通関士の就職・転職方法 職場とキャリアアップの方法とは?

貿易求人
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モノを輸出入する際に必要になる税関への申告や他法令の規制のチェック等、日本国内の事務処理だけではなく、相手国の事情にまで精通する貿易のエキスパートです。貿易業界唯一の国家資格である通関士を活かした就職・転職を考えている方。これから資格取得を検討している方に、通関士を活かせる場所とその方法をご紹介します。

通関士と就職

まずは、あなたの立場をお聞かせください。1と2の内、どちらの状況ですか?

  1. 貿易業界に働いたことはない。例:学生さん、他業界で働いている方
  2. すでに貿易業界で働いている。

すでに貿易業界で働いている方は「こちら」から読み進めることをお勧めします。

通関士を活かせる業種

通関士は、輸出や輸入をする方に代わり書類作成、税関に対して代理で申告をする仕事する人です。要は「〇〇という荷主さんがエビを○○個輸入するので許可をお願いします!」と、税関に伝えて許可をもらう仕事です。これに関連して、税関から申告に対する質問がくれば、荷主さんに代わり受け答えするのも仕事の内です。

通関士の仕事=書類チェックから、輸入許可や輸出許可の取り付け

だと考えてください。もちろん、これ以外もありますが。基本的には上記が通関士の仕事です。そして、この通関士の仕事は、以下の三つの業種で活かせます。

  1. 通関業者
  2. フォワーダー
  3. 商社

1.通関業者

通関業者は、通関にまつわる諸々の事務処理を一手に引き受ける会社です。大手から中小企業、ある分野に特化した専門業者まで様々です。その業務内容は多岐に渡ります。業務内容の中心は、税関への申告書類の作成や船積み書類の作成や確認です。その他に貨物の輸送手配や、管理保管等を請け負う会社もあります。この業者で働くのが通関士です。

通関士は、デスクワークが中心です。関税法に関する法律に基づき手続きを進めます。荷主が輸入や輸出を予定する製品情報を正確に確認し、正しい申告にすることが最も大切です。この過程では小さな勘違い、少しのスペルミスも許されません。誤った申告をすれば、荷主の関税負担額が変わるからです。仮にこの誤差が目に余るものであると、税関からは厳しい指導されると同時に荷主からの信頼も失います。

通関士の業務は、迅速かつ正確に書類作成、確認をしていく能力が問われます。日々相対するのは英文の書類とPCの画面です。専門知識と緻密さを兼ね備えたエキスパートたちが黙々と書類に対応する、それが通関業者における通関士の仕事です。

2.フォワーダー(乙仲/海貨業者)

フォワーダーは、貨物の輸送手配を業務の中心としています。船会社や航空会社など、実機を持っている所からスペースを借りて、それを各顧客に再販売します。上記の通関業者と違う点は、輸送手配がメインであり、日本国内における通関代行などは付随業務の位置づけであることです。また、外国との間の輸送手段を手配しているため、通関業者よりも幅が広く活躍できるのも違いがあります。

フォワーダーは、自らの輸送手段を持たないため情報が命です。この情報には、日本国内の顧客情報、相手国(受け入れ側の業者)などがあります。大手企業は、世界各国に現地の法人があるため、現地法人を起点にして、配送や通関手配ができます。しかし、現地法人が無い中小企業は、現地フォワーダーを見つけなければなりません。このときに活躍するのがフォワーダーです。

日本側で取引しているフォワーダーは、中小企業に代わり、現地の輸送に最適な「現地フォワーダー」の手配をします。

例えば、フォワーダーのサポートを受けないと….

危険品を運べるのか? 大型機械は? 精密機械は? 生鮮品は大丈夫なのか?

などの疑問を一つ一つ解消しながら現地のフォワーダーを探す必要があります。もちろん、大きな都市だけでなく、アフリカや中央アジアなど、輸送手段が限られている地域に貨物を運ぶこともあるでしょう。これは、資金力に乏しい中小企業にとっては非常に困難です。これをサポートするのがフォワーダーです。フォワーダーは、このコーディネート力が最も大切です。

フォワーダーの業務は、輸送手配の構築が中心です。しかし、昨今の貿易業界は、業界の垣根がなくなっているため、輸送手段の構築と併せて、日本側の通関手配も一括で受注する場合が多いです。もし、あなたが通関士の資格を持っていれば、輸送手段のコーディネートから日本側の通関手配までできる凄腕ビジネスマンになれます。

3.商社/メーカー

商社(メーカー)は、様々な国との商取引をまとめ、ビジネス面から貿易のサポートをします。昨今は、自社製品を世界各国へ輸出することが増えているため、商社やメーカー内でも通関士の知識が重要です。通関士は、関税法、外為法等、他法令などに精通しているため、企業内でも一目置かれる存在です。

例えば…

など、企業が世界で戦うための様々な知識が役立ちます。そのため、通関士の資格と知識は、商社やメーカー内において確固たる地位があります。

いかがでしたでしょうか? 貿易業界に興味がわいてきましたか? そんなやる気が高まっているあなたには、あえて「貿易業界の厳しい現実」もお伝えしたいと思います。もし、それでも就職したいと考える場合は、この先もお読みください。

