貿易(輸出・輸入)ビジネスに関係する民間会社と公的機関

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貿易ビジネスをしていると、何かについて相談したいときがあります。「仕入れ先は、どうやって探したらいいのか?」「船の手配はどうする?」など、巷にある貿易本を読むでは、それらの疑問を解決することは難しいです。そこで便利なのが「ジェトロ」や「ミプロ」、そして「税関」です。

これらの機関は共に「公的機関」であり、日本の輸出入をサポートして日本経済を活発化することを目的としています。国の公的機関であるため、原則、利用料無料で相談ができます。また、相談だけではなく、貿易に関する情報の収集や海外ビジネスパートナーの発掘作業なども行えます。ジェトロ、ミプロは、名前が似ていてややこしく感じるかもしれませんが「輸出はジェトロ」、「輸入はミプロ」と覚えてください。

この記事では、貿易ビジネスの相談ができる民間企業と公的機関を一気にご紹介してます。

貿易ビジネスで相談ができる機関

貿易ビジネスを行う上で疑問に感じる部分は、誰かに相談して、その知恵を借りるのが良いです。いつまでも一人で考えていたり、調べていたりしても理解するには、かなりの時間を消費することになりかねません。私自身も何かの疑問を感じたら、ある一定のレベルをネット上で調べた後、それを再確認するためにジェトロや税関へ相談するようにしています。

貿易ビジネスの相談ができる機関は、主に「公的機関」と「民間企業」の2つに分かれます。公的機関といえば、既述の「ジェトロ」「ミプロ」などが該当します。民間企業であれば、通関業者、フォワーダー、貿易コンサルタントなどがあります。それぞれ良いところが異なってきますので、順番に説明をしていきます。

公的機関例:

ジェトロ ミプロ 日アセアンセンター
税関 厚生労働省 農林水産省
経済産業省

民間機関例:

通関業者 船会社 フォワーダー
国際配送業者 商工会議所 貿易コンサルタント
保険会社 日本貿易保険 銀行

公的機関

mずは公的機関のご紹介です。これらの期間は、税金で運営されているため、相談料等は不要です。主な機関としては「ジェトロ:輸出」「ミプロ:輸入」「税関」などがあます。どの機関も信頼性、情報量ともに優れています。ただし、やはり公的機関であるため、ある部分では「お役所仕事」と感じることがよくあります。

ジェトロ(日本貿易振興機構)

ジェトロは「海外へ輸出をしたい」方をサポートしています。国内外に数多くの事務所が設置されており「海外ビジネスニュース」などの海外情報の配信もしています。東京をはじめとして、各地の大都市に事務所を構えているため、地方にある企業でも場所に関係なく相談ができます。

相談方法は、ジェトロの事務所へ訪れる方法、電話、メールなどいずれかの方法です。どちらの方法であっても事前の予約が欠かせません。また、ジェトロ事務所への訪問は、日本だけではなく「現地のジェトロ事務所」においても相談ができます。現地リサーチなどを行うさいは、訪問先の一つとして現地にあるジェトロ事務所を加えておきましょう。

ジェトロさんの提供するサービスの中には「見本市」「海外取引先発掘サービス(これは有料)」「ワールドタリフ(世界の関税を調べる方法)」「ジェトロビジネスライブラリ」「海外取引先マッチングサイト」などがあります。貿易をする上で、とても役立つ情報を仕入れられるためお勧めです。海外の現地情報を調べてくれる「ミニ調査サービス」もあります。

あえてデメリットを言うと、2つあります。ジェトロは機械ものの輸出相談には強いですが、日用品は弱いです。そのため、これらの品を海外へ輸出したいときは、ジェトロ以外の機関とも相談されることをお勧めします。また、ジェトロさんの利用は無料であるため、同じような情報を入手することが多くなり、日本企業同士の競合が起きる可能性が高いです。特に引合データ案件データベースは、バイヤー(買い手)に大量のコンタクトが届いているようです。

リンク先:ジェトロ

関連記事:ワールドタリフで関税率を調べる方法

ミプロ(一般財団法人 対日貿易投資交流促進協会)

ジェトロが輸出だとすると、ミプロは輸入を担当しています。輸入に関する相談はもちんのこと、セミナーやイベントなども開催しています。私が個人的に気に入っているのは、ミプロが作成している「輸入資料」です。「輸入とは何か?」の部分から、輸入商品ごとに、どのような手続きや資料などが必要になる知識などが体系的にまとめられています。輸入に関して全く知識がない方は、まずは「ミプロ輸入資料」をご覧になることをお勧めします。

