【輸入の真相】コロナウィルスとトイレットペーパー問題

ペーパーショック 貿易コラム
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新型コロナウィルスにより、マスク、アルコールなどの除菌製品全般に加えて、トイレットペーパーなどが不足しています。なぜ、トイレットペーパーが不足しているのでしょうか? 一説によると、トイレットぺーパー不足は、SNS上のデマがもとになってると言われております。しかし「単なるデマ」のはずが、ここまでの大騒動になり、多くの人を「衝動買い」に誘ってしまう。ここに情報化社会の危険性を感じます。

では、実際の所、このトイレットペーパーの真相は、どうなっているのでしょうか? そこで、この記事では、トイレット不足の真相を輸出入の貿易統計から考えていきたいと思います。

ペーパーショック

トイレット不足は単なるデマなのか?

近所のドラッグストアに行くと、店頭からトイレットペーパーなどが消えていることが多いです。店頭で買えないから仕方がなくネット上を探すと、通常の価格よりも非常に高く販売されています。どうやら、神経図太く「転売活動」に励んでいるようです。なぜ、このような状況に陥ったのでしょうか? ある新聞記事によると、次のような流れで一時的なトイレットペーパー不足が起きているのではにか?と推測されています。

  1. トイレットペーパーが不足するとの根拠のないデマがまわる。
  2. その情報を安易に拡散する。
  3. 情報を信じて買いだめをする人が現れる。
  4. その買いだめする姿を見て、情報を見ていない人まで不安になり買いだめする。
  5. メーカーの余剰在庫がなくなり、店頭から姿を消す。
  6. 実際に店頭から物が消えることで、誰もが「物不足感」を感じるようになり、追加で買いだめをする。
  7. 後は、これの繰り替えし=デマが真実になる。

この1~7の流れからもわかる通り、最初は単なるデマから発生した物が「後追いで現実になってしまった」というのが真相だとのことです。では、実際の現場では、トイレットペーパーの不足は起きているのでしょうか? この事実を知るためには、日本国内にあるメーカーの在庫の他、日本に輸入される「トイレットペーパー関連品」の輸入状況を調べるのが良さそうです。そこで、財務省統計局の貿易統計から「日本に入るトイレットぺーパー」の数を調べてみました。

トイレットペーパー4803.00の輸入状況

トイレットペーパーのHSコードは「4803.00」です。このHSコードの定義は、次の通りです。トイレットペーパー、ティッシュなど、現在、不足している産品が該当するため、このHSコードに紐づいている輸入状況を調べると、日本に輸入されている状況がわかります。

トイレットペーパー、化粧用ティッシュ、紙タオル、紙ナプキンその他これらに類する家庭用又は衛生用に供する種類の紙、セルロースウォッディング及びセルロース繊維のウェブ(ロール状又はシート状のものに限るものとし、ちりめん加工をし、しわ付けをし、型押しをし、せん孔し、表面に着色し若しくは装飾を施し又は印刷したものであるかないかを問わない。)

引用元:実行関税率表

2019年1月と2020年1月の比較

今回は、2019年1月と2020年1月のデーターを比較して、単価と輸入数量がどのように変化しているのかを確認します。(できるだけ最新の状況に近い2月分で比較をしたかったのですが、2020年3月6日現在は、データーが公開されておりませんでした)

輸入数量の比較です。オレンジのラインが2020年、青色のラインが2019年です。2020年の方がより多くの数量を輸入。かつ、2019年よりも調達先の国が増えています。

トイレットペーパー 輸入

次に単価です。同じくオレンジが2020年、青色が2019年です。単価を比較すると、2020年の方が安くなっています。

トイレットペーパー 輸入

2019 2020
単月数量 単価 単月数量 単価
インドネシア 1087567 ¥136 2068776 ¥143
中華人民共和国 445902 ¥418 1457348 ¥200
ベトナム 155849 ¥150 227943 ¥340
大韓民国 171038 ¥322 125401 ¥288
フランス 12330 ¥269 3153 ¥608
ドイツ 3871 ¥819 854 ¥509
アメリカ合衆国 12199 ¥362  
台湾   49786 ¥138
インド   420 ¥667
スウェーデン   21886 ¥201
イタリア   624 ¥500

結論

2019年1月と2020年1月の貿易統計の数値を確認する限り、トイレットペーパー不足になっている事実はないようです。むしろ、2019年よりも調達先の国が増え、数量も増えて、かつ、単価も下がっています。もちろん、データーは、2020年1月が基準になっているため、記事執筆時点(3月)とは状況が違う可能性はあります。その辺りのことを含めて考えると、ここではあえて断定はせず「SNS等で情報を流す人は、もう少し責任を持った行動をしてほしい!」とお伝えするに留めたいと思います。

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