「タイで仕入れた商品をできるだけ安く輸送したい!」「でも、航空便は高くて辛い」と感じられている方も多いでしょう。実際、航空便と船便を「価格面」だけで比べると、船便の方が圧倒的に安いです。しかし、昨今のスピード化の時代では、配送料金の安さだけで輸送方法を考えるのは危険です。貿易で稼ぐなら、かの有名なアマゾンでさえも、一分一秒でも早く届けることにこだわっていることを知っておくべきです。
そこで、この記事では、航空便と船便を選ぶときに考えるべきポイントと航空便の送料の節約方法をご紹介していきます。
タイからの航空便の送料節約法をご紹介!
タイで仕入れた商品を日本で販売するには、何らかの方法で日本に輸送する必要があります。代表的な輸送方法は、次の三つです。この内、最も簡単な方法は、自分と一緒に荷物を運ぶ、旅具通関です。しかし、仕入れの度にタイに出向くのは、省力化の貿易ビジネスする上ではマイナスです。そのため、現実的な輸送方法は、2番と3番のどちらかです。
- 自分で持ち帰る(旅具通関)
- 船便による輸送
- 航空便による輸送
1.船便による輸送方法
船便とは、字のごとく「船を利用した輸送」方法です。ただし、一般的な小包形態の船便ではなく、LCLやFCLと呼ばれるもう少し大きなお話です。どちらも「コンテナ」と呼ばれる海上輸送用の容器に入れて運びます。コンテナは、大きく分けると、20フィート(6M)と40フィート(12M)の2つがあります。そして、コンテナ輸送の中にも次の2つがあります。
- LCL
- FCL
LCLとは、コンテナ1本のスペースを必要としない輸送方法です。要は、20フィートや40フィートと呼ばれるコンテナの中に複数の荷主と合積みで輸送する方法です。他方、FCLとは、コンテナ一本分を丸々貸し切り、自社の貨物の輸送に利用します。これがタイから日本に船便で輸送するときの方法です。
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2.航空便による輸送方法
航空便には、次の2つの輸送方式があります。
- 空港間輸送の輸送(専用と混載)
- ドアツードアの輸送
空港間輸送とは、バンコク空港~東京・羽田空港までの輸送~というように、空港と空港の間だけを輸送するサービスです。この輸送方法を利用する場合、ご自身で通関業者などを手配する必要があり、ドアツードアよりも手続きが難しいです。一方、ドアツードアとは、フェデックスやDHLなど、インテグレーターと呼ばれる業者が指定のドアからドアまでを一貫して運ぶ方法です。通関手配等も不要であるため、輸入初心者には最適な輸送サービスです。
例えば、バンコクにあるNIPPON47やDHL、又はフェデックスの事務所から荷物を発送。それを日本にある自宅や会社事務所まで発送してもらう。このような輸送がドアツードアです。実際に荷物を受け取るまでのすべての手続きをしてくれるため、これが空港間輸送よりも楽だと言える点です。なお、以降の記事でお伝えする「航空便」は、このドアツードア輸送を指します。
船便と航空便の特徴と輸送日数
上記の通り、航空便と船便には、いくつかの特徴があります。(下の表)見るべき観点は、次の3つです。
- 日本側で煩わしい通関手配が必要なのか?
- 輸送日数は、どれくらいかかるのか?
- 輸送料金は、どれくらいかかるのか?
輸送形態 | 通関手配 | 所要日数 | 料金 |
船便 | 必要 | 3週間前後 | 安い |
航空便(ドアツードア) | 不要 | 2営業日(NIPPON47便) | 船便よりかは高い |
これら1~3をトータル的に考えた場合、輸入初心者かつ、貿易や輸送に関する知識がほとんどない場合は、ドアツードアの航空便輸送がベストです。
航空便は高いから使いたくない?
航空便と聞くと、船便よりも配送料金が高い気がします。しかし、既述の通り、スピード化の世の中では、輸送日数の短縮にもこだわるべきです。この点、航空便は、船便よりも圧倒的に有利です。さらにドアツードアの航空便は、難しい手続きも不要なため、初心者にとっても扱いやすいです。ただし、そうは聞いても船便との価格差に戸惑うことも事実です。実は、ちょっとした工夫をすることで、航空便の送料を抑えられます。
その秘密が次の三つと関係します。順番に確認していきましょう。
- 実重量
- 容積重量
- 料金の境を意識すること。あえて重くすることも有り!
航空便輸送に限らず、商品を輸送するときは、必ず「実重量」と「容積重量」の2つを考えます。実重量とは、商品の本当の重さです。他方、容積重量とは、計算上の重さです。一体、どのような意味なのでしょうか?
1.実重量とは?
