タイ/伝統工芸の布マスク 新/ひよこ豆がブーム 輸出も視野

世界の今202011貿易コラム
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長期戦が予想されるコロナ禍に負けない積極的な企業や生産者たちが多く存在する。あえてこの時期に販売する新製品、マスク生産で臨時収入を得るタイの伝統工芸品生産者たち、子ども用の教材やワインなどを定期便で提供する人気サービスも紹介。このほか、急成長する人工肉・魚介類業界の貿易関連ニュースも紹介する!

タイ/伝統工芸でマスク シンガポール/ひよこ豆ベースの魚介類

コロナ禍でも新発売 積極的な企業たち

新型コロナ感染拡大の影響で、多くの企業が投資や新規参入を延期しているにも関わらず、時勢に負けずマーケティング支出や新発売に踏み切る企業が多数存在する。

例えば、NY発ビューティブランドのグロッシアーは、医療従事者への応援を掲げてハンドクリームを新発売した。また中国の携帯電話会社OnePlusは2種類の携帯用ハンドセットをリリースし、オンラインでジャーナリストにプレゼンした。

さらにイギリスの飲料会社Tenzingは、コロナ発生前に予定していたフルーツ系のドリンクの新発売を中止し、家庭でのフィットネスを促進するエナジードリンクに切り替えた。同社は看板広告やサンプル配布で宣伝する代わりに、アプリから入手したアクセスコードで7日以内にサンプルを引き換えることができるという方法を採用した。

ハンドクリームの考察

Tenzing代表のヴァン・ボッケル氏は、エナジードリンク「レッドブル」のマーケティング責任者というキャリアを捨てて自身のエナジードリンク会社を設立した人物だ。ヴァン・ボッケル氏は「私たちはあえてこの時期に新製品を発売する。ひとつには、私たちの商品はこの時期に消費者の関心を集めることができるから。もうひとつは、どの企業も新製品の発表を控えている時に発売することで、より注目を浴びることができるからである。」と話している。

コロナ発生によって経験したことのない様々な困難が発生しているが、むしろそれを逆手に取った積極的な企業活動が可能であることを証明した事例だろう。

元記事:

  • CNBC, These brands are still going ahead with product launches despite the coronavirus crisis

タイ伝統工芸品で布マスク

タイ国内の伝統工芸業界では、タイ王国持続的観光特別地域開発管理機構(Dasta)からの補助金を得て、伝統工芸の布を使ったマスクの製造に切り替える生産者が増えている。

例えば、タイ南部パタニで手工芸品を生産する地元女性グループ「バラホムバザール」は、伝統的な印刷技術で作られた布を使ったマスクを販売して売り上げが好調、コロナ危機を好機に変えた。また、タイ北部の少数民族タイプアン族が手織りした綿100%で作ったのは抗菌マスクだ。同じく北部スコータイ県の主婦グループのマスクは、赤土で染めた布が使用されている。そのほかオーガニックコットンや火山性土を使用して染色された布など、地域によってバリエーションが様々だ。

ちなみに、タイからマスクを輸出する業者はライセンスを取得する必要があり規制対象となっているが、布製もしくは洗濯可能なものは対象外となっている。(2020年2月13日 タイ商務省国内貿易局(DIT)情報)

布マスクの考察

本記事からは、これらのマスクが伝統工芸と現代的なデザインを融合した商品として注目されていることが伺える。さらにこの動きは、タイのローカル文化の発信としても機能している。マスクのデザインがほぼ同じだからこそ、生地の質感、モチーフ、色の違いが際立って見えてくる。マスクが地域文化を広く紹介するツールとなっていると言っても過言ではない。この動きが、各地域コミュニティにコロナ収束後も続くプラスの影響を与えると期待したい。

*各コミュニティの連絡先の一部は以下記事で紹介されています。

元記事:

  • Bankok Post, Stay safe in style
  • Bankok Post, Traditional solution to a modern problem
  • 日本貿易振興機構(JETRO)、 新型コロナウイルス対応のためマスクの国外輸出が許可制に(タイ)

