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目次

  1. 個人貿易・中小企業向け!輸出ビジネスのはじめ方
    1. 輸出ビジネスにチャンスあり!
    2. 輸出の基本ポイント6つ!
      1. 1.世界に目を向けよう!
      2. 2.求められている物を知ろう。
        1. 1.現地調査による方法
        2. 2.インターネットによる調査
      3. 3.売る相手で求めている物が違う。
        1. 1.現地の最終消費者(B to Cタイプ)
        2. 2.現地に販路をもつバイヤー(B to Bタイプ)
      4. 4.輸出上、障害になる点の洗い出し
        1. 1.輸出他法令及び輸出貿易管理令
        2. 2.輸入国側の慣習の違い
        3. 3.輸入国側の関税と法規制
      5. 5.貿易相手を見つける方法
      6. 6.安全取引をするための知識
    3. 輸出取引の流れ(契約~相手国輸入)
    4. 1.市場調査(貿易相手を見つける)
    5. 2.信用調査
    6. 3.引き合い(Inquiry)
      1. 4.引き合書の記載項目
    7. 4.オファー(申し込み)
    8. 5.交渉成立後、契約書(Cntract)を作成する
      1. 関連書類
    9. 6.決済戦略 30%~50%の前払い条件で妥結を目指す
    10. 7.書類の準備 インボイス、パッキングリストの作成
      1. 輸出梱包
    11. 8.シッピングインストラクションで通関依頼
    12. 9.指定の場所に貨物を搬入する
      1. 1.引き取りに来てくれる
      2. 2.コンテナをターミナルに搬入する。
      3. 3.LCL貨物はCFSに搬入する
    13. 10.輸出申告→輸出許可
    14. 11.本船に貨物を積み込む(専門の業者が対応)
    15. 12.B/L Instructions→船荷証券(B/L)
    16. 13.船積みが完了したらシッピングアドバイス
    17. 14.貿易代金を決済
    18. 15.海上保険を付保、B/Lの裏書き
    19. 16.輸出完了
    20. おまけ:小資金で世界にアピールする方法
    21. その他、輸出についてのよくある疑問
      1. 消費税還付
      2. 輸出はどこで相談する?
      3. 送料はどうなる?
      4. 海外在住の場合の輸出ビジネスはどうすれば良い?
      5. 個人でも副業として取り組めますか?
    22. 輸出ビジネスのまとめ

輸出ビジネスの始め方 中小企業が小資金でスタート!

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種別積み地揚げ地品目輸送モード
法人バンコク東京スクラップ 20トン海上輸送
法人東京基隆冷凍海産物 3トンリーファー
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この記事は、輸出ビジネスの始め方をお伝えする物です。これから輸出する方(個人事業主の方、小規模事業主様など)は、ぜひ最後までご覧ください。

  1. 個人貿易・中小企業向け!輸出ビジネスのはじめ方
    1. 輸出ビジネスにチャンスあり!
    2. 輸出の基本ポイント6つ!
      1. 1.世界に目を向けよう!
      2. 2.求められている物を知ろう。
        1. 1.現地調査による方法
        2. 2.インターネットによる調査
      3. 3.売る相手で求めている物が違う。
        1. 1.現地の最終消費者(B to Cタイプ)
        2. 2.現地に販路をもつバイヤー(B to Bタイプ)
      4. 4.輸出上、障害になる点の洗い出し
        1. 1.輸出他法令及び輸出貿易管理令
        2. 2.輸入国側の慣習の違い
        3. 3.輸入国側の関税と法規制
      5. 5.貿易相手を見つける方法
      6. 6.安全取引をするための知識
    3. 輸出取引の流れ(契約~相手国輸入)
    4. 1.市場調査(貿易相手を見つける)
    5. 2.信用調査
    6. 3.引き合い(Inquiry)
      1. 4.引き合書の記載項目
    7. 4.オファー(申し込み)
    8. 5.交渉成立後、契約書(Cntract)を作成する
      1. 関連書類
    9. 6.決済戦略 30%~50%の前払い条件で妥結を目指す
    10. 7.書類の準備 インボイス、パッキングリストの作成
      1. 輸出梱包
    11. 8.シッピングインストラクションで通関依頼
    12. 9.指定の場所に貨物を搬入する
      1. 1.引き取りに来てくれる
      2. 2.コンテナをターミナルに搬入する。
      3. 3.LCL貨物はCFSに搬入する
    13. 10.輸出申告→輸出許可
    14. 11.本船に貨物を積み込む(専門の業者が対応)
    15. 12.B/L Instructions→船荷証券(B/L)
    16. 13.船積みが完了したらシッピングアドバイス
    17. 14.貿易代金を決済
    18. 15.海上保険を付保、B/Lの裏書き
    19. 16.輸出完了
    20. おまけ:小資金で世界にアピールする方法
    21. その他、輸出についてのよくある疑問
      1. 消費税還付
      2. 輸出はどこで相談する?
      3. 送料はどうなる?
      4. 海外在住の場合の輸出ビジネスはどうすれば良い?
      5. 個人でも副業として取り組めますか?
    22. 輸出ビジネスのまとめ

