「インバウンド」中国人富裕層と日本を旅して気づいたこと

貿易コラム
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ホテル、商店などを経営する方は、訪日する外国人に向けたインバウンド対応に尽力している方も多いかと思います。そこで、今回は、インバウンド対応する商店主に向けて、実際に中国人富裕層と同行してわかったことをいくつかご紹介していきます。

中国人富裕層と同行してわかったこと

2019年8月、私は、カナダ在住の中国人富裕層の日本旅行に同行しました。私のミッションは、彼らが気持ちよく旅ができるよう、日本の観光地(田舎を含む)を送迎することです。関空に迎えにいき、その後、大阪、京都、三重、岐阜などを周り、最後は、名古屋駅に送り届けるという計画です。なぜ、私がカナダ在住の中国人富裕層と知り合いなのか? この部分は、あまり深く考えず、気軽に読み進めていただければ幸いです。

ちなみに彼のスペックを簡単に説明すると……

  • 在住:カナダ西部のある都市
  • 職業:不動産投資家(高級コンドミニアムなど)
  • 自宅:500平方メートルほど(大都市の自宅)
  • 家事など:すべてメイドさん
  • 所有物例:クルーザーなど
  • 趣味:釣り

という感じであり、私を含めて一般の人とは、明らかに次元が違う生活をしています。そんな「富裕層」が日本旅行を楽しむ上で、どのような部分を気にしたのか? または、どのような物を好んだのか?を同行者の目線でご紹介をしていきます。

同行者目線の気づき

まず大前提として、私と中国人富裕層との間には、いわゆる雇用関係はありません。○○ツアーだから○○円など、有料でサービスを提供するわけでなく、あくまで個人的的なつながりによる同行です。つまり、ツアーガイドさんよりも、親しい間柄の上で感じたことだとお考え下さい。また、ここで紹介する内容は、一組の富裕層の事例にすぎません。参考程度にお願いします。

なお、以降の記事では、中国人富裕層を「富裕層」と画一的にくくるのではなく、あえて「彼」として、単なる一例に過ぎないことを強調します!

  1. 価格は気にしない。気にするのは「相応」
  2. リアルかフェイクかにこだわる。
  3. 旅館料理は受けが悪い。
  4. 和室が大好き
  5. 意外にアウトレットが好き。でも、非常にシビアに見る。

1.価格は気にしない。気にするのは「相応」

彼は、すべての物・サービスに対して価格は気にしません。

例えば、「この商品はちょっと高い」または「安い」というのは、単なる個人的な主観です。あなたが高いと感じる物を安いと感じる人もいますし、当然、その逆もいます。「彼」は、ほとんど価格を気にしません。日本には、セールなど価格の割引を前面に押し出すお店も多いですが、彼らには、それは響きません。

彼らにとってのポイントは、彼らなりの「相応価格に合致するのか?」にあります。つまり、根底的には「価格と品質が不相応な物は買いたくない!」ということです。逆にいうと、相応と感じられれば、それがいくらでも購入します。

例えば、京都にある高級焼肉店で、ランチとして5万以上の食事をする一方、一つ3000円程度の服を選ぶときには、非常に吟味します。彼らは、このサービス・商品は価格相応であるのか? 品質と価格のバランスはちょうどいいのか?などの点で検討します。検討の結果、相応と判断すれば、購入します。他方、不相応と判断すれば、それがいくらでも購入しません。

2.リアルかフェイクかにこだわる。

「このホットスプリング(温泉)は本物?」、「これはフェイク?」など、彼らは、それが本物なのか?にこだわります。

例えば、街中には「スパリゾート」や「スーパー銭湯」がありますね? こういう温泉についても、それが本物なのか? それとも偽物なのか? 仮に本物であるなら、何をもってそう言えるのか? どのように判断すれば良いのか? などを聞かれることが多かったです。もちろん、温泉以外でも同様です。

hunadeのサービス

もし、あなたが何らかのサービスや商品を提供する側であるなら、リアルか、フェイスなのか? この違いをはっきりと説明できるようにした方が良いです。

天然温泉なら、なぜ?天然と主張するのか?その根拠の部分も外国語で説明文を作成しましょう!根拠が薄いと感じると「これは偽物の温泉だ!」と判断する可能性が高いです。外国人にとっては、街中にあるスーパー銭湯と草津温泉などの違いはわかりません。

