越/見本市の海外戦略 米欧/関税戦は小休止 ブルネイ/ハラール貿易拠点

セカイマ2020-27 貿易コラム
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今回は貿易関連のニュースをお届けする。ベトナムの歴史ある大規模エキスポに見る海外ビジネス戦略、アメリカ・EU関税戦の一時休止、ブルネイがハラール貿易の中心地として名乗りを上げた話題、米ミレニアル世代のマーケット分析、ベトナム米の台頭など、各種業界の動向から海外ビジネスのヒントを考察する。

越/見本市 欧米関税戦は一時休止 ブ/ハラール貿易 米/ミレニアル世代の消費行動 越/コメ輸出

ベトナム  大規模見本市ベトナム・エキスボ開催 ビジネスの秘訣とは?

ベトナム商工省が主催する「ベトナム・エキスポ(Vietnam International Trade Fair-Vietnam Expo)」は29年の歴史を持つ、ベトナム最大の国際見本市。今年はテーマを”30年間ともに歩んできた企業”に据え、2020年10月の開催が決定している。日本を含む25の国と地域から、食品、通信機器、家庭用品、電化製品、化粧品、テキスタイルなどあらゆる分野の約550社が650以上のブースを出展予定。会期は10月21~24日の4日間でハノイ国際展示場で開催される。また2020年12月にはホーチミン市でも開催予定。

ベトナム・エキスポの考察

ベトナム・エキスポは10月にハノイで、12月にホーチミンでも開催予定。どちらの都市でも多くの見本市が開かれているが、トータルの企業出展数で言うと、ハノイよりホーチミンの方が2~3割多いと言う。ベトナム商工省傘下の広告会社VINEXADは、ホーチミンで開催される見本市の基本的な姿勢を高く評価している。

出展企業とビジターのニーズを的確に答え、その間を効率的にマッチングすることに重点を置き、それが成功している。特に専門性が高い企業のブースには訪問者の数よりも質を重視することで効率性が増すという。また多国籍企業を惹きつけるには、幅広いデータを持つこと、最新のテクノロジーでデータを識別すること、国内外の貿易関連機関と良好な関係を持つことが重要だという。海外ビジネスにおいて何を優先して利益を促進するか。見本市の運営姿勢にはその秘訣が詰まっていると言えるだろう。

元記事:

  • Viet Nam News, Exchange efficiency key to exhibition success

  • Jetro, 30th VIETNAM INTERNATIONAL TRADE FAIR

米 欧州との関税摩擦は一時休戦

アメリカ合衆国通商代表部(USTR)によると先月8月21日、アメリカと欧州連合(EU)は関税協定に関する声明を発表した。両者は、双方の輸出における一部関税の引き下げに関して合意した。主な内容として、EUはアメリカ産ロブスターの輸入関税を撤廃。またアメリカはEUから輸出される一部の加工食品、クリスタルガラス製品、陶磁器等の関税率を50%引き下げる。

欧米関税摩擦の考察

今回の合意のニュースをめぐっては、今後欧米間の通商面での緊張緩和を期待する声が上がっている。一方で、今回は11月の選挙を控えて成果を上げたいトランプ大統領が強く求めた結果に過ぎず、大統領が再選されれば再び摩擦は増えるだろうと懸念する声もある。しかしながら、こういった欧米関係の悪化は、日本の海外ビジネスにとって必ずしもマイナスというわけではない。

例えば、いまだ膠着状態を続ける米中関係の影響として、日本や東南アジアが、アメリカからの輸入代替地となるプラス効果が見込まれると言われている。このように欧米関係における動向にも商機を見出すことは可能だろう。

元記事:

  • Office of the US Trade Representative, Joint Statement of the United States and the European Union on a Tariff Agreement

  • Reuters, 米政府が対中関税引き上げ、市場影響は

米 家具業界から分析 ミレニアル世代の消費動向

イギリスのインテリアデザイナーで大英帝国勲章を受賞したトム・ディクソン氏は、欧米のミレニアル世代(2000年以降に成人した世代)の消費動向について分析している。

彼らはインテリアへの投資には関心がなく、安価な家具を購入する傾向がある。頻繁に引っ越しをする人が多いため、高級家具を購入しないのだ。引っ越しの頻度は数回といったレベルではなく、14~15回動いてきた人もいる。そのため、彼らが選ぶ家具は掘り出し物のビンテージや自然素材だ。またこの世代のアメリカの不動産所有率はたったの4%。彼らが投資への関心を持つ分野は、インテリアデザインよりテクノロジーだ。ちなみに高級家具の需要はホテルやバー、レストランなどに集中している。

