【2021年9月版】コンテナの輸送価格 2021年秋以降の見通し

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前回の記事「2021年7月コンテナ輸送価格の推移を解説」には、予想以上の反響を頂きました。そこで、今回も同じく中国輸送会社さんの協力を頂き、直近、18カ月の動きと、2021年秋以降の見通しをご紹介していきます。

一体、この海上輸送の上昇の諸悪の根源は、どこにあるのでしょうか?

■この記事のポイント

  • 中国の国慶節(10月連休)
  • アメリカのクリスマスシーズンへの準備
  • 2022年の中国の旧正月を想定した駆け込み生産
  • 中国→アメリカの輸送価格の異常上昇

2021年秋以降のコンテナ輸送価格の推移の見通し

弊社の「BDIやCCFIの記事」に関心を寄せている方が多いようです。

  • 流行り病の影響は、どこまで続く?
  • 世界の荷動きや経済の動きはどうなっている?

など、指数を通して、大局的な観点で、海上輸送をとらえる方が増えているようです。

一方、荷主サイドで直接的な影響を受ける「コンテナ価格の推移」にも強い関心をもつ方が多いです。この記事は、日々、船社や業界関連企業とやり取りをしているフォワーダー業務から得られる情報を中心にご紹介していきます。

直近18カ月間のコンテナ価格動向(総論)

まずは、2021年8月現在までの直近18カ月を振り返ってみましょう! といっても、2020年以降、全ての輸送モードの価格は、高止まりが続いています。また、現在の所、値下がりが起きる可能性は低いです。

  • 2021年夏 ASEAN各地にて滞貨、沖待ち頻発、上海→北米のコンテナがUSD10,000超える
  • 2021年春 スエズ運河で海上コンテナ船が座礁、アジア欧州航路が寸断
  • 2020年冬 世界的に空コンテナ不足、アジア→北米欧州海上運賃が記録的急騰
  • 2020年秋 空コンテナ不足の懸念が騒がれ始めた、海上運賃・航空運賃共に高止まり
  • 2020年夏 航空運賃が従来比2~5倍へ高騰
  • 2020年春 中日間航空便欠航、日本にて非常事態宣言始まる
  • 2019年冬 中国港湾滞貨が始まる、COVID-19中国で感染拡大

FBX(海上運賃の動向)も上昇継続中!

海上運賃の指数(FBX)も右肩上がりで上昇を続けています。また、二枚目の画像の内、中国→アメリカ西海岸、中国→アメリカ東海岸は、特に運賃上昇が続いることがわかります。

出典元:FBX

但し、コンテナ自体の数は足りている。

ただし、昨年問題になったコンテナ自体の不足は解消しているようです。コンテナの可用性(CAX)は、基準の0.5を超えてます。=指数上は、コンテナ不足は発生していないと考えられます。

CAX

出典:CAx

むしろ船会社は、価格の下落を望まず、このままを維持したい!?

「Ocean freight rates set to stay elevated until 2023」の記事には、船会社の本音のような部分が記載されています。実際の所、船会社(キャリア)にとっては、この運賃上昇トレンドは、自社の財務体質を改善し、むしろ、空前の売り上げにつながっている側面があります。

“Ocean carriers look set for a prolonged and unprecedented upcycle, which will enable them to improve their financial health, reward investors and spend more. ”

引用元:Informa plc

世界的な運賃上昇の原因は、一次的には病の影響でしょう。しかし、もう少し本質的な部分をとらえるなら、それは国際物流関連企業の思惑にあると思います。(船会社、投資家、関連する企業)

この点、海外サイトでは、流行病が本格的に収束し、各港湾のオペレーションが元に戻ったり、船の建造等が進んだりすると、ある日、突然、暴落する可能性があると指摘しています。いわば、現在の価格は、創造された側面が強いと結論付けている記事を目にします。