個人貿易・中小企業向け!輸出ビジネスのはじめ方

輸出ビジネスにチャンスあり!

日本の人口は、一億数千万人。他方、世界人口は、すでに70億人を超えており、人口が爆発的な勢いで増えています。特に日本が位置するアジア圏は、人口、GDPが共に上昇しており、単なる生産国から消費国へと変化しています。これは、日本の企業にも大きなチャンスです。

しかし、実際に輸出となると、さまざまな「ハードル」があるのも事実です。そこで、輸出経験がない方を対象として「小資金でできる輸出ビジネスの始め方」をご紹介します。これは、豊富な資金力がない、人材がいない中小企業のために「小さな一歩を踏み出す」ために公開しています。ぜひ、お役立てください。

  • アジア地域全体が徐々に生産国から消費国へと変化
  • 自由貿易による市場開放の動きが活発になる。

輸出の基本ポイント6つ!

実際の輸出の基本的な考え方を確認していきましょう!

  1. 世界に目を向けよう!
  2. 求められている物を知ろう
  3. 売る相手で求めている物が違う
  4. 輸出で障害になることを整理
  5. 貿易取引の相手を見つける方法
  6. 安全な取引を実現する方法

1.世界に目を向けよう!

日本の人口は約1億2千万人です。近隣のアセアンは、約6億人です。単純計算して約6倍の人口差です。もちろん、国民一人当たりの所得に換算をすれば、日本よりかは圧倒的に少ないです。しかし、今後日本と同水準まで所得が向上してきたとき、日本よりも大きな市場になると予想できますね!

日本のどこで売れるのか?から、世界のどこで売れるのか?に変えましょう!結果、それが日本なら、日本で販売します。

2.求められている物を知ろう。

海外で求められている物を特定します。これが輸出ビジネスの原点です。逆に言うと、この部分を不明確なまま実行すれば、9割9分失敗します。

日本製品を海外販売するために必要なポイントと考え方

  • 「誰が、何を求めているのか?」
  • 「誰にそれを売るべきなのか?」

これらを知るために市場調査をします。この調査には、大きく分けて次の2つがあります。

  1. 現地調査
  2. インターネット調査
1.現地調査による方法

現地調査は、現地に行き、生の情報を色々と仕入れます。自分の目で確かめたい情報を基にして、現地のニーズを把握します。現地調査の方法には、スーパーマーケットリサーチがあります。現地のローカルスーパーから、高級スーパーまでをリサーチして、ニーズをつかみます。また、現地ジェトロによる調査サービスもあります。

2.インターネットによる調査

現地調査をする前にある程度の「アテ」を付ける意味でインターネット調査は有効です。特に最近のグーグルのサービスやSNS(ソーシャルサービス)を使えば、無料で多くの情報を仕入れられます。特にSNSは、相手国の「現在の情報」が発信され続けています。そういう意味でも、現実調査のような「リアリティ」がある情報を収集できます。

3.売る相手で求めている物が違う。

輸出先には、次の2つが考えられます。

  1. 現地の最終消費者=海外EC販売
  2. 現地に販路を持つバイヤー
1.現地の最終消費者(B to Cタイプ)

海外の一般消費者を相手にするビジネスです。

例えば、越境EC等です。

2.現地に販路をもつバイヤー(B to Bタイプ)

