豪/オシャレなアクリルボード 英/新しい関税制度 パキスタン/マンゴーの輸入

セカイマ 貿易コラム
この記事は約7分で読めます。

アメリカからは黒人オーナー美容ブランドの小売促進、タイからはコロナ禍でも堅調な家具メーカー、オーストラリアのおしゃれな飛沫防止ボードの話題に加え、パキスタンマンゴー輸入における日本政府による制限緩和、イギリスの新しい関税制度のニュースをお伝えする。

タイ/機能的な家具 米/黒人オーナー美容ブランドに動き 豪/おしゃれな飛沫防止ボードなど 

タイ発 ハイエンドな機能とデザインを持つ家具

タイの木工家具ブランドDeesawat Industries(ディーサワット)は、シンプルだが機能性にとんだ美しいデザインを提供している。例えばブレーズツールという椅子は、高さを高齢者の身長に合わせ、横についたグリップが座ったり立ち上がったりする動作をサポートする。

またリビング・ウィズ・ペットというソファは、ペット一緒に座ることを想定してデザインされた。このことから、フランスや日本を含むホテル、病院、老人ホームで使用されている。顧客の抱える問題を解決する手助けをするというコンセプトで、購入された家具が次の世代に受け継がれることも想定し、リーズナブルな価格で良質の製品を提供している。

Deesawat Industries(ディーサワット)URL: https://www.deesawat.com/

ディーサワットの考察

ディーサワットは1972年に設立されて以来、タイの木材製品業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立してきた。同社の顧客の約8割は欧米を中心とした外国企業だ。また自社ブランド製品以外にも、OEM製品(他者ブランド製品の製造)を提供し、その割合は4割にとどまっている。このように海外ビジネスを中心に展開していたことから、パンデミックの間もビジネスの勢いが衰えることはなかったという。2010年には同社のベンチが日本のグッドデザイン賞を受賞しているが、日本国内の知名度は充分とはいえないだろう。

元記事:

  • DITP, Deesawat: Delivering Quality Functional Furniture

米 美容業界で黒人オーナー企業ブランドの小売増加運動

Black Lives Matter(BLM)をスローガンにしたアメリカの人種差別への抗議運動は、より広い呼びかけに発展している。米国内企業が次々と声明を発表しているが、なかでもファッション・美容業界は最も強い影響を受けていると言える。

黒人オーナー企業のアクセサリーブランドBrother Velliesや、アメリカの全人口に占める黒人の割合である15%を目安に、小売業者が扱う製品の15%を黒人オーナー企業にすることを目標とした呼びかけを行っている。化粧品ブランドUoma Beautyは、業界に対して、黒人の幹部や従業員がどのくらいの割合かを発表する呼びかけをしている。

美容業界におけるBLMの考察

アメリカの医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソンが美白ラインの化粧品販売を中止するなど、BLMは各国の美容業界に大きな影響を与えている。なかでも化粧品大手ロレアルグループやユニリーバが、インドや中東で展開している美白製品の名称を変更することを発表した事は大きく報道されている。特にインドでは、BLMに賛同した俳優や元ミスワールドが、これまでに美白製品を推奨してきた矛盾を非難されているという。日本における「美白」はシミ・ソバカス・くすみ対策を指している事が多く、英語で使われがちなSkin Bleaching(肌の漂白)とは想定が違うという意見もあるが、今後「ホワイトニング」という言葉の使用に関して、輸出入における影響は避けられないだろう。

元記事:

  • Retail Dive, Black-owned beauty brands in the spotlight

  • Barron’s, L’Oreal To Remove Words Like ‘Whitening’ From Products

豪建築家デザインのポップなコロナ対策アクリルボード

オーストラリアの建築家ザハバ・エレンバーグがデザインした、カラフルでポップな透明アクリルボードClikclax。1970年代のイギリスのおもちゃPlayplaxに触発されてデザインしたというそのシリーズには、様々な大きさや形がそろい、オフィスのスペースに合わせて簡単にデスクの周りを覆う事ができる。その内側に小さな棚を設置できるなど遊び心もいっぱいだ。オフィスやコワーキングスペースから、学校や学生寮、ホテル、ギャラリー、図書館、カフェやレストランの共同テーブルに至るまで、世界中の人々が「盛り上がる」ことを想定したデザインだ。

