貿易ビジネス(輸出・輸入)12のリスク

貿易ビジネスリスク 輸入ビジネス
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ビジネスは、リスクとリターンのバランスが重要です。もちろん、これは、貿易ビジネス(輸出・輸入)をするときも同じです。

例えば、輸入ビジネスなら、仕入れた物が売れない「不良在庫のリスク」があります。輸出では、輸出相手から代金を回収できないリスクがあるでしょう。そこで、この記事では、貿易ビジネスの12リスクをご紹介していきます。

貿易ビジネスリスク

貿易ビジネスのリスクとは?

リスクとは何か?

今、あなたは農家だとしましょう。作物をとるためには、種をまく必要があります。これが無事に成長すると「果実(利益)」を得られます。しかし、ご存じの通り、果実を収穫するまでには、様々な「リスク」があります。

例えば、

  • 雨が降らない。または降りすぎる。
  • 肥料の量を間違えた。
  • 農薬の散布量を間違える。
  • 農作業のミスにより、収穫時期をまちがえる。
  • 第三者に嫌がらせをされる

などが思い浮かびます。貿易ビジネスも同じです。最終的に利益を得るときは、それなりのリスクが必要です。あとは、リスクの種類や対処方法を理解し、小さくなるように努めるだけです。

リスクをとるからリターンがある。

貿易ビジネスのリスク12選

貿易ビジネスをする上でのリスクは、次の物があります。

  1. 一歩を踏み出さないリスク
  2. 倒産リスク
  3. 禁制品リスク
  4. 不良在庫リスク
  5. 品質のリスク
  6. 競合リスク
  7. 輸送リスク
  8. 為替リスク
  9. イデオロギーリスク
  10. 伝染病リスク
  11. 知財リスク
  12. 訴訟リスク

1.一歩を踏み出さないリスク

どんなビジネスをする上でもリスクがあります。リスクを極度に嫌い、何しなければ利益はないです。農家であれば、種まきをしても「育たないリスク」「動物に食べられてしまうリスク」がありますね。これらのリスクを恐れて、畑に種をまかないのは愚の骨頂です。種をまかない限り、利益を得られないのに、いつまでも種をまこうとしないのです。

輸入ビジネスの場合は「仕入れて売れなかったらどうしよう」「本当に商品が届くのか」などを心配し、なかなか最初の一歩を踏み出せません。しかし、最初の一歩を踏み出さないかぎり、何も結果が出ることはありません。良い結果であっても、悪い結果であっても、それは次に行うときの「大きな経験」となります。ぜひ、この最初の一歩を踏み出していただきたいです。

2.倒産リスク

貿易ビジネスに関係する所が倒産するリスクがあります。この関係者には、次の所があります。

  1. 販売した相手(代金の回収ができない)
  2. 商品を購入した相手(荷物が届かない)
  3. 船会社/フォワーダーの倒産(韓進海運の倒産事件

例えば、ある洋服の仕入れ代金を支払ったとします。契約通りに商品を受け取れば、問題はありません。しかし、何らかの原因により、品物を受け取れなければ、仕入れたお金はすべて損です。輸入ビジネスでは、このリスクをコントロールするために「保険」をかけます。ちなみにアリエクスプレスやアリババなどで購入をすれば「エスクロー」により、海外の相手と直接契約をするよりもリスクは低いです。

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3.禁制品リスク

日本国内への輸入は、原則、自由に行えます。しかし、いくつかの商品には、輸入が「禁止」されていたり「規制」されていたりする物があります。

例えば、輸入が禁止されているものとして「武器の開発につながるもの」があります。治安維持の観点から、国内への危険品を輸入でできないです。また、世の中の風紀を乱す出版物、著作権侵害物、治安を乱す物、他人の権利を侵害する物などは、認められていません。また、革製の製品の輸入にもリスクがあります。

例えば、革製品の革は「ワシントン条約(絶滅のおそれがある動物を保護する法律)」に該当すると、輸入禁止です。この他、経済産業省から「輸入承認」を必要としていたり、「他法令の確認」が必要になったりするものがあります。これらの承認や確認を受けていない場合は、輸入ができません。

輸入規制を理解せず輸入すると大変!?

日本側の輸入規制を理解せず、日本に商品を輸送するのは非常に危険です。輸入許可を受けるために非常に長い時間貨物を留め置くことになり、保管料等も甚大です。万が一、輸入が不許可になった場合は、積戻しや滅却などのリスクがあります。

4.不良在庫リスク

輸入した商品の国内販売がうまくいかず、不良在庫になるリスクがあります。2020年現在、自社の倉庫を所有して在庫を保管するより、アマゾン倉庫などの他社倉庫で保管することが一般的です。もちろん、在庫を保管するにも費用が掛かるため、販売できる数量以上の在庫は持たないことをお勧めします。

輸入時に使う倉庫の保管料は、どのように計算する?

