輸出ビジネスの始め方 中小企業が小資金でスタート!

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輸出ビジネス
この記事は、輸出ビジネスの全体像や始め方をお伝えする物です。これから輸出する方(個人事業主の方、小規模事業主様など)にピッタリの内容です。

関連記事:

  1. 中小企業向け!輸出ビジネスのはじめ方
    1. 輸出ビジネスにチャンスあり!
      1. 輸出ビジネスの流れとは?
    2. 輸出ビジネスの基本的な考え方
      1. 輸出を成功させるために必要なポイント
      2. 輸出ビジネスで失敗しないための2つの条件
      3. 「輸出しない!」の壁を自ら作らないことが大切
      4. 考え方の大転換を図る。
    3. 輸出ビジネス・5つのポイント
      1. 1.求められている物を知る。
        1. 1.現地調査による方法
        2. 2.インターネットによる調査方法
        3. 関連記事:
      2. 2.輸出上、障害になる点の洗い出し
        1. 1.輸出他法令及び輸出貿易管理令
        2. 2.輸入国側の慣習の違い
        3. 各国の慣習等をリサーチするには?
        4. 3.輸入国側の関税
        5. 4.輸入国側の法規制
      3. 3.ターゲットを考える。
      4. 4.貿易相手と接触する方法
      5. 5.安全取引をするための知識
        1. 1.決済を安全にする。
        2. 2.取引自体を安全にする。
        3. 3.貨物を安全に輸送する。
    4. 具体的な輸出の流れ(契約~相手国輸入)
      1. 1.貿易相手を見つける
      2. 2.商談&契約
        1. 貿易の契約書(Sales Note)とは?
        2. オファー(売り手からの提案)
        3. よくある疑問・社内に英語ができる人がいない!
        4. 貿易交渉のポイントはどこにある?
      3. 3.決済完了(半額)
      4. 4.必要な書類の準備 インボイス、パッキングリストの作成
        1. こんな書類を求められるかも!?
      5. 5.シッピングインストラクションで通関依頼
        1. 船の手配はどうするの?
      6. 6.指定の場所に貨物を搬入する
        1. 1.引き取りに来てくれる
        2. 2.コンテナをターミナルに搬入する。
        3. 3.LCL貨物はCFSに搬入する
      7. 7.輸出申告→輸出許可
      8. 8.本船に貨物を積み込む(専門の業者が対応)
      9. 9.B/L Instructions(旧:ドックレシート)→船荷証券(B/L)
      10. 10.船積みが完了したらシッピングアドバイス
      11. 11.貿易代金を決済
      12. 12.海上保険を付保、B/Lの裏書き
      13. 13.輸出完了
      14. 輸出情報
    5. 6.発展編・小資金で世界にアピールする方法
    6. その他、輸出についてのよくある疑問
      1. 輸出するときは関税はかかるの?
      2. 消費税還付
      3. 送料はどうなる?
      4. 海外在住の場合の輸出ビジネスはどうすれば良い?
      5. 失敗する可能性がある?儲からない?
      6. 儲かる商材を教えて!
      7. 起業の仕方と資格は必要
      8. 個人でも副業として取り組めますか?
      9. コンサルには価値がある?
    7. 輸出ビジネスのまとめ

中小企業向け!輸出ビジネスのはじめ方

輸出ビジネスにチャンスあり!

テレビ、新聞などでは「日本の市場は縮小している!」と聞かされます。ところが実経済の中で暮らしている限り、その「縮小」とやらを感じることは少ないです。東京では至る所で再開発がされ、海外では、いまだに日本の力を感じられる場面が多いです。しかし、これが中小企業経営者の立場になると、とらえ方がガラリと変わります。

ある中小企業を経営している方は「今は、ギリギリの所で経営している。でも、少しずつ売り上げも落ちてきており、じり貧状態になりつつある。年々、市場自体も小さくなっているのに、海外勢も加わり、一段と厳しい環境だ」と言います。やはり、中小企業の経営者の立場ともなると、日本の市場縮小に危機を覚えている方が多いようです。

では、どうすれば良いのか? その一つの答えが輸出です。日本の人口は、一億数千万人。他方、世界人口は、すでに70億人を超えており、人口が爆発的な勢いで増えています。特に日本が位置するアジア圏は、人口、GDPが共に上昇しており、単なる生産国から消費国へと変化しています。これは、日本の企業にも大きなチャンスです。

日本は、アジア地域のメンバーであり、他の主要な先進国と比べて、アジア地域での地理的な優位性があります。また、長年のアジア地域における国際貢献により「基本的」には、日本人や日本商品に好意的な考え方を持っている方が多いです。ビジネスは、とてもやりやすい環境です。

しかし、実際に海外に進出するとなると、さまざまな「ハードル」があるのも事実です。そこで、輸出経験がない方を対象として「小資金でできる輸出ビジネスの始め方」をまとめてみました。これは、豊富な資金力がない、人材がいない中小企業のために「小さな一歩を踏み出す」ために公開しています。ぜひ、お役立てください。

  • アジア地域全体が徐々に生産国から消費国へと変化している
  • 自由貿易による市場開放の動きが活発になる。

輸出ビジネスの流れとは?