Clikclax URL: https://www.clikclax.com/

アクリルボードClikclaxの考察

Clikclaxは空間を明るく演出するだけでなく、組み合わせて無限にカスタマイズすることができる柔軟性を備えたデザイン。落ち着いた色合いも選択でき、個人の好みや企業カラーに合わせて選ぶことができる。日本における飛沫防止板はまだ無色透明のアクリルが主流で、Clikclaxのようなデザイン性の高い製品は、空間デザインを重視する企業の需要が高いと言えるだろう。

公式サイトでは、重量や力を加えると破損の恐れがあり、また燃えやすい性質があるとの但し書きがユニークに明記されている。日本への輸出にも対応。

元記事:

  • Yanko Design, PLAYPLAX TOYS INSPIRED THIS SNEEZE-GUARD DESIGN TO ADD COLOR TO SOCIAL DISTANCING!

日本政府が事前検査を免除 パキスタンからマンゴー輸入 

パキスタンの食料安全保障研究省によると、現地の植物防疫機関と日本の農水省は、パキスタンマンゴーの日本への輸出で通常行われる事前許可の免除を合意した。通常、日本への輸入を許可する前に、品質検査および通関のためにマンゴー輸出国に検査官を派遣している。しかし今年、コロナウィルス感染拡大の影響によって検査官を現地派遣できなかったため、日本政府は事前検査なしでの輸入許可を下した。事前視察は免除されたが、輸送中の消毒および滅菌処理は通常通り施される。輸入されたのは現地のマンゴー品種であるシンドリ種とチョウサ種。

パキスタンマンゴー輸入の考察

質の高さで定評のあるパキスタンマンゴー。日本への輸出量は年々増加し、2019年には過去最高の120トンに達している。

今回の事前視察の免除は、日本政府によるパキスタンの農業分野への支援が背景にある。パキスタン国立農業研究センターの植物遺伝資源研究所への建設、バッタの大量発生に対する殺虫剤散布支援など、パキスタンの様々な農業開発に対する支援を行ってきた。現地の日本大使館によると、今後も同様の支援に加え、食品加工分野への投資も積極的に行うとしている。コロナ禍だからこそむしろ、通常の制限が解除されるケースがありえることを示したニュースだ。

元記事:

  • Dawn, Japan allows import of mangoes from Pakistan

英 新しい関税制度を発表

EU離脱を進めているイギリスは今年5月、EUの対外共通関税(Common External Tariff: CET)に代わる、独自の新しい関税制度UK Global Tariff (UKGT)を発表した。執行は2021年1月1日からで、日本からの輸出にも適用される予定。

イギリス政府によると、UKGTはEUの対外共通関税よりもシンプルで使いやすく関税率が低い。2%未満の関税は全て切り捨て、持続可能な経済を推進するために100以上の関税の引き下げ、またイギリスで生産していな冷凍庫などの商品には関税がかからない。通貨はユーロではなくポンドに戻る。

英の新しい関税制度の考察

発表から約2ヶ月経ち、各国および各業界でも慎重な分析が始まっている。イギリス政府の目的はEUの関税制度に比較して、制度をを簡素化して税率を引き下げることだが、今後の国際社会との交渉によっては全ての関税が低くなるとは言えない。

ちなみにこの新しい制度は、商品がイギリス税関を通るときにのみ適用されるため、VAT(付加価値税)などの義務や、貿易救済措置などの制限は対象外ということに注意が必要。

元記事:

  • GOV.UK, The UK has announced its new tariff regime the-UK Global Tariff (UKGT)- on 19 May

  • The National Law Review, U.K. International Trade: Government Announces the U.K. Global Tariff

FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録登録済の記事を確認

[スポンサードリンク]



Translate »
タイトルとURLをコピーしました