「日本とヨーロッパとの間でEPAが発効!ワインが安くなる!」など、関税に関するニュースを聞くことは多いです。ただ、実際のところ、関税の役割や仕組みを知らない方も多いはずです。一体、関税とは何か? どのような役割があるのでしょうか? そこで、この記事では、海外通販や輸入ビジネスに関係する関税の基礎的な知識をご紹介していきます。
なお、記事の文章末には「関税目的別記事」も用意しています。ぜひ、ご利用下さい。
輸入するときの関税の基本
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関税の目的と意味
関税とは、外国からくる商品に対してかける税金を指します。しかし、実は、この関税は、織田信長の時代からありました。もちろん、当時は「外国の商品に対して~」ではなく、各地にある関所を通過するときに「通過税」の役割があったと言われています。
さて、お話を戻します。今日の関税は、外国の商品が日本に輸入されるときに課される税金です。外国の商品に課すことからわかるように、関税の目的は「日本国内の産業の保護」にあります。ご存じの通り、日本と外国は物価差があるため、同じ商品でも外国産と日本産に大きな価格差があります。これを縮めるのが関税の大きな役割です。
VATと関税は違うの?
VATは、外国で設定されている消費税です。関税と消費税は別物であり、輸入するときは、関税と消費税のどちらも課される可能性があります。ケースによっては諸費税のみ
関税や消費税を指す英語
消費税=Tax、関税=Import duty または Custom duty
関税の目的と国内産業の関係
関税は、どのように国内産業の保護につながるのでしょうか? 図解で確認していきましょう!
例えば、日本国内で生産されたリンゴが一つ50円。日本よりも人件費等が安い国で同じリンゴが一つ10円で生産できるとしましょう。この場合、日本産リンゴと海外産のリンゴには、約40円の価格差があります。もし、この一つ10円のリンゴがそのまま日本に流通するとどうなると思いますか?
日本のりんごが売れにくくなり、日本のりんご農家さんが破産する可能性がありますね!そのため、この価格差を小さくするために、海外産のりんごに一定の関税を課し、日本の国内産との差を小さくしています。これが関税の役割です。
海外産のリンゴに関税を課せば…..
関税による国内産業の保護
1.輸入者が税関に商品の関税と消費税を支払支払う。
2.輸入者は、輸入した商品の代金+関税+消費税+自分のマージンをのせて国内に流通させる
3.外国産の産品と日本国内産の価格差が小さくなる。
関税を支払う人
関税は、誰が誰に対して支払うのでしょうか? よく関税は、輸出されるときにかかる等の情報を目にすることがあります。たしかに、一部の国(中国やロシアなど)では、鉱物資源の輸出のときに関税を課している所もあります。しかし、これは非常に稀なことであり、基本的には、輸入国側の税関が輸入者に関税を課します。
- 関税を支払う人:日本に商品を輸入する人
- 完成を支払う先:日本の税関(財務省)
関税を支払う人:日本に商品を輸入する人
関税は、日本に商品を輸入する人が支払います。外国で商品を購入するときに支払うわけでもなく、外国の輸出者が支払うわけではありません。
関税を支払う先:日本税関(日本に輸入するとき)
関税を支払う先は、輸入する国の税関です。日本に輸入するときは、日本税関に支払います。
関税の種類
日本の関税は、大きく分けると、一般税率と簡易税率の2つがあります。一般税率の中に国定税率、条約による税率。簡易税率の中に、入国者の携帯品及び別送品の簡易税率と少額輸入貨物の簡易税率があります。全体の構成は、次の通りです。
- 一般税率
- 簡易税率
一般税率 | 条件:輸入価格が20万円を超えるとき | |
国定の関税 | 基本税率、暫定税率、特別特恵税率 | |
条約による関税 | WTO税率、EPA税率 | |
簡易税率 | 条件輸入価格が20万円以下のとき | |
入国者の携帯品及び別送品の簡易税率 | ||
少額輸入貨物の簡易税率 |
1.一般税率
一般税率は、輸入する価格が20万円をこえるときに適用する税率です。輸入ビジネスをしている方は、この一般税率を適用します。一般税率には「国定の関税」と「条約による関税」があります。
国定の関税
”国定”の文字の通り、この税率は、日本の法律に基づき設定されている関税です。該当する法律は、次の2つです。長期的に設定する関税が定率法、一時的な税率が関税暫定措置法に明記されています。
- 関税定率法
- 関税暫定措置法
上記2つの法律が基になっているのが「国定関税」です。また、国定税率の中には、次の物があります。
