■ お知らせ!
種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 横浜 | コロンボ | タイヤ類 10トン | 相談希望 |
法人 | 東京 | モルディブ(マレ) | 日本酒等 | 相談希望 |
法人 | 横浜 | コロンボ | タイヤ類 10トン | 相談希望 |
法人 | 東京 | モルディブ(マレ) | 日本酒等 | 相談希望 |
スポンサードリンク
タイの商品を購入。これを日本に発送する場合、いくつかの方法がある。最も手軽な方法が、様々な場所から発送ができる航空輸送。タイ市内及びタイの大きな市場の近くには「DHL」などの看板があり、まずは、それら旗のある所に行き、商品を発送するのが一つの方法。
しかし、ある一定の量を発送するようになると、送料を抑えるために船便輸送を検討することになる。このときに覚えておきたいのがタイCFSの「かさ増し商法」
一体、かさ増しとは何か? この記事では、タイのかさ増しの実態と対応例をご紹介する。
- 自ら計測した容積とCFSが計測した容積を見比べるべし。
- 何らかの違いが発生した場合はクレームを入れる。
- できるだけ適切な輸送料金を引き出すため、長期的に良い関係を築く努力をする。
- それがぼったくり被害にあう確立を下げることになる。
LCLのかさ増し請求に注意せよ
「かさ増し」とは、本来の数値より、多く見せること。この数値が何であるのかはケースによって異なります。この記事では「荷物の容積」とタイCFSの容積水増し請求を指摘しています。
なぜ、タイのCFSは、容積を水増しするのでしょうか? この理由を知るためには、まずは、LCLの発送の流れ、国際海上運賃が決まる仕組みを確認していきましょう。
LCLの発送の流れ
例えば、タイで大量の荷物を買い付けた。それを日本にLCL単位で発送する場合は、次の手順で進めていきます。
- 購入した商品をカーゴ業者の倉庫に持ちこむ。又は引き取りに来てもらう。
- カーゴ業者の倉庫などで梱包&書類の作成
- タイのCFS(港近くにある倉庫)に搬入
- タイCFSが荷受け。他荷主の荷物と合わせてバンニングする。
- この際、B/L等の作成のため、荷物の容積を計測
- その後、タイの輸出通関等を経て日本へ発送される。
水増し請求は、5番の部分で発生します。1番で商品を梱包した際の容積と、タイのCFSで計測した際の容積に違いが発生し、本来の容積よりも大きな数字でB/L等を作成されてしまうのです。
では、なぜ、タイCFSは、容積を水増し請求をするのでしょうか? これは、国際海上運賃が決まる仕組みと深く関係しています。
海上運賃の請求の基礎は容積にある。
LCL貨物の国際海上運賃は、すべて「容積」を料率として料金が決まる仕組みです。
具体的には、次の通りです。海上輸送には、様々な請求の項目があり、それらの単価は、フォワーダーが独自に決めています。そして、この単価をかける先が「容積」です。つまり、この容積をかさ増しされると、荷主側は余分な費用を負担することになるのです。
項目 | 単価 | 容積 | 請求額 |
Ocean Freight | 100円 | 3.1 | 310円(100×3.1) |
BAF LC | 200円 | 620円(200×3.1) | |
CFS CHARGE | 500円 | 1550円(500×3.1) |
かさ増し被害の実態を暴露
「いや~うちもかさ増し被害にあったことがありますよ。ただ、僕もね。黙ってはないないですよ。正々堂々と適切に課金するのが商売です。ここで弊社が負ければ、お客様にも迷惑がかかりますし…….」こう語るのは、タイNIPPON47代表の松浦氏。代表が暴露した実態は、次の通りです。
- NIPPON47の梱包時に計測の数値: 10.22 M3
- タイCFSで容積を計測した際の数値: 13.38M3
- B/L上もタイCFS計測値で表記
*約30%のカサ増しが発生!
