輸出ビジネスを成功させるには、海外バイヤーとの交渉妥結後の手続きをスムーズに進めることが重要です。本記事では、輸出者が知っておくべき手続きをステップごとに詳しく解説し、輸送手段や梱包の選び方、通関手続きまでを網羅します。
輸出交渉後の国際輸送完全ガイド
本記事は、別記事『中小企業の輸出 始め方|小資金で海外へ!』の続編です。
輸出市場の開拓方法等は、前記事をご覧ください。この記事では、契約締結後、実際に国際輸送する部分を詳しく解説していきます。
はじめに|輸出手続きの全体像
海外バイヤーとの契約が成立したら、輸出者は速やかに手続きを進める必要があります。輸出プロセスには、必要書類の準備、輸送手段の決定、梱包、通関、出荷までの各工程が含まれます。
貿易条件(インコタームズ)の確認
輸出取引では、輸送費やリスクの負担範囲を明確にするために、インコタームズを適用します。EXW(工場渡し)、FOB(本船渡し)、CIF(運賃・保険込み)、DDP(関税込み配送)などの条件があり、どの条件で取引するかによって、輸出者の負担や手続きが変わります。
必要な輸出書類の準備
輸出には、インボイス、パッキングリスト、B/L(船荷証券)またはAWB(航空運送状)、原産地証明書、該非判定書などが必要です。これらの書類のミスは通関遅延や追加費用の原因となるため、正確に作成しなければなりません。
最適な輸送手段の選択(FCL・LCL・航空輸送)
輸送方法には、FCL(コンテナ貸切)、LCL(混載)、航空輸送があります。FCLは大量輸送に適し、LCLは少量貨物向けですが、混載による破損リスクが伴います。航空輸送はスピードが速いもののコストが高いため、貨物の特性や納期に応じて選択しましょう。
輸出梱包の重要性と最適な梱包の選び方
輸出梱包は貨物の安全性を確保する重要な要素です。航空輸送では軽量・コンパクトな梱包が求められ、海上輸送では耐久性や防水性が必要です。特にLCLの場合は、他の貨物と混載されるため、破損防止のための強固な梱包が求められます。
品目別の輸出
- 精密機器・電子機器の輸出
- 機械・重量貨物の輸出
- 食品の輸出
- 危険品輸出の梱包と輸送
- アパレル輸出成功の鍵
- 中古品・リサイクル品の輸出
- 自動車部品・金属製品の輸出
- 家具・インテリアの輸出
- 医療機器・薬品の輸出
- 化粧品・雑貨の輸出
フォワーダーの手配と輸送手続き
フォワーダーは、輸送手配を代行する業者であり、輸送手段の選定、通関業務のサポート、貨物の集荷・配送を一括管理します。フォワーダーを利用することで、輸送トラブルのリスクを軽減できます。
日本での輸出通関手続き
税関での輸出申告は、輸出者が通関業者を通じて行います。輸出申告書を提出し、税関の審査を受けることで、輸出許可が下ります。キャッチオール規制の対象となる貨物は該非判定が必要です。また、関税や消費税の適用についても理解しておきましょう。
船積み・航空機への貨物積載とB/Lの取得
輸出許可が下りた後、貨物は船舶や航空機に積載されます。この際、船会社や航空会社からB/L(船荷証券)やAWB(航空運送状)が発行されます。これらの書類は、貨物の所有権を示し、取引の安全性を保証するために不可欠です。
まとめ
- 海外バイヤーとの契約後、輸出者はインコタームズを確認し手続きを進める
- 必要書類(インボイス、パッキングリスト、B/Lなど)を正確に作成する
- FCL、LCL、航空輸送の違いを理解し、貨物に適した輸送手段を選択する
- 輸出梱包の重要性を理解し、破損防止対策を行う
- フォワーダーの活用で輸送の効率化を図る
- 通関手続きを正しく行い、輸出許可を取得する
- 船積み・航空機への貨物積載後、B/Lを取得し、出荷完了


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