国定関税の一覧
- 基本税率
- 暫定税率
- 特恵関税
- 特別特恵関税
1.基本税率
基本税率は、最も基本となる税率です。およそ9000品目の税率を定めており、WTOに加盟していない国の産品に対してのみ課されます。
2.暫定税率
暫定税率は、特定の品目に対して「暫定的な関税率」を設定する物です。しかし、暫定の扱いであるため、一年ごとに「延長」が審議されます。
3.特恵関税
特恵関税は、発展途上国の経済発展を促す目的で設定している物です。輸入する商品の原産国が発展途上国に含まれる場合は、この関税率を適用して輸入ができます。ちなみに、少し前までは、中国にも適用されていましたが、経済発展に伴い「卒業」を果たしています。
4.特別特恵関税
特別特恵関税は、発展途上国の中でも特に発展が遅れている47か国の産品に対して設定する関税です。特別特恵は、非常に優遇されており、ほとんどの商品が関税無税です。
一般税率/条約による関税
条約による関税率は、他国との条約が基になり設定されている関税率です。「WTO税率」や「EPA税率」などがあります。WTOとは、世界貿易機関の略であり、貿易をする国は、ほとんどが加盟する国際組織です。WTOに加盟する国々は、お互いに「最恵国待遇」の原則を守り、ある加盟国に対して有利な税率を設定するなら、その他の加盟国にも同様の措置をとらなければならないルールがあります。唯一、この原則から外れても良いのが「FTA/EPA」です。
2.簡易税率
簡易税率は、輸入価格の総額が20万円以下のときに適用する物です。この税率は、海外からの手荷物品、海外通販サイトで購入したときに課されることが多いです。関税と消費税が一つの税率として設定されているのも大きな特徴です。
- 入国者の簡易税率
- 少額輸入貨物の簡易税率
1.入国者の簡易税率
入国者の簡易税率は、海外から帰国したときに持ち込む手荷物に対する関税率です。この簡易税率には、20万円までの免税枠があります。
2.少額輸入貨物の簡易税率
少額輸入貨物の簡易税率は、海外アマゾンなどで購入した商品が届いたときに課される税金です。この場合は、免税枠はありません。
関税の課税形態
関税には、有税と無税の2種類があり、無税品は、品目全体の35%程に設定されていると言われています。または、関税の課税方法には、次のタイプがあります。
- 従価税
- 従量税
- 混合税
- 関税割当
- 差額関税
- スライド関税
- 季節関税
- 特殊関税
関税の課税方法 | 意味 |
従価税 | 関税の課税対象を「価格」にする物=最も一般的 例:10%など |
従量税 | 課税対象を「量」にする物 例:100円/Lなど 従量税から従価格への変換方法 |
混合税 | 課税対象に価格と量の2つがある。 例:1平方メートル辺り○○円と、10%のどちらか高い方 |
関税割当 | ある一定の数量以下のみ低い関税率を適用。基準を超える部分に通常の関税率を適用する仕組み |
差額関税 | 例:豚肉などに対する関税 |
スライド関税 | 例:玉ねぎなどの関税 |
季節関税 | 例:バナナやオレンジなどの関税 |
特殊関税 | アンチダンピングなど、他国への報復的な意味がある関税 |
上記の内、特殊関税についてもう少し詳しく確認していきましょう!
5つの特殊関税
特殊関税は、通常では適用しない「特殊な状況」に陥ったときに、日本が被る不利益をカバーするために設定する特別な関税です。特殊関税には、次の5つがあります。
- 不当廉売
- 相殺関税
- 報復関税
- 緊急関税(セーフガード)
- 対抗関税
1.不当廉売
不当廉売関税は、輸出国で流通する価格よりも輸入国側に安く輸出されている場合に適用します。
例えば、中国で一つ100円で販売される商品があるとします。これを日本に一つ50円で輸出するなどです。この場合は、正常価格と不当廉売価格との差額の部分を関税として課します。
2.相殺関税
相殺関税は、輸出国の政府が輸出者に対し、何らかの補助金を交付。輸出者は、この補助金により、正常な価格よりも不当に安い価格で日本に輸出しているときに発動するものです。
3.報復関税
報復関税は、WTO協定上の利益を守るために必要な場合(日本の産品に対して不当な扱いをした場合)に、加害国に対して報復的な課すものです。
4.緊急関税(セーフガード)
緊急関税(セーフガード)は、外国において予想できない幅で価格が下落し、その商品が日本に輸入された結果、日本国内の産業に深刻な影響を及ぼしているときに発動します。
5.対抗関税
WTO加盟国がセーフガードを発動したことにより、日本が不利益を被ったときに発動します。
関税率の調べ方 関税率表とは?