どんなことをするにも流れやポイントがあります。輸出ビジネスの流れは、次の通りです。ポイントは「世界のどんな人が何を求めているのか?」にあります。逆にいうと、これ以外の部分(売り先の開拓方法を含めて)は、枝葉末節に過ぎないです。

Hunade

輸出ビジネスのポイント=世界の誰が何を望んでいるのか?

輸出ビジネスの基本的な考え方

実際の輸出ビジネスを詳しく説明していきます。なお、以下に示す記事は、本文を補足する記事です。

輸出を成功させるために必要なポイント

どのような業界にも成功するためのポイントがあります。これを外すと絶対失敗する点です。輸出ビジネスは、以下の3つがそれにあたります。まずは、海外の市場には「どんな物が足りていないのか?」から検討をスタートします。その後、自社の強みと考えながら参入するべき市場を検討します。

1.どのような物が足りていないのか?
2.不足していると誰が困るのか?(誰のどんな悩みを解決するのか)誰が顧客になるのか?
3.自社の強みを生かして勝負できる市場を見つける。

詳細ページ:輸出を成功させるために必要な2つのポイント

輸出ビジネスで失敗しないための2つの条件

輸出ビジネスは、国内取引よりも魅力が大きい分、トラブルに発展するリスクが高いです。このリスクを少しでも小さくするために「契約書」や「保険」などを準備します。

例えば、契約書には「売り手」が有利になる文言を加えておきます。また、保険であれば、相手から代金を回収できないときの貿易保険や海上輸送中の事故を補償する保険に加入します。保険をかけることによって、訴訟トラブル、代金回収リスク、海上輸送上のリスクを小さくします。

詳細ページ:輸出に失敗しないための2つのポイント

「輸出しない!」の壁を自ら作らないことが大切

どんな分野でも成功する人は、ほんの一部です。彼らに共通するポイントは「やらない理由を探さず、即実行すること」です。よくあることとして「自社の商品は輸出する意味はない」「人材がいない」「リソースがない」「忙しい」などと「正当っぽい理由」を探しがちです。しかし、それらはすべて理由になっていない「理由」です。

1.英語の壁
2.人材不足
3.訴訟地獄
4.資金調達
5.忙しい

考え方の大転換を図る。

日本特有の考え方として「お客様は神様の発想」があります。これが基本となり、過剰なサービスや接待を行う文化があります。これにより、売り手として日本で活動する場合は、何かと弱い立場に置かれます。

例えば、大企業における「無理な価格引き下げ」、一般消費者からの「常識では考えられないクレーム」などがあります。しかし、海外では物を持っている人が、取引の上に立つ「売り手市場」の世界です。日本の商習慣とは、逆の考え方にする必要があります。それだけではありません。日本市場ありきの視点から、グローバルな世界から市場をとらえることが重要です。

例えば、ある商品を開発したときに「日本のどこで売れるのか?」と探す人がいます。これが日本市場ありきの視点です。

一方、グローバルな視点から考える方は「世界のどこで売れるのか?」と考えます。検討の結果、日本が適しているのであれば、日本を選びます。外国であれば、外国を選びます。結論は同じであっても「思考のプロセス」が真逆です。売り手が強いこと、グローバルな視点から市場を判断する2つの視点が重要です。

詳細ページ:【輸出ビジネス】考え方をガラリと変えた方が良い2つの「常識」

輸出ビジネス・5つのポイント

輸出ビジネスの検討は、以下5つの観点で考えていきましょう!

  1. 求められている物を知る。
  2. 輸出上、障害になる点の洗い出し
  3. ターゲットを考える。
  4. 貿易相手と接触する方法
  5. 安全に取引をするための知識

1.求められている物を知る。

まずは、海外で求められている物を特定します。これが輸出ビジネスの原点です。逆に言うと、この部分を不明確なまま輸出すれば、9割9分失敗します。

日本製品を海外販売するために必要なポイントと考え方

  • 「誰が、何を求めているのか?」
  • 「誰にそれを売るべきなのか?」

こららを知るため市場調査をします。この調査には、大きく分けて次の2つがあります。

  1. 現地調査
  2. インターネット調査

現地調査は、輸出を予定している国に行き、自分の足で情報を集めることです。一方、インターネット調査は、ネット上にある様々なツール、データを使って、海外のニーズを知る方法です。どちらも一長一短があるため、両方の良い部分を取り入れましょう!