現地に販売網を持つバイヤーに向けて輸出します。バイヤーには、現地のメーカーに商材を納入するバイヤーの他、卸や小売店舗オーナーに販路を持つ方等がいます。

現地で販売網を持つ人に向けて輸出をすることで、加速度的に自社の商品を浸透させられます。

バイヤーは、「儲かるかどうか」「商売になるのか」が商品的な価値です。

  • メリット:商売相手が持つ販売網を利用できる。
  • デメリット:プロとプロの取引なので、価格等もシビア。相手も「儲かるのか?」で判断することが多い。

4.輸出上、障害になる点の洗い出し

次にその産品を輸出すると仮定し、障害となる点を洗い出します。輸出ビジネスの障害になる項目には、次の物があります。

  1. 輸出他法令及び輸出貿易管理令
  2. 輸入国側の慣習の違い。
  3. 輸入国側の関税や法規制
1.輸出他法令及び輸出貿易管理令

日本から輸出する物は、産品によって他法令又は、輸出貿易管理令キャッチオール規制)の対象になる物があります。この結果、輸出自体が困難だと判断することも多いです。

例えば、植物関係を輸出するときは、他法令である植物防疫法、肉類は家畜伝染病予防法、ワシントン条約などがあります。

輸出貿易管理令の判定とアドバイスを有料で提供中!

2.輸入国側の慣習の違い

輸出する産品が相手国側の慣習の違いにより受け入れらない可能性があります。(例:中国や台湾は赤色が好まれる等)

3.輸入国側の関税と法規制

買い手(あなたの輸出先)は、相手国側の関税を支払う必要があります。関税は、国ごと、品目ごとに異なり、関税率も様々です。したがって輸出するときは、相手がどれだけの関税額を負担することになるのか?も把握しましょう!

他、相手国側の法規制等にも注意が必要です。

1.輸入禁止品又は輸入制限品
2.適合性判断

例えば、輸入国側で禁制品(輸入禁止品)に指定されているときは無意味です。また、自由に輸出できる品でも、一定の条件を付けていることもあります。化粧品、食品は、定められたラベルの貼り付け、表示方法があります。このように、輸入国側で流通できるように、商品を適合させられるのかもポイントです。

5.貿易相手を見つける方法

輸出先の開拓方法は、次の4つです。

  1. 展示会に出展する
  2. ジェトロ引き合いデータベースを使う。
  3. 各国大使館の商務部から紹介を受ける
  4. 取引銀行から紹介を受ける

日本国内外で開かれる展示会への出展は新しい取引先を開拓する意味で有効です。ジェトロでは、国の補助金を活用した中小企業のための輸出バックアップをしています。この制度を利用し、積極的に海外バイヤーにコンタクトをしていきましょう。

しかし、一方「現状はサラリーマンだから、そこまでのことはできない!」と考える方もいらっしゃるでしょう。その場合は、ネットによる取引先の開拓方法があります。

2020年現在、海外販売のためのネットツールには、様々な物があります。いわゆる「越境EC」と呼ばれる輸出ビジネスであり、注文、決済までをすべてオンライン上で取引ができます。特にアリババやEC21は、業者間取引を前提にするプラットフォームであるため、これらのサイトを活用して販売先を開拓します。

例:ebay、海外アマゾンアリババ、ec21、Shopify

海外販路開拓9つの方法

6.安全取引をするための知識

輸出ビジネス上の「安全」とは、次の3つです。

  1. 決済を安全にする。
  2. 取引自体を安全にする。
  3. 貨物を安全に輸送する。

輸出取引の流れ(契約~相手国輸入)

ここからは、さらに具体的な輸出の流れを確認していきます。以下の船積みや税関への申告は、すべて自身でできます。しかし、実際の貿易実務では、通関業者に頼むことが一般的です。

  1. 市場調査(貿易相手を見つける)
  2. 信用調査(取引の安全性調査)
  3. 商談&契約
  4. 決済
  5. インボイス、パッキングリストの作成
  6. フォワーダーや通関業者に船積み&通関依頼をする。
  7. 指定の場所へ貨物を移動する。
  8. 輸出申告→輸出許可
  9. 本船に貨物を積み込む
  10. B/L Instructions(旧:ドックレシート)→船荷証券(B/L)
  11. 船積みが完了したらシッピングアドバイス
  12. 貿易代金の残金を受け取る。
  13. 海上保険を付保、B/Lの裏書き
  14. 輸出完了

1.市場調査(貿易相手を見つける)

