貿易業界人が伝える「コロナウィルスと輸出入ビジネスの最新状況」

コロナと貿易貿易コラム
この記事は約7分で読めます。

新型コロナウィルスの影響は、貿易業界に直撃しています。今回は、現在、貿易業界で働く「X氏」と「Y氏」から提供された情報を基にして、貿易業界の現状をご紹介していきます。

■この記事の結論

  • 航空便が危機的な状況にある。全便運休・減便などによる価格高騰
  • 海上貨物で運ばれる貨物は4月半ば以降影響か!?
  • 需要減による生産調整と再輸入免税制度を活用すること

2020年3月現在の貿易状況

各国政府発表の通り、世界的なコロナウィルスの拡大により、消費が急速にしぼみ、その影響が各国、各業界に様々な形で表れている。この消費縮小傾向を打開するため、各国政府は、緊急的な財政出動をしている。おそらく、ここまでの内容は、ご存じの方が多いのではないでしょうか。 今回は、これよりももう少し貿易業界に踏み込んだ内容をご紹介していきます。

航空輸送がひっ迫している。

新型コロナの影響により、各航空会社は、便数を大幅に削減し対応しています。この状況の中、反するように「今すぐ、貨物を運びたいから航空輸送をしたい」とのニーズが急速に高まり、航空輸送代金が大幅に高騰しています。つまり….

  1. 既存の顧客の他、新規のお客も「俺も、私も航空そうしたい」
  2. 航空会社自体が減便をしている
  3. 航空輸送スペースが全く足りない。
  4. 航空輸送代金の高騰
  5. 輸入価格上昇
  6. 一般消費者はアンハッピー

という流れになっています。航空スペースが大幅に足りないため「スプリット(別便に区分けされること)」や「ドロップ(荷物を落とされること)」なども頻発しており、実際に航空輸送の手配ができたとしても予断を許さない状況です。このような状況を考えてX氏は次のように提言しています。

「現在、航空輸送はひっ迫しています。手配ができたとしてもスプリットやドロップされるリスクがあるため、確実に荷物を輸送したいならフェリー輸送がおススメです。」

私もこのX氏の意見には賛成です。実は、貨物輸送を速度順に考えると、次の通りです。実は、速度の中間帯として「フェリー」があり、この手段が意外に早いのです。

  1. 航空輸送
  2. フェリー輸送
  3. 海上輸送

例えば、上海発と大阪とを結ぶ「上海フェリー」は、金曜日に上海港を出港し、日曜日の午後には大阪に入港します。もちろん、これ以外のフェリーも多数あるので、航空輸送がDきない方かつ、急いでいる場合は、各地のフェリー輸送を検討してみましょう!

もし、どうしても航空輸送を希望するなら、フェデックスやDHL、TNTなどのインテグレーターに依頼をした方が荷物を積める可能性が高いです。これらの会社は「自社機」を所有して貨物を輸送するため、他社に依頼するよりもスペースを確保しやすいです。(=「自社の顧客の荷物」を最優先にするため、ドロップなどのリスクが小さいです。)

関連記事:【最速】中国から海上輸送する方法 航空便は使いたくない!

貿易業界で働くY氏からは、次のような情報も提供されています。

  • 2020年3/28日に向けてさらに減便・運休の見込み。(段積み等も禁止)
  • アメリカ方面:外出禁止令や渡航制限により、引き続き、便自体がキャンセルの可能性が高い。
  • 中国方面:引き続き、減便や運休が継続する見込み
  • 全世界/あらゆる航空会社が3月後半から、4月の下旬まで完全に運航停止などを決めている。

航空便は、危機的な状況に置かれており、新規の依頼者の案件は、ほとんど受けてくれないと考えた方が良いでしょう。現状は、既存の荷主(昔から取引をしている重要顧客)から輸送スペースを割り当てていき、新規依頼者はゼロ又は、限りなく少ないスペースを割り当てられる可能性が高いです。しかも、仮にスペースを確保したとしても、ドロップされるリスクがあります。

  • 航空輸送はひっ迫している
  • ドロップやスプリットのリスクを考えよう。
  • フェリー輸送の手段があることを知ろう。
  • 航空輸送を希望するときはインテグレーターに依頼すること

海上輸送は四月半ばに過ぎに本格的な影響か!?