1.現地調査による方法

現地調査は、現地に行き、生の情報を色々と仕入れます。自分の目で確かめた情報を基にして、現地のニーズを把握します。現地調査の代表的な方法には「スーパーマーケットリサーチ法」があります。現地にあるローカルスーパーから、高級スーパーまでをリサーチして、現地のニーズをつかみます。また、現地ジェトロによる調査サービスもあります。

2.インターネットによる調査方法

現地調査をする前にある程度の「アテ」を付ける意味でインターネット調査は有効です。特に最近のグーグルのサービスやSNS(ソーシャルサービス)を使えば、無料で多くの情報を仕入れられます。特にSNSは、相手国の「現在の情報」が発信され続けています。そういう意味でも、現実調査のような「リアリティ」がある情報を収集できます。

関連記事:

2.輸出上、障害になる点の洗い出し

次にその産品を輸出すると仮定し、障害となる点を洗い出します。輸出ビジネスの障害になる項目として次の物があります。

  1. 輸出他法令及び輸出貿易管理令
  2. 輸入国側の慣習の違い。
  3. 輸入国側の関税
  4. 輸入国側の法規制
1.輸出他法令及び輸出貿易管理令

日本から輸出する物は、産品によって他法令又は、輸出貿易管理令の対象になる物があります。この結果、輸出自体が困難だと判断することも多いです。

例えば、植物関係を輸出するときは、植物防疫法、肉類は家畜伝染病予防法、ワシントン条約などがあります。また、輸出貿易管理令とは、経済産業省の輸出や承認を必要とする産品です。この法律は、特に機械製品の輸出と関係します。もし、許可を得ずに輸出すれば、外為法違反(輸出貿易管理令)により逮捕される可能性もあります。

関連記事:

2.輸入国側の慣習の違い

輸出する産品が相手国側の慣習の違いにより受け入れらない可能性があります。

例えば、中国や台湾系では赤色が好まれる一方、○○色は好まれない。したがって、製品のカラータイプは、少なくても○○を避けるべきだなどと判断します。同様に、この国では、そもそも○○を食べるのがタブー、または好まれない。この国は甘みが強くないといけない。など、輸入国側のそれぞれに根付く慣習があります。この点をリサーチする必要があります。

各国の慣習等をリサーチするには?

ジェトロの各国慣習ページ又は、クラウドワークスなどを使い、現地在住者から意見を聞く方法があります。

3.輸入国側の関税

輸出した商品が相手国側に輸入されるときに「関税」が発生します。つまり、輸入国側の相手は、あなたの商品代金の他、関税を支払わないと荷物を受け取れません。関税は、国ごと、品目ごとに異なり、関税率も様々です。したがって輸出するときは「輸出産品が相手国側で何パーセントの関税がかかるのか?」を把握することが重要です。仮に、相手国で非常に高い関税率が設定されているときは、輸出を諦める選択肢もできます。

相手国側の関税率を調べる方法

4.輸入国側の法規制

輸入国側の法規制とは、次の2つの観点があります。

1.輸入禁止品又は輸入制限品
2.適合性判断

例えば、「わが社の製品は、○○国で売れるに違いない!」と確信をしても、輸入国側で禁制品(輸入禁止品)に指定されているときは無意味です。また、自由に輸出できる品であっても、それには一定の条件を付けていることもあります。化粧品、食品は、定められたラベルの貼り付け、表示方法があります。このように、輸入国側で流通できるように、商品を適合させられるのかも重要なポイントです。

その他、輸入国側の流通の問題や商慣習、カントリーリスク、決済の安全性などの観点で、障害になるポイントがあります。

相手国での輸入規制の調べ方は?→ジェトロのサイトに国ごとに記載されています。また、さらに詳細な情報を知りたいときは、ジェトロ職員による無料相談を受けられます。

3.ターゲットを考える。

ある商品を輸出するとします。この商品を誰に売るのかによって、求められている「価値の部分」は違います。

例えば、カテキン(栄養素の名前)が大量に含まれているお茶があるとします。これを売り込む場合、ターゲットによって、最大2つの価値を提示する必要があります。仮にインターネットを使い、海外の最終消費者向けに直接販売するときは….

  • お茶にはカテキンが含まれているから風邪に良い
  • 又は、ダイエットに良い。

などと訴求すれば良いです。ところがこの販売先が「相手国のバイヤー」の場合は、別の視点が必要です。何だと思われますか? 答えは「売れるのか?」です。海外のバイヤーが知りたいことは「あなたの商品を販売することで利益を得られるのか?」です。この部分を相手の目線でプレゼンできるのかが大きなポイントです。

あなたの販売先は、最終消費者ですか?それともバイヤーですか?

