米/ ゴルフ用品がV字回復 タイ/ワイナリー パキスタン/花の輸入規制

貿易コラム
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今回はアジア各国でのユニークなビジネスを中心にお届けする。アメリカではゴルフカートの売上がコロナで売上急増の話題を、タイからは家族経営のワイナリーの奮闘を、そしてパキスタンのバラの花の日本輸入条件の緩和、マレーシアで開発されたパイナップルの葉で作られたドローン、そしてシンガポールの現代的な都市型農業スタートアップの話題をお伝えする。

米/ゴルフ用品 タイ/ワイナリー パキスタン/バラ貿易拡大へ マレーシア/パイナップルドローン シンガポール/都市型農業

米 ゴルフ手押しカートがコロナでV字売上

アメリカ国内の各ゴルフコースが徐々に再開し始めている。しかしコロナ対策でカートのレンタル使用ができなくなり、自前のカートを購入して持ち込まなくてはならない。そのため、一旦激減した手押しカートの売上が急増した。

オレゴン州に拠点を置くゴルフ洋品店ProActive Sportsは、中国広東省にある工場で製品を製造している。しかし昨年、アメリカ・トランプ政権が中国製品の輸入関税を25%に引き上げたことで、売上が30%急落していた。その直後、コロナ感染拡大によってアメリカ国内の半分以上のゴルフコースが閉鎖され、同社はさらなる打撃を受けた。しかしロックダウンの解除に伴い、各ゴルフコース内でカートのレンタルが中止されたことで、販売台数が急激に上昇。関税引き上げ前の売り上げに戻った。

ゴルフ手押しカートの考察

コロナ時代に入ってからの勝ち組商品は、手作りパンの原材料とニンテンドースイッチだと言われているが、記事ではゴルフ用手押しカートはそれに並ぶと称している。アメリカの別のゴルフ用品企業Clicgearでも、手押しカートの人気が急増して売り切れが相次ぎ、米ショッピングサイトeBayで高値で販売されている。背景には、工場の従業員数がコロナによって激減して生産量が減り、さらに多くのコンテナ船が運行停止になったため輸入もままならないという事情もある。

ちなみに、アメリカのゴルフコースでは日本のようなキャディさんも乗用カートもほとんど存在せず、手押しカート(Gold Push Cart)にバッグを乗せて移動するのが一般的。そのため、手押しカートはアメリカでゴルフを楽しむ人々にとって欠かせないものなのだ。

元記事:

  • BUSINESS INSIDER, This golf pushcart retailer saw sales plummet 30% during the US-China trade war. Then COVID-19 made it an unexpected winner of the pandemic.

タイ 姉妹オーナーが経営するワイナリー

タイのバンコクから3時間ほど離れたカオヤイ国立公園の麓に広がるワイナリーGranMonte Estate。姉妹が運営するこのワイナリーは数々の世界的な賞を受賞している。姉のニッキはオーストラリアで醸造学を学んだ後、父親がトウモロコシ畑からブドウ畑に変えた土地を譲り受けた。その後、妹のミミがマーケティング担当として参加。タイの熱帯気候への挑戦のほか、ゾウがブドウ畑に入らないようにする苦労を経て、世界から多くの観光客が訪れるスポットにまで成長させた。

一般的に暖かい温度で栽培されたブドウはタンニンの多いワインになってしまう傾向があり、消費者には避けられがちだ。しかし同ワイナリーは、熱帯地域でのブドウ栽培の技術を進歩させ、世界的に認識されるブランドになった。グローバルな温暖化の影響もあり、世界中のワイン製造業者が彼女たちの製造方法に熱い視線を送っている。

タイのワイナリーの考察

タイは東南アジアでもアルコール消費率は高いと言われるが、一方でアルコール関税が高く、アルコール関連の法則違反に関する罰金も高額、仏教国で禁酒日があるなど、飲酒に関する規則が非常に厳しい。さらに2008年に制定された規制法では、アルコール飲料の広告が違法となった。そのため、同ワイナリーでも、コロナの影響による売上への打撃は大きいが違反を犯してまで罰金を支払う余裕はないため、インターネットでの宣伝を控えざるをえないと言う。またその政策は、シンハービールで有名なBoon Rawd Breweryなど大手企業が市場を独占する状態を助長しているとタイ国内で批判されている。

