあります。このような不明瞭な部分の透明性を確保するのが、この協定の一つめの目的です。

迅速化とは?

迅速化とは、通関手続きにかかる時間を大きく削減することがあげられます。

例えば、日本では、通関手続きは、ナックスと呼ばれるシステムによって、税関、通関業者、港湾事業者などをつないでいます。税関への申告、許認可、搬入状況などは、すべてこのナックスによりおこなっているため、非常に迅速な処理がされています。一方、途上国側の通関は、ナックスのような仕組みが整備されていないため、通関に多大な時間がかかることが多いです。

通関に多大な時間がかかると、それだけ顧客のもとへ荷物を届ける時間が長くなりますね。荷物を届けられないのであれば、荷物を換金できない。つまり、商売機会のロスにつながります。グローバル企業にとっては、この途上国における通関時間の短縮が大きな課題です。このような通関時間の短縮を目指したのが円滑化法案の2つめの目的です。

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先進国側で期待すること
貿易手続きの不明瞭な規則の改善途上国側で期待すること
輸出入改善による貿易や投資の拡大

貿易円滑化協定のメリット

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貿易円滑化協定は「汚職をゆるさない」「通関時間を短縮しなさい」この2つが大きな目的です。実は、これらを達成することにより、次の4つのメリットがあります。

  • 貿易時間の削減
  • 貿易コストを年14%削減
  • 世界貿易を最大一兆ドル増やせる。
  • 事前教示制度

貿易時間の削減とは、主に途上国側の通関時間の削減を意味しています。通関にかかる時間を削減できるのであれば、当然、それに付随する貿易コストを大きく減らせます。貿易時間の短縮ができるため、これまでよりも流通性が高まり、世界貿易を100兆円増やせるとも言われています。また、相手国へ輸入するときに「どのHSコードに分類されるのか?」を調べる事前教示制度が整備される点も大きなメリットです。

貿易円滑化協定のデメリット

一方、貿易円滑化協定のデメリットの部分は、実際に、協定で決められた内容を発展途上国が約束通りに行うのかが不透明です。実は、貿易円滑化法案は、2017年2月22日の発効日をもって、すべての国に一律に適用されるわけではありません。いわゆる発展途上国や後発発展途上国に該当する国については、後述するカテゴリごとに決められている期限に従って実行されます。

貿易円滑化協定のカテゴリーとは?

すでに貿易円滑化協定自体は、発効されています。多くの先進国、途上国ですでに協定の内容が実施されています。しかし、この貿易円滑化協定は、発効日と同時にすべての国でスタートしているわけではありません。協定に批准する国を発展途上国と、後発発展途上国に分けた上で、実施時期を以下のカテゴリA~Cに分類しています。

各国は、以下の実施時期を考えて、整備を進めていくことになります。ちなみに、先進国の場合は、2017年2月22日の批准と同時に実施されています。

カテゴリA 発展途上国 2017/2/22
LDC(後発発展途上国) 2018/2/22
カテゴリB 発展途上国 2018/2/22
LDC(後発発展途上国) 2020/2/22
カテゴリC 発展途上国 2019/8/22
LDC(後発発展途上国) 2022/8/22

まとめ

  • 不明瞭な貿易の仕組みを許さない! もっと、迅速な通関手続きをしなさい! これを達成するために整えられたのが貿易円滑化法案です。
  • 貿易円滑化法案は、2017年2月22日付けて発効しています。ただし、発展途上国については、カテゴリごとに実施時期が異なります。
  • カテゴリは、A~Cの三つです。最大、2022年の8月までに実施されることになります。
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