関連記事:
売り手と買い手の商品価値の「ズレ」とは?
【STP戦略】輸出ビジネスにおける市場のとらえ方
この商品に注目! 東南アジアのECで売れている7分野

4.貿易相手と接触する方法

輸出ビジネスの取引先は、どのように見つければ良いのでしょうか? これまで一般的だった方法は、次の5つです。

  1. 展示会に出展する
  2. ジェトロ引き合いデータベースを使う。
  3. 各国大使館の商務部から紹介を受ける
  4. 取引銀行から紹介を受ける
  5. スーパーマーケットリサーチ法

特に一番の日本国内外で開かれる展示会(沖縄大交易会レポート)へ出展は新しい取引先を開拓する意味でも有効です。ジェトロでは、国の補助金などを活用した中小企業のための輸出バックアップなどをしています。ぜひ、この制度を利用し、積極的に海外バイヤーにコンタクトをしていきましょう。しかし、このような方法がある一方「現状はサラリーマンだから、そこまでのことはできない!」と考える方もいらっしゃるでしょう。その場合は、ネットによる取引先の開拓方法があります。

2020年現在、海外販売のためのネットツールには、様々な物があります。いわゆる「越境EC」と呼ばれる輸出ビジネスであり、注文、決済までをすべてオンライン上で取引ができます。特にアリババやEC21は、業者間取引を前提にするプラットフォームであるため、これらのサイトを活用して販売先を開拓するのも有効です。

  1. ebay
  2. 海外アマゾン
  3. おちゃのこネット
  4. アリババ
  5. ec21
  6. Shopify

比較的、誰でも取りくめるのがebayやアマゾンです。これらの販売サイトは、基本的に業者と最終消費者とのやり取りになるため、決済方法、配送の面を考えても取り組みやすいです。特に配送に関しては、EMSなどのドアツードアを使えば良いため、一般輸出取引で必要になる通関やフォワーダー等の難しいことを無視できるのも大きなメリットです。

5.安全取引をするための知識

輸出ビジネス上の「安全」とは、次の3つの意味があります。

  1. 決済を安全にする。
  2. 取引自体を安全にする。
  3. 貨物を安全に輸送する。
1.決済を安全にする。

貿易代金の決済を安全にやり取りするための方法です。

2.取引自体を安全にする。

輸出ビジネスのリスクを減らすポイントは「契約書の作成」と「保険戦略」などがあります。また、相手先の倒産に備える「貿易保険」の検討も必要です。

3.貨物を安全に輸送する。

輸出国から輸入国まで貨物が滞りなく届くようにする物流分野の安全も重要です。

例えば、貨物自体の損傷を補償する「海上保険(マリン保険)」、船会社の万が一の倒産に備える「フォワーダー戦略」などです。

具体的な輸出の流れ(契約~相手国輸入)

それでは、これまでの内容を基にして、さらに具体的な輸出の流れを確認していきましょう!なお、この流れにある船積みや税関への申告は、すべて自身でできます。しかし、実際の貿易実務では。専門的な知識が必要になるため、通関業者に頼むことが一般的です。もし、通関業者に頼めば…..

  • 輸出申告
  • 税関検査立ち合い
  • 船積み手配
  • B/L Instructions(旧:ドックレシート)の作成(B/L手配)

あなたは、輸出書類(インボイスパッキングリスト)を用意するだけで、後の手配はすべて通関業者が行ってくれます。

ここから先の情報は、一般輸出ビジネスのモデルです。ネット系の輸出方法とは全く違うためご注意ください。
  1. 貿易相手を見つける
  2. 商談&契約
  3. 決済
  4. インボイス、パッキングリストの作成
  5. フォワーダーや通関業者に船積み&通関依頼をする。
  6. 指定の場所へ貨物を移動する。
  7. 輸出申告→輸出許可
  8. 本船に貨物を積み込む
  9. B/L Instructions(旧:ドックレシート)→船荷証券(B/L)
  10. 船積みが完了したらシッピングアドバイス
  11. 貿易代金の残金を受け取る。
  12. 海上保険を付保、B/Lの裏書き
  13. 輸出完了

1.貿易相手を見つける

貿易の相手先を見つけて契約します。

  1. 営業活動 商品のカタログなどを送付
  2. 引き合い ファックスやEメールなどによって、相手先へ問い合わせを行います。
  3. 見積もり 商品の品質、数量、価格、決済条件などの打ち合わせをします。
  4. 契約交渉 正式な相手への取引として「オファー」や「カウンターオファー」を出し合います。
  5. 契約