同ワイナリーは、他の小規模なクラフトビール業者、輸入業者、バー経営者らと協力して、オンラインでのアルコール販売の禁止を解除するように政府に嘆願したそうだ。小規模な優良企業が守られることを願う。

パキスタン産バラの花 検査条件を解除

日本の厚生労働省は今年4月末、パキスタン産のバラの花びらおよび花びらを使った加工品に対する検査条件を緩和した。この検査条件は、2016年に一部の加工製品に残留農薬が見つかったため厳しくなっていた。しかし過去1年であらたな検出がなく、法令基準に対する意識が向上したことが評価されて緩和となった。

パキスタン産バラの考察

輸出製品の多様化を目指したいパキスタンは、国際市場で価値が高いバラの花の栽培をグローバル標準に準拠する努力を重要視している。またバラの花は、化粧品、サプリメント、食用など多彩な産業をターゲットにできることもあり、より付加価値の高い製品へと押し上げることもできる。そのため、今回の検査条件の緩和は、パキスタンのバラの花の栽培および国際貿易にとって大きな朗報だ。ちなみに、日本へのバラ自体の輸入関税は無税だが、加工品としての化粧品などには関税がかかってくる。

元記事:

  • Embassy of Islamic Republic of Pakistan Tokyo, Japanese Health Ministry Removes Reinforcement Inspection Condition from Pakistan Origin Rose Petals and Rose Petal Processed Products

マレーシア パイナップルの葉から作られたドローン

マレーシアプトラ大学の研究者が、パンナップルの葉を使ってドローンを開発した。通常プラスチックが使用される本体部分にパイナップルの葉から作られた天然繊維を使用。地上30メートルの高さまで飛ぶことができ、20分の走行が可能。天然繊維は電気抵抗力があるため、漏電を避けられることが特徴だ。また天然繊維は入手が容易で安価で軽量、かつ環境に優しいのも利点だ。このドローンは趣味のほかにも農薬散布にも使用できるよう、簡単な故障でも簡単に修理できる設計となっている。

パイナップルドローンの考察

軽くて安価な素材と聞くと強度がないのではと思われるが、実は天然素材はプラスチックやアルミニウムで作られたものに比べて比強度が大きい。つまり軽いわりに強い材料とのことだ。加えて生分解性もあるため、もし紛失しても土に還る安心感は、製品として大きな魅力だ。しかし全体の耐久性に関しては未だ不明なため、その点はデメリットと言える。今後も多様なドローンが登場することを期待したい。

元記事:

  • lowyat.net, UPM Researchers Creates Eco-Friendly Drone Made From Pineapple Leaves

シンガポール 現代型農業で自給率アップ

シンガポールの農業スタートアップMeodは、同国の新しい農業界のリーダーを目指して、シンガポールの新興企業向け市場カタリストでの上場を果たした。シンガポールは自給率が低く、生鮮食品も輸入に頼っている。農地になる土地自体が限られている国で、Meodは現代的な温室栽培技術を駆使した都市型農業で100%の有機野菜を作っている。

農地の問題を乗り越えるため、植物を地面に敷き詰めるのではなく、壁やトレリスなどに立てて栽培することで生産量を確保している。また持続可能性を求めた設備も特徴だ。温室に換気システムを導入するのではなく、自然の空気の流れを利用して循環させる。また水を購入する代わりに雨水を利用している。そのほか、農学者や昆虫学者などの専門性を持つスタッフを集めるとともに、世界中の農業の知恵を利用して、運用コストをできるだけ削減している。

現代型農業ビジネスの考察

農作物にとって恵まれない環境での農業ビジネスの成功は、関連する新しい農具のイノベーションにもつながる。Meodの栽培システムは様々な知識が投入され、新しいビジネスモデルを生み出すことで、自給率の低さという切迫した問題に立ち向かっている。新しいスタイルの農業設備や農機具などの輸出入を通じて、モノや人が交流することによって、新しい農業スタイルが今後のトレンドに発展するともいえるのではないか。

元記事:

  • Enterprise Singapore, Urban farm Meod aims to boost sales of sustainable greensToday Singapore, For new breed of local farmers, the sky’s the limit

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