タイ/国際見本市THAIFEX 米仏をめぐる関税の戦い

セカイマ2020-23貿易コラム
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今回は海外ビジネスに関連する各国の話題をお届けする。タイからは国際見本市THAIFEXの開催、アメリカとフランスをめぐる関税戦争、ASEAN経済連携協定が改定、ベトナムのスタートアップの台頭、インドからは商品ラベル表示規制の強化についてお伝えする。

タイ/国際見本市  米仏をめぐる関税 ASEAN経済連携協定が改定 ベトナム/スタートアップ インド/商品ラベル

タイ フード・ドリンク産業 国際見本市THAIFEXの開催

タイ国政府商務省国際貿易振興局(DITP)およびタイ商工会議所が共催で開催する飲食物業界の国際見本市「THAIFEX – Anuga Asia」が、2020年9月に開催される。今年はコロナの感染状況に対応できる様々なオンラインサービスを導入する予定。

例えば、オンラインによるビジネスマッチングサービスの充実、イベント前後の期間にバイヤーが出店者に直接見積もりができるオンラインプラットフォームの開設、ライブストリーミングなどの動画配信、ウェビナーの開催などだ。

Thaifex Angus Asia URL:https://thaifex-anuga.com/en/

THAIFEXの考察

海外ビジネスにとって重要な国際見本市は今年、コロナによって中止や延期が相次いだが、再開への取り組みが始まっている。国際見本市連盟(UFI)は5月、コロナ下での開催に関する世界的な指針を発表している。要約すると「ビジネスの中心にあるのは人間である。

見本市において厳しい安全基準を実施することで、人々が出会ってビジネスを活性化させ、地域経済に貢献できる」というもので、見本市開催の重要性を強く訴えている。世界的に見ればパンデミックは収束する様子を見せないものの、タイは市中感染の押さえ込みに成功していて、経済再開に最も有利な国のひとつだ。今回の見本市開催もタイだからこそ可能と言えるだろう。

元記事

  • Food Navigator Asia, THAIFEX-Anuga Asia 2020

  • UFI, Global framework for reopening exhibitions and B2B trade events post the emergence from COVID-19

米仏をめぐる関税の戦い

アメリカ政府は今年7月、フランスによるデジタル課税に対抗して、バッグ、化粧品などのフランス製品に25%の関税を上乗せする制裁措置を発表した。フランス政府は、AmazonやAppleなどアメリカ大手サイトにデジタル税を課したことでトランプ大統領の反感を買っていた。アメリカの報復関税に対してフランス政府は、もし報復関税を撤回すれば2020年12月までデジタル税の徴収を一時停止するとしている。

米仏をめぐる関税の考察

デジタル税はアメリカとヨーロッパを中心とした関税をめぐる争いのひとつだ。現在の国際的な税法では、AmazonやAppleのような多国籍企業は、その生産拠点がある国に法人所得税を納めている。しかしヨーロッパでは、そういった企業は世界中から収入を得ていることから、ユーザーがいる各国の税法によって課税されるべきだという議論が巻き起こっている。

ヨーロッパ各国のみならず、マレーシアなどのアジア圏でも独自のデジタル税制度を整備し始めている。日本でもデジタル税による税収はプラスになると考えられているものの、世界的にデジタル税の対象基準が明確でないため、一部の日本企業が徴収対象になりうるのではないかとの慎重論も強い。

一方、アメリカは2019年にも、欧州航空機大手エアバスに対するEUの補助金をルール違反だとし、フランスワインやイタリア産チーズなどのEU製品に25%の関税を課した。そのことでEU各国の生産者が打撃を受けてきた。

アメリカによる繰り返される報復措置により、ヨーロッパ製品のアメリカ輸出に暗雲が立ち込めたことで、一時的に日本製品に機会が与えられるかもしれない。しかしアメリカの報復措置は決して他人事ではない。また、次の大統領選挙の結果次第で状況は全く違うものになるだろう。

元記事:

  • International Business Times, US Prepares To Defer Tariffs On French Goods If France Refrains From Digital Taxes on US Tech Firms