関連記事:海外の取引先を見つける8つの方法

2.商談&契約

気になる取引相手が見つかった場合は、次のような手順で取引を進めていきます。

  1. 買い手の引合い
  2. 売り手のオファー
  3. いくつかのやり取り
  4. 交渉成立

気になる相手が見つかったときは「引き合い」をしてみます。引き合いとは、貿易相手に対して「○○を買いたい!」「売りたい!」などと意思表示をすることです。また、引き合いに対して回答が「オファー」です。オファーは、少なくても次の項目を含めて相手に提示します。特に「東京港出しの価格は○○円。大阪港の出しは○○円」と提示できるのが理想です。

  1. 数量や価格
  2. 納期
  3. 支払い条件
  4. インコタームズ
  5. 提示内容の有効期限

引き合い~契約までの全体的な流れを解説!

貿易の契約書(Sales Note)とは?

「何を? いくらで? どのように?」など、決済する条件、貿易条件、通貨、数量などを書面上にまとめます。書面を作成Sるうときは、ORIJGINAL(正)とDUPLICAT(副)の二部を作成後、そに対してお互いが署名します。これにより、輸出者と輸入者の双方が書面に記載している条件通りに貿易することを約束します。

オファー(売り手からの提案)

オファーとは、買い手の引き合いに対する売り手の回答です。売り手は、引き合いで出された条件について「受け入れるか、受け入れないか」を明確に回答します。必要であれば、自社が希望する条件を提示します。一般的に日本での商品出荷価格の3倍~4倍が海外での小売価格です。この価格推移を基準にすると、海外のバイヤーに提示するべき料金がわかります。

よくある疑問・社内に英語ができる人がいない!

英語ができる。できないに関わらず、貿易をやったことが無ければ同じレベルです。英語ができる程度で、貿易関連の仕事ができると考えるのは早計です。もし、社内にリソースがない場合は、クラウドワークスやランサーズなどで外部人材を探します。クラウドワークスなど「貿易実務」や「貿易 交渉」などと検索してみましょう!

オファーの大切なポイント
オファーの意味・出し方と種類
魅力的な輸出価格の決め方
7つのコストとは?
輸送費の見積もり

貿易交渉のポイントはどこにある?

貿易交渉は、どのように交渉すればいいのでしょうか。このポイントをご紹介していきます。

貿易交渉の進め方
引き渡し条件・インコタームズとは?
契約書の作成
プロフォーマインボイスとは?

3.決済完了(半額)

貿易のガイダンス本などを見ると、貿易決済として「L/C」が紹介されていることが多いです。しかし、実際の現場では、L/C決済よりもT/T決済(通常の振込手続き)の方が一般的です。L/C決済は、輸出者と輸入者の間に銀行が入るため、安全と言えば安全です。しかし、デメリットとして、次の2つがあります。

  1. 輸入者の与信又は輸入国銀行の問題
  2. 銀行に支払う手数料

これら2つの問題により、少額の取引であれば、T/T決済(通常の銀行振り込みなど)の利用が一般的です。

→LC決済を使用する基準:一回の取引金額およそ200万円をこえる場合

T/T決済は、貿易保険ペイパルなどを利用すれば「商品を販売したのに、代金が回収できないこと」を避けられます。また、次のように、輸出代金を分割して受け取ることも、資金回収のリスクを下げる方法として有効です。なお、ここでは、契約時に代金の半額を受け取り、船積み完了後に残りの半額を受け取るとします。

1.売買契約書を取り交わしたときに、売買代金の半額をもらう。
2.B/Lの発行(船積み完了後)に、残りをもらう。
3.決済が完了したら、B/Lの原本を送付する

関連記事:【輸出】T/T決済でリスクと利便性を半々にする方法

作業の進め具合により、代金を回収していきます。全額、代金を回収するまでは「B/Lの原本をおくらない」ようにして、代金の回収ができます。

4.必要な書類の準備 インボイス、パッキングリストの作成

インボイスとは、輸出する商品の単価や運賃などを書面に記した請求書です。輸出者は、輸出時に、このインボイスを税関に提出して輸出許可を受けます。同時に輸入者は「輸出者が発行したインボイス」を自国の税関(輸入側)に提出して輸入申告をして許可を受けます。

■インボイスが関係する機関

・税関 → 輸出申告
・保険会社 → 海上保険や貿易保険の算定
・銀行 → L/C決済
・通関業者 → 輸出申告をするための書類の一部として

また、パッキングリストもあります。パッキングリストは「どのように貨物を詰めているのか?」を証明する書類です。

例えば、一個のダンボールに5個の商品を入れて、それが35ケース、合計で175個のときは「C/NO.1-35 35CARTON ZZZ-MODEL 5PCS PER CARTON Quantity 175PCS」と示します。C/NOとは、カートンナンバーの略です。ZZZ-MODELの単品のダンボールを詰めている「外側のダンボール」です。このダンボールに、カートンナンバーやケースマークなどを示して、箱を開けなくても梱包内容がわかるようにします。(PCS/Pieces=個)

パッキングリストのポイントは、どの箱に、何が、どれだけ入っているのか?を一目でわかるようにすることです。この部分をしっかりしていないと、税関検査や輸入者側が荷物を開封する作業をするときに苦労します。また、パッキングリストと合わせて写真も重要です。基本的に、輸出する商品は、すべて写真を撮り、税関へ輸出申告するときに提出します。

関連記事:荷印、シッピングマーク

こんな書類を求められるかも!?

