輸出するときは関税を支払う必要があるのか?

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新しく輸出ビジネスを始めるときは、様々な点で疑問に感じることが多いです。この疑問の中でよくある物として「関税は誰が支払うのか」があります。

関税とは、商品が国境をまたぐときに商品ごとに決められている税金のことです。これは、その商品を輸入する人が「輸入国側の税関」に対して支払うものです。「商品を輸出するときに税を支払う必要がある」と誤解しやすいですが、基本的には、商品を輸入する人が支払うべき税金です。

この記事では、関税を支払うべき人は「誰なのか、そしてどのような関税を支払えばいいのか?」「輸出者側は、関税を支払う必要はないのか?」などをご紹介します。

輸出

商品の関税は誰が支払うの?

インターネット上の各種Q&Aサイトを見ていると、輸出について「誤った情報」が見受けられます。特に、輸出時における関税の支払いについて誤った情報が出ているため、ここでしっかりと説明させていただきます。

なぜ、関税があるのか?それは誰が設定しているのか?

私たちの生活の中には、消費税という税金があります。購入した商品に何パーセントかの税金を支払う物ですね。これと同じように「日本へ商品を輸入するとき」は、商品ごとに定められている「関税」を支払います。なぜ、商品を輸入するだけなのに、関税を支払わなければならないのでしょうか。それは外国の商品による影響と、国内品との関係を知ると理解できます。

例えば、日本産の玉ねぎが一袋300円で販売されているとします。この状況の中、外国産の一袋200円の物が入ってきたらどうなると思いますか。もちろん、価格に関わらず国産品を食べたい人もいらっしゃるはずです。しかし、その一方、値段的な魅力から外国産の玉ねぎを購入する方も多いはずです。外国産と日本産との圧倒的な価格差によって、日本産の売れ行きが悪くなり、それが日本の農業全体に大きなダメージを与えることになります。

これは、農業にスポットを当てて説明していますが、どんな業種の商品であっても同じことす。外国産の安い商品の流入が日本国内の市場価格に大きな影響を与えます。この影響を少しでも小さくするのが「関税」です。

では、この安い外国産の玉ねぎに「関税」をかけた場合を考えてみましょう!仮のお話として外国産の玉ねぎには、20%の関税をかけるようになると、日本での価格が200円から「240円(200*1.2)」になります。もし、国産品が300円で販売されているなら、60円あまり安い状況です。関税があることにより、国産品と海外品との価格差が小さくなっていることがわかります。

では、この目的を頭にいれて「関税は誰が支払うのか?」を考えてみます。関税の目的は、「輸入される側の国が自国の国内産業保護する」ことです。つまり、海外から外国商品を輸入する人が関税の支払う義務があり、その関税を徴収する人は、輸入国側の税関です。日本へ商品を輸入する場合であれば、日本へ商品を輸入する人が「日本の税関」に対して関税を支払います。決して、現地の国で輸出した人が関税を支払うわけではありません。

これは日本から商品を輸出するときも同じです。商品を輸出する人は、日本の税関に「〇〇を●●国へ輸出します」と申告をするだけです。決して日本の税関に関税を支払うわけではありません。日本から輸出された商品は、輸出先国で輸入する人(貿易相手)が相手国の税関に対して、関税を支払います。これは「関税を設定するのは、自国の国内産業を保護する目的」という原則部分を考えれば明らかです。

関税の負担は輸入者が行う。これが原則です。しかし、中には例外もあります。それが「貿易条件による個別契約」です。

関税を負担する人:商品を輸入する人 関税を負担する相手先:商品が輸入される国の税関

関税の負担を輸出者が行う特別な場合

少し混乱をしてしまう方が多いと思いますので、重ねて説明します。関税を支払う人は、原則的には商品を「輸入する人」です。決して「輸出する人」が支払うわけではありません。しかし、これには例外があります。それが「インコタームズ(貿易条件)」による個別の取り決めです。

私たちが外国の誰かと貿易取引を行う場合は「どんな条件で取引するのか」をインコタームズと呼ばれる貿易条件の型で取り決めます。このインコタームズには、次のような条件が定義されています。

  1. 船賃は誰が負担するのか?
  2. どちらが海上保険を手配するのか
  3. どこで商品を引き渡すのか?
  4. どこまでの範囲が輸出者の責任なのか?
  5. 輸入国側で発生する関税や消費税はどうするのか?

これらのことをいちいち個別に決めていくのは大変ですね。そこで世界で共通の「インコタームズ」を使うようにして「インコタームズの〇〇を希望する」と伝えるだけで、上にご紹介した1~5のすべてが決まるようにしています。

例えば、インコタームズの中に「FOB」があります。これを輸出者や輸入者が採用すると決めた場合は、自動的に以下の項目について了承したことになります。

1.船賃は誰が負担するのか? 輸入者が負担
2.どちらが海上保険を手配するのか? 基本的に輸入者
3.どこで商品を引き渡すのか? 輸出国の港に停泊している本船
4.どこまでの範囲が輸出者の責任になるのか? 輸出国の港に停泊している本船にのせるまで
5.輸入国側で発生する関税や消費税はどうするのか? 原則通り、輸入者が負担

このようにあらかじめ国際的に決められている貿易条件の型(インコタームズ)を採用することによって、貿易交渉がスムーズになります。インコタームズについてより詳しく知りたい場合は「初心者向けインコタームズ入門」をご覧下さい。

先ほど「原則的に関税の負担は輸入者が行う」とお伝えしました。しかし、この原則が外れるときが「インコタームズ」による取り決めなのです。

インコタームズの中の一つに「DDP」があります。これは商品を輸出する側が国際間の船賃、日本側で通関にかかる費用、そして日本側で発生する関税や消費税の負担まで行う取り決めになります。原則的には、関税の負担は輸入者が行うべきものです。ただし、例外としてインコタームズによっては、輸出者が関税を支払うこともあるということです。

まとめ

貿易取引の中で勘違いをしやすいのが「関税の負担者」です。すでに本文でも説明した通り、関税は商品を輸入する人が支払います。これが原則です。しかし、インコタームズの一つであるDDPで貿易取引を行う場合は、輸出者が「輸入国側で発生する関税や消費税」を負担することもあるということです。あくまで例外的なことです。

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