2021年8月の各路線の現状と今後の見通し

それでは、ここからは、日本に目を向けていきましょう。2021年8月現在の全体の状況は、次の通りです。

  • アジア域内運賃相場が北米航路の影響を受けて上昇
  • 北米景気の急回復によりアジア→北米貨物量が急増
  • アジア発北米向け貨物量は、生産各地の都市封鎖により、従業員不足の生産量急減
  • 一部船社の営業担当者は、アジア→北米航路の貨物量急減速を懸念している
海上運賃の値上げによる日本国内の影響例

実際、国際物流の上昇は、すでに様々な業界に影響を与えています。

    • 9/2日 メルシャンの「フランジア」=米国からの輸送コスト上昇で販売停止
    • 某大手製造メーカー=製造ラインの停止
    • スズキの4工場 1~5日のライン停止
    • Jオイルミルズ=海上運賃の大幅な上昇により価格を引き上げ。
    • ディーアンドエムホールディングス=価格を引き上げ
    • UCC、Denon、日清製粉=価格引き上げ

日本とアセアン路線の状況

  • 日本発各国向け輸出は、船会社がサービスを絞っている
  • デルタ株の影響はより一層深刻
  • 物流面においては、原材料供給不足、完成品の出荷遅延が起きている
  • 値上がり基調であったが、実際に運ぶ貨物が急減すると、船社は値下げしても貨物を奪いに行くか、高値を維持するために、値引きに応じず、貨物の減少を静観するのどちらかだと予想。
  • タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナムなどの主要な生産地において工場閉鎖が相次ぐ。
  • 特に自動車、電機関連は顕著
  • 現在、日本側の工場で操業停止又は、一部ラインが停止されている。
アセアンの見通し(予測)

ASEAN域内の船社の経営者層は、高収益を望み、相場の高値維持を望みます。他方、営業担当者は、輸出入の船積み実績を維持するために、利益得率低下でも獲得を優先します。今までのチップ収益がなくなっても、貨物獲得の実績を優先するはずです。逆に言うと、貨物獲得の実績が減少する営業担当者は最低の評価を受けるでしょう。

一方、ASEANの荷主は、すでに遅延が続いているため、現状、積めればどこでも良いです。旧邦船(NYK、KLINE、MOL)が合併したONEのアセアン日本航路のサービスも同様に遅れているために、現時点においてONEを選ぶ理由もなく、北米航路に注力している船社に魅力は少ないです。

結果、運賃下げを提案してくる船社が現れれば、すんなりと心がゆれるでしょう。すでに遅延が発生している荷物は、さらに遅れても、ある種の「諦め」がでてきます。となると、ある程度、遅れても仕方ないと割り切り、コストが低い船社を使うことも一つの方法です。

中国とアメリカ路線の状況

  • デルタ株が猛威を振るい、行動の制限が起きている
  • LA・ロングビーチで荷受け機能がマヒ。現在、沖合に荷捌き待ちの船がいる状況
  • 海上運賃は、西海岸とアジア間で、昨年の6倍レベルに上昇
  • 40フィートコンテナの輸送代金が一本200万円の大台にいき新たな局面に突入
  • アメリカからのコンテナは、半分が空コンの状態。アメリカから空コンを中国に輸出し、中国から実入りのコンテナを輸出した方がぼろもうけできる。
  • この傾向は、2022年の旧正月まで続く可能性が高い。