輸出には、当然、輸出先(売り手)が必要です。売り手の開拓を商社等に頼まず、自社で行いたい場合は、どのようにすればいいのでしょうか? 以下、12個ほどあります。

詳細は、海外の取引先を見つける12つの方法を参照

2.信用調査

海外との取引は、相手の信用力が重要です。ジェトロでは、この信用力を調査するサービス(外国企業信用調査)を提供しています。その他、取引先の銀行経由で現地企業の情報を調査したり、ダンレポートを使ったりして、海外相手の調査をしていきます。

また、この海外企業調査の他、相手国のリスク(カントリーリスク)を調査することも重要です。取引相手の調査に問題がなくても、その企業が所属する国の政情が不安定の場合は、取引リスクがあると判断します。

カントリーリスクは、貿易保険の引き受け情報や外務省の渡航韓国情報などで判断ができます。

3.引き合い(Inquiry)

引き合いは、具体的な取引交渉の前段階です。

売り手なら、自社の商品カタログ等やカタログを送る行為。国際見本市でのプレゼンテーション等が含まれます。

買い手なら、自分が希望するデザインがあるのか? 必要であるなら、サンプル等を請求する行為です。複数のサプライヤーがいる場合は、この段階で、絞り込みをしておきます。

4.引き合書の記載項目

買い手又は売り手は、引き合いをするときに「引き合い書」を作成します。引合書のフォームは自由です。

例えば、買い手なら、引合書用のテンプレートを用意して、貿易ごとに中身を入れ替えて使うことが一般的です。
項目意味
購入を希望する商品何を購入する?

例:Tomato Paste(トマトペーストが欲しい)

数量どれだけ購入するのか?

例:Tomato Paste 1M/T(トマトペーストを1トン欲しい)

揚地(輸入港)その商品を配送する先を指定しています。(輸入地)

例:Shanghai,China(上海港まで運んでほしい)

インコタームズ(受け渡し条件)何の貿易条件でやり取りを希望するのか? 詳細:「インコタームズ入門」をご覧ください。

例:CIF Shanghai.

引合書の日付引合書の日付です。

例:September 10th, 2017

引合書番号引き合い書を管理する番号。売り手側は、買い手から来た引合書について言及するときは、この引合番号をつけて行います。

例:JSQ-20170522など

4.オファー(申し込み)

売り手、買い手は、お互いに引き合いで出された条件について明確に回答します。これを「オファー」といいます。

  • 売り手のオファー例:「この条件だったら売る」
  • 買い手のオファー例:「この条件なら買う」

このときの注意点は、オファーに対する返信は、拘束力を持つことです。(オファーにアクセプトしたら契約成立)

オファーには、最低限、次の6つの項目を含めつつ、全てを明確に回答します。変更を希望する部分があったら「カウンターオファー」を行い、一つずつ抜かりなく回答します。

  1. 商品の規格
  2. 数量や輸出価格(日本出荷価格×5倍=相手国の小売)
  3. 納期
  4. 支払い条件
  5. 有効期限

上記の内、特に大切なのが「商品の規格」です。規格とは「販売する商品は、縦〇〇cm、横〇〇cm JIS規格〇〇に準拠」と決めることです。

重要:何を良品?不良品とするのか?の基準を設けること


例えば、買い手があなたの鉄鋼製品を欲しいとします。この規格は「幅5000mm×縦8000mm×厚さ700mm±10mm、材質は〇〇」と決まっています。この場合、売り手と買い手は、この品質を基準にして商品の良し悪しを判断します。

■買い手からの引き合い例

  • 「商品Aを10トン100,000円で購入したい」
  • 「商品の配送先はホーチミン港」
  • 「支払い条件はL/C(銀行決済)

これに対して、売り手は次のように回答します。ポイントは、買い手からの引合い条件にすべて回答することです。さらに一番下の「インコタームズ….」の部分で、買い手の条件に答えた上で、こちらの条件を提示しています。この形であれば、相手企業の条件に回答しつつ、こちらの考え方も伝えられます。

■売り手からのオファー

  • 「商品Aを10トン100,000円で購入したい」→10トン150,000円ならOK
  • 「商品の配送先はホーチミン港」→横浜港渡し希望
  • 「支払い条件はL/C」→T/T決済(前払い)ならOK
  • インコタームズは、FOB横浜(横浜港渡し)

