サステナブルな靴トレンド!ASEAN製品に貿易チャンス

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    いま、靴業界の最新トレンドは「サステナブル(持続可能性)」だ。素材にプラスチックではなく生分解できるものを使用し、労働者の人権を守るなどのSDGsへの取り組みがファッション業界で大きなトレンドとなっていて、靴業界でもアメリカのスニーカーメーカーが世界をけん引した形で大きな動きを見せている。

    最近では、アメリカのサステナブルなスニーカーブランド「All Birds」が、日本をはじめアジア各国に上陸して話題になった。また、大手スニーカーメーカーのアディダスやナイキも、素材をリサイクルポリエステルに切り替えたり、製造過程でのCo2削減を目指している。また、日本の老舗スニーカーメーカー「オニツカタイガー」も、タイの職人による手織り生地を使用したモデルを発表し、環境に優しく社会貢献できる靴づくりに一歩乗り出した。

    このように「サステナブルな靴づくり」は、地域の伝統的な素材や技術を利用でき、社会貢献にもつながることから、東南アジアでも、各国で様々な団体やスタートアップのブランドが設立され、まさに群雄割拠の状態だ。

    今回の記事では、そうした東南アジア各国の製品や貿易トレンドを紹介する。メディアで取り上げられているブランドはいずれもデザイン性が高く、高機能も備えた製品もあり、サステナビリティが商品購入における選択肢のひとつとなりつつある日本の消費者にも十分に受け入れられるだろう。東南アジア製品の輸入に大きなビジネスチャンスを見いだせるのではないだろうか。

    大量生産しないブランドがトレンド!

    タイ:アップサイクルサンダル・高機能なヴィーガンシューズ 

    タイ生まれのサステナブルな靴ブランドは、その多様性が特徴だ。海岸のごみのアップサイクル製品、パッケージにひと工夫加えたサービス、そして最新素材を使用した高機能シューズなど、様々なビジネスモデルが生まれている。タイは海洋汚染に対してかなり問題意識の高い国でもあり、そうした観点から、従来の靴メーカー以外のバックグラウンドを持った企業がサステナブルな靴づくりに乗り出しているようだ。つまり、今後も意外性のある多様なメーカーが生まれる土壌ができており、新しい製品が次々に生まれるだろうと期待できる。

    「Tlejourn」は、環境ボランティアが回収した海岸のゴミをアップサイクルして高品質のビーチサンダルを作るプロジェクトとして設立し、ビジネスに発展させて社会的企業へと成長した。同社は、サンダルの快適さやデザイン性のみを追い求めるのではなく、フェアトレードを促進し、海洋汚染に関するメッセージを発信する、環境や社会への貢献を目的とした企業だ。同社のビーチサンダル「KHYA」は、発売と同時にわずか3週間で2万5千足以上をオンラインで販売した実績を持つ。

    リサイクルされたペットボトルから作られたキャンパス生地のスニーカーを製造販売している「Muddy hopper」は、限定販売サービスとして、生分解される紙のパッケージに少量の土と種を同封し、「靴に土を入れて種を育てることができる」というメッセージを発信したユニークな企業だ。

    また「Hexa」は、発汗防止に役立つNASA認定の宇宙テクノロジーを使用した”ヴィーガンシューズ”を発表している。ヴィーガンシューズとは、動物由来の素材を使わずに製造された靴のことで、Co2削減には貢献しているためサステナブルな靴という文脈に含まれることもあるが、合成皮革など環境に優しいとは言えない素材も含まれることは付け加えておきたい。

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    フィリピン:地元の天然素材・プラスチック・日本の着物も靴に変身!

    フィリピンでは、ファストファッションブランドが製造する大量の服や靴が、ゴミの埋立地に廃棄されている状況に対して、社会的に意識が高いとは言えない。しかし世界中で持続可能で倫理的なファッションビジネスが台頭していることから、国内でも女性を中心に起業家が現れ始めている。

    「Phinix」はプラスチックおよび衣類など繊維廃棄物を、靴やバックにアップサイクルする製品ラインを発表した。靴やバッグなどは職人が製造しているが、織物は障がいを持つ人々が手掛けており、製造システムにおいても社会貢献を意識している。また日本のビンテージ着物を使用した靴やバッグも限定販売したことでも現地で話題となった。

    また手作りの靴とアクセサリーを専門とする「Muni Muni」は、地元農家から調達したマニア麻を使用した手ごろな価格のブランドだ。こちらも靴の製造は地元の職人コミュニティに依頼している。

    インドネシア:ゴムタイヤ再利用プロジェクトから天然素材まで ユニークな企業ポリシー

    インドネシアのファッション業界も持続可能性を追求した製品づくりをしているブランドが多数生まれている。なかでは欧米市場での地位を獲得したブランドもあり、ユニークかつ明確な理念を持つ企業が多い印象だ。

    全ての製品をインドネシア国内で手作りしているファッションブランド「Step of Grace」は天然素材のみを使用したシックなデザインで、中国産の100%リネンを除くすべての素材は国内で調達している。包装も生分解性のキャッサバ素材のバッグを利用する。また、ファッション業界で発生する廃棄物の最大の原因の一つが売れ残りの在庫であることの解決策として、すべての製品を必要に応じた小ロットで生産している。デッドストックを生まない生産システムにより、職人と密な連携が取れ、結果的に品質の確保につながっているという。素材の調達から製品の提供まで、あらゆる面でカーボンニュートラルを目指した企業だ。