日本と中国間の輸送状況

  • 感染拡大を防止するため、深セン「塩田Yantian」のターミナル封鎖
  • 「寧波Ningbo」のターミナルの一部閉鎖、但し貨物輸出量への影響は軽微
  • 上海浦東国際空港の減便や欠航発生
  • 結果的に、塩田Yantianの封鎖は、LAの沖待ちを解消する材料の一つとなる。
  • 中国は、冬の北京オリンピックのメンツにかけて、感染は「0」でなくてはならない
  • 中国発日本向け航路は、海上運賃相場が、他の航路と比較し値上がりしていないため、中国→北米方面への輸送に経営資源を振り向けている。
  • 中国→北米の運賃相場が、コンテナ1本100万円。他方、中国→日本は、コンテナ1本10万円。その差は歴然であるため、経営資源は北米路線に集中させている。
  • 1週間で往復する中国日本航路は、1,000TEUの船で運行。
  • アジア域内航路は、3~4週間で各地へ帰港して運航している、3,000TEUが主力、大きいサイズは5,000TEUクラスも運航している
  • 中国ASEAN航路は好調なために、中国船社はASEANを向き始めている
  • 8月下旬、中国と日本航路のCICを倍額に値上げしたCIC Container Imbalance ChargeをJPY10,000/TEUをJPY20,000/TEUに引き上げをした。
  • 中国船社にとっては、相場で運賃が動くASEAN航路の方がより利益を稼ぐ航路になってきた。
  • 短期的には、中国船会社の日本航路の重要度が低下する見込み
  • 2021年、中国日本航路の輸入量は堅調。JETROの上半期をレポートから判断できる。
中国の予測
  • 2021年9月~2022年2月1日の旧正月、つまり2021年1月末まで中国→日本は貨物量が増加するため、海上運賃の値下がりは期待できない。
  • 強気な中国船社の姿勢は変わらず、値上がり傾向が続く見込み

総括

各路ごとに諸事情がありますが、諸悪の根源は、中国とアメリカ、中国と欧州の国際輸送にあると感じました。この路線が様々な物(お金、船社の経営資源等)を引き寄せるため、結果、その他の路線にも影響を与えているようです。

  1. 中国とアメリカ(欧州)の海上輸送の上昇が世界全体の国際輸送をゆがめている。
  2. 船会社は、経済合理性を重視し、利益を上げやすい路線に経営資源を集中している。
  3. よって、大西洋横断ルート、日本を含めたアジア域内の輸送は軽視されている。

荷主が輸送価格の上昇に対して考えておくべきこと

では、このような値上げが続く状況を踏まえて、一荷主として考えおくべきことをご紹介します。今後の価格上昇に影響を与える要素は、次の3つです。

  • 中国の10月の連休(国慶節)
  • アメリカのクリスマスシーズン
  • 来年の中国の旧正月

この辺りの見解は、ある会社さんは、次のようにおっしゃっています。

他者様(フォワーダー)は、9月までの上昇だと考えている所も多いです。しかし、弊社は、この価格上昇は、来年の中国の旧正月まで続くだろうと考えております。中国を軸にした北米方面、欧州方面への輸送が国際輸送に大きな影響を与えています。

実際、青島→東京港の運賃水準は、通常の40%前後高い価格が続いています。また、大連、上海から日本への輸送も数百ドル/TEUアップしています。特に、大連・青島発の日本行きの上昇が顕著です。

フォワーダーの中には、顧客との年間契約をしている所もありますが、想定以上の価格上昇が続いているため、自社の利益を削減又は、赤字を拡大してまで、顧客との契約を必死に維持しようとしています。

ところが、当然、フォワーダーにも限界があり、スペースの確保に困っていたり、船積みをことわっていたりする所が増えているようです。実際、弊社にも、他社様で船積みを断られた方からの問い合わせが増えています。

おそらく、今後は、貴社とお付き合いがあるフォワーダーから、価格見直しのオファーがなされる可能性が高いです。その場合、貴社としては、どこまで値上げを受け入れることができるのか?を会社の上層部と確認しておく必要があります。もちろん、フォワーダーからの値上げを一切断れば、船積み自体を断られる可能性が高まっているでしょう。

現在、船社は、良い意味でも、悪い意味でも経済合理性を優先し、より儲かる航路に経営資源を集中投入しています。残念ながら、この路線に日本は含まれておらず蚊帳の外です。

  • 中国・アジア発 → 北米
  • 中国・アジア発 → 欧州

上記2つの航路に資源が集中しています。また、運賃上昇の要因の一つとして船員の待遇面での課題もあります。流行病の影響により、本船滞在日数が長期化。これに加えて、荷役の遅延により、洋上待ちが増えて、船員需要が急速に伸びています。もちろん、船員自体も経済合理性を追求し、より待遇が良い船会社へ移籍しているとの情報を聞いています。