リンク先:ミプロ

日アセアンセンター

日本政府と東南アジア政府の共同で運営している国際機関です。主に東南アジアから商品を輸入したいときに役立つ機関です。

アセアン諸国の国別情報や、アセアンの有望な輸出企業の情報を入手できます。ときどき、商品の展示会なども開催されていて、東京の事務所内で現物を確認したり、そのまま商品のサプライヤーの交渉ができたりします。この場合、日本のスタッフが商品を紹介しているスタッフとの通訳を行ってくれるため、英語が苦手な方でも現地のサプライヤーに出会える貴重な機会になります。リンク先:日アセアンセンター

税関

日本へ商品を輸入したり、輸出したりするときは税関へ申告します。一般的には、この作業は「通関業者」と呼ばれる業者が代行する場合が多いです。もし、あなたが通関業者を利用して輸入申告などを行う場合は、税関とは通関業者を通してつながることになります。もちろん、通関業者を利用しない場合は、直接、税関とのやり取りを行うことになります。

例えば、申告した内容について、税関からの問い合わせがあります。通関業者を利用している場合は、通関業者経由でその問い合わせに答えることになります。これにより、私たち貿易者が通関手続き上で税関と直接、やり取りすることは少ないです。むしろ、輸入するときの相談機関としての役割の方が大きいです。

先ほど相談機関としてミプロやジェトロをご紹介しました。貿易の全般的なことを相談できるため、とても便利な機関です。では、ジェトロと税関との相談には、どのような違いがあるのでしょうか。一言でいうと、ミプロやジェトロは貿易全体の相談です。一方、税関は「通関手続き上で必要になる情報」をメインに相談にのってくれます。

具体的には、次のような相談には適しています。あくまで通関手続き上で必要になることを相談です。逆に言うと、これらの分野を外れたことを相談しようとすると、あまり良い情報を得られない可能性が高いです。そのため、基本的に、税関は輸出や輸入手続きに関連する相談のみに対応していると覚えておきましょう。

  • 輸入する書類は、これで良いい?
  • 輸入手続き上で必要にある書類は?
  • この商品の関税はいくらになる?
  • 特恵関税制度を使いたいけれど、どうしたらいい?
  • EPA制度で必要になる書類が欲しい

私がよく利用している税関のサービスは「事前教示制度(じぜんきょうじせいど)」です。商品にかかる関税率について、税関に対して書面上で回答を求める制度です。これは、輸入する商品の分類がどこに属するかあやふやであるときに役立つ仕組みです。

例えば、Aという商品があります。この商品が関税上「●●グループに属すると判断されると、関税率5%。〇〇〇〇グループに属すると判断されると、15%の関税率になる」とします。同じ商品を輸入するわけですが、商品がどこのグループに属するかによって、関税率に差が生まれてしまいます。価格が高い商品を輸入しようするときは、関税分類の見解によって、納めるべき関税額に大きな違いが生まれる可能性があります。

例えば、200万円分の果物を輸入する場合は、●●グループに属すると判断されると、10万の関税、〇〇〇〇グループに属すれば30万円の関税になります。

商品がどこのグループに所属するのかによって、納めるべき関税が大きく変わるのです。当然、これらの違いは、輸入ビジネスの儲けの部分に直結してきます。そこで、輸入する前に商品の関税率を確定させてしまい、実際の輸入時には、必ず事前に調べた関税を適用(関税率の確定)してもらえるようにできる仕組みがあります。それが「事前教示制度」です。

輸入者は、税関に事前教示制度を求めて、商品の関税率を確定してもらいます。輸入申告時に、事前教示制度を受けた旨を伝えると、そこに記載されている関税率が優先的に適用されるようになります。これで審査をする税関職員の見解の違いによる関税負担のリスクを減らすことができます。つまり、事前教示制度は、税関に対してある一定の拘束力がある制度となります。

厚生労働省(食品検疫所)

食品(食べ物・食器・ぬいぐるみなど)を輸入しようとするときは、厚生省から「他法令の確認」を受ける必要があります。厚生省の他法令は「食品衛生法」が根拠になっており、この観点から輸入する食品の安全性を審査しています、税関の許可は、この厚生省の確認を受けたにおります。食品関係を輸入する方は、この食品検疫所(厚生省)とのやり取りまで行います。

輸入食品の手続きで疑問があれば各地の「食品検疫所」に電話をすれば、親切に教えてくれます。ただし、問い合わせをする前には「ミプロの無料資料」を確認するなどして、最低限の知識を入れておくのがマナーです。公的機関とはいえ、相手も忙しい業務の合間で質問に答えてくれます。私たちのように質問する側にもある一定の配慮が必要です。

実際、食品の輸入手続きをするときは、書類作成や検査の立ち合いなども通関業者が行ってくれます。皆さんが行うことは「食品分析書」の用意、輸出者からの「製造工程表」などの取り寄せになります。どのような資料が必要になるのかは輸入する食品によって大きく異なります。そのため、詳しくは食品検疫所に相談してください。

