無印良品がフィリピンの国内配送を開始! 日本ブランド推し

セカイマ2020-42 貿易コラム
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今週は各国の注目すべき商品に加え、輸出入ビジネス戦略のヒントとなるニュースをお届けする。タイからは若手デザイナー集団によるレトロモダンな家具ブランド、アメリカからは売上再燃するアナログレコードプレーヤー、フィリピンからは無印良品宅配サービス開始のニュースから見る海外戦略考を、中国からは高級品市場の傾向と今後の予測について、そしてシンガポールからは廃棄物から食品を製造する技術の発表をお伝えする。

無印良品×フィリピン国内配送開始

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フィリピン 無印良品が比国内配送開始 世界的トレンドに向けた海外展開

無印良品はフィリピンにも進出しているが、店舗は首都マニラと再開発エリアのBGC(フォート・ボニファシオ・グローバル・シティ)に限られている。その上、配送サービスがなかったため、フィリピンの無印良品ファンにとって商品を手に入れる方法は、知り合いに購入と配送の両方を頼むか、再販業者から定価以上の値段で購入するしかなかった。しかしとうとう同社は今年12月中旬から全国配送サービスをスタートした。同時にセールも開催し、キリスト教徒の多いフィリピン国内のクリスマスギフト需要を見込んでいる。

無印良品のコンセプトの考察

無印良品はヨーロッパやアジア各国で高い人気を持つ。コロナの影響でアメリカ事業は破産したが、他国での人気は依然と高い。「ブランドのないブランド」という、曖昧に聞こえるブランドイメージからブレない姿勢が、海外展開において機能したと言われている。

同社には日本の伝統には縛られないというコンセプトがありながら、海外支店では日本語のラベルをそのまま使用し、日本ブランドであることを強く訴える。日本製の品質の高さという世界的な認識を利用した戦略だ。さらに、パッケージングがシンプルで、製品には天然素材を使用していることから、製造プロセスやリソースが少ない、環境に優しいイメージの発信にも成功している。

また同社はマーケティングコストを低く抑えている。基本的にクチコミに依存し、店内体験を充実させる。そして海外市場への進出において、その国や地域ごとに利益率の高い製品を選択し、ローカル市場に合わせた製品開発も行なっている。(例えば中国の独特なベッドサイズに合わせた製品を製造している。)

海外メディアはこうした無印良品の戦略に注目し、それを分析する記事はネット上で多く見られる。そこでは同社のシンプルで機能的、ミニマルで高品質というコンセプトが、今後もグローバルなライフスタイルトレンドになる可能性を秘めていると論じられている。こうしたブランド戦略は、これからの輸出ビジネス展開において重要な視点を秘めていると言えるだろう。

元記事:

  • The Smart Local Philippines, MUJI Launches Nationwide Shipping In The Philippines, Just In Time For Some Last-Minute Christmas Shopping

  • Martin Roll, Muji – The Global Strategy Behind The Japanese No-Brand Brand

 

タイ 職人が作ったモダンなデザインのアジアン家具

バンコクを拠点とするデザインスタジオThinkkDesignによる「フルート・グラデーション・テーブル」はガラスのサイドテーブル。テーブルに使われるガラスにはいくつもの縦の溝が入り、さらにグラデーションの入ったカラーフィルターが貼られ、どの角度から見ても違ったパターンに見えるモダンなデザインだ。伝統的なタイのデザインからは一見かけ離れているが、昔から使われる竹細工からヒントを得て、地元の職人と協力して開発した。

モダンなアジアン家具の考察

ThinkkDesignによる「フルート・グラデーション・テーブル」は、「Made in Thailand」というシリーズの家具コレクションで、テーブルの他にも、花瓶、鏡、コートスタンドなど様々な家具を扱う。いずれもモダンかつレトロでおしゃれなデザインのアイテムが揃っている。

ThinkkDesignは、若いデザイナー集団によるブランドで、日本のグッドデザイン賞を含む国際的なデザインコンペでの受賞歴を持つ。海外クライアントを多く持ち、国際的な流入網を開拓していて、海外輸出にも対応できる素地を持っている。本商品は、輸入すれば日本国内のヴィンテージやアジアンをはじめとする家具市場で注目を浴びること間違いなしだ。

元記事:

  • Yanko Design, THE FLUTED GRADIENT TABLE DOES A WONDERFUL JOB OF SELF-CREATING ITS PATTERNS

  • Dezeen, THINKK Studio uses traditional Thai techniques to create “unorthodox” furniture

アメリカ 米国内製造のオーディオシステム 再燃するレコード市場を狙う

「Wrensilva Loft Audio System」は、美しいウォルナット材の高級サイドテーブルのような見た目だが、レコードプレーヤーだ。本商品は、アメリカ国内で設計・製造されているオーディオファン向けのコンソール。落ち着いた色の木製家具のようなテーブルの天板を開けるとターンテーブルが装備されており、Bluetoothでアンプやスピーカーなど最新のデバイスへの接続も可能。また最大60枚のレコードを収納できるスペースも付いている。