上記のオファーを受けた買い手は、提示された条件の内容を確認します。特に内容に問題がなければ、条件を受け入れて交渉は成立します。一方、何か受け入れられない部分があれば、さらに取引条件の変更を要求します。=カウンターオファー

貿易交渉では、このように買い手からの要求と、売り手からの要求をぶつけ合って、最終的なゴールを目指します。ここまでの一連の流れを図に表すと、以下の通りです。

Hunade

5.交渉成立後、契約書(Cntract)を作成する

相手と交渉が成立したら「何を? いくらで? どのように?」など、決済する条件、貿易条件、通貨、数量など、合意した諸条件を書面(契約書=Contract)にまとめます。

  • 妥結した内容
  • 不可抗力条項
  • 一般条項等

契約書のテンプレートは、ジェトロ等にもあります。もし、契約書のチェックが必要な場合は、リーガルチェックができる弁護士サービスを利用しましょう!

ちなみに、契約書は、ORIJGINAL(正)とDUPLICAT(副)の二部を作成後、署名します。これにより、輸出者と輸入者の双方が書面の条件通りに貿易することを約束します。

関連書類

継続的な取引をする場合は、基本契約書を用意しておき、個別に売約書や発注書を作成するのが一般的です。

  • 売約書(Sales Note)
  • 発注書(Purchase Order)

 

東南アジア 販路開拓

 

6.決済戦略 30%~50%の前払い条件で妥結を目指す

貿易取引には、当然、リスクがあります。特に資金リスクは最重要項目だと考えていいでしょう。売り手は、買い手が抱えるリスク(送金したけれど、商品が届かない等)部分を理解し、自社もある一定の率でリスクを引き受けるようにします。

両者にとって、リスク負担が公平なのが「L/C決済」です。しかし、実際の現場では、L/C決済よりもT/T決済(通常の振込手続き)の方が一般的です。理由は、次の2つです。

  1. 輸入者の与信又は輸入国銀行の問題
  2. 銀行に支払う手数料

これら2つの問題により、少額の取引であれば、T/T決済(通常の銀行振り込みなど)の利用が一般的です。(L/C決済は、一回の取引金額が200万円を超える場合が一般的)

T/T決済は、貿易保険やペイパルなどを利用すれば「商品を販売したのに、代金が回収できないこと」を避けられます。

また、次のように、輸出代金を分割して受け取ることも、資金回収のリスクを下げられます。

1.売買契約書を取り交わしたら売買代金の半額をもらう。
2.B/Lの発行(船積み完了後)に、残りをもらう。
3.決済が完了したら、B/Lの原本を送付する

関連記事:【輸出】T/T決済でリスクと利便性を半々にする方法

作業の進め具合により、代金を回収していきます。全額、代金を回収するまでは「B/Lの原本をおくらない」ようにして、代金の回収ができます。

7.書類の準備 インボイス、パッキングリストの作成

契約後、約束通りに支払いを受けたら、必要書類の作成をします。輸出で用意する主な書類は、次の通りです。

インボイス、パッキングリストは、ネット上にあるテンプレートを加工して使う他、オンラインで作成するサービスがあります。いずれも輸出者が用意します。

その他、海上保険は、海上保険等に締結後に発行されます。B/L等は船積み後にフォワーダーから入手します。特定原産地証明書は、輸出相手国がEPA締結国の場合に関係します。(日本商工会議所に申請して取得する)

輸出梱包

輸送時に問題が発生しないように、国内配送よりも厳重に梱包します。もし、高価な商品や大型商品の場合は、特殊な梱包ノウハウが必要です。輸出梱包を専門に取り扱う業者もいるので、そちらに依頼しましょう!

【輸出時の梱包】 種類、規制、危険品、費用感をプロが解説!

 

2022年12月現在
発効済(利用できる国)シンガポール、メキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、ASEAN、フィリピン、スイス、ベトナム、インド、ペルー、オーストラリア、モンゴル、TPP12、TPP11日EU・EPA米国、英国、RCEP
交渉中トルコ、コロンビア、日中韓
その他(交渉中断等)GCC、韓国、カナダ

 

8.シッピングインストラクションで通関依頼

輸出書類の作成が終ったら、通関依頼です。通常、船積みや通関依頼をするときは「シッピングインストラクション」を作成します。シッピングインストラクションは、通関業者やフォワーダーなどに船積みや通関手続きを依頼するときに作成する書類です。

