2018年12月30日、「TPP(CPTPP)」が発効します。これにより太平洋をぐるりと囲む一大自由貿易圏が誕生します。日本は、TPPにより、新たにカナダとニュージーランドの間に、自由貿易協定を結びます。カナダとニュージーランドは、農産品を中心に魅力的な商品が多いため、いろいろと期待されている方も多いかと思います。
そこで、今回は、TPP11における関税率の削減予定の調べ方をご紹介していきます。ただし、この記事でお伝えするのは、日本以外の国(10カ国)の削減予定の調べ方です。もし、あなたが輸出ビジネスを展開するときは、相手国側の関税率の削減予定を調べられるようにしましょう!
TPP・相手国側の関税率削減予定表
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TPPなどの自由貿易が結ばれると、日本側、相手国側の双方の関税率が削減されます。関税率だけの観点でみると、輸入ビジネスを展開する人は、日本側の関税率の削減予定、輸出ビジネスを展開する人は、相手国側の関税率の削減予定に影響されます。この内、今回は、相手国側の関税削減予定の調べ方を説明していきます。
相手国の関税率を調べるには?
「アメリカの関税を知りたい」「ベトナムの関税を知りたい」など、外国税関が設定している関税率を調べるときは「ワールドタリフ」が便利です。ワールドタリフは、輸出先の国、輸出品目などを指定するだけで、相手国の税関における関税率を調べられます。
譲許表とは?
関税率の削減は、TPP本体の付属書、「譲許表」に記されています。この譲許表を見れば、何の品目が、発効後何年で、何パーセントになるのか? または、ならないのか?などを確認できます。譲許表は、国ごとに作成されており、表の中には、約10000品目にも及ぶ関税率の削減予定が記載されています。
下の画像をご覧ください。こちらは、オーストラリアの譲許表の一部を切り取ったものです。(出典:https://www.mfat.govt.nz/)
それぞれの番号と意味は、次の通りです。
- HSコードです。HSコードとは、産品の識別を簡単にするために、世界共通の数字です。最初の六桁までは、世界共通で、それ以降の桁は、各国独自で作成しています。上記の例であれば、4811.90.10 の内、 4811.90までが世界共通です。その後ろの「10」は、オーストラリア政府が設定しています。
- HSコードの内容を説明する部分です。
- オーストラリアで設定されている基本税率です。
- EIF=即時撤廃品目です。つまり、2018年12月30日の発効日に撤廃されます。
- 発効日から何年目で関税がどのように変化するのか?を示す部分です。上記の場合、EIFであるため、Year1から0%になっています。
- 最終的に関税率がゼロになる年数を示します。
以上の1~6の部分を参考にしながら、各国の譲許表をご覧ください。
Year1やYear2はいつをさすの?
日本とその他の国で違います。
日本は、TPP11の発効日~2019年の3月31までが一年目、以降、毎年4月1日ごとに関税が削減されます。その他の国は、発効日~12月31日までが一年目、2019年1月1日から二年目に突入します。その後、毎年、1月1日の度、関税が削減されていきます。
オーストラリアの譲許表
ブルネイの譲許表
カナダの譲許表
チリの譲許表
マレーシアの譲許表
メキシコの譲許表
ニュージーランドの譲許表
ニュージーランドの譲許表
ペルーの譲許表
ペルーの譲許表
シンガポールの譲許表
ベトナムの譲許表
全体:TPP対策本部
まとめ
- TPP11における外国側の関税削減リストは、各国が公表する「譲許表(じょうきょひょう)」を確認します。
- 発効後、しばらくすると、世界の関税率を調べられる「ワールドタリフ」、ワールドタリフの使い方でも確認できます。

