大韓航空とアシアナ航空の合併で国際貨物輸送はどうなる?

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2020年秋、新型コロナウィルスによって世界経済が停滞している中、航空業界では驚くべきニュースが発表された。韓国の2大航空会社である大韓航空とアシアナ航空が合併するというのだ。

  • 韓国首位の大韓航空がアシアナ航空を買収すると発表。
  • アシアナの経営再建目的で政府系韓国産業銀行が買収案を策定。
  • 買収総額は1兆8千億ウォン。

(日本経済新聞 20年11月16日)

大韓航空とアシアナ航空は犬猿の仲であることは、言わずと知れた事実である。日本で言えば、JALとANAが合併するのと同じである。政府主導の合併とはいえ、本当にうまくいくのだろうか。

今回は大韓航空とアシアナ航空の合併について検証と荷主が気にしておくべきことをご紹介したい。

貨物機保有数の比較

まず大韓航空は旅客便を運航しているにもかかわらず、22年1月から3月期に過去最高益を計上した。ほとんどの航空会社が赤字に苦しんでいるのとはとても対照的である。

  • 大韓航空は22年第1四半期(1月から3月)に営業利益を更新した。
  • 貨物運送実績の好調が続いた上に、旅客需要も戻り始めた結果と分析。
  • 新型コロナ大流行初期から貨物の稼働率向上などで売上を最大化する戦略。

(The Hankyorehニュース 22年5月5日)

その理由は全体の売り上げに占める貨物部門のシェアの大きさにあるといえる。大韓航空は貨物専用機を23機保有している。内訳は以下の表の通りであるが、どれも大型機である。

なおアシアナ航空は合計11機だ。大韓航空に比べると劣る印象を受けるかもしれないが、それでも十分といえる。

韓国系2社の貨物機保有数

貨物機(大型機)貨物機(中型機)合計
大韓航空23機0機23機
アシアナ航空10機1機11機
合計33機1機34機

(22年5月 各社websiteより)

続いて日系航空会社の保有数である。

日系3社の貨物機保有数

貨物機(大型機)貨物機(中型機)合計
JAL0機0機0機
ANA2機9機11機
NCA(日本貨物航空)8機0機8機
合計10機9機19機

(22年5月 各社websiteより)

日系航空会社は3社の貨物機を足しても19機である。JALは2009年に経営破綻した際、すべての貨物機を売却した。ANAは大型機の半分程度の搭載能力であるB767がメイン機材だ。日本唯一の貨物専門の航空会社NCAは、すべて最新鋭機の大型貨物機で運航している。

日本ではANAとNCAは貨物機を保有しているものの、韓国系航空会社の貨物輸送量には遠く及ばない。大韓航空は潤沢な貨物スペースを利用して現在の高い航空運賃が黒字計上に大きく貢献していることがわかる。

日本における韓国系航空会社の存在感

大韓航空は日本での航空貨物業界でも特別な存在感がある。大韓航空の営業マンは全体的にとてもアグレッシブで、彼らの後に営業に行ってもぺんぺん草も生えていないと言われている。

また韓国系2社にとっても日本は重要路線である。日本に赴任する韓国人幹部はここでの実績が出世に大きく影響するので、大韓航空が優位なネットワークを持ちながらも、両社のシェア争いは熾烈である。

ちなみに日本の大手フォワーダーは、その競争にできるだけ巻き込まれないようにバランスを取りながら両社と良好な関係を築いている。両社とも日本の主要空港では貨物便の運航があり、どちらかに偏りすぎるのはリスク分散の観点から得策ではないためだ。

韓国系2社の財閥とは?

韓国では多くの財閥があるが、大韓航空とアシアナ航空もそれぞれ財閥に所属している。

大韓航空は物流系上位財閥である韓進グループの中核企業だ。チョ家による経営で過去にはナッツリターン事件を記憶している人もいるかもしれない。

アシアナ航空は、クムホグループの中核会社だ。かつてはタイヤ製造や路線バスなどを担う韓国の上位財閥であったが、中核事業が軒並み業績不振に陥ったため、現在は高速バス事業を中心とする中堅財閥となってしまった。アシアナ航空にも数年前から売却案が浮上していた。

このような財閥同士の合併は、当然両社間だけでは合意に至らなかっただろう。政府主導によって合併話が急ピッチで進んだといえる。コロナ禍によってアシアナ航空ならびにクムホグループの破綻を危惧し、財閥を潰すわけにもいかず、半強制的な大韓航空との合併案が策定されたといえる。

買収は成立するか?

では買収は本当に成立するのだろうか?

航空会社同士の合併は会社間の合意後に、各主要国の法務省に申請をおこなう。合併によって競争が阻害されないかを審査するためだ。現在のところ、アメリカ、EU、中国、英国、オーストラリア、日本で審議中であるが、韓国では条件付きで承認される模様だ。

ところがアメリカでは、簡便(比較的簡単)審議から深化(より慎重)へと審議レベルが上がってしまった。

  • 大韓航空とアシアナ航空の合併を審査中の米法務省が、審議レベルを「簡便」から「深化」に高めたことが確認された。
  • 審査水準が格上げになったことで厳しい承認条件を提示する可能性大。
  • 合併作業に赤信号が灯ったという観測も流れる。

(22年4月22日 The Korea Economic Daily)

この背景には2社の問題だけにとどまらない理由がある。

多くの航空会社はアライアンス(同盟)に加盟している。スカイチームである大韓航空は、デルタ航空(米)やエールフランスと同じアライアンスだ。アシアナ航空は、世界最大のスターアライアンスに加盟し、ANAやユナイテッド(米)と同じだ。

合併した後は大韓航空が存続会社となるため、それに比例してスカイチームのシェアが大きくなる。反対にスターアライアンスはシェアを落とすことになり、アメリカの場合、特に影響を受けるのがユナイテッドだ。米政府は自国航空会社の意見を反映させるため、ユナイテッドが強烈に反発した結果、審議レベルを高めたと考えるのが妥当だ。

つまり、このような審査がそれぞれの国で実施されるため、たとえ各国で合併が承認されたとしても、相当時間がかかるだろうし、厳しい条件が付くだろう。

では合併が成功したら?

そうはいっても仮に各国で合併が承認された場合も考えておくべきである。

合併後の存続会社である大韓航空は、今までのようにアシアナ航空とシェアを争う必要がなくなり、特にソウル向けは強気な運賃設定が予測される。運賃の高止まりだ。各国政府が懸念しているように競争原理が働かなくなる可能性があるのだ。

秋から始まる貨物のピークシーズンには、韓国スタイル(上げられる時に上げる)が取り入れられ、さらに高額になることも考えておくべきだ。ソウル向けの輸送能力は彼らには誰もかなわないため、たとえ運賃が上がったとしてもフォワーダーも従わざるを得ないだろう。

抜け道は?

韓国系2社の合併によってソウル向け運賃は高騰すると予測したが、ソウルへは日系航空会社も運航しているので、もし大量の貨物でなければ、韓国系に頼らず日系航空会社に任せればよい。なぜなら日系航空会社は韓国系2社の合併に関係なく、自分たちの戦略を重視しているので、引きずられることなく、運賃が設定されると考えられる。

また近場であるソウル向けであっても、直行にこだわらず経由での輸送によって運賃を安くするのも一つの手段かもしれない。

いずれにしても大韓航空とアシアナ航空の合併の動向は、今後も注視しておくべきだろう。

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