EPAの域内(エリア内)と域外(エリア外)とは?

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経済的な結びつきを強めるEPA制度(関税ゼロで自由な貿易を行う協定)は、これからの日本経済を支える重要な仕組みです。日本では、少子高齢化が進み市場縮小が続くとみられるため、協定によって新たな市場を広げなければならないからです。

EPA制度は、関税を含めたさまざまな分野において、既存の規制を緩和して両国の経済活動を活発にする仕組みのことです。国家と国家が大枠で自由経済の枠組みを作り、その中で両国の企業が自由に経済活動を行えるようにしています。これにより日本の会社は相手国の市場を自社の「販売対象エリア」として拡大ができます。つまり国家という枠組みよりも広い経済的な国境が誕生したことと同じだといえます。

2017年現在、日本は15の国と地域との間でEPAを結んでいます。これらの国々とは、国と国の国境ではなく、新しく「域内」という概念があります。そこでこの記事では、このEPA(自由貿易)で言う「エリア(域内や域外)」とは、どのような範囲を指すのかを詳しく説明していきます。

EPAの域内と域外とは?

2016年8月現在、日本は15の国と地域との間でEPAを結んでいます。この中にあるEPAの中には「二国間EPA」や「多国間EPA」などがあります。二国間とは「日本とタイ」「日本とシンガポール」など、特定の国との間で結ばれている協定です。一方、多国間とは「日本と東南アジア全体」など、複数の国との間で結んでいるEPAのことを言います。

これらのEPAを使うときに意識することは「エリア」という考え方です。ここで言うエリアとは、協定の効力が及び地域のことを指すため、いわゆる国境とは別の物になります。

例えば、日本とタイとの間に結ばれている「日タイEPA」を考えてみます。この協定におけるエリアは、日本とタイになります。そのため、この協定を使って有利な貿易をするためには、日本産又はタイ産の貨物であることが求められます。同じように「日ベトナムEPA」であれば、日本とベトナムなど、協定ごとに「エリア」という概念が変わることがわかります。

では、なぜこのエリアという考え方が必要なのでしょうか?

EPAのエリアが大切になる理由とは?

EPAでは、エリアという考え方を重要視します。エリアの中で生産された商品については「お互いの政府」が商品に対する関税を免除しているからです。逆にいうと、エリアので生産された商品については関税上のメリットを与えないようにしています。

例えば、第三国(例:中国)で生産した物を一旦、域内に輸入して相手国へ再輸出すれば「域内生産された物の扱いを受けられるのか?」ということです。もちろん、この場合は、エリア外での生産になるため、関税上のメリットを受けることはできません。

下の図をご覧ください。日本とタイとの間で結ばれている「日タイEPA」を考えてみると、この場合における域内生産品とは、日本又はタイの両国で生産された商品をさします。逆に域外生産品とは、日本とタイ以外で生産されたすべての商品をさします。(図中では域外生産国として「中国」をあげています。)中国などで生産された商品は、域外生産品としての扱いを受けることになり、タイなどを経由させて日本へ輸出しても「日タイEPA」を適用できません。

EPAエリア2-HUNADE-

一方、日本と東南アジア諸国との間で結ばれている「日アセアンEPAを適用する」場合はいかがでしょうか。日アセアンEPAにおける域内生産品とは、日本とアセアンに加盟している10カ国をさします。それ以外の国で生産された商品は、すべて域外生産品として免税輸入の対象にはなりません。逆にいうと、日アセアンの域内であれば、どの国(加盟国)の原料を用いて製造してもいいですし、どの国(加盟国)から日本へ向けて出荷をしても免税対象になります。

例えば、「タイ」でスカートを製造するために「マレーシア」で製造された生地をタイの工場へ送るとします。タイの工場では、マレーシアの生地を用いてスカートを製造します。その後、出来上がったスカートは、日本へ輸入することになっているとします。

この例でいうと、マレーシア産の生地を用いているのでタイの完全生産品にはなりません。したがって、日タイEPAではなく「日アセアンEPA」を利用することになります。これにより下記の図のように、原料部分(生地)」なども含めて、すべて「日アセアンEPA」の域内で生産されたことになり、日本には免税(商品によって減税)で輸入ができます。

日アセアンEPAエリア-HUNADE-

まとめ

EPAは、協定ごとに決められている「域内」という概念が重要になります。EPAは、この域内で生産された貨物について、関税上の免税を与えるからです。仮に日タイEPAを適用するのであれば、日本とタイで生産された物のみが免税や減税の対象になります。日マレーシアであれば、日本とマレーシアがエリア内(域内)となり、それぞれの国で生産された物が免税や減税の対象になります。EPAのエリアとエリア外という考え方を理解することがとても重要です。

「まずはEPAの全体像を学びたい」→初心者向けEPAマニュアルをご覧ください。

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