通関業者などは、このシッピングインストラクションの情報を参考にして、B/Lの基になる「ドック・レシート」を作成します。このドックレシートがB/Lに変化します。

■シッピングインストラクションの記載内容

  • 輸出者名
  • 船荷証券の荷受人
  • 輸入者名
  • 本船名
  • 航海番号(VOY)
  • 船会社の名前
  • 荷受、船積み地および仕向け港(輸出先の港)
  • ケースマーク、荷姿や個数など
  • 輸出する商品名
  • 希望するコンテナタイプ

関連:輸出コンテナ船の予約~バンニング・搬入までの流れ

9.指定の場所に貨物を搬入する

輸出貨物の梱包等が終わったら、いよいよ荷物を保税地域に搬入します。保税とは、外国貨物を一時的に保管できる地域です。輸出貨物は、原則、この保税に搬入した後、税関への輸出申告&船積みと続いていきます。

貨物搬入の方法は、次の三つです。

  1. 業者が引き取りに来てくれる
  2. バンニング後のコンテナに搬入
  3. コンテナ未満の貨物(LCL)をCFSに搬入

1.引き取りに来てくれる

DHLなどのインテグレーターに輸出を依頼している場合は、あなたが指定する所まで貨物を引き取りに来てくれて、その後の手続きをすべて行ってくれます。

2.コンテナをターミナルに搬入する。

コンテナ輸送をする場合は、荷詰めしたコンテナを通関業者等(フォワーダー)に指定されるターミナルに搬入します。

3.LCL貨物はCFSに搬入する

コンテナ輸送よりも小さな単位の貨物(CFS)は、フォワーダーや通関業者が手配する路線便等を使い、港近くのCFSに搬入します。

10.輸出申告→輸出許可

搬入が完了すると、通関業者は、輸出申告やB/L Instructions(旧:ドックレシート)の作成などをします。輸出申告とは、日本の税関に対して、何を、どの国へ、いくらで輸出するのか?を申告します。申告の結果、特に問題がなければ、輸出許可を受けられ、貨物を本船等に積み込むための用意ができます。

11.本船に貨物を積み込む(専門の業者が対応)

輸出の許可を受けた貨物は保税地域から、停泊中の本船に積み込まれます。輸出許可が下りて、コンテナが本船に積み込まれるときにB/Lが発行されます。

船積みは「本船のカット日」までに輸出の許可を受けている必要があります。カット日までに許可を受けていない場合は、その時点で納期の遅れは確定します。

  • 依頼する先:船会社など(自分で手配する場合) 通関業者に依頼している場合は不要(手数料は必要)
  • B/Lが発行されてから、そのまま船会社に「戻す」と、B/Lが輸出国で回収されたこと(元地回収)、つまりサレンダーB/Lです。

12.B/L Instructions→船荷証券(B/L)

本船への積み込みが完了したら、B/L Instructions(旧:ドックレシート)が「船荷証券(B/L)」となり、3通発行されます。発行されたB/Lを船会社に戻すと「サレンダーB/L」になり、輸入者側でB/Lの原本が不要になります。

しかし、一般的には、代金回収のリスクを考えて、入金の確認が取れ次第「B/L原本」を輸入者に送ります。輸入者は、輸入港にて、日本で発行されたB/Lを差し出すと、貨物を引き取れます。これがB/Lの発行から、貨物の受け取りまでの流れです。

13.船積みが完了したらシッピングアドバイス

船積みが完了したら、輸入者に対してシッピングアドバイスを送ります。シッピングアドバイスは、輸出商品の品名、個数などを記載するとともに、どこの港から、何という本船で、何日出航するのかを示しています。このシッピングアドバイスを受け取った輸入者は、本船が無事に出港したことを確認できる上、輸入国側の輸入申告の準備をします。

一般的には、このシッピングアドバイスを送るタイミングで、インボイス、パッキングリスト、B/L(コピー)なども同時に送ります。(Eメールなどを使って)もし、まだ代金の回収が残っているときは、残金の入金を催促して確認が取れ次第、B/Lの原本を発送すると伝えるようにしましょう!

