この記事では、中国の「フォワーダー」を紹介しています。日本と中国との間には、様々なフォワーダーがいます。それぞれの特徴を紹介し、適切なフォワーダーを見つけるポイントを解説します。
「中国からの配送料をできるだけ安くして輸入したいと思う。」
この場合、中国と日本との輸送をコーディネートする「フォワーダー」を使います。フォワーダーは、キャリアが持つ船や航空機のスペースを買いとり、荷主に再販売する業者です。
この記事では、中国と日本航路に強いフォワーダーをご紹介します。なお、文章末には、アリババ輸入時におけるフォワーダー問題についても取り上げています。
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日本と中国間の輸送に強いフォワーダー
日本と中国との間には、いくつもの船が行き来しています。当然ながら、この船に関係する様々な業者がいます。その中の一つにフォワーダーがいます。フォワーダーとは、国際輸送の希望を聞き、最適な輸送ルートを構築することを生業とします。
例えば、中国側の工場から、搬出するためのトラック便を用立てたり、中国国内から中国輸出港までの輸送便を手配したりします。もちろん、中国側の輸出通関、その後の国際手配、日本側の通関と国内配送など、製造工場から、納品する所までのあらゆる物流を総合的にプロデュースできます。
フォワーダは、常に荷主が希望する範囲までを提供しています。そのため「中国側の港から先のすべての部分を手配してほしい!」または、「日中間の輸送部分を手配してほしい!」など、一部分だを頼むこともできます。フォワーダーは、希望する部分のみの国際輸送をアシストしてくれる存在です。
しかし、実は、国際輸送のアシストができるフォワーダーと言っても、すべての部分を得意としていることは稀です。
例えば、あるフォワーダーは………
- ○○船の輸送料金であれば、価格競争力がある
- 危険物、重量物の輸送を得意としている。
- ○○間の輸送を得意としている。
- 年間の取扱量により、一年を通して安定的な輸送コストを提案できる
- バイヤーズコンソリに対応している
- 冷凍混載サービスに対応している
など、それぞれのフォワーダーによって、得手、不得手の部分があります。そのため、私たち荷主は、フォワーダーのサイトなどを確認して、どのような部分を得意としているのかを見極めることが重要です。見極めるには、次のポイントがあります。
フォワーダーを見極める3つのポイント
- 当社の強み~や サービス、選ばれる理由などに書かれている内容
- 営業所の所在地 例:青島に事務所があれば、青島周辺の輸送が得意。
- サイトの左半分、かつ、上部に書かれている項目=得意。
フォワーダーの見極めに失敗すると、フォワーダー間同士で「丸投げする可能性」もあります。この場合、無駄なマージンを支払うことになるため、少しでも疑問に感じときは、別のフォワーダーに問い合わせましょう。
中国輸入に強いフォワーダー一覧
中国輸送を提供する会社をいくつかご紹介します。検索などで「中国 輸入」や「中国 フォワーダー」などと検索して、自社が求めている内容とあっているフォワーダーを見つけましょう。
社名 | 得意なルート | 一押しポイント |
エフシースタンダードロジックス株式会社 |
| 中国主要港からの「海上速達便」「D2D(LCLクーリエ)」に注目。 中国から日本の任意の地点(海上輸送なのにドアデリバリー)までの配送料など、全て含んだ価格です。 例:自宅や倉庫等でもok! 港や空港留めでないのが特徴! |
i-trans | 上海・青島からの最速混載貨物を提供。バイヤーズ・コンソリに対応しています。 | ホットデリバリー有り 自社工場において日本の商習慣を熟知した検品が可能。 検品だけでなく、ラベル貼り、アソート組なども可能。日本側での検品等作業が不要になり、納品先に直納できます。また、自社混載便の運航により、集荷締め切り時間問題を解消しています。 |
中国輸入お助け便 | 上海・蘇州・寧波・杭州・義烏、広州・深セン・香港・台湾 | 小口の輸入を得意としています。特にサイト全体で個人事業主に対するウェルカム感があります。格安宅配便サービスもあり! |
イーストライズトランスポート株式会社 | 上海、深圳、厦門、寧波、青島、天津、大連 自社混載サービス、上海最速スーパーHDS | 自社独自で混載サービスを提供。年間を通じた安定的なレートを提供。ホットサービスもあり |
SMJ CO., LTD | 青島→東京、大阪、名古屋、横浜 LCL | |
日新運輸株式会社 | 上海と大阪間のフェリー混載輸送を得意とする。 | 蘇州などのフェリー船の混載を得意としています。大阪、神戸揚げの人には、便利です。 |
参考情報:中国のクーリエ(宅配サービス)
- SF Express(https://www.sf-express.com/cn/)
- ZTO Express(https://www.zto.com/)
- YTO Express(https://www.yto.net.cn/English/en/index.html)
- Best Express(https://www.best-inc.my)
フォワーダーを決めたらどうするの?
