第三国FTAで関税削減!日本企業が外国の自由貿易を活用

自由貿易(EPA)
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FTA・EPAは、経済的な国境をなくして自由な取引する仕組みです。2018年現在、日本は15のFTAを結んでおり、主に東南アジアの国々と自由貿易を結んでいます。もし、あなたが東南アジアの国々と輸出入をするときは、必ずFTAを活用するようにしましょう!しかし、実は、FTAは「日本企業だから日本とFTAを結んでいる国の協定しか活用できない」わけではありません。

日本の企業でも、アメリカと韓国が結んでいる「米韓FTA」を活用して関税無税で輸出することもできます。もちろん、この逆の韓国からアメリカへの輸出のときでも活用できます。このように自国(日本企業であれば日本)を一切通さず、第三国間の貿易で活用するFTAのことを「第三国FTA」と言います。

この記事では、第三国FTAの概要と活用例、どこの国がどのようなFTAを結んでいるのかを確認する方法をご紹介してきます。

第三国FTAとは?

第三国FTAは、FTAを締結している国以外の企業がFTAを活用することです。

例えば、中国の企業だとします。日本国内でおもしろい商品を見つけました。この商品の市場を調査したところ、どうやらオーストラリアに需要がありそうです。日本とオーストラリアの情報を調べてみると「日オーストラリアEPA」が締結されていることがわかりました。そこで、中国企業は、日豪EPAを活用して、オーストラリア向けに関税ゼロ輸出をすることにしました。

この事例で注目すべきポイントは、中国企業(外国)が日本とオーストラリアのFTAを活用している点です。これは、日本企業が外国(第三国)のFTAを活用できることも示しています。

重要ポイント

FTAは、どこの国に属する企業であっても、自由に活用できます。企業の国籍などによる利用制限はなく、次の2つの条件をクリアする限り利用できます。

  1. 商品の輸出元の国と輸出先の国がFTAを結んでいること
  2. 輸出しようとしてる商品が原産地基準を満たしていること

これらの条件を満たすと、以下のようなケースであっても、FTAを利用できます。

・日本企業がタイと中国のFTAを活用する。

・タイの企業が日本とスイスのFTAを活用する。

こんな活用事例もあり!第三国FTA

第三国FTAを積極的に活用している業界といえば、自動車業界です。

例えば、2018年5月現在、日本と韓国・アメリカはFTAを結んでいません。そのため、日本の自動車メーカーが韓国やアメリカに向けて自動車を輸出すると関税が発生してしまいます。このようなとき、第三国FTAを活用します。

仮にアメリカ向けに自動車を関税ゼロで輸出したければ、一つの方法として、日本の自動車メーカーが韓国の工場で自動車を製造するようにします。これによって「米韓FTA」を活用して、アメリカに向けて関税無税で輸出できます。もちろん、この逆も可能であり、アメリカ工場発の韓国向け輸出でも関税は無税になります。

1.直接、日本からアメリカへ自動車を輸出すると関税が発生

2.韓国生産(アメリカ)に切り替えて、韓国経由(アメリカ)で自動車をアメリカに(韓国)輸出すれば関税は無税です。

もちろん、第三国FTAの活用事例は、これ以外にも様々なものがあります。今回は、一つの事例として自動車をあげましたが、他の品目や業界でも活用できる仕組みです。ぜひ、いろいろと検討されることをお勧めします。

第三国FTA活用ポイント

  • どこの国へ輸出をするのか?
  • 輸出先の国は、どこの国とFTAを結んでいるのか?

第三国FTAは、どのように調べればいいの?

ここまでの説明で第三国FTAの仕組みがお分かりいただけたかと思います。では、この第三国FTAを活用するにあたり、どのようにすれば「外国が結んでいるFTA」を調べられるのでしょうか。日本であれば、経済産業省や日本商工会議所などのホームページを参考にすれば調べられますね。これらの外国版を知る方法です。

外国が結んでいるFTAに関する情報は、WTO(世界貿易機関のサイト)で調べられます。WTOは、世界の貿易が自由で公正な物になるように設置されている国際機関です。世界中のほとんどの国は、このWTOに加盟しています。ですから、貿易に関する情報を一元的に調べたいときは、WTOのサイトを細かく確認することが最も効率的です。

英語ベースのサイトを日本語にして閲覧する方法とは?

もし、日本語のサイトで確認したのであれば「ジェトロさん」の紹介ページも参考になります。また、第三国FTAを調べることがメインではありませんが「ワールドタリフ」と呼ばれる世界の関税率を調べるサイトを活用することも有用です。

ワールドタリフ

ワールドタリフは、アメリカのフェデックスさんが提供している世界中の関税率を調べられるサイトです。ここで提供されている「リソースセンター>>国別一般情報」で、対象の国がどこの国々と、どんなFTAを結んでいるのか?を紹介するコーナーがあります。ここで第三国FTAの情報を得られます。

リソースセンタ>>国別一般情報を参照。調べたい国を選びます。

ワールドタリフ

例えば、アメリカを選ぶと….赤枠の部分にアメリカが締結しているFTAの一覧が表示されます。なお、権利上の問題から、画像にはぼかしを入れています。

ワールドタリフ ワールドタリフを利用するときは、会員登録が必要です。詳しくは「ワールドタリフの会員登録の方法」「ワールドタリフの使い方」などの記事をご覧ください。以上、第三国FTAを活用するための国別情報の調べ方です。

まとめ

  • 第三国FTAは、締結している所以外の国に属する企業がFTAを活用することです。(例:日オーストラリアEPA を 中国企業が活用する)
  • 第三国FTAを使うときは「1.原産地基準を満たすこと」「2.輸出元、輸出先の国がFTAを締結していること」の2つの条件をクリアする必要あり
  • 上記2つの条件を満たせば、どこの国の企業であっても自由に利用できます。
  • 第三国FTAを活用することで、大きく関税を削減できる可能性があります。

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