子供向け教材の定期便 イギリスは多様な内容

英インディペンデント紙は、子ども向けの教材が毎月家庭に届く定期便サービスを特集した。そこでは月額約1000円~3000円代で利用できるサービスを紹介している。

ケーキを焼くセット、読み書きを学べる文房具セット、歯磨きトレーニングセット、ティーンネイジャーの心のケアに注目したセット、花の栽培セット、宇宙飛行士ごっこセットなど、多岐に渡る。また、ポケモンなど日本のアニメキャラクター商品や、日本のお菓子を扱うKinda Kawaiiというロンドンの企業も紹介。

これらのサービスの魅力は、子どもの興味を引く内容であることはもちろん、子ども達が次のセットの到着を待ちわびるというワクワク感を与えることができる事がポイントだ。また消費者としての利点は、セット内容を個々に入手すると手間もコストもかかり、結果的に節約にもなる。

子供向け教材の考察

新型コロナ感染拡大による外出自粛は長期戦を覚悟することになりそうだ。そのため、子どもたちが家庭で学べることができる教材への関心は、世界的にまだまだ高いと言える。定期便サービスがイギリスほど充実しているとは言えない日本国内でも、高い需要が見込まれるだろう。

また、海外に人気のある日本文化をパッケージ化したロンドンの企業が存在するということから、この定期便システムは多様なジャンルで採用できる形態といえる。既存のシステムではあるが、コロナ時代に需要を伸ばすことができる新しいサービスとして期待したい。

元記事:

  • Independent, 13 best kids’ subscription boxes to keep them entertained during lockdown

ひよこ豆ベースの魚介やアイスクリーム

シンガポールの植物ベース代替食品生産スタートアップGrowthwellは、イスラエルのスタートアップと業務提携し、ひよこ豆を利用した魚介類代替品の開発を進めていると発表した。

同社は、シンガポール政府が所有する投資会社テマセク(Temasek)から800万USドルを獲得。この調達資金の一部は、イスラエルのスタートアップChickPとの資本業務提携に充てられ、ひよこ豆たんぱく質90%を使用したアレルゲン、グルテン、乳糖、ホルモンを含まない魚介類代替品の開発を進めている。この製品は中国やオーストラリアなどのアジア太平洋市場での販売拡大を計画している。

また2121年には、ひよこ豆ベースのアイスクリームやミルクなどの新製品の開発を開始する予定。

Grouthwell URL: https://growthwellfoods.com/

ひよこ豆の考察

人口肉市場は世界的に急成長を遂げている。2025年には70億USドル市場に達すると予想され、欧米では様々な企業が参入している。アジアでは未開拓といわれているが、台湾の素食文化の盛り上がりや、昆虫食への注目など、市場が成長する素地はあると言える。日本の消費者向けには、肉の代替より、商品の背景価値や、大豆などの素材をポイントにした導入が必要とも言われている。

元記事:

  • Media Out Reach, Growthwell Group, One of South East Asia’s Leading Player for Plant-Based Alternatives Raises US$8 Million for Regional Scale-up

グラス一杯の試飲ができるワインボックスが復活

米サンフランシスコのスタートアップVineboxは、自宅で休日を過ごす人々を応援するため、ホリデーシーズン限定で販売していた試飲用ワインボックス「12 Nights of Wine」を復活させた。ボックスには12種類のワインが一杯ずつ小さな瓶に収められ、飲むにふさわしい時間帯や食事のアドバイスが書かれた案内書も入っている。ギフトオプションもあり、他の人にギフトセットを贈ることもできる。日本発送は未定。

Vinebox URL: https://www.getvinebox.com/

ワインボックスの考察

同社は1杯分のワインサンプルを毎月楽しめるサブスクリプション(定期便)ボックスを販売するスタートアップ。洗練されたデザインの箱の中には、認定ソムリエたちが厳選したワインが入った太い注射器のような瓶が収められていて、日本でも注目を浴び始めている。ワインの定期便は日本でも定着しているが、試飲の定期便は、プロが選んだ味を一度に複数楽しめる画期的なサービスだ。ワイン初心者に向けたサービスでもあり、消費者の裾野を広げることができるシステムとも言える。

元記事:

  • Retail Dive, Retail Therapy: ‘Stay the F* home’
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