泰/多様性があるブランドにチャンス 馬/包装需要伸び海外事業拡大へ

セカイマ2020-33 貿易コラム
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今回は厳しい状況下に各業界で生き残ったビジネスやサービスを中心にお伝えする。タイからは多様性に応えるファッションブランド5社を、そして台湾の台北サイクルショー開催から見える自転車業界の動向、包装需要の急激な増加で事業拡大に踏み切ったマレーシアの大手包装材料企業、ロックダウン中に藤家具シリーズを開発・発表したシンガポールのファションブランド、そして急成長を遂げるCBD製品需要に応えるアメリカのサンプルサービス開始についてお届けする。

泰/多様性のあるブランド 台湾/国際サイクルショー 馬/包装需要伸びる 星/藤家具 米/CBD製品サンプルサービス

タイ 多様性に応える5つのファッションブランド

近年、社会における様々な問題に向き合うファッショブランドが増えている。タイ国内でも多様性を重視するブランドが注目を浴びている。

「ティチン・ニンサ」はトランスジェンダー・コミュニティに発信するブランド。特に大きなサイズの女性用の靴を扱うことでトランスジェンダーの悩みを解決する。「ハートリスト」は学習障害のある子どもたちが織った布で製造したバッグや衣料品を販売。子どもたちにとってはセラビーや集中力向上の効果があると同時に、障害者が作った商品に価値がないとされる社会通念に一石を投じるべく、機能的でデザイン性の高い製品に仕上げている。

「ポスト・テーシス」は大学の講義から生まれたブランド。ユニフォームについて考察し、ユニークな商品を開発している。「ワンス・プロジェクト」は視覚障害者がサイズや色を選べるように配慮したブランド。「トゥルーリー」は、靴や衣料品にメッセージ文字を隠したデザイン性の高い製品で、特に広告に一般人を起用したことで注目されている。

多様性のあるファッションブランドの考察

昨今は各業界で、持続可能性や多様性をブランドのイメージに加える企業が多い。常に新しい物を求める消費者層にアピールするキーワードだ。本記事で紹介したブランドは、日本にも類似のビジネスがあり、世界的に一定数のニーズがある製品カテゴリだと言える。いずれもタイ国内をターゲットにしているが、各国の市場は小さくても世界的に見れば大きな市場になる。小さくとも安定した市場として、海外ビジネスのチャンスと捉えられるのではないだろうか。

元記事:

  • Bankok Post, Fashionable statements

台湾 台北サイクルショー開催 電動自転車の台頭

アジア最大の自転車業界展示会「台北サイクルショー」は今年3月の開催を中止していたが、このほど2021年3月に台北市内での対面開催に加え、オンライン開催の決定を発表した。

対面のイベントは3月3日~6日の4日間で、オンラインイベントは月末まで続く。台北南港展覧館ホールに設置されるイベントブースに加え、オンライン仮想空間でも展示する。商談をブッキングするためのプラットフォームも用意し、業界を洞察するオンラインフォーラムやライブストリームイベントも開催。オンラインではマーケティング情報の公開も充実させる予定。展示参加の企業数は去年の2倍規模を見越している。

台北サイクルショーの考察

「自転車王国」と称された台湾の自転車産業は一時低迷したものの、近年の世界的な電動自転車ブームに乗り、再浮上している。

台北サイクルショーによると、電動自転車の輸出量は、いまや普通の自転車とほぼ同量となっているそうだ。また日本と同様に台湾でも、別業態からの電動自転車業界への参入も相次ぎ、実績を伸ばしているという。オートバイの代わりに高価な電動自転車を購入する消費者や、自転車に乗る自信を失っていた高齢者など、新たな顧客層を獲得した電動自転車は今後も成長を見込まれている。

ちなみに、台北サイクルショーの訪問者は、香港を含む中国からが最も多く、日本、アメリカ、韓国、タイと続くそうだ。貿易ビジネスの均衡を崩したパンデミックを押さえ込んだ台湾。そんな台湾の自転車業界の動きから目が離せない。

元記事:

  • Taipei Cycle, TAIPEI CYCLE boosts 2021 show by adding a virtual exhibition
  • Bicycle Retailer, Taipei Cycle adds virtual exhibition in 2021
  • Taiwan Today, 台湾はサプライチェーンで強み、電動自転車が新たなブルー・オーシャンに

