泰/見本市にみる日本産ブランド輸出考 尼/越境ECを手軽に

セカイマ2020-35 貿易コラム
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今週は各国の貿易をめぐる制度やサービスを中心にお届けする。タイで開催中のインテリア見本市から考察する日本産ブランドの進出の可能性、モンゴルのAPTA加盟から見る日本にとってのメリット、インドネシアで急成長中のeコマース事情と手軽な越境ECサイトの話題、フィリピン税関の近代化プロジェクト、そしてアメリカ新大統領による貿易方針の各国予想を紹介する。

タイ 見本市にみる日本産ブランド輸出

タイ インテリア見本市 盆栽も 日本産ブランドの可能性

インテリアやガーデニングアイテムの見本市「Baan Lae Suan Fair 2020」が、バンコクのインパクト・チャレンジャー・ホールで開催中だ。今年も延期することなく例年通りの時期に開催されている。家具、建設資材、浴室グッズ、ガーデニング関連商品、電化製品、寝具、書籍、雑貨など、タイ国内から3000以上のブースが出展される。ガーデニングコーナーでは、盆栽を含む観葉植物やアクアリウム のコンテストも開催される。

インテリア見本市から見る日本産ブランドの考察

「Baan Lae Suan Fair 2020」は、タイのインテリアやガーデニング愛好家にとっては毎年恒例の大規模な催しで、40年以上の歴史がある。タイ国外では知名度が低いものの、インテリア雑誌が主催していることもあり、内容の質も高く、展示も工夫が施されている。竹資材の建築物や、粘土の壁、海・森・山をイメージした庭づくりなど、タイ文化ならではの商品も並ぶ。

本イベントはタイ国内向けで、海外バイヤーに開くためのオンライン商談サービス等はないが、ウェブサイト等からタイのインテリア市場の傾向やトレンドを読み取ることができる。

公式ウェブサイトによると今年のテーマは「創造的な自然」。世界的トレンドでもある「持続可能性」を重視した商品や展示が特徴で、盆栽コンテストも開催されている。日本の盆栽はタイにも輸出されていて、高所得者層に人気だという。タイは総じて日本産品のブランド力が強いため、インテリアやガーデニング製品の輸出先として期待が持てる市場だ。

元記事:

  • Bankok Post, Spice up your home with visit to annual fair

モンゴル APTAに加盟・関税引き下げへ 日本の利点は?

モンゴルは先月末、アジア太平洋貿易協定(APTA)への加盟に同意した。これでAPTA加盟国の数は、中国、韓国、ラオス、バングラデシュ、スリランカ、インドを含む7カ国になった。モンゴルと韓国は早速、加盟国間での関税引き下げを発表した。日本はAPTA加盟国ではなく、モンゴルとは独自の経済連携協定(EPA)を結んでいる。

モンゴルAPTA加盟における日本の利点の考察

モンゴルのAPTA加盟したことで、韓国や中国など加盟国間での関税引き下げが次々と発表されている。モンゴルとは独自のEPAを結ぶ日本にとって、一見関係ないように見えるこの動きのメリットは何だろうか。

有識者によると、日本企業がモンゴルで製造してAPTA加盟国に輸出するケースが挙げられるという。モンゴルの製造コストや経済・政治の安定性も考慮すると、十分にビジネスチャンスとなる可能性が高い。

実は今まで、APTA加盟国間では関税が撤廃されているとは言えず、そのメリットに疑問もあった。しかしながら今回の関税引き下げによって、モンゴルを製造拠点として可能性を検討できるようになった。相手国を単なる輸出先として見るのではなく、そのネットワークも念頭に置くことが海外ビジネスの鍵となりそうだ。

元記事:

  • The Nation Thailand, S. Korea, Mongolia to lower tariffs starting 2021 under regional trade pact

  • モンゴル日本人材開発センター, 日モンゴル経済連携協定(EPA)の意義と両国ビジネスの未来」

インドネシア 急成長のeコマース事情 越境ECも手軽に

インドネシアのeコマースプラットフォームの競争が加速している。市場調査会社によると、市場シェアの第1位はシンガポールが拠点のShopee、続いて地元企業のTokopediaとBukalapakが2位と3位を占め、4位は中国アリババ資本のLazadaがついた。1位の Shopeeは、今年の第2四半期だけで1日の平均注文数が130%増えたという。

