種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 成田 | サンフランシスコ | 日本酒 800kg | 航空輸送 |
法人 | ジャカルタ | 埼玉 | ショッピングバック 500KG | 相談希望 |
法人 | 成田 | サンフランシスコ | 日本酒 800kg | 航空輸送 |
法人 | ジャカルタ | 埼玉 | ショッピングバック 500KG | 相談希望 |
タイ仕入れのボッタクリ被害から逃れる方法
タイ仕入れでの不安の一つ、「店主にぼったくられるのではないか」。その実態と対策を知りたい方へ
見ず知らずのタイ人との交渉、不安が募るのも当然です。無知につけこまれ、言いくるめられ、高値で売りつけられてしまう……。タイ仕入れをする初心者ならば、誰もが避けたいものです。今回は、そんな不安を解消していきます。
何よりもボッタクリの巣窟で仕入れないこと
水難事故に遭わない一番の方法は「危険な水辺」に近寄らないことです。ならば、ぼったくられないためにも、そういう場所で仕入れをしないことです。
基本的に観光客相手の店は避ける。例えば、パッポン、MBK
もし私がその立場だったとしても、同じような思考回路になるかもしれません。すなわち「それっきりの商売となる観光客相手の店ならば、粗悪品を高値で売りつけ、暴利を貪る努力をする」。彼らは交渉にも長けており、あなたが得する仕入れをすることはまず無理です。
たとえば、パッポンの夜市。ここは完全に外国人観光客狙いであり、仕入れには全く適しません。スクンビットの露店もそうです。
では、タイらしさいっぱいの「MBKショッピングセンター」での仕入れはどうでしょうか?
ここも同様の理由でお勧めしません。やはり観光客相手であり、JJ市場などと比較すると、総じて値段が高いです。
「スペシャル ディスカウント フォー ユウー」
あなただけヨと言いつつ全ての観光客に声かけしているのですが、その値引後が高いのです。また、コロナ禍により多くのテナントが撤退してしまいました。かつての活気を失い、魅力が半減してしまったのがMBKの現状です。