特定原産地証明書は、EPA(経済連携協定)を利用して「関税ゼロで輸出」するための書類です。2020年現在、日本は17のEPAを締結しています。あなたの輸出先がこのEPA締約国であるのか?を確認します。(相手国の輸入者は、日本で発行された特定原産地証明書を向こうの税関に提出すると、免税を受けられます)

2020年3月現在のEPA締約国一覧
シンガポールマレーシアタイインドネシアブルネイ
アセアン全体フィリピンベトナムインドモンゴル
オーストラリアメキシコチリペルースイス
CPTPP(TPP11)日欧EPA日米貿易協定
今後増えるかもしれない!?
カナダニュージーランドRCEPFTAAP

特定原産地証明書は、日本商工会議所が発行しています。貿易取引が決まった時点で、輸出は日本商工会議所へ発行依頼を行い取得します。この作業を始めて行う場合は、証明書が発行されるまでに多くの時間がかかるため、なるべく早めに取得申請するようにしてください。

海上保険は、海上輸送中にトラブルに見舞われた際に「貨物代金の補償」をうけるための仕組みです。実際に貨物が船積みされる前までに「保険の予約」をしておき、船積みと同時に「確定」に切り替えます。輸出者が海上保険をつけるかどうかは、輸入者(相手)との契約条件(インコタームズ)により異なります。FOBなどの場合は「輸入者側」が海上保険を付けます。CIFなどであれば「輸出者側」が保険をつけます。

EPAマニュアル
特定原産地証明書の発行手順
貿易リスクを小さくする4つの保険戦略

■輸出するときに用意するべき書類・インボイス
パッキングリスト
・商品写真
・特定原産地証明書→日本商工会議所
・海上保険→通関業者または海上保険会社

5.シッピングインストラクションで通関依頼

インボイスやパッキングリストなど輸出書類の作成が終ったら、いよいよ通関依頼です。通常、船積みや通関依頼をするときは「シッピングインストラクション」を作成します。シッピングインストラクションは、通関業者などに対して船積みや通関手続きを依頼するときに作成する書類です。記載する内容は、次の通りです。

・輸出者名
・船荷証券の荷受人
・輸入者名
・本船名
・航海番号(VOY)
・船会社の名前
・荷受、船積み地および仕向け港(輸出先の港)
・ケースマーク、荷姿や個数など
・輸出する商品名
・希望するコンテナタイプ 例:20フィートのドライコンテナなど

これらの情報を一つの書面にまとめて通関業者フォワーダー)などに提出します。通関業者などは、このシッピングインストラクションの情報を参考にして、B/Lの基になる「ドック・レシート」を作成します。

船の手配はどうするの?

船の手配は、自分で行うこともできますし、依頼している通関業者(税関への申告を専門にする業者)に丸投げもできます。以前「輸出するときのコンテナ船の予約~バンニング・搬入までの流れ」でお伝えした通り、月数本のコンテナを輸出する程度であれば、直接、船会社へ予約するメリットはありません。

例えば、貴社が巨大なメーカーであり、月に何十本もコンテナを動かす会社であれば、価格交渉できる余地はあります。しかしながら、多くの場合は、そこまで大規模にコンテナを予約することはないため「通関業者」や「フォワーダー(コンテナの手配をする業者)」にそのまますべてを依頼した方が賢明です。関連記事:船の予約方法

6.指定の場所に貨物を搬入する

輸出貨物の梱包や荷積めが終わったら、いよいよ荷物を保税地域に搬入します。このとき、あなたが輸出する荷物の形態や輸送方法により、次のような方法があります。

  1. 引き取りに来てくれる
  2. バンニングしたコンテナ(荷が入っている物)をターミナルに搬入する。
  3. コンテナ未満の貨物(LCL)はCFSに搬入する。
1.引き取りに来てくれる