マレーシア 包装材料企業 海外事業拡大でミャンマーに新工場

マレーシアの大手包装材料企業トングアン・インダストリーズは、海外事業拡大の足がかりとして、ミャンマーに新工場を建設することを発表した。世界的に需要が伸びる延伸フィルムや宅配袋の生産ラインを強化するためだ。ミャンマーはヨーロッパへの輸出関税がかからず、国内市場も十分に大きい。同社は特にヨーロッパや日本の市場における需要を取り込みたいとしている。

マレーシア包装材料の考察

パンデミックによる宅配の急増や、外食の減少により、延伸フィルムやラミネートフィルムの需要が世界的に伸びている。特にヨーロッパ市場は、同社の2020年の収益の約10%を占めると予想し、日本市場も減速の兆しを見せないことを明らかにしている。産業用パッケージの軽量化への需要の高まりも成長を牽引しているようだ。プラスチック代替として製紙が伸びているというニュースもあるものの、総じて業界の見通しは明るい。

元記事:

  • The Star, Thong Guan on expansion mode

シンガポール 全リモートで実現 ファッションブランドが藤家具シリーズを発表

シンガポールのデザイナー、シュンムガム氏のファッションブランド「スワンナプーム」の家庭用品ラインでは、パンデミック下にもかかわらず、新しく籐家具を発表した。

シュンムガム氏は、数年前までロンドンを拠点として、モダンなチャイナドレスのデザイナーとして活躍していたが、帰国してまもなくコロナの影響でロンドン店の閉店を余儀なくされた。しかしロックダウンの間、Instagram Liveを通じて新しい服コレクションを発表、ZOOM対応も推し進めた。

並行して、家具コレクションも発表した。氏は伝統を超えたデザインの藤家具を、職人に依頼して製造。世界各地に散らばるスタッフにオンラインで指示を与えながら、生産ラインを構築した。

藤家具シリーズ発表の考察

同ブランドは元々、高価格製品に理解のある顧客を獲得していたことから、ロンドンの店舗の閉鎖にも関わらず、ビジネスに大きな打撃は受けなかったという。また今後もロンドンでの海外ビジネス再開は予定していないとのことだ。

精神的な打撃はあったものの、リモートを駆使して各地にいるスタッフを動かし、新しい商品開発を成し遂げた。状況を認識し、見事な判断でビジネスモデルを切り替えたシュンムガム氏は、コロナによって自身のビジネスの回復力を実感し、驚いているという。コロナ以前から、綿密な市場調査を怠らず、海外にも顧客を獲得するという戦略が功を奏したのだろう。

元記事:

  • CNA Luxury, How this Singapore designer turned her quarantine into a productive ‘workcation’

アメリカ CBD製品サンプルボックスサービス開始

欧米では、健康に良いとされる麻から抽出される成分CBD(カンナビジオール)が含まれるエッセンスやグミ、ローションなど様々な製品が急増している。市場には3000を超えるブランドがあり、消費者はどれを購入すべきか分からなくなってきている。そこでこの度、ブランドポータルサイト「CBDサンプルクラブ」が開設された。

同社は、消費者に様々なブランドの製品や配送を体験してもらうため、各種サンプルを独自にパッケージしたボックスの販売を開始した。取り扱う製品は、全て米連邦政府のガイドラインを満たしており、消費者に製品の安全性と正しい使用方法を伝える。このサービスによって消費者の混乱が取り除かれ、購入したい製品は割引価格で入手できる。

CBD製品サンプルの考察

麻から抽出できる有効成分の内、成熟した茎又は種子(これら以外は全て違法に含まれるCBDは、幻覚作用のある成分とは区別される。よって、それらを含む製品の輸入販売は日本でも違法ではない。CBDには強力な抗酸化作用があり、癌や不眠症、慢性の痛みなどに効果があると言われる。

急成長している市場とはいえ発展途上のため、原産地が不明だったり、有害物質が残留した製品も出回っており、本記事で紹介したサービスの出現は必然だと言える。なおCBD製品の日本への輸入に際しては、厚生労働省に資料を提出して審査を通過する必要がある。

元記事:

  • PR Newswire, New CBD Samples Box Helps Consumers in Confusing Market

【CBD】日本の規制と輸入方法 関税率や手続き等

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