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TPP11・韓国の参加を拒否しなければならない理由

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韓国がTPP11に加入した場合、日本にとっては、良いことなのでしょうか? それとも悪いことなのでしょうか? 今回は、この部分について詳しく考えていきます。結論を先に申し上げると、日本は韓国のTPP11加入を拒否した方が良いです。これは、反日であるのか?からという理由ではなく、日本の輸出戦略上、大きな意味があります。

TPP11と韓国の加入

TPP11は、アメリカが脱退した新しい形の国際協定です。この協定の「圏内」に属する国であれば、商品にかかる関税を撤廃、投資の促進、他国における小売りサービスの展開などができます。もちろん、この逆で、外国の企業が日本での展開もできます。また、TPP11は、物品・投資・サービス分野だけはなく、人の移動も柔軟に規定しています。

ゼロからのTPP!基礎知識から原産地の証明方法までを網羅

FTA(EPA)とは、物品・投資・サービス、さらには、人の移動分野などにおいて、加盟各国の市場を開放します。

参加国一覧

下の表をご覧ください。こちらは、2019年現在のTPP11の加盟国の状況です。日本を含めて、11か国の国々が加盟しているため「TPP11(イレブン)」とも言います。実は、日本は、これら10か国(日本以外)の内、8か国とは、別のEPAを結んでいます。そのため、全く新しい国としては「カナダ」と「ニュージーランド」の二か国だけです。また、TPPは、2つめの「広域FTA」としての意味もあります。

TPP参加国
オーストラリアシンガポールペルー
ニュージーランドベトナムメキシコ
ブルネイ日本カナダ
マレーシアチリ

広域FTAとは? TPP11の大きな特徴

広域FTAネットワークとは、日本とタイなど、一対一のFTAではなく、日本とタイ、ベトナム、インドネシアなど、複数の国々と結ぶ協定のことです。2019年現在、日本は、日アセアンEPAという協定によって、アセアン諸国との広域FTAネットワークがあります。今回のTPP11は、この広域FTAネットワークの2つ目にあたります。

では、なぜ、この広域が重要なのでしょうか? とても簡単に説明すると、一つの協定ルールによって、加盟する全ての国々に通用する「原産地規則」「手続き方法」などが統一されているためです。実は、FTAによる関税の削減のメリットを受けるには、商品が本当に「協定国で作られているのか?」を証明する原産地証明書を用意する必要があります。

証明書類は、適用するFTAで決められている協定ルールに沿って作成する必要があるため、一つの協定ルールで、多数の国々で適用できる場合、その分だけ書類作成の労力は軽減されます。これは、FTAを活用する企業には、大きなメリットです。もちろん、広域FTAネットワークの特徴は、統一した協定ルールだけではありません。「累積原産性」も大きな魅力です。

広域FTAは、一つの協定ルールで、複数の国々に通じる協定。したがって、原産品を証明する作業も極めてシンプルになります。

累積原産性とは?

累積原産性とは、協定国内の複数の企業で商品を製造したときに、協定圏内(域内)での製造部分を「累積(あわせる)」できる制度です。

例えば、TPP11の加盟国である日本、マレーシア、ベトナム、カナダを考えてみましょう。

  1. 日本から基幹的な部品をマレーシアへ輸出
  2. ベトナムからオプション品をマレーシアへ輸出
  3. マレーシアの工場で、組み立てる。
  4. 完成品をカナダへ輸出する

この1~4のプロセスを経るときに、各国の作業と部品を「原産部分」として積み上げられます。これにより、製造は○○国。部材は、●●国など、これまで以上に製造工場や使用する部材の調達先の自由度を高められます。もちろん、部材や半完成品などの移動は「原産品を協定国内で移動していること」になるため、すべての取引において商品への関税等が免除されます。

累積原産とは、協定内の工場における「作業」と「使用部品」を累積できる仕組みです。これは「基幹部品を輸出して、生産コストが安い国で組み立てをしたい企業」にとっては、大きなメリットがあります。

では、これらFTAの大きな特徴をふまえた上で、日本と韓国との貿易関係を確認していきましょう!

