ベトナムへの輸出先(海外代理店)は、どのように開拓すればいいでしょうか? 海外輸出と聞くと商社が思い浮かびます。ただ、当然、商社を経由すると、その分、マージンがかかります。できることなら、自社でベトナム(海外)の販路を開拓していきたいですね!
そこで、この記事では、海外の輸出先(海外の販売代理店)を探す12の方法をご紹介していきます。
商品の輸出先(海外代理店)を探す方法
販売先開拓のための12のアプローチ
- 便乗輸出マーケティング
- 現地の商品ラベルを見る
- B TO Bサイトを利用する
- SNS、グーグル広告等の活用
- 現地のインフルエンサー等の活用
- ジェトロ(日本貿易振興機構)を活用
- 在日大使館の商務部を訪ねる
- 国内の輸出会社を見つける。
- 国内外の見本市に出店(国際見本市等)
- 日本人会を訪ねる
- 海外販売代理店を利用
- 取引先銀行から紹介を受ける。
1.便乗輸出マーケティング
下のグラフは、日本酒の輸出先の国々です。日本酒は、意外に多くに輸出されています。
ところで、上記の日本酒の輸出データは、どのように入手したのかお分かりになりますか? 実はこのデータは、財務省統計局で自由にダウンロードができます。
財務省統計局は、日本からの輸出品や輸入品のデータを統計資料としてまとめる機関です。このデータを分析するだけで貿易に関する様々な情報を知ることができます。この中の一つとして「物品がどこの国へ輸出されているのか」というデータがあります。
このデータを分析をすれば「あなたの商品がすでに輸出されている国々を特定」ができます。現在も輸出されているなら、その国には、あなたの商品を求めている市場があります。当サイトではこれを「便乗輸出マーケティング」と呼んでいます。この方法で輸出先の国をある程度の範囲で絞れます。
2.現地の商品ラベルを見る
海外の量販店(スーパー等)に行き、商品に貼られているラベルを確認します!そこに記載されている販売者に売り込みをすれば、すでに海外で販路を持つ会社に問い合わせられます。
3.B TO Bサイトを利用する。
世界最大級のBtoBマッチングサイトのアリババを使えば、少額の投資をするだけで、世界の巨大なマーケットに自社の商品を販売できます。
その他のB TO Bサイト
- Global Sources
- Busy Trade
- EC21
- Buyer Zone
4.SNS、グーグル広告等の活用
売り込みたい商品が決まっているなら、その商品のターゲット層に向けた自社サイト等を開発して情報発信をしていきます。
例えば、海外使用のSNS等を調査し、広告を出稿。そのリンク先を自社サイト(海外向けに最適化したページ=LP)にする。
または、グーグルに広告を出稿して、ある特定のキーワードで検索されたときに検索結果の上部または、下部に広告を表示。その広告のリンク先を同じく自社サイトにして見込み客を獲得する方法などがあります。
5.現地のインフルエンサー等を活用
海外で人気があるインフルエンサー(YOUTUBE等)に依頼して、商品のPRを依頼する方法があります。このとき、意識したいことはチャンネル登録者ではなく視聴者層です。戦略は、2つあります。
- 売り込みたい商品の最終消費者(視聴者)を抱えるインフルエンサーに依頼する。
- ビジネス系に興味がある視聴者を抱えるインフルエンサーに依頼する
6.ジェトロ(日本貿易振興機構)を活用
日本の貿易を拡大することを目的として「ジェトロ」という機関があります。ここは、日本の商品を世界へ輸出するためのさまざまな支援をしています。基本的に日本に居住している会社や個人であれば、誰でも無料で利用ができるため、貿易ビジネスをやる上では、何かとお世話になることが多いです。
ジェトロのサイトの中には、貿易ビジネスに役立つさまざまな便利サービスが紹介されています。
例えば、国の情報を調べるときは「国地域別情報」、「企業便覧」があります。ここでは、商品を輸出する上で必要になる相手国の規制、国内事情、相手国国民のライフスタイルなど、国ごとに細かく情報が掲載されています。ジェトロには、海外に支社があるため、そこから発信される現地定期レポートも見ごたえがあります。それだけではありません。
世界中の国々の関税を調べられる「ワールドタリフ」の無料提供をしています。これは、フェデックスさんが提供しているウェブサービスですが、ジェトロが包括契約を結んでいて、日本国内居住者に対して無料で利用ができます。詳細は「ワールドタリフの使い方」の記事をご覧ください。
