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海上運賃の高騰要因を現場情報と指数で考察

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現在、一部メディアや輸出入者を騒がせている、世界的な海上コンテナ不足(海上運賃の高騰)に関して、なぜこれが起きてしまったのか、今後の見通しも含めて考えてみたいと思います。

【2021年9月版】コンテナの輸送価格 2021年秋以降の見通し

海上コンテナ輸送運賃高騰の要因と背景

2020年1月の新型コロナ発生によるパンデミックは、様々な分野で需要を生み出す事となりました。その多くは生活雑貨や、所謂デジタルガジェット等、自宅での仕事に必要な物を多く含んでいた事で、実存物流ハードその物のキャパを大きく超える様な物流需要を必要とする事となってしまいました。

これらの購買はそもそもインターネット上での買い物(越境EC)で、BtoCとなっており、一つ一つの品物の大きさは然程では無い物の、仮にある時期を1週間単位で見たとしてこのECによる輸送オーダー=全世界の需要者ニーズの全てと、通常の貿易商社貨物と合わせると、一週間に輸送出来る船積みオーダーを遥かに超える物量と化してしまったのです。

これらの商材の一大生産国=世界の工場たる中国、特に深セン等のパールリバーエリアからの船積み量は過去最高を記録し、全世界に向けて海上コンテナを利用してデリバリーされる訳なのですが、その船積みオーダーの量と、地域に残存する海上コンテナの在庫量は全くバランスが取れていなかった事も大きな要因でした。そもそも船会社にしてもパンデミックを見越したコンテナ在庫を予測確保する事は当時にしても困難であったと考えられます。

また地理的要因も重要で、中国発~ヨーロッパまではどんなに早い船でも1か月半、北米で1か月の航程が必要です。つまり、100本の海上コンテナを送りだしたら、中国に戻ってくるのは往復後の2か月~3か月後になってしまいます。そうして中国国内からは海上コンテナの在庫が消え失せるといった事態が発生してしまう結果に繋がったのでした。

この状況下では、海上コンテナの生産数を増やすしか打開する方法は無い訳なのですが、パンデミック発生当初は、どの船会社もコンテナレンタルベンダーも海上コンテナ増産に関しては消極的であった様です。それが海上コンテナの在庫不足に輪をかけてしまう事となったのでした。

その結果、2020年2月には、足りない海上コンテナの船積み権を巡って、ある船会社の関連機関が船積み権の抽選制を敷く等、前代未聞の事態を引き起こしました。またこの船積み権を獲得した所は、獲得金額よりも高い金額で船積み権の転売を行う等、株価等の市場原理と同様で、少ないパイを高い運賃で買う事を余儀なくされ、荷主サイドは翻弄され続ける羽目になりました。

その後、ある程度海上コンテナの増産には各種コンテナベンダーや、船会社が柔軟に応じるようになった為か、2021年9月時点では幾ばくか改善してきてはいるのですが、それでも全く海上コンテナ不足が解消されるという予測は立っていないのが現状です。

その海上コンテナ増産コストは当然ながら海上運賃に転嫁されて行く為、海上運賃高騰化に歯止めをかける方法が全くない状況に陥っています。

また船会社の特性に由来している部分もありまして、船会社の持ち物である海上コンテナは、その持ち主或いはパートナーシップを組んでいる船会社同士(これを海運アライアンスと言います)でしか、積み込み輸送を行う事が出来ないのですが、その船団自体のスペースがない場合、コンテナを回収する事自体を海運アライアンスが各社個別費用負担で専用の回収船に委託するといったケースもあるようです。この回収船の費用も当然ながら、海上運賃に転嫁されていくわけです。

これらの複合要因が海上運賃高騰の本質的な原因であると考えられています。

日中、北米航路、欧州航路、東南アジアの現状と見通し

北米航路&欧州航路

北米航路は現在メインポートのロサンゼルスで、増加した物量を引き受けられる港スペースが不足してしまい、仮に中国を 出航したとしてもロサンゼルス沖にて停泊(いわゆる沖待ち)状態が最大300隻にも上ったという情報が2021年7~8月には起こりました。

つまり、どんなに早く中国を出ても、アメリカの港で荷受けが出来ない状態であり、また内陸まで海上コンテナごと輸送するというアメリカの国内物流事情から、一旦中国から出たコンテナは、想定している往復2か月を大きく超えても中国には帰ってきていないのが現状となってきています。

欧州航路に関しても同じで、例えばドイツハンブルグ港でも規模はアメリカほど大きくないものの、同様の状況が発生しています。

これら北米、欧州向けに関しては向けに関して特に顕著なのですが、バルチック海運指数チャートを参考とした場合、2020年11月水準から見ていくと、2021年9月では航路によりおよそ4~5倍もの海上運賃が上がったケースも散見されます。これは貿易業者/荷主企業には大きなダメージを与えてしまいました。

中国→東南アジア路線

そんな中、中国発→東南アジア及び日本の加工貿易品(半製品や原料)等の動向がどうなっているかというと、中国から距離的に離れていない好要因と、東南アジア/日本←→中国間の加工貿易品が積まれているケースが多い事から、海上コンテナの回収スパンが短く、上記の例とは違って、無茶苦茶な運賃アップに繋がったがった訳ではないようです。