貿易分野における韓国と日本の関係

下の表をご覧ください。こちらは、2019年現在の日本と韓国のFTA(EPA)の締結状況です。両国とも、およそ17のFTA協定を結んでいます。日本にはなくて、韓国にだけあるFTAは、アメリカです。韓国は、これら2つの巨大市場と、すでにFTAを結んでいます。これにより、韓国は日本よりも関税上、有利な取扱いを受けています。

韓国の輸出産品を考えると、基本的に日本とライバル関係の物ばかりです。そして、ビジネスモデルでいうと、日本から基幹部品や素材などを入手、それを自国で完成品にして輸出する形が多いです。つまり、いわゆる革新的な技術部分は所有しておらず、発展途上国が得意とする「激安組立工場」のような立ち位置です。

このようなライバル関係にある韓国がTPPに加わると、どのような影響があるのでしょうか?

日本韓国
発効日発効日
シンガポール2002/11シンガポール2006/3
メキシコ2005/4アメリカ2012/3
マレーシア2006/7EU2011/7
チリ2007/9チリ2004/4
タイ2007/11カナダ2015/1
インドネシア2008/7中国2015/12
ブルネイ2008/7トルコ2013/5
ASEAN2008/12ASEAN2007/6
フィリピン2008/12ニュージーランド2015/12
スイス2009/9コロンビア2016/7
ベトナム2009/10ベトナム2015/12
インド2011/8インド2010/1
ペルー2012/3ペルー2011/8
オーストラリア2015/1オーストラリア2012/12
モンゴル2016/6
TPP2018/12
日欧EPA2019

韓国がTPPに加入したい理由

日本企業と韓国企業は、世界の国々おいて常にライバル製品を輸出しています。そんな韓国がTPP11に加入するのが良いのかというと、もちろん良くないです。第一に、これほど、日本を敵国扱いする国を自由貿易圏に入れる理由はないです。また、感情論ではなく、輸出国日本としての立ち位置を維持するためにも、韓国を拒むべきだと考えます。なぜか? それは、先ほどから説明する広域FTAと韓国の輸出モデルに関係します。

  1. 日本と間で関税上の「差」による有利な立場を捨てたくない。
  2. 累積原産性による自国からの製造工場の引き上げを防ぎたい。

1.日本との間にある関税上の「差」による有利な立場を維持したい。

2019年現在、日本は、欧州との間にEPAを締結しているもの、アメリカとの間には締結していません。一方、韓国は、どちらの国々ともFTAを結んでいます。つまり、2018年までは、欧州、アメリカ市場において、韓国製品の方が日本製品よりも関税上、有利な立場に立っていました。これは、100m競争をするときに、50mからスタートするのか? それとも0mからスタートするのか?の違いと似ています。日本製品は、関税上、極めて不利な立場にあったのです。

2018年時点では、日本は、欧州やアメリカなどの巨大な経済圏と自由貿易協定を結んでいませんでした。一方、韓国は、当時から、これらの国とFTAを締結していました。よって、当時は、関税上のメリットが圧倒的に韓国側にあり、日本企業の製品は、最初から極めて不利な状況に立たされていたのでした。

「100m競争をするのに、韓国が50mの所、日本は0mの所からスタートする」


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これがこれまでの日本と韓国との関税率の違いによる状況でした。韓国としては、この有利な状況を維持したいので、どうしてもTPPに入りたいのです。もちろん、TPP自体は、アメリカは参加していませんが、日本は、TPP参加国を通した間接的な輸出のチャンスが生まれてしまいます。そのポイントが「広域FTAによる累積原産性」です。

理由2.自国の産業に致命的な影響をもたらす可能性がある。

TPP11の大きな特徴は、累積原産性にあります。累積は、協定国内の物を一つの原産品として積み上げていくことができる仕組みです。

下の図をご覧ください。こちらは、2018年現在(2019年、日本とEUは経済連携を締結済)の韓国と日本のヨーロッパ市場向けの輸出の流れです。日本と韓国は、FTAを結んでいないため、日本から輸入する基幹部品は有税扱いです。そのため、韓国企業は、日本から輸入する部品製品に対する関税の分だけ、コストが増します。