フォワーダーを決めたら、現在の取引先に新しいフォワーダーに頼むことにしたと伝えます。この場合、現在の取引条件にもよりますが、インボイスの価格を見直すことになるはずです。
例えば、現在、CIFで取引をしている。これを自社手配のフォワーダーに切り替えて、仕入れ先の工場で引き取るのであれば「EXW」です。この場合、理論的には、中国側の工場から先の次の費用が現在のインボイスから削除されるはずです。
CIFのインボイスから……
- 中国側の陸送費
- 中国の輸出通関及び諸経費
- 中国から日本への輸送費
などを引いた物が「EXW」ですもし、見直し後の取引をFOBにするのでれば、現在のインボイスから削られる項目は「中国から日本への輸送費」のみです。つまり、自社手配のフォワーダーに切り替えるときは、現在のインボイスの取引価格と、そこから削減される価格、フォワーダーが提示する価格を比較検討します。
FOBで契約する? 買い手がフォワーダーを手配する方法を解説!
アリババ輸入時のフォワーダー選定の注意点
アリババの送料を少しでも安くするためにフォワーダーを探している方もいらっしゃるでしょう。又は、最初から売り手がFOBやFCAなど、国際輸送を手配しないインコタームズを指定してくることもあります。これらへの対処方法は、次の記事をご覧下さい。
欧米系の買い手は、フォワーダーを指定することが多い。
アリババには、様々な買い手がいます。この内、欧米系のバイヤーと日系のバイヤーには、一つ大きな違いがあるといいます。それは…
- 欧米系のバイヤー=フォワーダーを指定することが多い
- 日系のバイヤー=売り手側の用意するフォワーダーを利用することが多い。
つまり、国際輸送の手配の部分を自社でコントロールするのか? 他社がコントロールするのか?の違いですね!日系のバイヤーは、総じて、売り手側に依存することが多いようです。実は、この日系の依存的な取引には、大きな落とし穴があります。それがフォワーダーの選定です。
先ほども述べた通り、アリババのサプライヤー(売り手)には、世界各国から様々な引き合いが来ます。欧米、日本、韓国など様々です。そして、この欧米系との取引が多いサプライヤーは、日本向けのフォワーダーを知らないことが多いです。
考えられる理由は、次の三つです。
- 欧米系のバイヤーは、指定フォワーダーを使うことが多く、そもそも売り手が国際輸送を手配していない。
- すでにサプライヤーが取引しているフォワーダーが日本側の輸送を得意としていない。
- コロナ渦の影響により輸送費が大きく上昇。スペース確保の問題や為替変動、海上輸送費など、サプライヤーは、商品以外のリスクを取らなくなっている。
したがって、今後は、買い手が国際輸送をマネジメントする力が求められてくるでしょう。そして、マネジメントの一つの方法がD2Dや海上速達便等のパッケージ輸送サービスだと言えます。
まとめ
- 中国からの輸送コストを安くしたいときはフォワーダーと相談します。
- フォワーダーにも得意分野と不得意分野があります。
- 荷主は、フォワーダーの得意とする分野を見決めて依頼することが重要です。

