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アーモンド輸入ガイド|規制・検査・違反傾向と実務対策

アーモンドが輸入食品監視計画の重点品目に指定

  • アーモンドはアフラトキシンB1(10µg/kg)、総アフラ(20µg/kg)リスクが高く2025年度重点品目に指定され、全ロット命令検査の可能性あり。
  • 過去違反国:米国(乾燥不十分)、豪州(輸送中結露)、イラン(衛生基準ばらつき)で、産地ごとに対策重点を設定。
  • 輸入前にISO17025認定ラボで全ロット検査し、ロット番号統一管理(例:ALM-年-月-連番)、証明書発行と保管を徹底。
  • 輸送時は温湿度差10℃以内維持、吸湿剤・通気・パレット間隔確保で結露防止、記録はデータロガーで取得。
  • サプライヤーは過去違反歴・HACCP認証・衛生証明書有無を確認し、検査結果添付で命令検査回避と納期短縮を図る。

2025年度の輸入食品監視指導計画で、アーモンドが重点品目に指定されました。健康志向や菓子製造分野での需要拡大に伴い、輸入量は年々増加しています。一方で、アフラトキシン汚染(カビ毒)をはじめとするリスクは依然として存在し、全ロット検査や命令検査の対象となる可能性が高い状況です。輸入者には事前準備と継続的な品質管理が強く求められます。

各国の違反傾向と留意点

過去5年間の検査結果から、国・地域ごとに見られる傾向には以下のような特徴があります。

原産国主な違反例注意すべき点
米国乾燥が不十分なロットでB1値超過大規模農場でも一部ロット管理が甘い例あり
オーストラリア海上輸送中の結露によるカビ発生出港前の温湿度管理が重要
イラン加工施設の衛生基準にばらつき小規模生産者の原料は要精査

強化される監視体制

輸入食品の監視体制が強化されます。年間で約10万件のモニタリング検査が行われ、その中でもアーモンドは、これまでの違反歴や輸入量の多さによって、重点的にサンプリング検査が実施されます。さらに、過去に違反を起こした輸入者や、特定の国から輸入されるアーモンドについては「命令検査」が適用される場合があります。この命令検査では、輸入する全てのロットに対して検査が義務付けられます。

実務者向けリスク低減策

輸出国での事前検査

ISO17025認定の試験機関を利用し、複数の袋からランダムにサンプルを採取します。分析証明書には必ずロット番号と試験条件を明記します。

ロット番号の一元管理

「ALM-年-月-連番」のような統一ルールを設定し、発注書、届出書、検査証、在庫台帳の全てで同じ番号を使用します。

輸送時の温湿度管理

データロガーで船積みから通関までの温度と湿度を記録します。コンテナ内の温度差は10℃以内に保ち、吸湿剤や通気によって結露を防ぎます。

サプライヤー選定基準

過去3年間の違反歴を調査し、HACCPなどの第三者認証の有無を確認します。また、政府が発行する衛生証明書の取得を必須条件とします。

国別の違反傾向(過去事例から)

主な違反傾向特記事項
米国アフラトキシンB1基準超過大規模農場でも乾燥不十分なロットあり
豪州輸送中の結露によるカビ発生積地港での保管環境に注意
イラン加工施設衛生基準のばらつき小規模農家ロットは特に慎重な選別が必要

輸入前にできるアフラトキシン対策と検査方法

輸入前の自主検査の重要性

輸出国での事前検査は、命令検査を回避する有効な手段です。依頼時は以下のように明確な指示を出します。

「本ロットについてアフラトキシンB1および総アフラトキシンの分析をISO17025準拠で実施してください。試料は複数袋からランダムに採取し、分析証明書にはロット番号(例:ALM-2025-01)を必ず明記してください。」

ロット番号の管理例

「ALM-年-月-連番」の形式で統一し、発注書、分析証明書、輸入届出、社内在庫台帳すべてで同一番号を使用します。証明書はPDF化してロットごとにクラウドで保管します。

輸送・保管時の温湿度管理と結露防止策

  • 温湿度記録:データロガーで船積み〜通関まで記録
  • 結露防止策:
  • 積み込み前に貨物温度とコンテナ内温度差を10℃以内に調整
  • 天井部に吸湿剤を2m間隔で設置
  • 通気口を適度に開放し湿気滞留を防止
  • パレットとコンテナ壁の間に隙間を確保し、空気循環を確保

実例で学ぶ違反事例と成功事例

違反事例

  1. 米国産アーモンドでアフラトキシンB1が基準値を超過 → 全量廃棄
  2. 豪州産アーモンドで輸送中に結露 → カビ発生により積戻し

成功事例

輸出国で全ロットの事前検査を行い、結果を添付 → 命令検査を回避

命令検査の概要

  • 発動条件:過去の違反歴、特定国からの輸入、モニタリング検査結果による指摘
  • 流れ:届出 → 検査指示 → サンプリング → 分析 → 結果通知
  • 費用目安:1ロット数万円〜(検査項目や数量による)
  • 期間目安:約5〜10営業日

契約書への記載例

「輸出者は本製品が日本の食品衛生法の基準に適合することを保証し、違反時には返品・再製造・費用補償に応じるものとする。」

事前準備チェックリスト(アーモンド輸入版)

  • 発注仕様書に「アフラトキシン検査済み」と明記
  • サプライヤーに分析証明書・衛生証明書の発行を依頼
  • 輸送温湿度管理計画書を作成
  • 検査結果とロット番号を社内システムで一元管理

実務者向けヒントと納期遅延防止策

  • 命令検査期間と納期が重ならないよう発注スケジュールを調整
  • 短納期案件は空輸を検討し、品質劣化を防止
  • 混載コンテナでは他貨物からの交差汚染防止策を確認
  • 事前検査結果を輸入届出時に添付して検査の簡略化を狙う

安全なアーモンド輸入のためのサプライヤー選び

過去3年間の違反歴を調査し、HACCPなどの衛生管理認証の有無を確認します。輸出国政府が発行する衛生証明書は必ず取得し、ロットごとの検査結果報告書とサンプル写真も保管します。

まとめ

  • アーモンドはアフラトキシン汚染リスクが高く、2025年度重点品目に指定
  • 基準値・法的根拠・検査フローを理解し、事前準備を徹底
  • 国別違反傾向とサプライヤー管理を強化
  • 証明書・温湿度管理・検査記録の整備が通関遅延防止の鍵

食品届(輸入貿易コンサル

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