不正競争防止法と輸入の関係 模造品、パロディ系商品は危ない!?

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    この記事では、不正競争防止法と輸入品の関係について説明していきます。

    人気ランドのパロディTシャツ、人気アニメを連想できるグッズなど、いわゆる模造品?(デッドコピーに近い物)を輸入し販売する方がいます。あからさまに他者のブランド使用すれば、商標法違反です。しかし、仮に、ストレートではない場合は、どのような取り扱いなのでしょうか?

    そこで、この記事では、あからさまでない物=「グレーな商品」を輸入するリスクを不正競争防止法の観点でご紹介していきます。

    模造品の輸入と不正競争防止法

    人気アニメ「鬼滅の刃」を連想させる商品を輸入、販売して逮捕される事件が発生しました。今回の事件は「あからさまに商標権を侵害しない商品であれば、輸入しても問題ない!」と安易に考えられている方に耳の痛い内容です。ぜひ、最後までご覧ください。

    まずは具体的な事件からご紹介します。こちらは、2021年7月29日付の中日新聞です。

    人気アニメ「鬼滅の刃」を連想される商品を不正に販売したとして、愛知県警は、二十八日、不正競争防止法違反(混同惹起(じゃっき))の疑いで、中国籍で輸入販売会社「●●」の実質的経営者●●容疑者と、●●容疑者の妻ら四人を逮捕した。

    引用元:中日新聞 2021年7月29日31面 *●●の部分はHUNADEにて加工

    この記事によると、人気アニメの鬼滅を「連想」させる商品を輸入し販売した容疑で逮捕される事件が発生したようです。逮捕容疑は「不正競争防止法の混同惹起」です。少し難しい言葉ですね!意味は、人に混乱させるとのことです。

    つまり、あたかも本物のような色使い、形等があり、そこから「これ鬼滅のグッズじゃね?」と、人を混乱させて、販売につなげることです!

    この事件のポイントは、2つあります。

    1. 連想や類似とは?その定義があいまいなこと
    2. あいまいがあるがゆえ、裁量権の範囲が広いこと

    それでは、順番に確認していきましょう。

    不正競争防止法とは?

    まずは、不正競争防止法について確認します。不正競争防止法とは、他人が有している権利や情報を利用して、不正な利益を得ることを禁止する法律です。今回のように、輸入商品の販売の他、他社の内部情報を使い、不正に利益を上げることなども含みます。

    例えば、サラリーマン等が転職し、転職先で元所属した会社の内部情報を漏らすなどです。

    不正競争防止法

    第一条 この法律は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

    第二条 この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。
    一 他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

    引用元:e-gov

    一方、直接、輸出入に関するルールを規定しているのが「関税法」です。関税法には、輸出入してはらない貨物が決められており、その中の一つに「他人の権利を侵害する物品」があります。輸入では、どちらの法律も関係してきます。

    不正競争防止法と輸入取引の関係

    では、不正競争防止法と輸入取引の関係を確認してみましょう。

    例えば、あなたが何らかの権利があるとしましょう。今、その権利を侵害する貨物が輸入されようとしています。このとき、あなたは、税関に対して「認定手続きの開始」を求められます。これが関税法に基づく行為です。

    一方、もし、あなたが未だ正当な権利を持っていない場合(でも著作権等を有しているなど)は、不正競争防止法に基づいた処分を求められます。これが関税法と不正競争防止法の関係です。何等かの権利を持っている方は、関税法と不正競争防止法などから、自身の権利を主張できるのです。

    不正競争防止法のあいまいさからくる問題点

    では、今回の事件における容疑を改めて確認しましょう。今回の事件の場合「不正競争防止法の混同惹起(じゃっき)」です。この容疑に相当する部分が、不正競争防止法の次の箇所です。

    需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、………..譲渡若し…….、輸出し、輸入し、……….他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

    需要者の間とは、世間と読み代えられます。そして、同一もしくは類似の商品表示を使用し、混同を生じさせる行為を行った。

    これが逮捕の容疑です。ここで2つのポイントがあります。実は、今回の商品は、あからさまに「鬼滅の刃」等の文言は使っていませんでした。あくまで「鬼」や「鬼退治」又は「似ている色」であり、グレー商品だったのです。このグレー商品が不正競争防止法違反として逮捕に至ったのです。