ジェトロでは、輸出先を探すためのサービスとして「引き合いデータベース」という買い手や売り手をマッチングさせるサービスも提供しています。
輸出先を探す方は、データベースを使うか、ジェトロの専門アドバイザーに相談をお勧めします。その際に必要になるのは、貴社が輸出する商品の詳細情報です。できれば現物などを持参して、できるだけ詳細なアドバイスを受けられるようにします。これは、あなたの商品が相手国の「規制に関する部分」をクリアしているかどうかをあわせて検討するためです。
7.在日大使館の商務部
日本と国交がある国は、東京などに大使館があります。この大使館には、日本との経済交流を活発にするための商務部があります。ここを訪ねると、日本へ輸出をしてる会社や日本の商品を輸入している会社などを紹介してもらえる可能性があります。
8.国内の輸出会社を見つける。
もし、右も左もわからない貿易初心者である方は、国内にある輸出会社にも商品を売り込めます。これであれば、輸出会社を通して間接的に輸出ができます。国内の輸出会社は、すでに売る相手先が存在するため、この販売ルートを利用するのが目的です。これであれば、貿易に関する知識は全く必要なく、輸出会社との国内取引となるため、何も難しいことはありません。
デメリットは、輸出会社を通しているため、輸出したときの「利幅」が小さくなることです。このデメリット部分を理解したうえで、貴社の戦略を考えます。仮に輸出会社を使っていても、少しずつ海外との「直接的な貿易」にも挑戦ができるはずです。
輸出会社の探し方:「〇〇国 〇〇(商品) 輸出会社」
9.国内外の見本市に出店
日本国内や海外では、定期的に商業見本市を開催しています。ここへ何らかの方法で出展します。出展は、自分で直接申し込む方法とジェトロの「海外見本市サービス」などを通して「ジェトロブース内」で行う方法の2種類があります。輸出初心者の場合は、ジェトロブース内での出展を検討してください。ジェトロさんは長年の出展実績があるため、見本市などにおいて「僻地」でブースを構えることになりません。
10.日本人会を訪ねる
世界各国には、日本人が集まっている「日本人会」があります。実際に現地で生活している人たちが集まっている会であるため、何かしらの販売ラインを持っている人がいる可能性があります。その方を訪ねてもいいかもしれません。その際は、必ず「相手がメリットになるようなお話」を持っていくことが大切です。
例えば、「あなたの人脈によって販売ラインができた場合は、そのラインを通して販売する10%を永続的にお支払いする」などです。日本人会を探すときは「〇〇国 日本人会」で検索をしてください。
11.海外販売代理店を利用
海外には、販売のラインだけを作る代理店ビジネスしている方がいます。彼らの報酬は、完全出来高制で支払われます。
例えば、販売代理店を通して、売り先を見つけるとします。その際、彼らに何かしらの報酬を支払う必要はありません。彼らは、あなたの持っている商品情報を基にして、自分のリストから「販売先」を開拓してくれます。この開拓により実際にあなたと販売先との取引が行われたら、売り上げの何パーセントかを紹介料として代理店に支払います。実際に取引が成立する前では、代理店にお金を支払う必要がないため、初期コストを抑えられます。
12.取引先銀行取から紹介してもらう。
日本国内の銀行などは、お金に関する業務を行っているため、貿易にかかわる人脈を持っている場合が多いです。特に大手都市銀行に口座があり、一定の資金を入れている方は、輸出相手開拓の相談をしましょう。
銀行は、結果的に融資につながりそうな案件であれば、人脈などを紹介してくれる可能性が高いです。
まとめ
輸出先を開拓する12の方法をご紹介しました。販売の相手先を見つける方法としてはいくつかの方法があります。どのような方法でも「動かないこと」には、輸出進展はありません。
「輸出を行わない”理由”が理由になっていない件」でもお伝えした通り、多くの懸念事項はさまざまなサービスを活用すれば、すぐに解決ができることばかりです。できない理由を探していれば「それが実現される」ことになります。これは皮肉であり、つまり何も変わらないということが言いたいです。
ぜひ、色々な方法を検討したうえで、少しずつでも輸出を行っていただきたいです。
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