関連記事:他法令サプリメントの輸入

農林水産省(植物防疫所・動物検疫所)

農林水産物(農産物、水産物、木材など)を輸入するときは農林水産省から「他法令の確認」を受ける必要があります。根拠法は「植物防疫法(しょくぶつぼうえきほう)」「家畜伝染病予防法(かちくでんせんよぼうほう)」です。それぞれの法律の対象の貨物には以下のものがあります。

植物防疫法の例:野菜、果物、木材など 家畜伝染病予防法の例:肉、ソーセージ、加工の肉缶詰など

さらに、植物防疫法や家畜伝染病予防法に該当する貨物の中で「食品」である場合は、あわせて「食品衛生法」の規制を受けます。

例えば、野菜を輸入しようとする場合は「植物防疫法」と「食品衛生法」に合格しなければなりません。この2つの確認を受けると、税関からの許可がおります。

経済産業省

経済産業省は、輸出や輸入が規制されている「輸出許可」「輸出承認品目」や「輸入承認品目」の承認を得るための相談や申請手続きなどを行うところです。一般の貿易者であれば「関税割当(通称:かんわり)」を受けるときに利用することが多いです。

関税割当とは、ある一定の数量のみは低率の関税を課して、それ以上は高関税を課す商品です。この低率の関税を受けるためには、経済産業省に申請をして「数量の割り当て」を受けることになっています。ちなみに農林水産物の関税割り当ては、「農林水産省」が管理しています。

民間企業

営利目的で運営されているため、誰でも気軽に無料で相談できるわけではありません。基本的には、自分たちの商売につながるお客さんに対して親身に対応するところが多いです。また、ジェトロやミプロよりも市場の動向に敏感であり、独自の情報などを仕入れられる業者もいます。公的機関と民間企業のそれぞれの特徴をふまえて利用するようにしましょう。

通関業者

輸入者や輸出者が税関に対して申告する部分を代行する業者です。難しい通関手続きも「書類を丸投げ」するだけで許可を受けられりため便利です。通関業者は、申告の代理だけではなく。貿易に関するあらゆる手配なども行っています。

例えば、船の手配、海上保険の手配、ドレー(トラック)の手配、D/O(デリバリーオーダー)のピックなどがあります。どのサービスも輸出者や輸入者の煩わしい作業を請け負ってくれる便利なサービスです。この理由から、輸入をビジネスとして行うのであれば、通関業者などを使って、複雑な手続きを代行してもらった方が賢明です。わずかな手数料を省くために、貴重な販売機会のロスにつながっては意味がありません。

難しい通関手続きは丸投げが便利!?それを行ってくるのが通関業者です。

船会社

コンテナ船を運営している会社です。主にコンテナの予約などをするときに利用します。しかし、実は一般の輸入者は、直接船会社に予約することは少ないです。多くは下で説明するフォワーダーと呼ばれるコンテナの「又貸しをする業者」と契約を結びます。

フォワーダー

船会社とコンテナの大口契約を結び、それを各荷主に又貸しをする業者です。フォワーダーは、一般の荷主との間に、コンテナ単位やコンテナ未満単位で契約を結んでいきます。コンテナ一本分を貸し出すことを「CY」、一本のコンテナをさらに小口にして貸し出すのが「CFS」です。輸出者は、自分の物量にあった輸送方法を選択して予約することになります。

フォワーダーには、得意な航路と不得意なルートがあります。最初にフォワーダーを利用する場合は「シッピングガゼッタ」や「国際フレイトフォワーダー協会」などから探すようにします。そのさい「貴社はどちらの航路が得意ですか?」という質問をしてください。このときに答えてくれる航路がフォワーダーとして価格競争力がある所になります。

フォワーダーを利用するのは、コンテナの予約をするときです。そのため、フォワーダーを利用するのは日本から貨物を輸出する人になります。しかし、中には、輸入者であっても、このフォワーダーを利用する機会があります。それが貿易条件を「FOB」にしているときです。

契約内容がFOBであると、輸出港から日本までの港は、輸入者の責任と負担で船を手配しなければなりません。この手配をするときにフォワーダーが便利です。

例えば、ベトナムの会社から輸入をするとして、その際の取引を「FOB」で契約したとします。輸出港は「ホーチミン」とした場合は、日本のフォワーダーに「ホーチミンから日本の〇〇港への輸入手配をお願い」と伝えるだけで済んでしまうのです。後の難しい手続き(最適な船の選択など)は、すべてフォワーダーが請け負ってくれます。

