貨物を輸入するときの税関検査は、申告する荷主の実績に基づき、ある一定の確率で実施されます。輸入申告した内容と実物が正しいほど、あなたは「良い輸入をしている人」との実績が蓄積されていきます。他方、申告内容と実物に相違があると、要注意荷主として考えられて、輸入実績にもその旨が記録されます。今回は、そんな税関検査に関する関連的な知識です。
仮にあなたの会社は、東京にあるとします。実際に、貨物が届くのは名古屋です。この場合、どのような手配ができるのでしょうか? そこで、この記事では、遠方における輸入申告の依頼先と税関検査の立ち合いについてご紹介していきます。
税関への輸入申告と立ち合い
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輸入申告をする方法は、次の2つに集約されます。
- 通関業者に任せる。
- 自社通関する
通関業者とは、税関長の許可を得て他人の荷物を「代行」できる業者です。一般的には、輸出入業者は、この通関業者を通して自社の貨物の輸出入申告をしています。他方、少し大きな所または、通関知識に長けている貿易会社は、それらの通関を自社で行うところもあります。通関行為は他人の申告ではなく、自分の申告をする分には、許可などは不要です。
では、この前提条件の下、次のようなケースだと、誰に依頼すればいいのかを考えてみましょう!
1.通関業者に任せる
輸入申告をする人の所在地と、貨物が入ってくる場所が離れているときは、実際に貨物が到着する所を基準に考えます。
例えば、あなたが東京の会社でありながら、貨物が名古屋港や大阪港など、東京以外の港に入港するときは、その貨物が到着する港の通関業者に依頼して、通関手配をかけます。これが原則です。しかし、通関業者が「AEO」を取得しているときは、それが東京の通関業者であっても、名古屋港の申告ができます。もし、お付き合いしている通関業者がAEOを取得していないときは、業者から紹介を受けたり、通関業協会のデータベースから探したりする必要があります。
2.自社通関の場合
東京の会社でありながら、名古屋の港へ輸送される貨物について申告はできます。しかも会社にいながらです。実はネットナックスという仕組みがあり、それを使い輸出入の申告ができます。しかし、ネット上で申告ができるとしても困るのは、税関検査になったときです!
税関検査とは、税関職員による現品と輸出入申告書類の確認のことです。大型x線装置による確認、コンテナをあけての確認など、いくつかの種類があります。この税関検査を受けるときは、荷主が立ち会うことになっています。(多くの場合、荷主の代わりである通関業者が立ち会う)
ここでもう一度、考えてみましょう!あなたは、東京の会社であり、ネットナックスで自社通関しています。であるにも関わらず、税関検査にあたると、名古屋港での立ち合いが必要です。どのようにすればいいのでしょうか? 実は、この税関検査の立ち合い業務だけを提供する専門の業者がいます。名古屋、大阪、博多など、主要港には必ずいるため、探してみましょう!
業者例:ジャパン・ポートサービス株式会社
まとめ
- 自社の場所から遠い所で揚がる貨物は、その地を管轄する通関業者に依頼をする。
- もし、お付き合いしている通関業者があれば、その地を対応しているか?を確認してみよう。
- 自社通関かつ遠方の港で税関検査にあたったときは、税関検査の立ち合い専門業者に依頼する。


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