比/火山噴火の需要 米/ロカボ商品 カンボジア/日本食の輸出

世界の今20200103-2貿易コラム
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オーストラリアでの山火事など、天災が続く今月。フィリピンでは火山も噴火し、農業だけでなくビジネスも影響を受けている。電子タバコに関して新たな動きも判明した。各国の輸出入トレンドと合わせて最新の動向をご紹介する。

フィリピン火山でビジネス打撃

フィリピン噴火、現地ビジネスに大打撃

フィリピンの火山噴火が、現地ビジネスに深刻な影響を与えている。今月12日、首都マニラの約100km南方の「タール火山」が噴火。首都をふくむ周辺地域には火山灰が降りそそぎ、5万3千を超える世帯が非難を余儀なくされた。政府は帰宅を禁じており、生活復旧のめどは立たない。

周辺地域では大規模な停電も発生。現地業者には16日になって営業再開したところもあるが、事務所の掃除から始めねばならず前途は多難だ。近隣地域には日系企業の多数入居する工業団地があるが、長期的な影響も懸念される。16日になり一旦状況は落ち着いたものの、1日に微震が100回を超える日もあり、専門家によるとまだ噴火への警戒は必要だ。

火山噴火の考察

まずは関係国ができるだけ早く復興することを願う。市民への影響が広がる噴火だが、これにより思わぬ需要も起きている。それは「マスク」だ。火山灰を避けるため、店にはマスクを求める人が殺到。それにともなって値段も通常の5倍にも高騰し、見かねた政府が法外な価格での販売を禁じる騒ぎとなっている。目を守るためのメガネやゴーグルにも需要が予想され、輸出ビジネス業者としては現地ニーズの情報収集を続けたいところだ。

    元記事:

  • Channel News Asia, Tens of thousands face uncertainty as Philippine volcano spews lava
  • The Daily Beast.com, Taal Volcano Eruption in the Philippines is Looking Bad, with Worse to Come
  • CNA Lifestyle, Philippine grandma sews face masks for Taal volcano evacuees

電子タバコJuul、製造見合わせ・廃番。若年者への影響を受けて

電子タバコ業界が規制に揺れている。米国での電子タバコ販売禁止に続き、マーケットリーダーのJuulはカナダでの製造一時中止に追い込まれた。また、マンゴー、キュウリ、フルーツ、バニラの各フレーバーは廃番となる。10代の使用急増による社会問題化を受けての対応で、メーカーは方針の見直しを検討する。

Juulは巧妙な広告戦略で若年層の支持を広げ、「タバコより安全」とのイメージから10代の使用が急増。今や電子タバコ市場で75%の圧倒的シェアを誇る。しかしユーザー拡大と同時に社会への影響も広がり、「関連疾患での欠席増加など学習環境を破壊した」として自治体などからの訴訟も発生。当局による捜査も始まっていた。

考察

先週米国での電子タバコ販売禁止を報じたばかりだが、輸入業者にとってはさらに不安なニュースとなった。しかも規制する国は米国以外にも広がっており、世界の動向が懸念される。

昨年9月にはインドが輸入・製造・販売を禁止。また、11月には韓国軍が基地での保有を禁止じたうえ、政府は国民に使用中止を警告した。現状では日本での輸入販売が可能だが、楽観視は禁物。事業者としては、新たな商材の開発やリサーチが一層求められる。

(※お詫びと訂正:先週掲載の「アメリカでVape禁止。健康被害を受けて」について、米国内で販売禁止となるのはVapeだけでなく「電子タバコ全般」でした。)

    元記事:

  • CNBC, Juul is halting sales of its fruit-flavored pods in Canada
  • TorHoerman Law, Lcc, Juul Lawsuit
  • CNBC, India bans e-cigarettes in setback for Juul and Philip Morris
  • CNBC, South Korea bans liquid e-cigarettes on army bases
  • Time, Trump Administration Announces Stripped-Down Regulations on Flavored Vaping Products
  • FDA, FDA finalizes enforcement policy on unauthorized flavored cartridge-based e-cigarettes that appeal to children, including fruit and mint

米チョコ最大手ハーシーズ、ロカボ商品発売

低糖質フード市場に製菓大手が乗り出した。米チョコレート最大手のハーシーズは、自社ブランド「クレイヴ」から豚皮フライスナックを発売する。

味はチリライムと豚串焼きタコスの2種。糖質含有量は0gと、シビアなダイエッターにも嬉しい仕様だ。グルテンフリーのため健康志向のユーザーにも向いている。植物原料のビーフジャーキーも同時発売。ハーシーズはキャンディ等の需要減少を受け、2015年にビーフジャーキーブランドのクレイヴを買収した。