就職・転職の方法

貿易業界に就職や転職をしたいときは、ご自身の状況によりアプローチ方法が違います。

初めて貿易業界に勤務する方

派遣会社からのステップアップでキャリアを積んでいきます。貿易業界は非常に残業が多く古臭い所でもあるため、人によってはなじめないことも多いです。まず派遣社員として働き、良ければ正社員に移行することをお勧めします。また「年齢が高い」「未経験」「大企業に就職したい」と考えている方も、まずは派遣社員から勤務を開始、ステップアップで正社員を目指す方が現実的です。

学生の場合

学生の場合は、貿易事務職の正社員の扱いになり、就職倍率は、軽く数十倍です。ただ、就職試験で落ちてしまっても派遣会社からのステップアップで正社員を目指す方法もあります。(今から10年以上の前のお話になりますが、私は未経験・正社員として採用されました。当時の就職倍率は、50倍ほどでした。)

すでに貿易業界にいる転職組の方

現在、貿易業界で働いる転職組の方は、迷わず「転職エージェント」をお勧めします。貿易業界のキャリアをすべて棚卸してくれた上、あなたの希望する条件にある職場を紹介してくれます。もちろん、この転職エージェントへの利用料は一切かかりません。すべての費用は採用する企業側が支払うため特に心配は不要です。

以下では、代表的な転職(就職)方法をご紹介します。あなた自身にあった方法で求人を探すことをお勧めいたします。

  1. 転職エージェント
  2. 派遣会社
  3. ハローワーク
  4. 転職サイト
  5. 口コミ

1.転職エージェント

ある程度のキャリアがあり、より良い職場環境を求めている方に最適なのが転職エージェントの活用です。今までのキャリアを転職のプロであるコーディネーターが見定め、最大限に生かせる環境を用意してくれます。企業が求めているスキルと経験を熟知しているからこそ、あなたの弱みと改善点をアドバイスしてくれます。また強みを全面に出してより良い条件を提示してくれる場合もあるでしょう。

貿易業界に強いエージェントや、海外ビジネスに特化したエージェントもあります。大切なのは、目の前の条件だけをみることではありません。5年後、10年後の自身の姿を想像した上で、最適な企業を選ぶことです。その際にも、コーディネーターはパートナーとしてあなたをサポートしてくれるでしょう。

2.派遣会社

通関士の資格はあっても経験が無い方やキャリアチェンジを考えている方にお勧めなのが派遣会社です。経験が重要視される貿易業界だからこそ、未経験の方やブランクがある方にとって派遣会社は強い味方です。

就職が難しい大手企業で経験を積むことができるのも派遣で働く魅力です。大手ならではのダイナミックな仕事を経験することは、これからのキャリア形成に役立ちます。より幅広い業種や職種にチャレンジもできます。紹介予定派遣など、正規雇用を前提とした派遣の形態もあるので、ミスマッチを防ぐ上でも大きなメリットです。

貿易業界に特化した派遣会社では事前の講習を実施している場合もあります。無料カウンセリングを実施している会社がほとんどなので、一度足を運んでみると転職のより具体的なイメージをつかめるでしょう。

3.ハローワーク

ハローワークで転職先を探すこともできます。日中に時間を取れる方、安定した企業での就職を望んでいる方にはお勧めの方法です。求人を出している企業も、役所に所定の書類を提出し、選定されています。企業、求職者、双方共に一定の安定感があるのがハローワークの特徴です。職業訓練や書類作成のレクチャーを受けられるため、ブランクのある方や、就職の選考が初めての方にとっては大きな安心感があります。

4.転職サイト

リクナビやマイナビ等の転職サイトを活用し、自身で転職先を探す方法です。インターネット上でエントリーし、履歴書や職務経歴書を作成、選考を受けます。最もシンプルで、自分のペースで就職先を見つけたい方にはぴったりです。企業にとって最も求人広告が出しやすいのが特徴で、大手から中小企業、掘り出し物の企業まで様々な求人広告を目にします。収入の相場など、これから就職を考えている方にとって気軽に情報収集するツールとしても役立ちます。

5.口コミ/人づて

広そうに見えて実は狭いのが貿易業界でもあります。フォワーダーから通関業者、メーカーからフォワーダーへ、など、以前のクライアントが今の同僚、というケースも少なくありません。またフォワーダー内での転職も頻繁にあり、より良い条件、キャリアを求めて人づてに転職を繰り返す人が多いのも特徴です。

専門分野に特化した業界だからこそ、スキルと人間性を兼ね備えた人材をどれだけ確保できるかが企業にとって最大の課題でもあります。

関連記事:【未経験】通関士の資格を独学で一発合格するまでの勉強記

まとめ

  • 通関士の資格を活かせる職場は様々です
  • 自身のキャリア形成を見据えた環境選びが大切です
  • 転職のタイミングと経歴によって最適な転職方法を選びましょう
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