5.品質のリスク

仕入れた商品が不良品であるリスクがあります。特に中国から仕入れるものは、数量違い、番号違い、カラー違い、サイズ違いなど、思いもよらない不良品に悩まされることがよくあります。この事実を考えれば、輸入品を購入するときは、日本の店頭で購入するような感覚を持たない方が良いです。むしろ「不良品が入っている」方が普通だと考える方が良いくらいです。

6.競合リスク

海外の通販サイトで購入した物を日本で転売するビジネスの場合、後から競合が参入してくる可能性が高いです。なぜなら、このようなビジネスは「参入障壁」が非常に低いからです。参入障壁とは、その分野でビジネスを行うときに「参入を難しくする条件」のことを言います。

例えば「フリマアプリ」でビジネスをするとします。このとき、何年も前からフリマアプリでビジネスをしていた人と、今日から始めようとした人との間で「どれだけの差があるのか」ということです。確かにフリマアプリの操作方法になれない部分での差はあります。しかし、それがビジネスに参入しにくい理由になるのかというと、そうではありません。

では、これが「土木ビジネス」であれば、どうでしょうか。土木工事をするためには、高額な重機がいります。そして資材、人件費なども発生しますね。それらをすべてそろえた上で始めてビジネスができるわけです。土木ビジネスに参入する場合は、よほどの覚悟や資金、人脈が必要であることがわかりますね。つまり、ここには明確な「参入障壁」があります。

海外の通販サイトで購入して、フリマアプリ、アマゾン、メルカリなどで転売するビジネスは、誰でも簡単に参入ができます。そのため、競合が現れやすく価格だけの勝負になるリスクがかなり高いです。では、このリスクを少しでも下げるには、どのようすれば良いのでしょうか。

一つとしては、未開拓の商品を探してくることです。誰も手を付けていない可能性が高いため、儲かりやすく、損をしやすいと言えます。2つめは、参入障壁がある輸入ビジネスを行うことです。先ほども申し上げた通り、インターネット上ですべてを完結するものは、誰もが参入しやすい分だけ競合リスクが高いです。これをあえて逆に考えて、ネット上で完結できないようなルートを構築すれば、参入障壁が高くなるとは思いませんか?

例えば、アメリカのアマゾンで購入をして、日本のアマゾンで販売するモデルであれば、どのような分野であっても競合だらけです。しかし、中東にある商品を仕入れて、それをネット上で販売するモデルの場合はいかがでしょうか。たしかに、出口戦略としてネット販売は同じですが、入口の部分(仕入れの分野)で大きな参入障壁があるとは思いませんか? おそらく月~金で働いているサラリーマンや、主婦が副業感覚で行うことは難しいはずです。

この他にも食品届や植物防疫法などの他法令が必要な貨物を輸入することも一つの手です。要はインターネット上ですべてを完結させられない物を選ぶことがポイントです。輸入ビジネスでは、競合を意識して少しでも参入障壁が高くします。そうしなければ、価格だけの不毛な戦いが続きます。

7.輸送リスク

海外から輸送されてくる商品は、輸送途中においてダメージを受けるリスクがあります。

例えば、一般的な小包での輸入は、ダンボールが壊れて中身にダメージが及んでいる場合があります。また、一般商業輸入は、海上輸送中に水漏れ事故が発生することもあります。いずれの場合も、貨物にダメージがあるかどうかは、日本到着後にしかわからないため、やっかいなリスクです。このリスクは、海上保険と適切なインコタームズで管理します。

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8.為替リスク

一週間前よりも円高、又は円安など、為替変動によるリスクがあります。

例えば、100ドルの商品を輸出するとします。輸出契約を取り交わした時点では、一ドルは130円。その後、急激に円高が進み、一ドルが100円になった場合はどうでしょうか?