3.旅館の料理は受けが悪い。

温泉旅館などに宿泊すると、いわゆる御膳料理が出てきますね? ○○の和え物、○○汁など。まさに日本らしく和の心を感じられて素晴らしいと思います。

しかし、彼らにとっての御膳料理とは、見た目こそ受けがいい物、

「一体、これは何なのか?」

「何の味なのか?」

など、意味不明な料理への疑問で楽しむどころではなかったようです。口にいれても表情は微妙であり、決して食事を楽しんではいませんでした。

旅館や民宿経営者の方は、今一度、料理内容を見直した方が良いです。外国人が多いようであれば、アンケートなどを取り率直な感想を聞いた方が良いです。または、最初から外国人用に別料理を用意する方が良いです。彼らは、温泉を楽しみたいだけで、別に料理までを楽しみたいと考えていないかもしれません。

4.和室(畳)が大好き

なぜか、日本の和室(畳)が大好きです。別に高級ホテルでなくても良い。とにかく和室がある所を手配してほしいとのことから旅館を探しました。しかし、お盆期間間際の手配であったため、どの宿も満室です。そこで、ダメ元で「Airbnb」をお勧めすると、すぐに快諾。畳の部屋で寝られたことに満足されていました。

必ず高級ホテルや高級旅館を好むわけではない。何か一つの部分を満足できると、他が劣っていても満足する可能性が高い。今回は、和室で寝られたことが満足度の向上につながった。

5.アウトレット好き。ただし、非常にシビアな目がある。

今回、旅の最後に訪れたのは、三重県の長嶋にある「三井アウトレットパーク」です。彼らは、基本的に価格にはこだわらないのですが、やはり「お値打ちに買える」ことには魅力を感じるようです。ただし、非常に目が肥えているため、あまり無駄な物は購入しません。今回は、なぜかニューヨークのアウトレットモールと比較検討をして「買う物がない」と判断したようです。

意外に庶民的な一面もある。ただし、無駄な物は購入しない。必要な物×価格相応の物は、それがいくらであっても購入する。不釣り合いであれば、どれだけ安くても、彼らの購買意欲を刺激することはない。

苦言・有名観光地の殿様商売には反吐が出る。

今回、大阪の黒門市場や錦市場、岐阜の白川郷などの有名観光地を周った結果、高い確率で接客態度が悪い店主に出くわします。結局、何の努力をしていなくてもお客がくるため、少しくらい接客態度が悪くても許されると考えているのでしょう。特に黒門市場の店主は、私のお客さんが日本語での注文に挑戦しようとしている所、それを遮るかのように「あっち行け」のジェスチャーをする最悪なお店でした。

もちろん、ここでその店名をさらすこともできますが、営業妨害等にもなりかねないため、やめておきます。ただ、そのようなお店に一言申し上げるとするなら、確実にあなたのお店の評価として蓄積されることを覚えておきましょう。特に外国人は、トリップアドバイザーの評価を参考にするため、このあたりのレビューにボロクソに書き込まれることは間違いないでしょう。

有名観光地で商売をする人は、あなたの実力で客が来ているわけではないことを理解しましょう。ただの「コバンザメ商売」で潤っているだけなのに、それを勘違いをして不誠実な接客態度をとっていれば落ち目は見えてきます。外国人は、あなたが考えている以上に、あなたのお店に対して書かれているレビューをチェックしています!

以上、中国人富裕層の旅に同行して気づいたことでした。

まとめ

  • 爆買いなどの報道イメージは間違い。
  • 自分にとって必要・不要を厳しく判断
  • 物より「体験」の購入が好まれた。(寿司づくり体験など)
  • トリップアドバイザーを使い、お店を探す。基準はミシュランの星ランク。
  • 旅館・民宿を経営する人は、御膳スタイルの内容を検討した方が良い。
  • 繊細な味、複雑な味は、好まれない可能性が高い。
  • 献立メニューは、少なくても英語も用意する。特にアレルギー表記は必須。
  • 高い価格・安い価格には一喜一憂しない。「相応の価格」を重視する。
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