    さて、海外では、一見すると、他社の正規ブランド品?と感じるほどの模造品といいますか、パロディ商品があります。私が行ったことがあるタイやベトナムなども非常に多いです。

    スターバックスのはずが「スターボックス」になっていたり、本田技研のかHONDAが「HONBA」になったいたりと、様々な製品があります。どの製品も正規ブランドの態様や色使いがとても似ているため、遠くから見みると、本物のようにも感じます。

    今回の事件は、この模範といいますか、類似といいますか、この解釈があいまいな部分に対して、警察側が不正競争防止法違反を適用して逮捕したのが大きなポイントです。

    不正競争防止法では、「同一又は類似の商品表示」と記載されているだけです。つまり、具体的な解釈の部分は、現場の判断にゆだねられています。(裁量権の範囲)

    例えば、

    • A警察は、●●が法定用件に該当すると考える
    • B警察は、●●が法定用件に該当しないと考える。

    のように、同じ事案に対しても、このような判断の違いが発生する可能性があります。したがって、個人的な考え方と前置きしつつ、やはり、グレー商品は避けた方が良いのかな?と思います。どう考えても、グレーはグレー。いつでも黒となりえる物であり、ハイリスクだからです。

    単なるパロディで、あからさまに権利侵害していなれば大丈夫!」と安易に考えることは危険そうです。不正競争防止法には、裁量権(当局の判断範囲)が大きいことを覚えておきましょう!

    商標権、不正競争防止法は「業者間」つまり、利益を得ている人を対象としています。したがって、個人使用目的で輸入する範囲であれば、特に問題とならないです。

    余談 不正競争防止法からの思考展開 野菜の無人販売所と新鮮魚市場の闇

    今回の裁量権の部分は、税務関連と同じですね!経営者にとっては、税務調査は「税務署の裁量権」の大きさに恐怖を感じている方も多いでしょう。また、この裁量権の観点とは別に「連想させる」や「混同」させる点についても面白い闇があります。

    例えば、田舎に行くとよくある「野菜の無人販売」、魚市場などにも「闇」のケースがあります。何と、現地でとれていない野菜や魚を販売していることがあるのです笑 ようは、売っている物が全て外国産の可能性もあります。客が勝手に「現地の新鮮、とれたての野菜や魚」だと思い込ませる商売ですね!

    「いや、原産地をいつわったらだめでしょ」と思われましたか? はい、その通りです。食品表示法では、産地の偽装は、完全にアウトとされています。しかし、これにはちょっとした抜け道があります。「原産地」を記載しなければいいのです。(根拠法:義務表示の特例/食品表示基準第20条)

    原産地を記載しなければ「お客が勝手に誤認」して買ってくれるわけですね!愛知県の近海で獲れた魚だと思っていたら、実は、海外産だった~なんてことはよくあります。

    実際、販売している店舗を周って「○○産」と記載されていない海産物の産地を訪ねてみてください。店員は「お客から原産地を聞かれたら口頭」で答えるはずです。それまでは、無口で通しておけばいいのですから。お客に混乱を生じさせています。しかし、なぜかこのような商売は、合法とされています。実によくわからない世の中です。。。

    まとめ

    • 不正競争防止法では、他人の権利や情報を用い、不正な利益を得ることを禁止している。
    • 不正競争防止は、輸入、輸出とも関係する。
    • 不正競争防止法の構成要件には「類似」の記載あり、少しあいまい。
    • あからさまに権利侵害をしていなくても、総合的な観点で違法になることもある。
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    この記事の執筆者
    HUNADE

    貿易サイト「HUNADE」の代表。通関業者で勤務した経験をもとにして「もっと貿易を身近に。」をミッションに活動中!難しい貿易をできるだけわかりやすく解説し、貿易の一助になることが目標。基本的には、東海地方に住みながら国内各地、海外などでも活動し、できるだけ柔軟な発想を維持できるように努力しています!

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