アメリカ国内製造のオーディオシステムの考察

世界的にアナログレコードの人気は再燃している。モノとしての魅力がある事と音質の良さが再評価され、いまやアナログ専門ショップやレーベルが新規に登場するほどだ。日本国内でも自宅にこもる時間が増え、書斎空間が見直されるトレンドもあり、レコードプレーヤーを始めとするオーディオ機器はコロナ禍でも売れ行き好調との事。

記事で紹介した商品を販売するブランドWrensilvaは、一見クラシックなヴィンテージ家具のようなデザインで、最新の装備を備えたオーディオ機器を製造販売している。本製品は高額だが、見た目の存在感と美しさとともに、ワイヤレス機器も使用でき、デジタル化された利便性も兼ね備えている。国内市場でも輸入製品としてすぐに受け入れられるだろう。

元記事:

  • Trend Hunter, The Wrensilva Loft Audio System is Designed and Built in the USA

中国 高級品市場48%の成長 世界と逆 ECに商機あり

米コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーによると、今年の中国本土の高級品市場の成長率は48%上昇した。背景には、コロナの影響により、消費者は浮いた旅行費を贅沢品で消費する傾向が生まれるとともに、アリババを始めとしたECサイト利用者の増加がこの成長を加速させた。

中国の高級品需要の内訳は、革製品、宝飾品がトップに立ち、既製服、靴、美容、時計がそれに続く。この傾向は、オンラインショッピングの習慣が定着している80年代生まれ以降の消費者によって牽引され、パンデミックからの回復まで続くだろうと予測される。中国の傾向はグローバルな高級品市場とは全く対照的だ。世界的には、店舗閉鎖と需要の減少で贅沢品市場は23%の縮小を見せている。

高級品市場の考察

ベイン・アンド・カンパニーの発表によると、今年の中国およびアジア地域の高級品を求める消費者の同行は、ECサイト利用数の増加に加え、各国の国内消費が増えていることが特徴づけられる。

例えば日本国内では、時代を問わない価値を認められるブランドが回復を見せている。その背景には、持続可能性や環境保全、多様性などの社会的課題に対する意識の高まりも影響しているという。特に、今後の数年で購買額が増加すると見込まれる若い世代は、社会的及び人種的な公平性をブランドに期待している。

今後の高級品市場は、こうした意識の高まりを見据え、2030年までに劇的に変化を遂げると予測されている。今後は「高級品市場」というくくりではなくなり、「文化的で創造性に秀でた商品」の市場と変わっていく。つまり各ブランド企業は思考の転換が求められていくことになる。今後、「高級品」を輸入および輸入で扱う際には、こうした傾向を冷静に見極める必要があるだろう。

元記事:

  • Retail News Asia, China’s domestic luxury market almost doubled in 2020

シンガポール 余ったパンから飲料を製造 アップサイクリングが食品分野へ

シンガポール国立大学の食品科学者チームは、余ったパンから甘い乳酸菌飲料を製造することに成功したと発表した。この飲料には様々な利点がある。乳酸菌飲料は通常、乳製品から作られるため乳糖不耐症の人には不向きだが、パンを原料とするこの飲料はその問題がない。また、室温で最大6週間保存できる。味は、爽やかな甘さでクリーミーだ。

最近、乳酸菌飲料は「プロバイオティクス飲料」とも呼ばれ、その健康効果や病気予防効果が注目されている。大学チームが開発したこの乳酸菌飲料の健康効果は、国際プロバイティクス・プレバイオティクス機関(ISAPP)の推奨を満たしており、今後、業界パートナーとの商品化を予定している。

食品のアップサイクリングの考察

シンガポール国立大学の食品分野のアップサイクリングに関しては、最近、同大学の別のチームも発表している。化学・生体分子工学科の研究チームが、食物や木材などの廃棄物から栄養補助食品や医薬品への生成プロセスを開発したのだ。

例えば、えびやかにの殻からは、パーキンソン病の治療に使用される薬剤を生成できる。また、木材廃棄物を、人体のコラーゲンと軟骨の形成に不可欠な物質に変えることもできる。開発チームは、この技術をさまざまな種類の廃棄物に適用できる可能性があるとしている。

このように、廃棄物を再利用するこうした動きは、食品だけでなく、医療業界でも加速している。将来、海外に輸出および海外から輸入する食品やサプリメントが、廃棄物由来の製品であることが当たり前になる日は近いのかもしれない。

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元記事:

  • News Wise, NUS Food Scientists ‘Upcycle’ Unsold Bread Into Tasty Probiotic Drink and Cuts Food Waste

  • NUS News, New process that turns waste into nutritional supplements

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