ロカボの考察

糖質0gのスナックは、輸入商材としても注目したい。というのも、糖質を減らしタンパク質や脂質を積極的に摂る「低糖質(ロカボ)ダイエット」は、日本でも静かなブームとなっているからだ。血中のケトン体濃度が上がることから「ケトジェニック」ともいい、実践法のシンプルさ等から支持する人も多い。

ただ、一般的な食生活とは大きく異なるため、継続にはハードルが多いのが実情。日本では「主食=炭水化物」のライフスタイルが定着しているため、タンパク質メインへの転換は容易ではない。また、小腹が減った際の「おやつ」にも選択肢が少ないため、しゃれた輸入スナックはユーザーの目を引くだろう。海外製品にもアンテナを張り、ダイエッター向けの商材開発を急ぎたい。

    元記事:

  • Food Business News, Hershey ushers Krave into the plant-based meat snack segment
  • Forbes, Can Beef Jerky Solve Hershey’s Chocolate Problem?

和のおもてなし。カンボジアの日本料理店に注目

暖簾をくぐれば、そこは日本――首都プノンペンの日本料理店「禄(ロク)」は、本場の味だけでなく日本の「おもてなし」を体験できると評判だ。木を基調とした店内や丁寧な盛り付けは、まさに日本の居酒屋。刺し身や寿司、定番の唐揚げなどメニューも充実だ。

また、座敷はカーテンで仕切られ、プライバシーに配慮するのも日本流。そんな部分に惹かれてか、サッカー選手の本田圭佑氏や女優アンジェリーナ・ジョリー氏も訪れた。調味料は日本からの輸入で、今のところ牛肉は米国産。11:30-23:00まで営業。いくら丼9.8ドル、焼き鮭7ドルなど。

日本食ビジネスの考察

カンボジアの日本食ブームは、輸出ビジネスの面でも見逃せない。魚や米食文化など、意外にも共通点のある日本とカンボジア。日本食人気が高まれば、醤油や味噌などの伝統的調味料にも需要が増えるだろう。

また、今後は高級食材への注目も期待できる。カンボジアのGDPはここ数年7%台と安定成長。収入も右肩上がりで、10%台の伸びが続く。所得増大で「和牛」の消費に火がつけば、料理店からの引き合いも増えるはずだ。

カンボジアは、すでに日本産冷凍牛肉を輸入しているが、実はほとんどが中国向け。2001年以降中国は日本からの直接輸入を禁止じたため、カンボジアを迂回して仕入れる業者がいるためだ。一方、国内でも和牛提供店はあるものの、100gあたり40-50ドルと地元産の40倍。現状では庶民の味に程遠いが、伸び続けるカンボジアマーケットの可能性に期待したい。

    元記事:

  • The Phnom Penh Post, Savouring authentic Japanese cuisine in a traditional setting
  • Asian Development Bank, Cambodia Economy
  • culture trip, The 21 Best Dishes to Eat in Cambodia
  • CEIC, Cambodia Household Income per Capita

旧正月へ食材需要沸騰、シンガポール

フェスティバルシーズンの到来で、野菜生産者が悲鳴を上げている。1月25日の「旧正月」に向け、人々が食材を買い込むシンガポール。その巨大なマーケットを満たそうと、生産者が出荷に追われている。マレーシア北部の高原地帯キャメロン・ハイランドもそんな産地の一つだ。普段なら中国の輸入作物もあり供給は安定しているが、この時期は事情が違う。

マレーシアや中国には「旧正月休み」を取る生産者もいるため、それ以外の農家に負担が集中するためだ。また、雨季で成長不良や病害が増えるのも供給不安の一因となる。日持ちのしない野菜は、旧正月直前が需要ピーク。農家の苦労は当面続く。

旧正月の食材に関する考察

人口の70%以上が華人/華僑のシンガポールでは、毎年1月下旬から2月上旬の「旧正月」を盛大に祝うのが習わしだ(日付は毎年変動)。家族だんらんの意味合いも強く、一家総出で食事を楽しむところが多い。

しかし、われわれ日本の事業者にとっては頭痛のタネでもある。シンガポール国内では消費が増える一方、現地業者は軒並み休業。また、日本とは休暇の観念が違うため、旧正月の前後2週間ほどはやり取りが停滞する。そのため、大きな取引は必ず事前にクローズさせるなど、綿密なスケジュール管理が求められるのだ。各国の文化や習慣は、貿易において必須の知識。売上目標達成のためにもぜひ押さえておきたい。

    元記事:

  • Channel News Asia, Gap in vegetable supply chain puts Cameron Highlands farmers in overdrive before CNY
  • index mundi, Singapore Demographics Profile 2019
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