ミレニアル世代の動向の考察

ディクソン氏は、ミレニアル世代のこのような消費動向の裏付けとして、景気後退、住宅価格の高騰、学費ローンなど様々な社会的な要因をあげる。将来に対する不安は人々の消費行動に変化をもたらすのだ。また、氏の指摘はオフィススペースにも及んでいる。

最近はリラックスした雰囲気のオフィスが増えており、パンデミックによりその傾向が進む一方、新しい形の模索が始まっている。氏の予測では、今後のオフィスでは、入退室の出入り口がすれ違いのない一方向になる事が当たり前になるだろうとのこと。社会情勢が影響して人々の行動が変わり、消費傾向も変わる。海外ビジネスにおいて、世代や文化様式などで変わる人々の消費パターンを知ることは大きな利点となるだろう。

元記事:

  • Business Insider, Millennials don’t want high-end furniture because they’re constantly moving, according to a renowned designer who’s been in the business for decades

ブルネイ ハラール製品貿易の拠点を目指す

ブルネイは、世界のイスラム市場の産業および生産拠点として、東南アジアのハラール経済の中心地としてのイニシアチブを取る動きを強めている。

ブルネイ政府は、ブルネイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン東アセアン成長地域と連携しながら、ブルネイブランドを確立し、新興企業や雇用を生み出す戦略を進めている。最近のイベントでは、この地域で生産された製品を販売するEコマースのプラットフォームbimpneaga.comが発表された。このサイトではイスラム法に準拠した製品が売られている。

ハラール貿易の考察

日本国内のハラール需要は大きくはないが、東南アジアに目を向けると大きな市場が存在する。最近では中国や台湾がハラール製品の輸出先としてブルネイに熱心に売り込みをかけている動きもある。またブルネイは英語とマレー語が通じるため、例えばマレーシアやシンガポール向けの製品の販路拡大先としての選択肢もあると言われる。

小売店で扱われている日本の食品は調味料等ごくわずかとのことで、競合はほとんどいない(2020年8月情報)。つまり商機に満ちたマーケットが存在すると言えるのではないか。ちなみに日本からの食品輸出にあたっては、JETROによると、原則ハラール認証を取得した商品が望ましいが、そうでない場合は原材料、製造フロー、商品サンプルを保健省に申請して許可証を得ることになる。

元記事:

  • The Nation Thailand, Eyes cast on branding Brunei as international Halal trade hub

  • JETRO, 農林水産物・食品 国別マーケティング基礎情報 ブルネイ

ベトナム米の台頭 タイ米価格を上回る

ベトナム食品協会(VFA)によると、ベトナム産の米の輸出価格は2020年に入ってから上昇を続け、8月にはタイ米を30年ぶりに上回った。その背景には、ベトナムEU自由貿易協定により、ベトナム米のEUへの輸入税率は0%になったこと、またEUの米の消費量が上がったことがあるという。以前は輸入税が高いため、タイ米と競合することさえできなかった。

ベトナム米の考察

大手種苗会社VinaseedのCEOによると、ベトナムはコメ輸出国の上位にあるにも関わらず、主力となる品種が定まっておらず、多くの異なる品種を輸出している事が課題だという。他の国のように、輸出のために競合が激しい品種に絞ることで、貿易において競争力とブランディングを確立できるのだが、現在そこまで至っていない。一貫性のある農産物を生産することがブランド化プロセスにおいて不可欠だと指摘する。この指摘はコメの貿易だけに限ったことではなく、どんな商品の輸出入についても言えるだろう。

ちなみにベトナム日本間の精米、包装米飯、米菓の輸出入に関しては、特別優遇関税率が適用される。包装米飯、米菓についてはすでに無税となっており、精米は今後毎年減税され2023~24年までに無税になる予定。

元記事:

  • The Nation Thailand, Vietnamese rice takes bite out of global market

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