国際配送業者

海外通販サイトでショッピングをした商品を戸口まで荷物を届けてくれるのが国際運送業者です。実は、この国際運送業者には次の二種類があります。「1.郵便系ネットワーク」「2.民間ネットワーク」です。どちらも海外から商品が届くことには変わりませんが、日本へ荷物が到着したときの関税のかかり方に違いがあります。郵便ネットワークの場合は、税関職員によって関税が決まります。一方、民間系配送会社は、それぞれの通関担当者が税関に申告をして関税額を納めます。

ときどき、これらの違いによって、本来関税がかかるべき貨物に関税がかからなかったということがあります。

商工会議所

主に輸出取引をする人が利用する機関です。全国にある商工会議所は、原産地証明書(げんさんちしょうめいしょ)を発行してくます。原産地証明書は、主に日本から輸出をするときに「貨物の原産地を証明する書類」として必要になるものです。ちなみに、関税ゼロ輸出を行うときに必要になる「特定原産地証明書」は、一般の商工会議所では発行できないためご注意ください。特定原産地証明書は「日本商工会議所」が発行してくれます。

海上保険会社

海上保険会社は、貿易の輸送トラブルを補償する海上保険を販売しています。輸送トラブルには、輸出港での作業、海上輸送中の事故などによって、貨物が紛失、壊れるなどがあります。このようなトラブルのときに「貨物代金の110%」を限度額として、損失の補償をしてくます。ポイントは、貨物その物への補償です。

NEXI(日本貿易保険)

貿易保険は、貿易をする上での金銭的な損失を補償する物です。先ほどの海上保険との違いは、貨物そのものではなく「代金決済」の部分に対する補償であることです。

例えば、相手が倒産などをした場合は、貨物代金がそのまま損失になります。輸出先の国の政変や為替取引の中止などもあります。また、万が一、戦争が始まってしまえば、有無を言わさず貿易取引は中止になります。このようなときに「貿易代金が焦げ付かない」ように、損失を補償する保険です。詳しくは「貿易保険とは?」をご覧ください。

銀行

銀行は、貿易ビジネスを行う上で重要な役割があります。まずは事業資金の調達です。特に輸入ビジネスの場合は、最初に仕入れを行わなければならないため、潤沢な資金が必要です。そのため、銀行から事業資金を融通してもらう機会が多くなります。銀行との付き合いはそれだけではありません。

銀行は、貿易決済を行うときに必要になる「信用状の発行(L/C決済)」、貿易書類を引き取るための「L/Gの発行」、為替予約などのときに利用します。また、これから外国企業との取引を始めるときに「相手先の与信情報」を調べるときにも便利です。

貿易コンサルタント

貿易業界においては、それぞの専門分野が決まっていて、その分野を少しでも外れると、途端に詳しくなくなってしまうことがあります。

例えば、税関であれば、通関手続きに関する相談はできますが、船の予約方法などはわかりません。通関業者であれば、通関手続きに関する情報であれば強いですが、EPA(自由貿易に関する分野)には、とても弱いです。つまり、貿易といってもその範囲は、多義に渡るため、専門外の分野になると、あまり的を射たアドバイスを受けられないことが多いです。しかし、相談する側としてはできるだけ「一貫的な相談ができる機関」が欲しいですね。

そこでお勧めするのが「貿易コンサルタント」です。元々、貿易業界に携わっていて独立した方が多いため、貿易に関係する知識を広く身に着けています。この「広く身に着けている」というのが他機関との最も大きな違いです。

税関や厚生省などはある一定の範囲のみは答えてくれますが、それ以外はすべて他に丸投げをしてしまいます。そのため、どうしても利用者は、断片的な情報を得ることになりやすく、実は密接に関係していることなのに、その重要性に気付かないことも多いです。

さらに最も大きな問題点は、それらの機関はすべて税金で運営されていることです。要は、貿易をビジネスとして行ったことがないため「商売上、売り上げを拡大するにはどうすればいいのか」という観点をあまり重要視していないと感じることが多いです。やはり、貿易コンサルタントなど、貿易をビジネスとして考えている人から「広い視点で貿易相談」を受けることをお勧めします。

私の場合であれば、関税ゼロ輸出(自由貿易協定)と、インターネットの力を利用した仕入れ先や売り先の調査、現地で流行しているトレンド情報、国内販売ルートの構築、仕入れ先・売り先などとの交渉の分野を強みとしています。もちろん、通関上の仕組みは広く存じ上げており、実務としての経験もございます。もし、よろしければご検討ください。

HUNADEコンサルサービスの強みは、関税ゼロ貿易×インターネット調査・販売を実現するところにあります。これらによって、どんな小さな会社であっても小資金で海外展開や輸入ビジネスを展開することができます。まずは、お会いして貴社の悩み、目指すべき方向性について相談をしましょう!

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