インド/タイヤの輸入規制 米/衛生デバイス ベトナム/国産車Vinfast

セカイマ2020-15貿易コラム
この記事は約8分で読めます。

今回は、タイ、カンボジア、インド、ベトナムから、地元ブランドを創出あるいは保護し、世界進出を狙う貿易ニュースをまとめた。また、アメリカやイギリスでは、ベンチャー企業による衛生デバイスの開発ビジネス競争が始まっているという話題もお伝えする。

タイ/農産物データ流通管理システム カンボジア/新ビール醸造所 インド/タイヤの輸入制限

タイ 農産物の生産流通を可視化するシステム 有機米から利用開始

タイ商務省は、農産物の生産から流通販売までの過程を確認できるウェブサイトTraceThai.comを開発した。試運転として、輸出の見込みの高い有機米の登録を開始するとしている。

本サイトは、様々な登録処理を容易にし、貿易促進の目的で作られたブロックチェーンシステム。近い将来、消費者はスマホで製品に取り付けられたQRコードをスキャンすることで、農産物の生産・流通過程を確認できるようになる。

また商務省は、将来的に、農産物のみならず他の製品への適用にも拡大したいとしている。

流通システムの考察

タイ政府は最近、中国アリババグループのプラットフォームTMall(天猫)に、タイの農産物ショップをオープン。すでに、キャッサバ、コメ、にんにく、果物、その他の農産加工品など17万点以上の製品が出品されている。

並行して、国内の農家に対し、世界中で使用禁止が進む成分を含む農薬や殺虫剤の使用禁止を勧告した。このように、タイ政府は農産物の輸出を積極的に推進し、また製品の安全性の確保をあらゆる面で実施し始めている。

本記事のブロックチェーンシステムが本格的に始動すれば、よりその安全性と信頼性が担保されるだろう。ちなみに日本の農産物におけるブロックチェーンシステムは、輸出拡大を目指す自治体や地域商社によって、地場農産品のブランド化や食品偽造防止などで利用されている。

元記事:

  • Bankok Post, Organic rice gets trade boost
  • Fresh Plaza, Thai government participates Chinese festival organised by TMall
  • Xinhua News Agency, Thai agriculture ministry to join hands with Chinese e-commerce giant to tap into international online market
  • Thailand Business News, Thailand Bans several toxic farm chemica
  • MONOist, ブロックチェーンを活用した農産物データ流通基盤を開発

英米 新時代の衛生デバイス 

イギリスのオフィス家具製造会社DDB Ltdは、ハンドルに触れずにドアを開閉できる「Hygiene Hook」を開発、すでに販売を開始している。ポケットに入る大きさで、服のハンガーのフック部分を取り外したような形状。簡単に殺菌できる素材を使用し、ドアハンドルを押したり、引いたり、回したりできる。製品はすでにオンライン販売を開始しており、その収入の一部はイギリスの国民保健サービスに寄付される。

一方、アメリカ・シアトルのベンチャー企業Slightly Robotは、むやみに顔を触らないようにするためのリストバンド「Immutouch」を開発。着用した人が手を顔に近づけるとブザーが鳴る仕組みだ。

また、カリフォルニアを拠点とするプロダクト設計会社CAD Crowdは、新しいコロナの世界を牽引する実用デザインのコンテストを実施。手首に取り付けられた消毒スプレーなど、65ものアイデアがエントリーされたという。

  • 「Hygiene Hook」URL;https://www.hygienehook.co.uk/
  • 「Immutouch」URL: https://slightlyrobot.com/

衛生デバイスの考察

パンデミック後、いかにウイルスに触れずに感染リスクを抑えるかが、新しい生活様式の一部となっている。世界史の一大局面とも言える大きな動きが、各所に技術革新を生み出している。

アジア発の同様の話題として、韓国のプロダクトデザイナー、イ・サンウクによる一見トースターのようなスマホ充電器が欧米メディアに注目されている。スマホを差し込むと表面をUVライドで滅菌してくれるという優れもの。見た目はコロンとした丸い清潔感のあるモダンなフォルムで、インテリアデザインとしても優れている。色はグレー、モスグリーン、黒の3色。(連絡先:Instagram、wook_3d)

ちなみに記事で紹介した「Hygiene Hook」と同様のデザインは、各所で製作されている。その一部は、3Dプリンター用のデータも流通されている。物に直に手を触れずに製品を入手することができる方法として、3Dプリンタ用データのやりとりが、新しい輸出入のアイデアのひとつとなっていくのかもしれない。

元記事:

  • Reuters, Mother of invention: the new gadgets dreamt up to fight coronavirus
  • The Telegraph, Tools to fight the pandemic
  • Yanko Design, TOAST THE BACTERIA OFF OF YOUR SMARTPHONES!