DHLなどのインテグレーターに輸出を依頼している場合は、あなたが指定する所まで貨物を引き取りに来てくれて、その後の手続きをすべて行ってくれます。

2.コンテナをターミナルに搬入する。

コンテナ輸送をする場合は、荷詰めしたコンテナを通関業者等(フォワーダー)に指定されるターミナルに搬入します。

3.LCL貨物はCFSに搬入する

コンテナ輸送よりも小さな単位の貨物は、同じく通関業者(フォワーダー)に指定されるCFS(保税倉庫)に貨物を搬入します。

7.輸出申告→輸出許可

輸出者は、通関業者などが指定する場所に貨物を搬入します。搬入が完了すると、通関業者は、輸出申告やB/L Instructions(旧:ドックレシート)の作成などをします。輸出申告とは、日本の税関に対して、何を、どの国へ、いくらで輸出するのか?を申告します。申告の結果、特に問題がなければ、輸出許可を受けられ、貨物を本船等に積み込むための用意ができます。

輸出通関の流れ
輸出申告と搬入の流れ
輸出するときのコンテナの動きを確認
コンテナには、どれくらいの量を入れられる?
輸出書類の一覧

8.本船に貨物を積み込む(専門の業者が対応)

輸出の許可を受けた貨物はヤード(港にあるコンテナを保管する場所)から、停泊中の本船に積み込まれます。輸出許可が下りて、コンテナが本船に積み込まれるときに、オペレーターに対して「B/L Instructions(旧:ドックレシート)(船積みに関する情報がかかれた書類)」を提出します。B/L Instructions(旧:ドックレシート)は、通常、通関業者が作成するため、輸出者が何かをする必要はありません。(自分で船を手配する場合は、この作業が必要です。)

通関業者(輸出者)がオペレーターにB/L Instructions(旧:ドックレシート)を提出すると、受領印を押してもらえます。この受領印が押されたB/L Instructions(旧:ドックレシート)を船会社に提出すると、船積みが完了し「船荷証券(B/L)」が発行されます。船積みは「本船のカット日」までに輸出の許可を受けている必要があります。カット日までに許可を受けていない場合は、その時点で納期の遅れは確定します。

  • 依頼する先:船会社など(自分で手配する場合) 通関業者に依頼している場合は不要(手数料は必要)
  • B/Lが発行されてから、そのまま船会社に「戻す」と、B/Lが輸出国で回収されたこと(元地回収)、つまりサレンダーB/Lです。

9.B/L Instructions(旧:ドックレシート)→船荷証券(B/L)

本船への積み込みが完了したら、B/L Instructions(旧:ドックレシート)が「船荷証券(B/L)」となり、3通発行されます。発行されたB/Lを船会社に戻すと「サレンダーB/L」になり、輸入者側でB/Lの原本が不要になります。しかし、一般的には、代金回収のリスクを考えて、入金の確認が取れ次第「B/L原本」を輸入者に送ります。輸入者は、輸入港にて、日本で発行されたB/Lを差し出すと、貨物を引き取れます。これがB/Lの発行から、貨物の受け取りまでの流れです。

10.船積みが完了したらシッピングアドバイス

船積みが完了したら、輸入者に対してシッピングアドバイスを送ります。シッピングアドバイスは、輸出商品の品名、個数などを記載するとともに、どこの港から、何という本船で、何日出航するのかを示しています。このシッピングアドバイスを受け取った輸入者は、本船が無事に出港したことを確認できる上、輸入国側の輸入申告の準備をします。

一般的には、このシッピングアドバイスを送るタイミングで、インボイス、パッキングリスト、B/L(コピー)なども同時に送ります。(Eメールなどを使って)もし、まだ代金の回収が残っているときは、残金の入金を催促して確認が取れ次第、B/Lの原本を発送すると伝えるようにしましょう!

11.貿易代金を決済

シッピングアドバイスのときに、残額の貿易代金を決済してもらいます。(もちろん、相手との取引契約による)

例えば、よくある決済は、貿易契約を締結したタイミングで「半額」、船積み完了後(シッピングアドバイス)を通知した後に「残りの半額」を受けることです。これであれば、両社のリスクが半々となり、相手にも受け入れやすい決済方法です。また、輸出者によっては、「弊社は全額前払いでないとやらない」「月末締め、月末払い」の信用取引を行う場合もあります。

  1. 契約時に半額を受け取る。
  2. 船積み完了時にEメールなどでB/Lを送る。
  3. 残りの分を決済してもらう。
  4. B/Lの原本をDHLなどで送付する。
  5. 輸入者は、B/L原本を使い貨物を引き取る。
決済のタイミングは輸出者と輸入者の個別契約による。

12.海上保険を付保、B/Lの裏書き

貨物の海上保険をかけときは、最初に「海上保険の予約」をしておき、本船への船積みが完了した時点で「確定保険」に切り替えます。また、B/Lのコンサイニーの欄が「TO ORDER」になっているときは「B/Lの裏書」をします。B/Lの裏書とは、B/Lの裏面に自社の社印やサインすることです。これによりB/Lを手放したことを意思表示します。

