ミャンマーにおける主要な産業の一つに米作があります。2018年の一年間でおよそ3.5ミリオントンがミャンマーから外国へ輸出されています。そんなコメの輸出が盛んなミャンマーにおいて「Parboiled rice(強化米)」に関する情報を見つけましたのでご紹介します。
なお、大前提として私は栄養の専門家やコメ農家でもございません。記事中で誤った点を記述していることもあるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。あくまで英文記事から読み取れた内容をサマリーとして掲載しています。
この記事で掲載している情報以上のことをお知りになりたい方は、ご自身の責任と努力の上、情報収集に努めるようにお願いいたします。
Parboiled rice(強化米)
[スポンサードリンク]
Parboiled rice(強化米)とは、白米に比べて食物繊維が二倍、血糖スコアが非常に低いお米です。ただし、強化米といっても特別なお米のことではありません。米殻から「コメにする過程」に工夫しただけのものです。
Parboiled rice(強化米)の5つの特徴
強化米のメリットは、次の5つです。お米=血糖値と考える方も多いのではないでしょうか。強化米は、この常識を覆します。米の精製過程を工夫することにより、お米から糖分を減らします。ただし、お米に含まれるビタミンや亜鉛などの栄養素は、そのままであるのが大きな特徴です。
- 低脂肪
- 血流の流れを良くして血圧を下げるビタミンBが豊富
- 亜鉛による細胞生成の活性化
- 白米との比較で食物繊維が二倍
- 糖スコアが低い
こんな人にオススメ!
強化米は、次の5つの病気を抱えている人が食べると良いとされています。
- 糖尿病患者
- 冠動脈疾患
- 高血圧
- 便秘を予防する
- 小児疾患
- ダイエット希望者
強化米の作り方
強化米と通常のお米は、どのように違うのでしょうか? 強化米を作る上での大きなポイントは「もみ殻付きでお湯に浸し、蒸すこと」です。
もみ殻を付けたままゆでたり、蒸したりすることにより、糖分などが抜けつつ、ビタミンA・B、亜鉛などの重要な栄養素のみを米に残せます。具体的には、次のような作り方をしていきます。
- 60度~80度の湯を用意する
- 「もみ殻付き」のコメを入れてよく混ぜる
- 8時間ほど冷ます。目的:砂糖ビタミンA・B、亜鉛などが流す。
- 15分ほど蒸す。(もみ殻とコメの間に残っているビタミンや亜鉛を再び浸透させる。)
- 乾燥させる
- 外皮を取り除き食べる
ポイントは蒸すこと
一般的には、収穫したコメは、外皮を取り除き、玄米や白米を作ります。パーボイルドライスは、この外皮を取り除く工程をなくし、そのままの状態で「お湯へ浸透」「蒸し」「乾燥」の三つの工程を経ることにより、糖分スコアが低く、食物繊維が白米比で二倍以上のお米ができあがります。
現在の輸出先
2019年現在、ミャンマーから輸出されているパーボイルドライスは、以下の国に輸出されています。ヨーロッパにも輸出されていることを考えると、日本側のマーケットにも受け入れられる可能性があります。
- ヨーロッパ
- アフリカ
- アセアン諸国
ただし、日本市場のマーケットにニーズがあるとしても、外国産米に対する最も大きな問題は、日本側の高い関税率です。お米に関しては、LDCによる特別特恵も適用できません。2019年現在、お米には、以下の関税率が設定されています。
- HSコード:1006~
- 暫定税率 1KG 50円(現状は、暫定税率を適用)
- WTO税率 1KG 340円
もし、あなたがお米の生産農家であるなら、このパーボイルドマイについてもう少し研究されると、現在、生産しているお米とは違うビジネス展開ができると思います。現状、日本国内に、このパーボイルド米と同じものが流通されているのか?を含めてご検討ください。
ちまみに、ミャンマーのお米の原価(70円/KG程)は、非常に安いです。上記の関税率を支払ったとしても、価格競争力はあります。現状は、日本産のコメ自体の品質でこの価格差をカバーできていると思いますが、仮に日本品質のコメをミャンマーで生産できると、非常に大きな脅威です。やはり、大開国時代であることを見据えて、研究と行動をしていく必要があります。
まとめ
- ミャンマーでは、パーボイルド米(強化米)が輸出されている
- パーボイルド米は、血糖スコアが低い、食物繊維が二倍の特徴がある。
- 高血圧、糖尿病、ダイエット希望者などに適している
- 日本のコメ農家さんは、パーボイルド米の研究をするべきです。(していなければ)