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    世界最大のタイヤメーカーであるブリジストンのグループ会社であるブリジストン・インドネシアは、2020年6月、アメリカを拠点とする国際的非営利団体Soles 4 Soulsによる、世界中の困っている人々に靴を配布する活動のパートナーとなったと発表した。

    ブリジストン・インドネシアは、埋立地に廃棄される予定だった使用済みのゴムタイヤを提供し、Soles 4 Soulsがタイヤをリサイクルした靴を製造して配布および販売するプロジェクトだ。リサイクルタイヤから靴を製造する試みはインドネシア国内ですでに始まっていて、日本でも流通されている現地ブランド「Indosole」もビジネスを拡大中だ。

    そのほか、欧米市場での地位を獲得した持続可能なファッションブランド「Pijakbumi」は、環境に配慮した靴や皮革製品のデザインの斬新さが特徴だ。ホテイアオイなどの植物素材をメインに使用されたスニーカー「ATLAS」は、水の消費量の削減、環境に優しい廃棄物管理などの基準に基づいて素材を選択している。2019年には東京の展示会でも発表し、日本にも紹介されている。

    ベトナム:コーヒーかすのスニーカー?!

    ベトナムでは、持続可能ビジネスを促進するためのプロジェクトが、政府と民間の協働で動き始めている。Race To The Topは、ベトナム政府、国内のアパレルおよびフットウェア業界、ブランド、国際機関、市民団体などが参加して、持続可能なビジネスのための公平な競争の場を対話を通して構築していくイニシアチブだ。

    ベトナムはアパレルおよびフットウェアの下請けとして機能し続け、いまや世界第4位の輸出国だが、労働者の8割は女性で、低賃金労働で産業を支ている現状がある。こうした経済格差のほか、環境への影響も深刻だ。ベトナム政府はアパレル・フットウェア業界を、市場拡大に伴い、持続可能な業界にしたいという計画を掲げ、こうしたイニシアチブが生まれたのだ。

    このように、ベトナムのフットウェア業界が欧米ブランドの下請けとして機能してきた背景から、充実した施設や製造ノウハウの蓄積を基に、ローカルブランドも生まれつつある。Một」はベトナム人の美的感覚にかなうカラフルな色合いのスニーカーブランドだ。トレンドやファストファッションといった消費主義を批判し、本革とキャンパス地を素材としたスリッポン(紐のないスニーカー)およびレースアップ(紐のあるスニーカー)の2つのモデルのみを提供することで、品質の高さを維持する。

    また、ユニークな試みも始まっている。ベトナムの一大産業でもあるコーヒーと靴を結びつけた企業「Rens Original」だ。若い起業家が開発したスポーツシューズは、抽出済みのコーヒー廃棄物を利用した製品だ。コーヒーかすとポリエステル廃棄物と混合したコーヒーポリエステル糸という繊維を、スニーカーの主な素材として利用している。素材には全て廃棄物を使用しており、ゴムが必要な部位には再生ゴムを使用するという徹底ぶりだ。コーヒー素材には防臭・抗菌効果が認められるという報告もあり、Kickstarterのファンディングに成功し、欧米を含む世界中で2万足以上を売り上げたという。

    まとめ

    投資会社UBSの報告によると、ファストファッションは今後10年でますます課題の多い業界とみなされ、収益減少に直面する可能性があると言われている。現在もすでに大手ファストファッション企業は、エコ志向のコレクションを発表するなど、消費者の懸念を打ち消す努力を始めている。しかし膨大な量のアイテムを生産するシステムの前では、こうした努力はあまり意味がないとも指摘されている。つまり、今後のアパレルおよびフットウェア業界は、生産量を削減する必要に迫られているのである。

    したがって、今後の各ブランドの製品ラインナップの背景には様々な付加価値が必要となってくるだろう。その付加価値とは、単に環境に優しい素材を使用するだけでなく、素材の調達方法、製造方法、流通方法に至るまで、社会貢献や持続可能性の理念が必要となってくる。今回紹介したように、すでにこれらを実践しているブランドが、東南アジアだけでも数多く生まれている。彼らは国際的パートナーや日本への輸出ルートを探しているだろう。そして日本の消費者もこうしたブランド製品を待っているに違いない。

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    この記事の参考サイト
    • The Bankok Post, Onitsuka Tiger X Doi Tung does Thai Textiles
    • Root the Futre, New Sustainable Sneaker Brand Lauches in Thailand
    • Channel News Asia, From marine waste to fashion: A journey of flip-flops and trash heroes from Thailand’s far south
    • Vegconoist, Thailand’s Vegan HEXA Shoes Use NASA Certified Space Technology
    • CNN Philippines, 12 Filipino brands that prove the future of fashion is sustainable
    • Zerrin, Step ourt in these sustainable & ethical footwear brands
    • Ethical Marketing News, Bridgestone Indonesia and Soes4Souls Asia Join Forces to Turn Recycled Tires into Shoes
    • The Smart Local, 8 Indonesian Sustainable Fashion Brands To Check Ourt So You Can Do Your Bit To Save The Planet In Style
    • The Sustainability Project, Bridgestone Indonesia and Sles4Souls Asia Join Forces to Turn Recycled Tires into shoes
    • Indonesian Trade Promotion Center, Pijakbumi: The Emerging Designer of Indonesian Sustainable Footwear in MICAM Milano 2020
    • The Spin Off, Mot:A Vietnamese sneaker for the world
    • Viet Nam News, Coffee shoes help entrepreneurs tread new ground
    • Retail Dive, Fast fashion faces steep declines in the next decade or sooner, UBS warns
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