電動キックボードのトレンド 未来のインフラで貿易の商機を掴む

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    一人ないしは二人用の乗り物「超小型モビリティ」は、未来のインフラの可能性として注目が集まっている。マイクロモビリティとも呼ばれるこうした乗り物は、電動で環境性能が優れており、低炭素社会の実現に向けて、日本の国土交通省もガイドラインを発表するなど、利用普及への取り組みが進んでいる。

    なかでも電動キックボード(日本ではキックスケーターまたはキックスクーターとも呼ばれる)は、短距離移動に適した乗り物として、普及の動きが始まっている。今年4月には、超小型モビリティのシェアリング会社Luupが、東京都内の6区で公道利用ができる電動キックボードのシェアリングサービスを実験的に開始した。公道に新しい乗り物が加わることに対する社会の受容が進んでいないという課題を抱えながらも、マイクロモビリティについての規制は、ヘルメットの着用が任意になるなど緩和の動きが進んでおり、新しい移動手段として定着するかどうかの大事な局面を迎えている。

    一方で、アメリカやヨーロッパでは、電動キックボードのシェアリングサービスが多くの都市に広がり、通勤や観光の移動手段として、若い世代を中心に人気を集めている。日本にも進出しているLime、Birdなどのスタートアップが電動キックボードをレンタルできるサービスを、アプリ連動などのサービスで拡大するとともに、ベンツやBMWなど大手自動車メーカーが製品の開発を進めている。

    もともと電動キックボードのシェアリングサービスは、2017年にヨーロッパで始まり、その後アメリカ、アジアに急速に広がった。アジア各国でも、都市を中心にシェアリングサービスを提供するスタートアップが次々と登場している。また、日本のトヨタやホンダ、韓国ヒュンダイやKIAなどのアジアの自動車メーカーも電動キックボードの製造に乗り出した。

    本記事では、東南アジアおよび欧米の各国のトレンドやサービス、製品を紹介しながら貿易チャンスを探っていく。

    中韓ブランドに注目 ユニークな米製品も

    タイ:流行に乗るスタートアップ 規制はまだ先

    タイにおける電動キックボード市場は、2019年にシンガポールのベンチャー企業Neuronがシェアリングサービスを展開して以来、都市部で急速に人気のある交通手段になりつつある。通勤、観光の目的での利用が多いほか、大学キャンパスでの利用も広がっている。その背景には、都市部は交通量が多く、既存のオートバイには乗りたくないという人が多いという点が指摘されている。

    タイの電動キックボードに対する交通規制はまだ整っていないが、タイ国内シェアリングサービスのスタートアップSCOOTAも登場し、タイも電動マイクロモビリティ普及の動きが高まっている。

    シンガポール:東南アジアのシェアリングサービスの拠点

    2019年、シンガポールでは電動マイクロモビリティによる事故が続き、歩道での使用が禁止され、また16歳未満の公道利用も禁止された。そのことからガイドラインの整備も進んでいるが、そもそもシンガポールはそのほかの電動デバイスに対する規制が厳しい。例えば電動自転車でさえも、オンラインテストに合格して初めて乗車が許可される。

    規制が進む背景には、電動キックボードの人気の急速な高まりがある。シンガポール国内では、NeuronやTelepodなどシェアリングサービスのベンチャー企業が登場し、アジア各国にサービスを輸出している。とくに大手のNeuronは、タイ、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスに進出し、「コロナ禍で人々が安全で安価かつ社会的距離を取れる移動手段を求める人々が増えている」ことが、サービス拡大につながったと分析している。

    中国:世界のサプライヤー 多様なメーカー

    電動キックボードは、欧米の利用者の急増に合わせて、アジア各国は製造国として輸出が進んでいる。特に中国においては、電動自転車の輸出はEUによる関税措置の影響で減少に転じたが、キックボードの市場は増え、2019年にはなんと市場シェアの63%を占めたという。

    中国の電動キックボードメーカー大手のNiu Technologiesは、今年4月、欧米向けの製品ラインナップを拡大したと発表している。強力なリチウム電池を装備して上り坂でも快適に走行できるほか、アプリ連動で走行状況の確認、速度のカスタマイズ、ロック解除が可能な機能を備えたラインナップだ。

    そのほかにも中国メーカーは様々なタイプがある。ヨーロッパ輸出をメインとするSuzhou Tomi Smart Technology Co.,Ltd.や、大手電化製品メーカーのXiaomi(小米科技)、台湾で設立された電動キックボードの先駆け企業で国際デザイン賞も受賞しているPatgear、炭素繊維を仕様して軽さと耐久性を兼ね備えたJasionなどだ。元々別の製品やサービスを展開していた企業がキックボードを手がけるというケースも多い。そのため、中国の各メーカーによる多様な製品が展開されているようだ。

    韓国:スマートでおしゃれなデザインのキックボードに注目

    韓国でもシェアリングサービスの普及が広がっている。電動キックボードに対する緩和が進んだと同時に事故も多発し、むしろ規制を求める声が高まっているほどだ。

    そんな韓国発の洗練された電動キックボードが、海外メディアで注目されている。プロダクトデザインスタジオ「PDF HAUS」が手がけたキックボードは、イタリア製のクラシックな初期の自転車Velocinoのデザインをキックボードに採用した美しい見た目だ。折りたたみ式かつ軽量なのも特徴で、日本でも流行したベスパなどのヨーロッパ製のスクーターのように輸入されれば注目を浴びるに違いない。