FTA

ところが広域FTAネットワークを活用すると、日本企業は、以下の流れを作ることができます。各国へ物品が移動するときに、それぞれの国で結んでいるFTAを活用することにより、国内へ販売するかのような輸出取引を実現できます。これは、韓国を含めて、単純な加工作業をしている国にとっては、大きな痛手です。

FTA

なぜなら、広域ネットワークで可能になる「累積原産性」を活用すれば、製造する国は、どこであっても構わなくなるからです。つまり、日本企業としても、別に韓国などに工場を建てる必要もなく、FTAの広域ネットワークの状況を確認して、最適な国で工場を確保すれば良いことになります。

韓国に限って言えば、これまで対ヨーロッパ向けに関税無税で輸出できることを日本企業にアピールしていました。しかし、今後、TPP11日欧EPAが発効されると、そのメリットが小さくなります。むしろ「日本から基幹部品を輸入するときの関税」の負担が大きいと感じます。一方、日本企業がTPP締約国のマレーシアなどに新しい工場を建設。そこからEU向けに輸出をすれば、日本からの部品(マレーシア税関)とマレーシアからの完成品(EU税関)のどちらも関税無税で取引ができます。

日本が他国との間で「広域EPA」を結ぶほど、韓国国内で製造するメリットがなくなり、製造工場が韓国国外に退去する動きが出てくるのです。韓国としては、これが非常に都合が悪いため、何とか日本との間に自由貿易圏を確立して、少しでも自国に製造工場が留まるための環境を整備したいと考えているのです。

ヨーロッパ向け広域FTAネットワークの活用例

FTA

アメリカ向け広域FTAネットワークの活用例

FTA

韓国が参加できる可能性は?TPPに参加するための条件

TPPに加わるための「加入」に関する規定は、三十条(第三十条の4)の最終規定に示されています。30条4の規定を要約すると、次の通りです。

TPPに加入ができる国は、次のいずれかの条件を満たす所です。

  1. APECに参加する国であること
  2. TPPの締約国が合意する他の国

また、TPPに加入するための作業部会の設置から承認までのプロセスは、次の通りです。

1.締約国の合意による作業部会が設置される。(構成国は関心があるすべての締約国)
すべての締約国が作業部会の設置に同意する必要がある。
同意しなかった国は、委員会による決定の日から七日以内に書面により反対すると無効
2.作業部会→作業完了
すべての締約国が同意を表明する必要がある、
同意しなかった国は、委員会による決定の日から七日以内に書面により反対すると無効
3.委員会に報告書を提出
4.作業部会が加入候補国との間で条件に付いて合意に達した場合
5.報告書が招請する委員会の決定案になる。
6.加入候補国が条件を受け入れる加入書を寄託者(ニュージーランド)に寄託する。
7.指定の日を経過することによりTPPに加盟ができる。

TPPに新しく加入するときは、大きく分けると3つあります。一つは、作業部会の設置、2つ目は、作業部会による同意の取り付け。3つ目は、委員会による同意です。つまり、これらの流れの中ですべてのTPP加盟国が「拒否権」を持っており、たった一つの国が「反対」を表明するだけで、TPPの加入は難しい形になっています。「韓国が入りたい」と宣言した場合、日本だけが「拒否」をしても、その先には、進めない仕組みです。

まとめ

TPP11は、日本が結ぶ2つめの広域FTAネットワークです。人口減少が続く日本では、国内での少子化対策をとる一方、外国市場を取りに行く気兼ねが必要です。海外市場が一気に広がる意味においてTPP11は貴重です。ただし、「後だしじゃんけん」をする国もいるため、それらの国には、当初からの交渉参加国と比べて、不利な条件を付けることが重要だと思います。

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