並行して、新しい電子マネーサービスの提供も相次いでいる。Shopeeからは「Shopee Pay」が誕生。7月には Shopeeインドネシアの半数近くがShopee Payで支払われたという。

インドネシアeコマースの考察

アジアのeコマース市場では、新興プラットフォームが大きな成長を遂げている。インドネシアでeコマース市場シェア1位のShopeeは、日本からの出店も可能で、初期費用や手数料が無料で始められる。

インドネシア以外の東南アジア諸国と台湾そしてブラジルにもマーケットプレイスがある。各国ごとに登録・出品しなければならないが、安価で手軽に急成長中の輸出市場に進出することができるプラットフォームだ。手軽に輸出入ができる越境ECサービスの充実に今後も期待したい。

元記事:

  • Forbes, E-Commerce and Fintech Players Fight For Share in Indonesia’s Hot Market

フィリピン 税関手続きを近代化

アメリカ・ワシントンを拠点とする世界銀行は、フィリピン税関局の近代化のために8800万ドルの融資を承認した。フィリピンの通関手続きや関連手順はこれまで、平均120時間もかかっていて、近隣諸国のベトナム(56時間)、タイ(50時間)、マレーシア(36時間)よりはるかに時間がかかっていた。

今回の融資によって、フィリピン関税局での対面のやり取りを減らし、合理化と自動化を進め、全ての手続きをオンライン化することで、税関管理の改善を図る。こうした改善によって貿易コストが削減され、フィリピンの地元企業の競争力が増すことが期待されている。

フィリピン税関近代化の考察

新しい通関システムで期待されるのは、フィリピンの地元企業のメリットだけではない。これまで、フィリピン国内を拠点とする外国企業による輸出の割合は周辺諸国に対して極端に少なく、ベトナムで78.7%、マレーシアで84%、タイで93%であるのに対し、フィリピンは25.5%だった。加えて、フィリピンからの輸出だけでなく輸入手続きも効率的になるだろう。ビジネスチャンスを最大限に活かすことができる環境が構築されることを期待したい。

元記事:

  • GMA News, World Bank OKs $88-M loan for Philippine Customs modernization

アメリカ 新大統領選 貿易方針を予想

タイ新聞大手バンコクポストは、アメリカの大統領選挙を受け、トランプ大統領およびバイデン氏による貿易方針を予想している。注目は中国に対する姿勢だ。同紙の予想では、トランプ氏は今後もより激しい貿易戦争を繰り広げ、多くの中国企業が製造拠点を移転するだろうと予想。

一方バイデン氏はトランプ氏が掲げた関税方針を維持し、強硬な対中政策を覆すことはないとしている。しかし新しい関税を設けることはせず、今後の交渉内容に幾らかの希望を持てるなど、トランプ政権のような貿易戦争の激しさが低下することが期待されている。しかしながら、バイデン氏はオバマ政権のように、貿易において環境問題に関する障壁を増やす可能性が高いと予想される。

米大統領による貿易方針の考察

アメリカ大統領選挙は、本日11/3中には一応の結果をもたらす予定だが、両候補はこれまで接戦を繰り広げており、結果発表は明日、もしくはもっと遅くにずれ込む可能性もある。さらには、開票結果をめぐり法廷闘争が繰り広げられる恐れもあり、結果はもう少し待つ方が良さそうだ。

さて、新大統領誕生に伴う貿易方針のバンコクポストによる予想については、日本の各メディアもおおむね同様に考えているようだ。日米貿易にとって注目されるのは、トランプ政権で脱退したTPP(環太平洋経済連携協定)だが、国内メディアではバイデン氏が大統領になっても復帰は難しいだろうと予想している。

また、香港で発行されている老舗の英字新聞サウス・チャイナ・モーニング・ポストも同様の見解だ。さらに中国国内の意見は分かれているという。バイデン政権の誕生を望む声が高い一方で、トランプ政権が引き起こしているアメリカの国力衰退は中国にとって必ずしも悪い結果になるとは言えないという意見もある。総じていうと、トランプ政権下ではより激しい関税戦争が起こる。バイデン政権になっても関税制度に大きな変化はないが現状維持となり、環境問題に対する取り組みがかなり厳しくなるいう予想だ。

元記事:

  • Bankok Post, Trade nailbiter

  • South China Morning Post, China would ‘probably prefer a Joe Biden presidency’ over Donald Trump, says former American ambassador to Beijing

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