種別 | 積み地 | 揚げ地 | 品目 | 輸送モード |
法人 | 名古屋 | 高雄 | 加工食品 フルコン | FCL |
法人 | 上海・天津 | 横浜 | 塩ビ製品 20FCL | FCL |
法人 | 名古屋 | 高雄 | 加工食品 フルコン | FCL |
法人 | 上海・天津 | 横浜 | 塩ビ製品 20FCL | FCL |
福岡県の貿易会社が輸出免税制度を悪用し、不正に消費税の還付を受ける。商品の仕入先(日本国内)と売り上げ先(海外)を調査されて、約25億円の追徴課税が課される事件が起きました。
輸出免税は、当サイトでも何度か記事にしています。今回、この制度を悪用したとのことですが、この事件のポイントを確認していきたいと思います。
ニュース記事:消費税不正還付、追徴25億円の貿易会社も…福岡国税局管内が4割占める
消費税の不正還付案件の真相
まずは、今回の件を整理します。
- 福岡県の生活用品の貿易会社がやらかした事件
- 海外に輸出して、消費税の不正還付を受ける。
- 理由→輸出商品の仕入れ金額を水増しした。
- 仕入れ代を水増しして、消費税をガッポリ!
- 日本の国税当局は、租税条約に基づき、輸出先まで調べる。
- 消費税の還付申告をした法人を対象とした調査で、一年間で791件の不正還付を発見
- 結果、国税当局は、キレて、全国の11税務署に消費税専門の調査チームを作る。
輸出免税の仕組み
この事件を把握するために輸出免税制度の仕組みを簡単にお伝えします。輸出免税制度とは、課税事業者が海外に輸出をすると、その商品に含まれる消費税分が還付される仕組みです。
例えば、日本国内で一つ1000円、消費税が10%で仕入れたとします。この商品の仕入れ価格は、1100(10%税込み)ですね!そして、この商品を輸出すると、消費税部分の100円が輸出者に還付されるのです。=輸出免税制度

*正しく伝えると、その会社の事業全体の一年間の合計額で計算(輸出=還付ではないです)
仕入れ価格の水増しがポイント
この件の最大の問題は、輸出免税の額を大きくするために、仕入れ時の価格を水増ししている点です。
例えば、一つ10,000円の物を11,000円で仕入。これを輸出者に一つ20,000円で輸出した。この場合は、次のように計算します。
- 仕入れ時の消費税=1000円(10000×0.1)
- 輸出時の消費税=0円(20000×0)
- 還付額=1000円(0円-1000円)
上記の場合で仕入れ時の消費税を水増ししていると….(仮に20,000とするなら)
- 仕入れ時の消費税=2000円(20000×0.1)
- 輸出時の消費税=0円(30000×0)
- 還付額=2000円(0円-2000円)
仕入れ価格が10,000円の物を20,000円として計上すれば、含まれる消費税は、2,000円です。そして、これを輸出したとすれば、2000円の消費税の還付が受けられてしまうのです。

*正確な情報:その会社の事業全体の一年間の合計額で計算
国税当局は、租税条約を使い、輸出先まで照会する
今回の事件は氷山の一角だと思います。一年間で700件近くの不正還付を発見したもののまだ、少ない印象です。”他人事”には思えない人が山ほどいるはずです。
おそらく、仕入先や輸出先と口裏を合わせれば、様々な細工をすることは簡単です。今回の事件は、特に輸出販売価格の水増しではなく、仕入れ額部分の水増し部分が問題だと思います。
仕入れ額を水増しする行為は、脱税です。本来、還付を受けられない分の消費税を受け取ることになるため、何の言い逃れもできません!
国税当局は、租税条約を使い輸出先まで照会していること、輸出消費税の専門の調査チームがあることも明らかになっているため、現在、冷や汗をかいている同種の不正行為をしている方は、今すぐやめるべきだと思います。

