日本から輸出する米と東南アジア(世界)から輸入するコメ

この記事は約7分で読めます。
HUNADEサービス&オススメ記事
  • 個人事業OKの通関代行サービス
  • 中国の通関トラブル例と注意点
  • 「必須」アリババ輸入の6ポイント
  • スポンサードリンク


    *当サイトの記事を編集・加筆等し、公開する行為をお断りいたします。

    日本から輸出されているお米に関するデーターをご紹介します。実は、日本のお米は、たくさんの外国に輸出されています。また、逆に東南アジアなどからコメを輸入しています。そこで、この記事では、日本と世界との間でやり取りをしているコメについてご紹介していきます。

    コメの輸出入

    日本のコメは、こんな国に輸出

    日本から世界へのコメの輸出状況

    以下の表は、財務省の貿易データ(2019年度のデータ)を加工した物です。「日本から輸出されている米」に関する日本政府発表の公式データです。表の見方を説明しています。米の輸出データーを読み解くときは、次の2つを区別して考えることが大切です。

    1. 日本政府による国際支援
    2. 純粋な民間取引

    日本政府による国際支援としてのコメは、主にアフリカ諸国に向けて輸出されています。輸出価格は、トン50000円前後で推移しており、民間取引の価格とは、明らかに格差があります。他方、いわゆる商業ビジネス的な輸出は、トン300000円前後です。上位輸出先国は、香港、アメリカ、シンガポールです。

    特に香港、台湾、シンガポールは、現地への輸入規制が緩いため、米に限らず、日本の農産品の主要な輸出先です。表の一番右は、米1トンあたりの価格です。

    民間取引における輸出先

    国名数量(年間・トン)価格(トンあたり)
    香港3412¥302,219
    アメリカ合衆国1691¥267,044
    シンガポール1297¥257,359
    台湾1199¥312,198
    中華人民共和国1002¥347,440
    オーストラリア842¥301,869
    タイ603¥253,100
    英国501¥286,337
    フィンランド212214952.8
    カナダ199309316.6
    マレーシア181¥233,508
    ロシア162¥357,802
    ベトナム151¥308,755

    日本政府の国際支援に基づく輸出

    国名数量(年間・トン)価格(トンあたり)
    ブルキナファソ7149¥46,277
    モーリタニア6008¥45,226
    ネパール3855¥45,220
    セネガル2669¥48,007
    リベリア2553¥45,256

    米の輸出価格は、日本港の出発価格

    上記の輸出価格は、日本の港へ停泊している本船に積み込むまでの価格です。これを「FOB価格」と言います。実際に相手国の市場へ並ぶまでには、このFOB価格に加えて「日本~相手国までの船賃」「陸揚げ諸費用」「通関費用」そして、相手国の関税やVAT(付加価値税)などが上乗せされます。

    例えば、関税の一例をあげると、タイは、米に対して「2.75THB/kg」の関税をかけています。仮に米を1000キロ(1トン)輸出するときは、2.75×1000=2750バーツ(約8000円)ほどの関税がかかります。ちなみに、日本では、この米に対して「340円/kg」の関税をかけています。単純比較をしてもそれほどの意味はありませんが、関税だけでいうと、およそタイで設定されている100倍の関税を設定してます。

    タイ向けに米の輸出を検討している方へ

    日本とタイは、経済的な自由貿易協定を結んでいます。そのため、日本産のコメについては「日タイEPA(JTEPA)」を活用することによって、関税は無税になります。一方、タイから日本側へ輸出されるコメは、タイのコメであっても他国と同じように「暫定:49円/kg、基本:340円/kg」の関税がかかります。もし、タイ以外の関税を知りたいときは「ワールドタリフ」(ワールドタリフの登録)を使いましょう!

    世界(東南アジア)から日本へのコメの輸入状況

    一方、東南アジアなどの世界から日本へのコメの輸入状況を確認してみましょう。同じく財務省からのデーターを加工してご紹介します。(情報:2019年度のデータ×精米1006.30のデーター)

    白米の精米の輸入HSコードは、1006.30です。ここには、2つの枝番があります。

    • 010→政府調達
    • 090→純粋な民間取引

    010は、日本政府が食料確保の安定化のために輸入するコメです。他方、純粋な民間取引とは、いわゆるコメの輸入取引を指します。

    2020年現在の関税率は、次の通りです。

    • 010の政府調達分→無税
    • 090の民間取引分→暫定税率により49円/kg

    政府調達分(1006.30-010)

    政府調達は、各国政府との関係によるところが大きいです。日本は、アメリカから無理やり米を買わされていることがわかります。

    国名輸入量(年間/トン)単価(トン当たり)
    アメリカ合衆国316512¥98,136
    タイ268572¥50,436
    中華人民共和国61123¥96,275
    オーストラリア7015¥100,559
    パキスタン1311¥149,914
    インド926¥148,932
    アルゼンチン171¥137,848
    イタリア152¥176,914

    その他(1006.30-090)

    以下は、純粋な民間取引です。東南アジア地域だとタイ、ベトナムから輸入されているようですね!