14.貿易代金を決済

シッピングアドバイスのときに、残額の貿易代金を決済してもらいます。(もちろん、相手との取引契約による)

例えば、よくある決済は、貿易契約を締結したタイミングで「半額」、船積み完了後(シッピングアドバイス)を通知した後に「残りの半額」を受けることです。これであれば、両社のリスクが半々となり、相手にも受け入れやすい決済方法です。

  1. 契約時に半額を受け取る。
  2. 船積み完了時にEメールなどでB/Lを送る。
  3. 残りの分を決済してもらう。
  4. B/Lの原本をDHLなどで送付する。
  5. 輸入者は、B/L原本を使い貨物を引き取る。

決済のタイミングは輸出者と輸入者の個別契約による。

15.海上保険を付保、B/Lの裏書き

貨物の海上保険をかけときは、最初に「海上保険の予約」をしておき、本船への船積みが完了した時点で「確定保険」に切り替えます。また、B/Lのコンサイニーの欄が「TO ORDER」になっているときは「B/Lの裏書」をします。B/Lの裏書とは、B/Lの裏面に自社の社印やサインすることです。これによりB/Lを手放したことを意思表示します。

B/Lの裏書

16.輸出完了

以上で初心者向け輸出マニュアルの紹介を終わります。最後に、予備知識になりますが「小資金で世界にアピールする方法」をご紹介します。

おまけ:小資金で世界にアピールする方法

海外向けに自社商品を効果的にアピールするためのさまざまな方法をご紹介しています。最近では、SNSなどの広告を使えば、細かい指定をして広告を出稿できます。

「PR」アメリカとの貿易はアマゾンアメリカのFBA代行「US-BUYER」が便利!

その他、輸出についてのよくある疑問

消費税還付

輸出した商品分の消費税は、申請により還付されます。

例えば、輸出商品の価格が100円、その中に「10円の消費税」が含まれてる場合は、この消費税分を受け取れます。輸出ビジネスをしている方は、この仕組みをうまく利用して薄利多売で商売をしている所も多いです。

但し、輸出免税を使えるのは、課税事業者のみです。

利益ゼロでも輸出が儲かる仕組みとは?消費税の還付制度

輸出はどこで相談する?

輸出ビジネスの相談は、以下4つが一般的です。ジェトロ、税関であれば、相談料は無料です。ジェトロは、輸出の全体的な相談、税関は、輸出通関関連、経済産業省は、輸出貿易関連、他、植物関連なら植物防疫所での相談ができます。

  1. ジェトロ
  2. 税関
  3. 経済産業省
  4. 民間コンサル

 

送料はどうなる?

一般的な輸出取引の場合は、フォワーダー等に見積もりを取り、インコタームズに応じた送料を算出します。ネット取引で完結する輸出ビジネスの場合は、いわゆるEMSやDHLなどの小包による配送料金をベースに算出している方が多いです。

海外在住の場合の輸出ビジネスはどうすれば良い?

日本国内に居住していない場合の輸出は「税関事務管理人」制度を使います。

個人でも副業として取り組めますか?

日本政府の働き方改革などの影響により、個人でも副業として取り組みたい方も増えているかと思います。既述の通り、EBAYなどのネット系の販売ツールを使えば、ある一定のレベルで副業にできると思います。後は、ご自身がどこまでのレベルを求めるのかによります。

輸出ビジネスのまとめ

実際に輸出ビジネスをはじめる場合は、様々な知識が必要です。単純に英語ができれば良いわけではなく、市場調査から始まり輸出計画の立案、輸出販売先を探すなど、一連の知識が求められます。多くの企業では、このような分野に精通する人がいる方が珍しいです。

しかし、その理由をもって輸出に挑戦しないのはもったいないです。もし、輸出についてのサポートが必要な場合は、弊社の「二人三脚貿易支援サービス(ゼロイチ)」をご検討くださいませ!

 

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【説明】荷物情報の入力方法

■商品1
商品:ダンベル
商品サイズ:10cm×20cm×5cm
商品の重さ:5kg
輸送数量:100個

商品1の記載例(商品単体)
  • 商品:ダンベル
  • 商品サイズ:縦10cm×横20cm×高さ5cm
  • 商品の重さ:5kg
  • 合計数量:100個
■商品例2
商品:ダンベル
梱包サイズ:50cm×60cm×30cm
梱包の重さ:50kg
輸送数量:10個

商品2の記載例(箱に入っている場合)
  • 商品:ダンベル
  • 梱包サイズ:縦50cm×横60cm×高さ30cm
  • 梱包の重さ:50kg
  • 合計数量:10個

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