この事実を出港後に発見。これに対しての対応は次の通りです。
問題発覚後の対応手順
- フォワーダーを通じてタイ側CFSにクレーム。
- 最初は証拠がないと言われ相手にされず。
- 松浦氏は、それでも諦めず、次の通りに要求する。
- タイ側CFSが間違いを認めないなら、貨物日本入港後、日本CFSにて再度貨物の容積、重量を測定してもらう。
- 上記の要求により、タイ側CFSがミスを認めて、容積の変更に応じた。
- フォワーダーがHBL(ハウスb/l)を訂正。
- 元々の数値でのHBLを入手
- 国際輸送料金も本来の「10.22 」を基準に再計算された。
- ハッピーエンド!
この件から学ぶべきこと
同様の件は、タイで営業する別のフォワーダーも次のように伝えます。
「CFSでの容積マシマシ詐欺は、よくありますね~。うちは、これに対処するために、CFSから出てきたタリーシートと自社で作ったパッキングリストの照合を貨物出航前に確実にしていますね!やっぱり自衛しておかないと、泣きを見るのがうちらなので….汗」
*タリーシートとは? チェッカーと呼ばれる人が貨物の状態等を書き込む資料。
タイだけのお話ではない!
この記事をご覧になった方は「なんだ~タイの事か~」と感じているかと思います。しかし、残念ながら、どこの国でも同じことがあると考えた方が良いと思います。
例えば、弊社は、通関書類を取り扱うため、様々な荷主様のアライバルノーティスを見ることが多いです。そうすると「あ!この荷主さんは、やられているな~」と感じることも多いです。
酷い場合は、同じ路線、同じフォワーダーなのに、費用の請求項目が数倍違うこともあります。特に個人のお客様や新規の荷主さんは気を付けた方が良いです。相場を知らないこといいことに、総じて「ぼったくられている可能性」が高いです。
つまり、単価をかける先の「容積の水増し」に限らず、単価自体も大幅に吊り上げられているということです。要は…..
ぼったくり単価×水増し容積=過大な請求金額
上記の式を基にしてアライバルノーティスの金額にしているのです。結局、海上輸送分野は相場がわかりずらいですし、価格が比較しずらいから、こういうことが横行しているのだと思います。
例えば、一つ100円のアイスクリームが10000円で販売されていたら、誰しもぼったくられているとわかるでしょう。でも、それがわかるのは「アイスクリームの適正価格が100円~200円くらい」の相場が頭にあるからですよね? 相場が頭にあるからこそ、高いとか安いとかが判断できるわけです。
では、もう一つ別の質問を。
タイから300キロの荷物を送るのに、船便が3万円、航空便が5万円。 これは安いですか? 高いですか? おそらく、すでに何度か発送の経験をしている方なら、この判断はある程度できるはずです。でも、全く初めての場合は、わからないですよね? つまり、どれだけぼったくられていても、ぼったくられている事実すらわからないのです。
これが海上輸送の実情です。だからこそ、信頼できるフォワーダーを探し、長期的な取引を続けることが大切だといえるのです。スーパーの特売感覚で、輸送業者を転々と切り替えていれば、当然、今回のようなかさ増し被害やぼったくりチャージをされる可能性が高まります。
「結局、単発の客は、それまでなんですよ。」
- 別に単発依頼だからどうでも良い客
- 安い客は取り扱いも相応に。必要以上のフォローも不要
- そこまで大切なお客ではない。
こういうのが多くのフォワーダーの本音だと思います。だからこそ、国際輸送を依頼する側にも、それなりの海運業界特有の「肌感覚」を持つ必要があります!
最後までお読みいただきありがとうございました!
コープ クン
チョーク ディー!!
まとめ
- タイCFS(世界も同じ)の容積マシマシ詐欺から守ろう。
- 梱包時の容積とタリーシートの容積に違いがないかを確認
- 正しく対応できない場合は、現地に根付く日系企業を頼るべし