観光客激減によりテナントの撤退が相次ぎ、遂には閉ざされた一角

放課後の勉強スペースへと様変わり。店舗跡は地元の学生が占拠している
そうすると、プロが仕入れに使う市場へ行くのがよいです。初心者なら、やはり「JJ市場」が適していると思います。
タイ人と外国人のダブルスタンダードは存在する。最恵国待遇は時間をかけて
プロも赴くタイ仕入れ市場ではパッポンのような阿漕な商いはないとしても、私たちが知っておくべきアーリントンルールがあります。
それは、「外国人価格」という不文律です。たとえば、タイ人には100バーツだが日本人なら150バーツ、で売られたりします。あなたがいかにタイ語が堪能であろうとも、初回からタイ人バイヤーと同列で扱われることはありません。
我々にとっては歓迎できない不平等条約ですが、あなた一人で撤廃できるものではありません。ではどうするか?
手っ取り早いのは「店主に顔が利き、なおかつ信頼できるタイ人ガイドを雇って仕入れに行くこと」です。タイ人価格で仕入れできる確率が高まります。単にタイ人ガイドを雇うだけでは駄目です。なぜならタイ人は、不文律をそういうものだと認識しているからです。わざわざあなたのため、更なる値下交渉をする義理はないのです。
もう一つの方法、それは「店主との信頼関係を構築すること」です。なにもタイに限った話ではありませんね。時間はかかりますが、これが最良の方法だと思います。ひと度それが構築できれば、あなたは最恵国待遇のお客様へと格上げされることでしょう。
たとえば私の場合、「初めに相手を儲けさせる」ことを意識しています。変に値切らず、気持ちよく売ってもらう。これで顔を憶えてもらい、次回の仕入れにつなげています。
「一人でできた!」仕入れを手堅く進める“交渉の送りバント作戦”とは
ここでは、あなたが「初心者、日本語のみ、低資金」の各条件であるものとして、タイ仕入交渉を考察します。いきなりのビッグイニングは目指しません。送りバントのように、交渉という名のランナーをコツコツ進める作戦がセオリーです。
これだ、という店を見つけて名刺をもらう
市場を歩き回り、気になる商品が見つかりました。そのお店のことをよく知るため、名刺をもらいましょう。HPやフェイスブックのアドレスが載っていることがあります。そこにアクセスすると、商品ラインナップや店のポリシー等、多くの情報を得ることができます。
店先では交渉せず、オンライン上で交渉する
帰国までにまだ数日の猶予があるならば、ホテルに戻りメールで連絡します。リアルタイムで交渉できない弱点はありますが、これには大きな利点があります。
まず、より正確な交渉ができます。異なる母国語を持つ者同士が店頭で交渉するとき、おのずと多くの誤解が生じます。それを避けるため、翻訳サイトを使い、十分に時間をかけて英文とタイ文の文章を推敲します。返信にも慌てずに対処できます。メールのやり取りなら詳細まで記述できるうえ、画像も添付できます。
次の利点は、より上席の者と話せることです。オーナーが店番をしておらず、店にはバイトだけの場合が多々あります。そこでは有効な交渉ができません。
しかしメールなら、宛先をオーナー様などとして発出すると、権限ある実力者が読んでくれる確率が高まります。
「すぐにでも交渉をまとめたい」場合には、こうしてみる
「なに、ホテルからメールだ⁈ 明日帰国だから悠長なこと言ってられないんだよ」と立腹しないでください。その場合には奥の手を使います。店番に「仕入れの件で今オーナーと話したい」と頼んでみます。彼らは上司と連絡を取れる状態にあるので、すぐに電話してくれるでしょう。
ただし、相手はタイ語オンリーかもしれませんし、通話で意思を通じ合うのはなかなか困難ですが。
威張っちゃダメ! タイ人を知り、尊重し、懐に飛び込むべし
長年タイ人と付き合いのある私ですが、今でも「えーッ」と閉口することがしばしばです。しかし、タイに入りてはタイに従う必要があります。
俺たちは日本人、あんたらは途上国」という誤った優越感を持つ御仁の多いこと
心の底でこのように思っている日本人がいます。それは態度となって随所に現れます。タイは親日国ですが、不遜な日本人を好きなわけがありません。「此奴、タイを見下している」と察知され、あなたは良い仕入れのチャンスを失います。
商慣習も文化も違う。そこは日本ではありません
お客が異常なまでに強い立場にある現在の日本。しかしタイでは、客の立場は強くはありません。「嫌なら帰んな」の一言です。ちくしょう頭きた! と日本のようにSNSへ投稿しても共感を得られないでしょう。前述した外国人価格のように、タイにはタイの商慣習やホスピタリティーに対する考え方があります。日本の感覚で仕入れに臨むと、四六時中怒りっぱなしですよ。
常識が違う。彼らは日本人ではありません
日本人にも絶対に謝らない人がいますが、タイ人はその割合が一気に上がります。ミスがあっても認めません。というか、自分の責任だと感じないのだと思います。タイで日本の常識を通して考え出すと、絶対に上手くいきません。
それを如実に示す実例にぶつかりました。なんと、営業中のマクドで従業員のための健診が行われていたのです。日本なら、すぐにSNSで叩きまくり、企業もお詫び文書をアップするような事案ですが、タイでは通常運転です。これらは日本人にとってナニコレ珍百景なだけであって、彼らには当たり前のこと。私たちの常識との相違を理解し、敬意を持たない限り、タイ仕入れを円滑に進めることはできません。

「ハイ次の方〜」お客の不都合などおかまいなし。日本人の感覚では到底理解できない
総括「仕入れ交渉は全く怖くない」
観光客相手の店に行かず、プロが仕入れる市場で適切に立ち回ったならば、あなたが騙されたり、ボラれたりすることは殆どありません。
しかし、日本の常識から離れ、タイ人に敬意を払うことは不可欠です。これさえできれば、あなたが初心者であろうとも、タイ仕入れを乗り切ることができるでしょう。よい仕入れができますことをお祈りいたします。

「さぁ繰り出そう」活動的になるのは涼しい夜。ナイトマーケットにも人出が戻ってきた
ライター:タイ好きライターA氏