  • 契約時:130×100=13000円。期待収益は13000円
  • 実際に代金を受け取るとき:100×100=10000円
  • 13000-10000= -3000円

為替が変動することで、得られるべき収益が上下するリスクがあります。ちなみに、上記の取引であっても、あなたが「輸入者」の場合は、逆に為替差益を得られます。

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9.イデオロギーリスク

ある特定の国との貿易は、常に民族イデオロギーのリスクがあります。

例えば、韓国や中国などは反日による政策が貿易ビジネスにダイレクトに影響することが多いです。

10.伝染病リスク

新型コロナウィルスのように、世界的に伝染病などが蔓延し、世界経済全体が急速に小さくなるリスクがあります。もちろん、これは貿易ビジネスに限らす、全てのビジネスで同じです。

11.知財リスク

他人の権利を侵害する貨物のことを「知的財産、商標権の侵害貨物」と言います。特にブランド物の模造品は、税関などで厳しく取り締まりが行われています。これは「本物だと思っていた模造品」を輸入するときでも容赦なく適用されます。

例えば、海外のお店などで正規品として販売されていた物を購入したとします。これを日本へ輸入する場合は、日本の税関から「正規品である証明」が求められます。このとき、本物である証明ができなければ、偽物として扱われてしまい没収されてしまいます。

では、税関はどのように本物かどうかを確認しているのでしょうか。もちろん、証明書で確認をすることも一つの手です。しかし、それだけではありません。

契約書の内容から「正規ライセンサーの資格があるのか」を確認することもあります。また場合によっては、ブランドの権利所有者に対して電話での確認を行うこともあります。ブランド品を商業的に輸入するときは、考えている以上に厳しいチェックがあることを知っておかなければなりません。特にアパレルなどのブランド品を輸入する場合は、気をつけるようにしましょう!

12.訴訟リスク

無事に輸入した商品を国内へ販売するときもリスクがあります。「欠陥貨物によって、人へダメージを与えること」です。つい最近も某国製のスマホが燃え出すといった事件がありましたね。原因はスマホの中にあるリチウムイオン電池の不具合とのことです。

ところで、日本には「製造物責任法(せいぞうぶつせきにんほう)」があります。これは「製造した商品の不具合が原因となって、人に何らかの被害を与えてしまったときは、その補償をしなければならない」というルールのことです。なぜ、これを持ち出したのかというと、実は輸入品に関して、製造物責任法の適用を受けるのは「輸入者」になります。したがって、輸入した商品に何らかの欠陥があり、それが原因で人にケガをさせてしまった場合は、補償しなければなりません。

せっかく良い仕入れ先を見つけて、国内販売まで行ったのに、販売後に問題が発生するのは最悪です。そこで、輸入の現場では、このリスクに対処するために「PL保険」と呼ばれる保険に加入するのが一般的です。PL保険をかけておけば、万が一、国内販売時に問題が発生しても、そこから補償料が払われるため、金銭的に安心です。

リスクヘッジ(管理・回避)

貿易には、様々なリスクがあります。しかし、様々な仕組みにより、貿易リスクをコントロールすることは可能です。リスクコントロールの方法には、次の物があります。

  1. 貿易保険
  2. 信用照会
  3. 海上保険
  4. 安全な決済
  5. pl保険

1.貿易保険

貿易保険とは、取引相手が倒産した場合に補償する保険です。100%政府が出資する「日本貿易保険・NEXI」が運営しています。

2.信用照会

販売先や販売元も与信調査をすることも一つの方法です。上記のNEXIの他、ジェトロなどでも簡易的な信用照会ができます。

3.海上保険

海上保険は、海上輸送上で発生する様々なリスクに対して補償する物です。

例えば、貨物が壊れていた。水濡れしていた。輸送作業中に貨物を壊したなどです。

4.安全な決済

貿易代金の決済を安全にする方法は、いくつかあります。これらの方法を取り入れることで、安全な決済ができます。

  1. LC決済
  2. T/T決済を半分ずつする。
  3. ペイパル決済
  4. エスクロー決済

5.PL保険

PL保険とは、輸入した物や輸出した物の起因して発生するリスクをカバーする物です。

例えば、「中国から子供用の玩具を輸入して日本国内で販売。その後、この玩具を購入した購入者が、製品上の欠陥によりケガをした」などです。この場合は、輸入者のあなたが「製造物責任法上の製造者」にあたり、すべての責任を負うと同時に、ケガや慰謝料などの補償をする義務があります。PL保険は、この民事上の責任部分をカバーする物です。

まとめ

輸入ビジネスにおける10個のリスクをご紹介してきました。リスクばかりを説明してきたため、何だか不安になってしまいそうですね。しかし、ご安心ください。この記事でご紹介したリスクは、あらかじめ、その存在を知っているだけでかなり小さくなります。適切な備えをしておけば減らすことができるため、そこまで気負いすることなく、輸入ビジネスに取り組んでいただきたいです。

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