  • 日本総研, デジタル課税が税収・企業負担に及ぼす影響と導入に向けた課題

日本・ASEAN間 経済連携協定が改定

日本とASEAN加盟国の5カ国(ラオス、ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム)の間で交わされた経済連携協定が8月1日に改定された。

改定内容は、サービスと投資の流れに関する規定を追加するもの。各国は透明性のある規制を維持し、外国人投資家を差別しないことが義務付けられた。ASEANの残りの各国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、マレーシア、フィリピン)は、国内での手続きが完了し次第、参加する予定。

ASEAN経済連携協定の考察

日本にとってASEANは中国に次ぐ大きな輸出相手である。また多くの日本企業がこの地域に工場を設立して安い労働力を活用している。ASEANは大きな市場であるとともに、日本の供給網にとって重要な場所だ。

今回の協定の改定を特に重要視しているのは、カンボジア、ラオス、ミャンマーだ。この国々と日本の間には二国間貿易協定がないからだ。さらに日本は、ASEAN、中国、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランドとの自由貿易協定(FTA)を進める構想「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」の交渉を進めている。

しかし昨年インドが離脱を表明したことで、1年以内には完了すると言われていた交渉の予定に不確実性が出てきた。この協定が結ばれれば、関税の自由化、投資障壁など様々な規制が緩和され、大きなインパクトとなるに違いない。

元記事:

  • Bankok Post, Japan-Asean trade deal takes effect

ベトナム スタートアップが台頭

ホーチミン市をはじめとするベトナム南部の商業都市には、教育を受けたデジタルに強い若者が集まり、多くのスタートアップが起業している。東南アジアによるスタートアップへの年間投資額を見ると、ベトナムのスタートアップは2019年には18%を占め、2018年の4%から急増している。

スタートアップの輩出でトップを行くのはインドネシアだが、ベトナムの成長は目覚しい。またコロナの流行により投資を一時停止したが、ベトナムは立ち直るのに十分な力があると見られている。

ベトナムのスタートアップの考察

元記事には、ホーチミン市の靴製造メーカーShoeXを急成長させた起業家タン氏のインタビューが掲載されている。タン氏は若い時、国の共産主義による複雑な規則を避けて、高収入で労働環境の良い外国籍企業で働いてから独立したそうだ。

彼は最近、同社でコーヒー廃棄物を使った靴やマスクの製造に挑戦している。ベトナムは気候変更の影響を受けやすい国だからこそ、環境問題に関連するスタートアップが多く企業しているとタン氏は言う。

また、ベトナムは人口の70%は35歳未満のため、デジタルに対するリテラシーが高いこと、そしてソフトウェアエンジニアがインドや中国よりも安価なことが、このブームをより加速させている。またアメリカのスタートアップとは違い、新興国の需要をいち早く捉えることができる事もベトナムの強みとなりそうだ。

元記事:

  • The Business Times, Startup city: Vietnam’s young invest ideas in Ho Chi Minh

インド 商品ラベル表示規制の強化

インド消費者省は、インターネットで取引される商品に原産国、重量、日付などを目立つように表示しないEコマース企業に対して、罰金を課すると発表した。省は企業に、パッケージの40%が商品の詳細を伝えるために使われること、消費者が誤解しない表記にすること、また自社の商品ページに同じ情報を目立つように表示するように求めている。

インド商品ラベル表示規制の強化の考察

この動きは、インドの様々な貿易機関からの要請があったことが理由とのことだが、特にインドと中国国境付近での衝突が大きく影響しているらしい。その緊張は、中国からの輸入関税を引き上げるなど貿易にも大きく影響していた。

表示規制の締め付けはそういった一連の出来事のひとつとも言える。一方で、インドの消費者の商品の安全性に対する意識が高まることは、日本にとっては良い影響と言えるのではないか。今までは日本製品の安全性や質の高さというブランド性が、インドの消費者に伝えづらいと言われていただけに、日本ブランドの進出にとっては追い風となる可能性もあるだろう。

元記事:

  • The Economic Times, Heavy fines for e-tailers not following label regulations

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