海上貨物の動向は、主に中国主体にご紹介します。3/10日の習主席の武漢訪問以降、中国工場における生産は少しずつ回復しているようです。ある業界新聞によれば「中国の生産は90%回復した」と掲載されていましたが、この情報の信ぴょう性は低いです。ただし、どこかのタイミングで一気に需要が回復するため、常に中国国内の生産状況と物流のチェックは必要です。

この他のアジア諸国、オーストラリア、ヨーロッパなどの貨物は、コロナが本格流行する前に船積みされた貨物が日本に到着したに本格的な影響が出てくると考えられています。

本格流行前に船積み→日本までの航海日数→荷物が着→日本に流通→それ以降の貨物(貨物が積まれていない!?)→日本国内の価格に影響

  • 中国以外のアジアやオーストラリア=数週間後
  • ヨーロッパ=一か月後(4月半ば以降)

Y氏は海上輸送に関して、次のような問題も指摘しています。

「実は、あまり表には出ていないのですが…船の船員交代の問題があります。彼らは一度、航海にでると帰国しません。しかし、当然ならいつかは交代する時期がくるため、彼らが彼らの母国に帰国したときに隔離措置をされる可能性が高いです。特にフィリピン人が多いです。現時点では、これが海上輸送とどのように関係してくるのかはわからないのですが…この点も懸念するべき点です。仮に交代要員が見つからないときは….」とのことでした。

また、続けて日本の税関検査の現状についても次のように伝えています。

「日本側の税関は、全体的に時間を持て余しているように感じます。一時期よりかはマシになりましたが、荷動きが鈍くなっているのが手に取るようにわかります。その影響で、輸入者の方が気になる税関検査も「いつもより熱心」にされています。」

Y氏の言葉には、若干、皮肉が加わっていますが、要は税関としても荷物が少ない分、いつもより書類審査に時間をさけるため、少しでも怪しいと感じた物は、すぐに税関検査を実施する傾向が強いようです。別に税関に検査されるから正しく申告~というわけではありませんが、いつも以上に「申告外貨物の検出」や「過少申告」などに留意する必要があります。

  • 海上貨物の影響は、向こう数週間後から一か月後に本格的に表れてくる!?
  • 船員の交代の件も気になる。
  • 税関申告はいつもより厳しい。申告外や過少申告などに気をつけよう。

3.生産調整を検討する

最後に生産調整についてもご紹介します。X氏は次のように指摘します。

「実は、東日本大震災のときは、需要減により急激な生産調整をする動きがありました。生産調整は、日本の資材を輸出。その資材を使い、海外の工場で最終生産をするビジネスに深く関係してます。このとき、よく利用されたのが「再輸入免税」です。生産をするために日本から資材を送った。しかし、生産調整により資材が不要になる。このときに活用していただきたいです。」

どういうことなのでしょうか? 一つずつ確認しましょう。

実は、日本に輸入される商品の中には、その商品を生産するときに使う「原材料」を日本から輸出する物があります。

例えば、日本からドレスの生地をタイに輸出。現地にてドレスの完成品に仕上げて日本に輸入するなどです。

  1. 日本から原材料を輸出
  2. 海外の工場で原材料(日本から輸出された物)を使い最終完成品にする。
  3. 2の最終完成品を日本に輸入する。

この仕組みのメリットは、日本の高い人件費を使い加工や生産をしなくても良い点にあります。そして日本に輸入するときは、海外で加工したときの「付加価値分」に対して課税されます。

しかし、今回のコロナウィルスの需要減のように、海外現地工場で「生産調整」をしなければならないときがあります。生産調整をすれば、日本から輸出した原材料が余ります。基本的に海外では、原材料として輸入された物は、期限内に消費する必要があるため、生産調整により、再びこれを日本に戻さなければならないときがきます。

このとき、海外から通常の形で輸入すると、関税や消費税が課税される可能性あります。しかし、この商品は元々、日本の原材料であるため、課税されるのはおかしいです!これを防ぐために「再輸入免税制度」があります。再輸入免税制度は「日本からの輸出の状態と、輸入時の状態を比較して」何らの加工を施していないときに限り、対象品目の諸税を免税にする仕組みです。

  • 輸出したときの状態
  • 輸入するときの状態

が同一であることが絶対的な条件であるため、輸出時にも再輸入免税を活用するための「確認作業」を受けておきます。この手続きをしておかないと、本当に日本から輸出した原材料であっても、日本に輸入するときに課税されます。詳しくは、取引をしている通関業者にお尋ねください。弊社の方でも有料輸入相談として「10,800円にて簡易的な有料相談」を受け付けています。

輸入するときの免税・減税制度のまとめ

以上がY氏が指摘する内容をかみ砕いた説明です。いかがでしょうか?

コロナ関連の影響と貿易業界は密接に関係しています。できるだけ多くの方と人的なネットワークを構築し、自社のビジネスを継続的に最適化する力が求められています。こういうイレギュラーのときでこそ、対応できることが相手の信用を勝ち取るためのコツでもあります。

あなたのビジネスがうまくいきますように….! By HUNADE

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