ある国に何らかの商品を輸出するときに、その国を一つの市場と考えるのなら、この先も「成長する可能性が高いのか?」を考えることが重要です。成長をするのかどうかを見極めるときに有効な指標が「人口ボーナス」です。そこで、この記事では、人口ボーナスの概要をご紹介していきます。
人口ボーナスとは?
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ある国へ自社の商品を売り込もうとしています。海外に商品を輸出するときは、該当する国の価格、ライバル企業動向、市場性などと合わせて、文化や風習などに気を配ります。
例えば、ある国では、女性の下着の信頼が低いとされています。なぜか?人口増加を抑制するために、「下着に妊娠しずらくする成分が含まれているのではないか?」と考えられているからです。もちろん、真実は、どうかはわかりませんが、そこに伝わる噂話、環境、慣習が購買に影響することはよくあります。
- 宗教上、食べられないことによる影響
- 甘い物が好きな国民性=サプリメントの需要が高まっている
- 高層マンションの増加=防災グッズの需要が高まっている
など、少し考えただけでもたくさん見つかります。もし、あなたが輸出を検討しているのであれば、これらの慣習や噂話と、自社の商品がマッチしているのか?を含めて検討することが重要です。また、このとき、合わせて考えることが「市場の成長性」です。
市場の成長性とは、いわゆる人口増加率のことです。輸出を予定している国の人口増加が鈍くなっているときは、売り上げの拡大を見込むのは難しいと判断できます。すでにご存じの通り、人口が減る=市場が小さくなるためです。この人口の増加率から、市場の成長性を判断するための一つの指標が「人口ボーナス」です。
人口ボーナスとは?
人口ボーナスとは、人口の増加率と比べて、生産年齢の人口増加率が高い状態のことです。具体的には、最初に、その国の人口を子供/高齢者と、それ以外の世代に分けます。
- 子どもと高齢者
- それ以外の世代
子供と高齢者の括りからもわかる通り、ここに属する世代の人は、基本的に労働をしてお金を稼ぐ等をしません。そのため、これらの人口を「非生産人口」と言います。一方、高齢者と子供以外の世代、つまり、私やあなたは、仕事によって経済活動をしているため「生産人口」といいます。年齢でいうと、15~64歳までの人たちです。
例えば、人口が100人の村、生産年齢が60人、人口増加率が5%の場合であれば…..
人口全体の増加人数は、5人です。このとき、この増えた5人の内訳に注目します。この5人の内、生産年齢の人が4人含まれていると、60人が64人です。つまり、生産年齢に限定して人口の増加数を考えると、6.6%増えています。
- 人口全体の増加率は、5%
- 生産年齢の人口増加率は、6.6%
人口全体の増加率よりも生産年齢の増加率が上回っているため、バンバンと働く世代が多い=経済規模がどんどんと拡大していることがわかります。これが人口ボーナス状態です。あなたが進出する国は、人口ボーナス状態にあるのか? それがいつまで続きますか?これらを基準にして市場を選ぶことも重要です。
では、当サイトがテーマにしている東南アジアでは、どのような状況になっているのでしょうか?
東南アジア各国の人口ボーナスの状態
World Population Prospectsによると、東南アジアでは、ベトナム、マレーシアの二か国が2020年まで人口ボーナスが続くと見込まれています。この他の国であれば、インドネシア、フィリピン、インドなどが2030年~2040年まで、人口ボーナスが続きます。
国 | 人口ボーナスが終わる時期 |
ベトナム、マレーシア | 2020 |
インド | 2035 |
インドネシア | 2030 |
フィリピン | 2040 |
人口ボーナスランキング
1.フィリピン
2.インドネシア
3.タイおよびメコン川流域
4.ミャンマー
5.カンボジア
6.ラオス
7.マレーシア
ソース:World Population Prospects
まとめ
- 外国へ進出するときは、その国が有望であるのかを様々な指標で判断します。
- 判断するための指標の人が人口ボーナスです。
- 人口ボーナスは、人口全体の増加率と生産年齢の増加率を見比べて、人口<<生産の状態になっていること
- 人口ボーナスに入っている国は、様々な市場が拡大されていきます。
- つまり、輸出する先、または進出する先の企業として旨味があります。
基幹記事:東南アジアのトビラ