実重量とは、実際の商品の重さです。
例えば、あなたが体重計にのったときに表示される重さ。何かを計量器の上に置いたときに表示される重さなどです。仮に体重計にのったときに「60KG」と表示されるなら、あなたの実重量が「60KG」です。
2.容積重量とは?
容積重量とは、実際の重さではなく、容積を基にした「計算上の重さ」です。
例えば、鉄と綿の2つがあります。計量器にのせると、実重量はどちらも「1トン」です。では、この2つを同じ一トンだと計算して配送料金を決めても良いのでしょうか? もちろん、それはできないです。なぜなら、同じ実重量1トンであっても、必要とする容積が全く違うからです。鉄の1トンと綿の1トンのどちらが幅をとるのかを考えると、間違いなく、綿です。
上記の図の通り、輸送料金を決めるときに、実重量だけを基準にすると、輸送スペース上、大きな問題が発生します。そこで、航空輸送(他の輸送も同じ)をするときは、実重量と容積重量を比較して、より重い方をその荷物の基準重量とする仕組みがあります。では、この容積重量は、どのように求めるのでしょうか? 実重量は、実際の重さなので、計量器などにのせればわかります。一方、容積重量は、世界各国で共通に決まっている次の式に当てはめられます。
縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)/ 5000(外資)又は6000(日系)
- 上記の式に当てはめる→容積重量の決定
- 実重量と容積重量を比較して重い方を採用→対象の荷物の基準重量が決定
- 2番の基準重量と航空各社(代理店含む)が定める料率(タリフ)と照らし合わせる。
- 3の結果、あなたが支払うべき航空輸送代金が確定する。
3.料金の境(Break Back Point)を意識すること
1と2により、あなたが支払うべき航空代金がわかります。そして、航空代金を削減するポイントは、実重量と容積重量の仕組みを利用して、各社が定める料金の境をうまくコントロールすることにあります。
例えば、タイの日系航空フォワーダーNO1(佐川系列)であるNIPPPON47の料金表を見てみましょう。下の表を見ると…
20.5kg~45.0kg | 160バーツ / KG |
45.5kg~70.0kg | 145バーツ / KG |
左の列は、荷物の重量(容積重量と実重量を比較して重い方)です。その右側は、重量に対応する料金です。
例えば、あなたの送る荷物が25kgの場合は、160バーツ/kgのタリフが適用されて、160バーツ×25kg=4000バーツが支払うべき航空代金です。45.5kg以上であれば、1キロあたり、140バーツが適用されます。つまり、重ければ重いほど「1kgあたりの単価が安くなる」仕組みなのです。まさにこれが航空代金を下げるためのコツです。仮にあなたの荷物が45kgのギリギリのときは、あえて重量を増して、45.5~70.0の料金が適用されるようにします。
例えば、45.0KGの荷物と45.5KGの荷物を比較してみましょう。
- 45.Okgの場合の送料=7200バーツ
- 45.5kgの場合の送料=6597バーツ
たった500g重量が違うだけで日本円換算でおよそ2000円ほどの料金差です。航空便の送料を節約するには、この実重量と容積重量を考えながら「該当する料金区分」をコントロールすることにあります。もし、料金区分の境にあるときは、容積が小さい。かつ、重量がある物を合わせて入れることで、料金区分を調整できます。(=航空輸送代金の節約につながる)ちなみに、容積を必要としない、かつ、実重要がある物といえば….「石」です。もちろん、これは単なる一例です。
アパレル品であれば、革ジャン、レーヨン素材のトップスやパンツなどが容積不要で実重量を増やせるアイテムです。このあたりのアイテムをうまく組み合わせながら、発送を依頼しましょう。ちなみに、NIPPON47では、このあたりの「混ぜ混ぜ混載術」が豊富です。何かお困りのことがございましたら、ぜひ、NIPPON47へお問い合わせください。

料金区分がギリギリのときは、容積を食わない、かつ実重量が重い商品を合わせて入れる。これにより、一つ安い料金区分が適用されて、送料の節約につながります!
参考情報:タイから日本へ発送した場合の関税は?
タイ国内から日本へ商品を発送した場合は、輸入目的、商品品目等に応じて関税と消費税が発生する可能性があります。しかし、日本とタイとの間には、日タイEPA及び日アセアン協定があるため、関税部分は、減税や免税になる場合が多いです。消費税は、国内消費と同じく10%がかります。
まとめ
- 船便、航空便のそれぞれの長所と短所を確認
- 初心者でも取り組みやすく、無難な輸送方法は、ドアツードアの航空便
- 航空便の送料節約ポイントは、料金区分と実重量を増やすことにある。
- 容積重量と実重量を合わせて入れることで料金区分をコントロールする。

