外国の情報を調べる方法の一つとして、グーグルが提供する「キーワードプランナー」は便利です。キーワードとは「検索される言葉」です。
例えば、あなたが何かについて調べるとします。一昔前までは、図書館などへ行き、調べていたかもしれません。しかし、最近は、グーグルなどで「調べたい物(こと)」を入力する方が多いかと思います。このときの検索画面に入力する言葉が「キーワード」です。グーグル検索は、世界中で利用されているため、このキーワードを頼りにするだけで非常に多くの情報を入手できます。
そこで、この記事では、キーワードプランナーの使い方を解説していきます。
「グーグル」キーワードプランナーが使えないときの初期設定
キーワードプランナーを使って外国市場の調査をする方法
キーワードプランナーで外国のニーズを読み取る方法
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グーグルキーワードプランナーを使えば、日本国内外を問わず「検索されている言葉」と「その言葉の数」がわかります。検索の言葉とは「りんご むき方」「〇〇 安く」などです。これらは、言葉は違えど、何かの悩みを解決するために入力している点では共通しています。検索サイトを利用する目的=何かの悩みの解決であることが重要なポイントです。
一方、言葉の数は、需要の強さを示します。検索数が多いほど、その国で需要が高い商品(情報)又は必要とされている情報であることがわかります。グーグルキーワードプランナーを使えば、この2つを同時に、しかも世界中のデータを探せます。
例えば、あなたが日本酒の製造メーカーだとして、外国へ輸出を考えているとしましょう。このとき、外国では、どのように日本酒が認知されているのか? どこの国で需要が高いのか? などを調べる必要があります。「日本では日本酒と言われているから、海外でも同じ言葉を使っている」という思い込みは危険です。もしかすると「sake」や「ikkon」などの方が名前が通っている可能性があります。
では、具体的にキーワードプランナーの使い方を確認していきましょう!まずは、グーグルキーワードプランナーの初期設定を終わらせます。以降の説明記事は、この初期設定が終わっている前提です。→キーワードプランナーが使えないけど、どうしたらいい?
グーグルキーワードプランナーの使い方
グーグルキーワードプランナーの使い方を説明していきます。キーワードプランナーは、世界中の検索データを様々な条件で絞り込めます。
設定できる条件には
- 検索されている国
- 検索されている言語
- 除外する言葉
- 含めるキーワード
- 調査する期間」などがあります。
これらの条件を組み合わせていき、自社が調べたい情報を探していきます。
1.検索されている国
特定の国の情報だけを調べるときに設定します。もし、国が決まっていないときは、「グローバルマーケットファインダー」を使って、ある程度、絞り込みます。グローバルマーケットファインダーで見つけた国を「検索されている国」に設定しましょう。ちなみに、設定する国は一か国だけでもいいですし、複数の国も設定ができます。また、国よりも細かな単位(州など)も設定ができます。
2.検索されている言語
検索されている国を設定したら、その国の中にいる「どの人をターゲットにするのか?」を決めます。
例えば、検索されている国を日本に選んだとします。あなたもご存知の通り、日本にはたくさんの外国人がいます。日本にいる「アメリカ人」「ベトナム人」や「タイ人」がいるわけです。これらの人種を「使用している言語」によって振り分けます。仮に検索対象国を日本、言語を英語にするのであれば「日本にいる英語圏の人」の検索情報を集められます。
3.除外するキーワード(言葉)
大量の検索キーワードから的確な情報を取るために、除外するキーワードを設定します。
例えば、自社の商品に関するリサーチをしているのに「芸能人情報」などはどうでもいいはずです。もう少しストレートに表現するなら「ゴミ情報」をフィルターによって取り除くことがポイントです。キーワードプランナーでは、このゴミ情報を取り除くための「除外キーワード」を設定できます。
4.含めるキーワード(言葉)
3番の除外とは逆で含めたいキーワードを設定もできます。自社のサービスや商品に関連するキーワードを設定しておくと、それらが含まれている言葉のみを取り出せます。この設定をして得られる結果は、3番の除外キーワードよりも範囲が狭い情報です。
5.比較する期間
情報を調べるときは、その調査期間も重要です。もし、最近のことを知りたいときは、調査期間を過去数か月間にします。この逆でもう少し長い期間を調査期間とするなら、過去、数年間設定した上で検索します。この期間は、あなたがどのような情報を欲しいかによって自由に設定してください。
設定期間をあまりにも短くすると、一過性の情報の影響を受けやすくなります。逆に期間を長くしすぎると、実際の状況とキーワードプランナー上で見えてくる状況との間に差が生まれやすくなります。求めている情報に適した期間を設定しましょう。
キーワードプランナーでは、この1~5の検索条件を自在に設定して、求めている情報を得られやすくします。それでは、ここまでの内容をふまえた上で、実際にグーグルキーワードプランナーの使い方を説明していきます。
グーグルキーワードプランナーを実践
キーワードプランナーを使い始める前の注意点です。先ほど、検索条件の精度を上げるために、条件を設定すると良いとお伝えしました。しかし、この条件は、必ずしもすべて設定する必要はありません。むしろ、最初から設定しすぎると、過度に検索対象を絞ることになるため、おススメしません。最初は、国や言語を絞るだけでも十分です。この2つを絞っても、なお多くの情報が表示されるときに条件を加えます。