    例えば、あなたがコメ農家であり、外国産米の価格を調べたいときは、下記の価格を活かして次のように計算すればいいと思います。

    例:タイの65850円/トンの場合

    ((65850円+49000円(49×1000))×1.08)×1.2(港関連の費用)=輸入原価(概算)=約15万円(トン)=150円/kgです。これが港での原価に近いと考えられます。そこから、輸入業者のマージン、卸のマージン、仲卸のマージン、スーパーのマージンなどをのせて店頭の小売り価格になります。

    国名輸入量(年間/トン)単価(トン当たり)
    タイ173¥65,850
    アメリカ合衆国171¥129,187
    ベトナム137¥63,927
    イタリア50¥575,940
    インド31¥191,806
    中華人民共和国14¥345,929
    バングラデシュ13¥167,231
    アラブ首長国連邦6¥153,500
    スリランカ2¥143,000
    スペイン1¥475,000

    世界のコメ取引の状況

    世界ベースで考えると、タイは、米の輸出量が世界第一です。2011年のタイの輸出データによると、およそ1000万トンもの米が世界中に輸出されています。一方、日本における米の輸出量は、年間で25000トンあまりになっており、一位のタイとの差は歴然です。なぜ、このような開きがあるのでしょうか。その理由を考えてみます。

    まずは、日本米とタイ米の取引価格に注目してみます。「世界経済のネタ帳」というサイトで、タイにおける米の輸出価格を調べてみました。それによると、タイにおける米の輸出価格は「1トンあたり500ドル前後」となります。日本のお米は、一トンあたり3000ドル前後で取引されています。まずは、この価格面で大きな開きがあることがわかります。

    次に米の種類です。タイは、輸出先ごとに多様な種類のコメを栽培しています。具体的には、白米、玄米、砕米、米粉などがあります。また、近年は、中東市場に向けて「パールボイルド・ライス」と呼ばれるコメの輸出も盛んに行われています。その中も特に評価されているののは、香り米として有名な「ジャスミン・ライス」です。精米後のジャスミンのような白さと、炊いた後に香る芳醇な甘い香りが特徴のコメです。

    日本の農業は、タイとの人件費の違い、そして、栽培面積の違いから、圧倒的に不利な状況に置かれています。しかし、そのデメリットをしのぐ、大きな魅力が日本のコメには、あると思います。ぜひ、世界における農業ビジネスの穴を見つけて「政府の補助金を頼りにしている経営基盤が弱い農業」から、グローバル農家を目指されることを願っております。

    まとめ

    日本から輸出されている米の輸出先と輸出価格をご紹介していきました。現在の主要な農産品は、香港、台湾、シンガポールです。これらの国の輸出は、ジェトロさんなどのセミナーでもおなじみです。いずれも相手国側の農産品に関する輸出規制が低くて、輸出しやすい環境が整っているのが主な要因です。ただ、貿易統計は、その他の国へも米が輸出されていることがわかります。主なターゲットとして考えられるのは、次の通りです。

    ・現地に住んでいる邦人

    ・現地で日本料理を展開している会社

    ・現地に住んでいる欧米人または富裕層

    これを調べるために、世界各国の法人数や日本料理屋の数を調べることも有効です。また、日本で栽培している米の特徴をつぶさに検証して、相手国での「どんなニーズに合致するのか?」を考えることも重要です。米の輸出だからといって、価格勝負だけで戦うことは厳しいです。むしろ、米を米として売ることだけを考えるのではなく、そこから派生してて考えていくと、何か別の切り口によって輸出取引を増やせる可能性があります。

    FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録登録済の記事を確認

    [スポンサードリンク]


    hunadeのお問い合わせページ

    各種計算ツール

    >>その他のツールを使う


    輸出ビジネス
    この記事の執筆者
    HUNADE

    貿易サイト「HUNADE」の代表。通関業者で勤務した経験をもとにして「もっと貿易を身近に。」をミッションに活動中!難しい貿易をできるだけわかりやすく解説し、貿易の一助になることが目標。基本的には、東海地方に住みながら国内各地、海外などでも活動し、できるだけ柔軟な発想を維持できるように努力しています!

    HUNADEをフォローする
    HUNADEをフォローする
    HUNADE EPA/輸出入/国際物流
    国際輸送
    見積依頼
    お問い合わせ先FavoriteLoadingこの記事をお気に入りに登録 トップへ戻る
    error: Content is protected !!
    タイトルとURLをコピーしました