    また、プロダクトデザイナーJaekyoung Ohが手がけた「ARC Electrick Kickboard」は、実用性を重視したモダンなデザインで、指紋認証システムなどスマート機能が多数搭載されている。

    ヨーロッパ:アフターコロナの時代を見据えて 

    電動キックボードのシェアリングサービスがいち早く広がったヨーロッパでは、コロナによるロックダウンにより、サービス停止を余儀なくされた。

    しかしロックダウンにも負けないサービス形態によって生き残る企業もある。ベルギーのSTEPは、個人用のキックボードを月額固定価格で利用できるリースを提供することで感染リスクを回避し、ビジネスへの影響は少なかったという。

    また、持続可能な社会に復興するための「グリーン産業革命」計画を政府が発表したイギリスでは、電動マイクロモビリティに対する規制がEUよりも寛大になると言われている。コロナ危機を背景に、電動キックボードの利用実験実施の場所を全国に拡大し、期間も大幅に短縮された。現在イギリスでは電動キックボードは自動車として分類されているが、政府は、将来的に免許や車両登録を免除することを提案している。

    アメリカ:サブスクや3 in 1 ユニークなビジネス続々

    2020年はアメリカでも、電動キックボードのシェアリングサービスが軒並み操業停止に追いやられた。日本にも進出している大手Limeはその後、利用増加の一手としてアプリを廃止し、QRコードのみの予約運用サービスをスタートするなど、新しいサービス形態への移行が始まっている。

    カリフォルニアのスタートアップ「Unagi」は、折り畳みできる電動キックボードのサブスクリプションサービスを開始した。路上に置かれたキックボードを共有するのではなく、ヨーロッパの項で紹介したベルギーのSTEPのように、個人用のキックボードを月額でリースできるビジネスモデルだ。色をカスタマイズできるので、好きな色に変更することもできる。このシステムによって、路上レンタルにつきものだったバッテリーなどの劣化の問題も解消される。課題コロナ対策に対応しながら、既存の課題も消化したサービスがヒットし、予想をはるかに超えた台数を販売した。ちなみにこのようなサブスクリプションサービスは、電動キックボードに関わらず世界トレンドとして見逃せないビジネスモデルだ。

    また、アメリカのメーカーによるキックボードには、1台で何役もこなすユニークな製品も数多い。

    「In Motion Scooter board」は、キックボードとスケートボードが一体化した製品だ。形状は電動キックボードだが、乗り方はスケートボードの動きになる。片手ハンドルで軽量なのが特徴で、スケートボードよりすぐに乗り慣れることができるのが魅力だ。

    また「Olaf Scooter」は、キャリーケースと一体化した製品。バックパック、キャリーバック、キックボードの3役をこなす3 in 1の設計がユニークだ。機内持ち込み荷物として航空会社が承認しており、コロナ後にやってくるであろう旅行ブームに1役買う製品だろう。

    まとめ

    電動キックボードの利点は、

    • 短距離移動に向いている
    • 安価
    • 場所を取らない
    • 交通渋滞の緩和に効果
    • 環境に優しい
    • 初心者や子どもでも簡単に乗れる

    など、その環境性能と手軽さが注目の鍵となっている。日本では公道走行においては原付扱いになるため規制は厳しいが、先に述べたように緩和と整備の動きは始まっている。

    電動キックボードは、個人で楽しむだけでなく、社会的意義を見直したシェアリングサービスが広がったことでにわかに注目を浴びている。そのことにより、個人利用者向けの需要が増え、輸出入へのチャンスが高まるだろう。同時に、シェアリングというサービス自体の輸入または輸出する参入事業に乗り出すという事も、スタートアップがひしめく今なら可能ではないだろうか。

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    この記事の参考サイト
    • 日経ビジネス, 電動キックボードに「受容」の壁
    • PR Newswire, Kick Scooter Sharing Market Witnessing Massive Growth says P&S Intelligence
    • Falcon Go, Top 6 reasons to use an electric kick scooter
    • Bangkok Post, Are e-scooters the future for commuters?
    • CNA, Footpath ban for all motorised PMDs from April; minimum age requirement and online theory test to follow
    • Traffic Technology Today, Covid-19: Singapore’s Neuron raises US$12M for international e-scooter expansion, as demand surges
    • Export Planning, The European Race for Electric Mobility: an analysis of Kick Scooters and Bicycles
    • Silicon Canals, Lime and Bird pull operations in Europe: 5 top European e-scooter startups tell us what they’re doing to combat COVID-19 outbreak
    • Electrive.com, E-scooter trials could see the UK move beyond EU rules
    • Yanko Design, WHEN HISTORIC ITALIAN VELOCINO BICYCLE MEET MODERN TECHNOLOGY
    • Yanko Design, THIS HEIGHT ADJUSTABLE KICKSTAND SCOOTER WITH FINGERPRINT RECOGNITION IS A MUST HAVE FOR 2021!
    • USA Today, Between renting and buying, Unagi offers personal scooters with a subscription
    • The Gadget Flow, InMotion Scooterboard Electric Rideable
    • The Gadget Flow, Olaf Scooter
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