それでは、順番に説明していきます。グーグルアカウントにログインをした上で「キーワードプランナー」のページへ移動します。以下の画像がキーワードプランナーのトップ画面です。いくつかの入り口がありますが一番上を押します。
一番上の大きな四角の中に調べたいキーワードを入力します。下にあるターゲット設定の欄で、必要な条件を設定します。まずは国と言語を絞るだけで十分です。
このフォームの中に調べたいキーワード(例:商品名、サービス名など)を入力します。この中には日本語や英語の他、様々な外国語を入れて検索ができます。現地語で検索をしたいときは、まずは日本語から現地語へ翻訳をします。そのときに便利なのが「グーグル翻訳」です。
その他、次のような言葉を入力すると、ザクザクとキーワードを発掘できます。
- from japan
- from tokyo(地名の応用を考えましょう)
- japan import
- japan model
- japan limited
- made in japan
- nattou(日本固有のキーワードも意外に需要があります)
このターゲット設定の中で情報量に応じて条件を加えていきます。
初期設定、すべての地域というボタンを押すと、以下の画面です。このフォームの中に「国名や都市名など」を入力します。
「A」という一文字を入れただけであるのに、頭文字がAである国名や都市名の候補が下に表示されます。もちろん、この中には、日本の都市名も入力ができます。〇〇村などでも設定ができます。
候補都市のどれかをクリックすると、以下の画面です。削除するときは、緑枠の削除を押します。ここで付近を押すと…
なんと、選んだ都市が地図上に表示されます。また、右側の画面には「アメリカ、テキサス州、オースティン付近」にある都市が一覧で表示されます。もし、あわせて追加したいときは、赤枠の追加ボタンを押します。
ちなみに、日本の京都を選択したときの画面が以下の画像です。同じように付近を選んでいけば、次々と対象範囲を広げられます。
情報に含める都市や国をいくつか指定しました。これで設定が良ければ、下にある保存ボタンを押します。
設定した都市名などが以下の画像のように表示されます。
地域の下の「すべての言語」を押すと、指定した国(地域)で使用されている言語を設定できます。
例えば、この言語をアラビア語に設定すれば、指定した地域内にいる「アラビア語ユーザー」の情報を調べられます。
データの対象期間を設定するときは、以下の部分で調整します。
すべての設定が完了したら、画面下にある「候補を取得」をクリックします。ちなみに、以下の画面設定でいうと、シンガポール、ロサンゼルス、ニューヨーク、京都、ダラスに住んでいる人で、ウルドゥー語、エストニア語、オランダ語、英語などを使っている人のデータから「SAKE」というキーワードについて調べます。(テスト用に大げさに条件を設定しています。)
では、この条件では、どのような情報が表示されるのでしょうか?
上記で設定した地域内における「SAKE」という検索数は、月間で1000~1万回あるそうです。ちなみに「~」という幅がある数値は、グーグルアドワーズに出稿すると正確に表示されます。広告費に下限はないため、いくらかのお金をグーグルに投入することをお勧めします。
そのSAKEという言葉には、どのようなキーワードが組み合わされて検索されているのでしょうか? それが以下の画像です。「japanese sake」から始まり「nigori sake」などという言葉まで検索されています。「where to buy sake」であれば、今すぐ購入したいユーザー心理が伝わってきます。あなたは、日本酒という言葉から、ここまでの予想はできたでしょうか? だからこそ、データで調べることが大切です。
「sake brands」、「sake sushi」、「sake glassese」などのキーワードもあります。これらのキーワードから、ユーザーは「何を求めて検索しているのか?」を考えてみてください。
例えば、sake brandsであれば、ある程度、日本酒を飲んだことがある。でも、もっといろいろな酒を飲みたいから、その種類の情報を求めている人がいそうです。「sake sushi」であれば、寿司にあうお酒を求めていそうですね。また、sake glasseseであれば、日本酒にあうグラスが欲しいユーザーがいることがわかります。この情報から「日本酒とグラスのセットで付加価値をつけてはどうだろうか?」などのアイディアが生まれます。
このようにして、世界中のキーワードをリサーチしていくと、そこで求められている商品の姿が見えてきます。これは、誰かにお金を支払わなければわからないことでもありません。グーグルが提供するキーワードプランナーをうまく利用するだけで、日本から何千キロも離れている国の情報を誰でも簡単につかめられるのです。
キーワードプランナーのデータは、画面の右上にある「ダウンロードボタン」からエクセル形式でダウンロードできます。
キーワードの検索数順に並べ替えや、重複除去などを行い、自身が必要としている情報を絞るようにしましょう。
まとめ
グーグルキーワードプランナーを使えば、世界中で検索されている言葉と、その数を調べられます。検索サイトで入力する言葉は、検索ユーザーの求めている物が文字となったものです。そのため、このキーワードから「なぜ、この検索キーワードを使って調べたのか?」を考えるようにすると、その国で求められている「商品の姿」が少しずつ見えてきます。もちろん、グーグルキーワードだけでは不十分であるため、あわせて現地調査をすることをお勧めします。


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