カンボジア バタナック社が大規模ビール醸造所を建設

プノンペン市内の超高層ビル「バタナックキャピタルタワー」で有名なバタナック財閥の子会社、バタナック醸造株式会社(Vattanac Brewery)が計画したビール醸造所の設立プロジェクトが、政府に承認された。建設所在地は、プノンペン市内を流れるバサック川の東に位置する。同社は、この醸造所は899人の雇用を創出すると発表した。

このプロジェクトは、同社が今までに、タイガー、ハイネケン、ブラックパンサーといったブランド性の高いビールを製造し、経営が順調であることを受けて承認された。

カンボジアでは、今年に入ってすでにHanuman Beverages Co Ltdによる、1億6060万ドルを投資したビール醸造所の建設が承認されている。カンボジア政府による醸造所建設プロジェクトの承認は、バタナック醸造所が今年に入って2番めとなる。

バタナック社の考察

カンボジア政府によると、このプロジェクトは、雇用創出に加え、カンボジア国内生産の増加、および輸入削減を目的としているとしている。一方、カンボジア王立アカデミーの経済学者はこの動きに対して、カンボジアビールはすでに輸出市場の開拓が進んでいることから、輸出のための人材や品質を強化する必要があると指摘している。

次のインド、ベトナムからの二つの記事も含め、政府が国内産業を優先させることで、パンデミック後の経済を回復しようとする動きが各国で始まっている。もちろん、バタナックブランドによる新しいビールの誕生も期待したい。

元記事:

  • The Phnom Penh Post, Vattanac to launch $87M brewery

インド タイヤ輸入制限を実施

インド政府は、ラジアルやチューブレスを含む、自動車、バス、トラック、オートバイに使用されるタイヤの輸入制限に踏み切った。輸入を抑制し、国内企業を強化する目的だ。

輸入者は今後、商工省商務局・外国貿易部(Directrate General of Foreign Trade:DGFT )発行の免許または許可を申請しなければならない。

インド政府は現在、パンデミック中のロックダウンによる景気低迷を受けて、「Go Vocal for Local」のスローガンのもと、インドの自給自足を提唱し、国産製品の重要性を呼びかけている。

タイヤの輸入規制に関する考察

インドでも、世界的なパンデミックによって引き起こされた課題への対処が始まっている。

タイヤの輸入制限のニュースとは別に、最近、インド海運業界では、船荷証券と貿易文書のデジタル化を開始したというニュースも発信された。宅配業者のオーバーフローや、人と人の接触を減らすための措置としての対応だ。すでにインド国内の19の港でシステムの運営が始まっている。

このように、政府による制限が加えられる一方で、世界中のあらゆる業態でイノベーションが始まっている。そのイノベーションは、パンデミック以前には解決できなかった課題をも払拭する、前向きな動きだとも言えるだろう。

元記事:

  • ZEEBUSINESS, India restricts imports of tyres to boost domestic companies
  • The Maritime Executive, India Launches Digitization of the Bill of Lading and Trade Documents

ベトナム 初の国産車Vinfast 研究開発センターを豪に設立

ベトナム初の国産車メーカーVinFastは、オーストラリア・メルボルン市内に研究開発センターを設立し、国際的な販売展開の拠点とするとした。

同センターは100人近くのスタッフを擁し、ガソリン駆動と電気自動車の両方の開発に焦点をあてる。同社は来年、ベトナム国内の工場で電気自動車の量産に着手し、アメリカ市場を狙うと発表している。

Vinfastの考察

Vinfastは、ベトナムの大企業ビングループの子会社で、昨年、初の国産ガソリン車を国内で販売開始した新興自動車メーカーだ。その豊富な資金力を後ろ盾に、ヒュンダイ、トヨタ、キア、ホンダについで5位の販売台数となった。

研究開発センターが設立されたメルボルンは、車両試験ができる施設が点在するだけでなく、世界輸出への出発点となるメルボルン港の存在も大きいようだ。世界トップクラスのベトナムブランドとなるか、大いに期待したい。

元記事:

  • Reuters, Vietnam car maker Vinfast launches Australian R&D centre
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