また、未確認の情報ながら、某大手船会社は、他社へ貸し出す「傭船料」を3倍に値上げたとの情報も入っています。船社、船員がどんどんと経済合理性を優先し、それに振り回されているフォワーダーと荷主の構図になりつつあります。

やはり、来年の旧正月までは値上げが続くと考えています。

また、別のフォワーダーは、次のようにおっしゃっています。

コロナが少しずつ終息し、特需が終焉すれば、一気に値下げ競争に行くとみています。実際、ある船社は、これ以上のGRIの値上げはしないとアナウンスしています。船会社の営業マンは、現在の価格に警戒感を感じているようです。この警戒感は、流行病関連とは別に、20000TEUのコンテナ船の投入予定からも生まれています。

2024年前後に、20000TEUのコンテナ船が本格的に投入されていきます。つまり、リーマンショック前後に発生した、コンテナ供給過剰な状況が一気に再燃するとみられています。現在は、コンテナスペースがない、ないと騒がれていますが、新造の大型船が投入されたら、一気に価格は暴落するとみられています。

荷主がコントロールできること

最後に輸送価格の上昇に対応するための対応方法をご紹介します。上記の通り、まだ海上輸送費が下がる見込みはなく、国際輸送費が高い前提で輸入原価を計算する必要があります。

その前提で次の2つの考え方があります。

  • 貨物毎に最適な輸送モードを検討する。
  • 倉庫の在庫保管(余力を持つ)

インコタームズ売買契約書等を見なおし、相手のニーズに合わせた輸送モードを再調整します。

  • 安さを求めるのか?
  • 輸送速度の短縮を求めるのか?
  • その中間を求めるのか?
  • 航空輸送が良いのか?

何となく早く貨物が届くようにする~ではなく、相手がどのような期間で、どれほどの物量が必要なのか?を判断します。もちろん、輸入した貨物を自社のEC等で販売している場合は、2020年の販売実績から、2021年の在庫の必要量を把握し、在庫切れが起きないように輸送計画を立てます。

2つ目は、余力を設けることです。この余力とは、輸送に必要なリードタイムもありますが、日本側の在庫調整も含まれます。

例えば、大手自動車メーカーでは、ジャストインタイムを看板に掲げて、必要な量を必要な分だけ、必要なときに調達してきました。これは、無駄な在庫を抱えない上では、優れた仕組みです。しかし、2021年現在は、このジャストインタイムには、大きな弊害があると思います。

実際、某大手トイレメーカーは、完全に在庫切れを起こし、ラインでの製造が大幅に低下していると聞きます。もちろん、海外から原材料だけではなく、完成品が届かなくて困っている所もあるでしょう。やはり、この状況下では、ある程度の在庫を抱えることが重要だと思います。

例えば、いつもより多くの商品を日本に輸送。これを輸入許可を受けずに、日本の「保税蔵置場」で保管する方法もあります。輸入許可の外国貨物の状態で保管をすれば、保税蔵置場の保管料金だけ支払いをすればいいです。(関税や消費税の支払いも不要)

*保税保管の場合は、外国貨物につき、保管料にも消費税はかからないです。

そして、国内の販売や生産状況により必要になった場合に、必要な分だけ輸入申告をし、貨物を取ります。もし、過剰在庫や売れ残りになった場合は、積戻し申告等をすれば、そのまま外国に貨物を返品もできます。もしくは保税転売も可能です。これで限りなく在庫に近い「外国貨物」を手元に保管ができます。

関連記事:蔵入承認とは? メリットなど、輸入の活用方法を紹介!

いずれにしろ、プロのフォワーダーなどに相談をし、貴社の販売状況や在庫状況を踏まえた上で、少し余力を持たせた輸送計画を立てることが重要です。

中国・台湾・韓国などから日本への輸送計画がございますか? ぜひ、日本、台湾、韓国航路を知り尽くしたフォワーダーにご相談ください!

 

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