そんな中、現時点日中間で起きている海上コンテナ不足問題がどうなっているかというと、日本の市場が中国からみて既にそれほど大きいものでは無くなった為か、距離的にも海上運賃が安い日本向けよりも、目先の海上運賃が稼げる北米/欧州向けに海上コンテナの在庫がとられてしまい、全く船積みが出来ない荷主が出てきています。

前述のように、ある程度のエリア間ではコンテナ回収船等も走り始めた事から、日本でも既にコンテナの在庫が枯渇して来ており、その為、日本からの輸出ブッキングが出来ず、又は商材が運賃倒れする輸出荷主は、輸出を見合わせるしかない状況に追い込まれている為、様々な方面から大変苦しいと言う声を聞かされています。

中華系船会社の日本側担当者によると、日本←→中国間の定期航路船団に関しても、コンテナを確保するのに必死で、中国船社オーナーからは一刻も早くコンテナを中国に返すよう毎日の様に催促があるとの事で、その結果、これまで港のコンテナヤード内での無料蔵置期間、(通称フリータイム、5~14日程度)を縮小するケースが相次いでいます。

最悪のケースでは、本船荷役終了日から有料蔵置となり、保管料が日本側の荷主に転嫁されるようになってきていまして、これは海上運賃以外の面での物流費増加の一要因となる為、見過ごす事のできない値上がり要因となっています。それほど現在はコンテナ不足が深刻であるという見方も暗に出来てしまいます。

逆に言うと、どのエリアからも中国に向けての輸出は、中国にとってウェルカムな状態である訳ですが、EU→中国、北米→中国の物量は、中国→全世界に比べると、決して海上コンテナの在庫バランスが取れる程の状況にはないと言われています。そうすると、コンテナの往復使用で海上コンテナの在庫バランスが改善する程の状況にはなっていない事から、依然として海上コンテナ不足状況に進展は中々見込めません。

実の所、現在海上コンテナ製造メーカーは 殆どが中国国内に存在していますが、実際かなりの増産オーダーを受けて、莫大な本数の海上コンテナを市場に供給し始めています。然しながら、現在の物流ニーズに対して、大きな意味では改善今のところ繋がっておらず、その背景には海上コンテナ製造に供する鉄原料の不足が発生しているとも伝えきくところです。

これらを総合して考え、海上運賃を含む物流費の観点から行きますと、海上コンテナ輸送を行う為には、この高騰化していく物流費を支払ってでも、まだ利益が出る商材を扱う荷主しか輸出入を行えず、或いは、その商材の販売価格に海上運賃を転嫁せざるを得ない状況下において、最終の市場商品価格が物流費によってインフレを引き起こしえる事態にまで来ていると現場感覚での毎日の運賃変動を見るたびに思う事が多くなってきました。

食品、加工品、加工品原料、衣類。その他、様々な品物が行きかう貿易市況において、海上コンテナ不足の改善曲線は新型コロナ終息曲線と同じ様に進むとする見方をするのが妥当かなといった所ですが、先行きを正確に予測し得る事は難しいように感じられます。

まとめ

  • 世界の工場、世界最大レベルの輸出国である中国が、新型コロナの越境EC需要により、あらゆる商材を全世界へコンテナを輸出輸送機器として大量輸出した為、海上コンテナの在庫が世界中に薄く広くばら撒かた。
  • 少ない在庫コンテナの船積み権獲得を巡って、実際の運賃をはるかに上回る値段がつけられるようになった。
  • 海上コンテナの在庫は一旦中国から出ると、3か月は帰ってこない状態である為、慢性的に輸出国である中国では海上コンテナ不足となる。
  • 特に日本は中国から近い為、空コンテナの回収のしやすい地域となっており、最近では輸入コンテナのフリータイムですら短縮される風潮が出る。
  • 現在中国の海上コンテナベンダーは大量の需要に応じるために、かなりの増産体制に入ってはいるが、肝心の鉄材料が不足している模様
  • 全ての要因が絡んで、海上運賃の高騰につながってしまい、所謂物流費をまかなえる荷主企業でないと貿易を行う事は難しい状況。
  • 順次投入されている20000TEUを超える超大型のコンテナ船が普及してくれば、一気に価格は暴落する可能性がある。
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【説明】荷物情報の入力方法

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商品:ダンベル
商品サイズ:10cm×20cm×5cm
商品の重さ:5kg
輸送数量:100個

商品1の記載例(商品単体)
  • 商品:ダンベル
  • 商品サイズ:縦10cm×横20cm×高さ5cm
  • 商品の重さ:5kg
  • 合計数量:100個
■商品例2
商品:ダンベル
梱包サイズ:50cm×60cm×30cm
梱包の重さ:50kg
輸送数量:10個

商品2の記載例(箱に入っている場合)
  • 商品:ダンベル
  • 梱包サイズ:縦50cm×横60cm×高さ30cm
  • 梱包の重さ:50kg
  • 合計数量:10個
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