B/Lの裏書

13.輸出完了

これで輸出完了です。

以上で初心者向け輸出マニュアルの紹介を終わります。最後に、予備知識になりますが「小資金で世界にアピールする方法」をご紹介します。

輸出情報

6.発展編・小資金で世界にアピールする方法

海外向けに自社商品を効果的にアピールするためのさまざまな方法をご紹介しています。最近では、SNSなどの広告を使えば、細かい指定をして広告を出稿できます。

「●●県●●市●●町を中心として半径30キロ圏内の20~25歳までの男性、趣味はスノーボード、車好き」など、とても細かい条件をして効率的に広告を出稿できます。

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その他、輸出についてのよくある疑問

輸出するときは関税はかかるの?

輸出関税が導入されている国もありますが、日本はありません。関税は、輸入国側の輸入者が支払います。

関連記事:輸出するときは関税を支払う必要があるのか?

消費税還付

輸出した商品分の消費税は、申請により還付されます。

例えば、輸出商品の価格が100円、その中に「10円の消費税」が含まれてる場合は、この消費税分を受け取れます。輸出ビジネスをしている方は、この仕組みをうまく利用して薄利多売で商売をしている所も多いです。

利益ゼロでも輸出が儲かる仕組みとは?消費税の還付制度

送料はどうなる?

一般的な輸出取引の場合は、フォワーダー等に見積もりを取り、インコタームズに応じた送料を算出します。ネット取引で完結する輸出ビジネスの場合は、いわゆるEMSやDHLなどの小包による配送料金をベースに算出している方が多いです。

海外在住の場合の輸出ビジネスはどうすれば良い?

日本国内に居住していない場合の輸出は「税関事務管理人」制度を使います。

失敗する可能性がある?儲からない?

輸出ビジネスが失敗する可能性があるのか?を考えれば、もちろんあります。ただし、これは、車を運転するときに事故を起こす可能性は有りますか?との質問と同じです。そんなに失敗を恐れているなら、時給1000円程度のアルバイトをしていた方が良いと思います。

儲かる商材を教えて!

愚問です。本記事を参考にして、ご自身でかんばってください。

起業の仕方と資格は必要

何も難しいことはありません。税務署に行き「開業届け」を出すだけです。必要な資格は、一部品目以外(例:お酒など)は不要です。また、英語力も中学レベルで十分です。特にECサイトによる輸出は、相手と会話することもなく、文章のやりとりも「グーグル翻訳等」を挟めば十分に可能です。仮にどうしても英語による交渉が必要なときは、既述の通り、クラウドワークスなどによる外部人材を活用します。

関連記事:貿易会社を設立しようと思う。そのポイントは?

個人でも副業として取り組めますか?

日本政府の働き方改革などの影響により、個人でも副業として取り組みたい方も増えているかと思います。既述の通り、EBAYなどのネット系の販売ツールを使えば、ある一定のレベルで副業にできると思います。後は、ご自身がどこまでのレベルを求めるのかによります。

コンサルには価値がある?

コンサルにも様々なタイプがあります。「アマゾン輸出を教えます!」「ebay輸出を教えます!」程度のコンサルであれば、私は受けません。もう少し「幅が広い輸出ビジネス」を経験されている方から教わると良いと思います。

輸出ビジネスのまとめ

実際に輸出ビジネスをはじめる場合は、様々な知識が必要です。単純に英語ができれば良いわけではなく、市場調査から始まり輸出計画の立案、輸出販売先を探すなど、一連の知識が求められます。多くの企業では、このような分野に精通している人が自社にいるわけではありません。しかし、それはどこの会社でも同じです。「輸出をしない理由が理由になっていない」でお伝えしたようなことで輸出を断念することがないことを願っています。

世界では、アメリカの新大統領の就任やイギリスがEUから完全離脱するなど、保護主義的な動きが加速しています。しかし、日本はすでに17個の経済協定を結んでいますし、現在はEUとの経済協定締結に向けた交渉が行われています。

クレムリンメソッドにも記載されている通り、アメリカの国力は2018年現在もナンバーワンです。しかし、自由貿易圏の枠組みで考えると、世界最大の経済大国であるアメリカであっても、そこまで大きな国ではなくなってしまいます。自由貿易は、今後の世界の勢力図を変える大きな流れといえます。

私たち中小企業ができることは、海外との扉を必死に閉ざそうとするのではなく、逆に海外へ進出することです。そのためには様々な知識や経験が必要になるため、当サイトで紹介する情報や関係機関からのサポートを頼りにして「世界に向けた販売」を行っていただきたいです。

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