日本に輸入するときの関税は、実行関税率表又はウェブタリフなどで確認します。適切な関税率(HSコード)を特定できないときは「事前教示制度」を使い、税関に依頼ができます。又は「通関業者」などに依頼して特定するのが一般的です。もし、アメリカ、EU、中国などの関税率を調べるときは、ワールドタリフ又は、各国税関サイトで確認します。
国名+Tariff 又は、国名+custom rateと検索すれば、該当ページが表示されます。

参照元:税関
関税が高い物
- チーズ
- 革製品(カバン・ハンドバック、手袋など)
- 革靴
- 砂糖系のお菓子
- 農産品
- 編み物系
国際郵便などを受け取るときのポイント
国際郵便・宅配便を受け取ったときに、関税や消費税が予想よりも高いと感じたときは「受け取り拒否」をして、納税額について問い合わせもできます。
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関税の計算方法と申告価格
「関税は、いくらから支払う必要があるのか?」 この答は、あなたの輸入目的や輸入価格により変わります。関税率の計算方法は、商売用と個人使用目的で明確な違いがあるからです。個人目的とは、輸入した商品を自分自身だけで使うことが前提。他方、商売目的は、輸入した物を販売することが前提です。これらの違いにより、減免税の取り扱いや「課税価格の算出方法」「評価の取り扱い」などが変わります。
- 個人使用目的で輸入する。
- 商売目的で輸入する
1.個人使用目的の輸入
個人使用目的かつ一回の輸入価格が20万円以下のときは、次の計算式で関税額を求めます。
海外で販売されている価格×0.6×関税率
20万円以下のときは「簡易税率」と呼ばれる簡易的な税率表から適切な関税率を選びます。また「海外販売価格×0.6」の部分を課税価格といい、これは、海外の店頭価格に必要な調整をした物です。*関税法の規定により、個人使用目的で輸入する場合は、海外小売価格の0.6をした価格を課税価格とします。根拠法 一つの基準は、輸入する課税価格の合計が16666円以上になると、税金を支払う可能性があります。
個人輸入の関税を計算しよう!無料検索ツール
アメリカのアマゾンで購入したときの関税
2.商売目的での輸入(一般商業輸入)
商売目的で輸入する場合は、日本の港(空港)に到着するまでのすべての諸経費を足したものが課税価格です。商業目的の関税額は、次の計算式で求めます。
(海外での購入価格+運送費+保険代金)×関税率
商売目的の輸入には、0.6掛けルールなどは認められない上、商品価格+輸送量などの合計費用を課税価格とします。また、一般税率を適用することが一般的であり、多くは「ウェブタリフ」または、通関業者に依頼をして、適切な関税率を探します。
個人目的・商売目的での輸入の他、輸入する商品の内容、原産国などによっても適用される関税率は変わります。
各種、関税計算ツール
HUNADEは、関税計算ができる各種ツールを揃えています。よろしければ、ご利用ください。なお、関税額の削減についての知識は「関税・輸入税の削減マニュアル」にまとめています。
一般税率と簡易税率の違い
一般税率は、輸入する合計の課税価格が「20万円をこえるとき」に適用します。一方、簡易税率は、20万円以下のときです。但し、輸入の合計課税価格が簡易税率を適用できない貨物もあるためご注意ください。詳しくは「一般税率と簡易税率の違い」をご覧ください。
関税の支払い時期
関税の支払い時期は、輸入方法により違います。
例えば、一般的な輸入は、一旦、通関業者が立て替えた後、荷主に対して「関税消費税の立て替え金」として請求します。海外通販の場合は、実際に荷物を受け取るときに配達員に支払うか、一部の会社は、お届け日から数週間後に請求書を送付してくるところもあります。(フェデックスなど)
関税の延納制度
関税や消費税の延納も可能です。ただし、延納を認めてもらうためには、納税額に相応する「担保」の提供が必要です。
関税の計算から納付
では、関税の決定から納付までの流れを確認してみましょう!
- 課税価格を決める(関税率をかける母体価格)
- 適切な関税率を見つける
- 関税の支払い
1.課税価格を決める。
まずは、輸入する商品の価格(課税価格=CIF)を計算します。すでに述べた通り、課税価格は、個人使用目的と商売目的で違います。個人使用目的は、海外販売価格の0.6倍。商売目的は、商品価格+日本までの送料、保険代金、その他の加算要素の合計です。
課税価格の計算例
商売目的と個人使用目的における課税価格の計算例は次の通りです。商品代金は、インボイス、送料は、アライバルノーティスなどを使い証明します。
- 掃除機の本体価格=50ドル
- 日本へ送料=20ドル
- 海上保険=10ドル
商売目的 | 個人使用目的 | |
課税価格 | 80ドル=50+20+10 | 30ドル=50×0.6 |
関連トピックス:根拠法令、0.6掛けルール、商売目的の課税価格、個人使用目的の課税価格、一般商業目的における関税の計算方法
2.課税価格にかける関税率を特定する。
次に課税価格に適用する「関税率」を特定します。適切な関税率は、以下の要素で変わります。
- 輸入国
- 品目
- 輸入価格の合計(20万円をこえるのか)
20万円を超えるときは「一般税率」、超えないときは「簡易税率」を適用します。
1.一般税率
一般税率は、貿易業を行うプロが適用する関税率です。関税が掲載されている「関税率表」を頼りにしてHSコードを特定します。さらに特恵関税などの有無などを確認して、商品の関税を計算する~というように難しい作業が必要です。課税価格でいうと20万1千円を超えるものから適用します。一般的な輸入取引であれば、こちらのほうが主流であり、コンテナ単位で輸入したり、他の貨物と混載して輸入する大口の取引に適用したりします。
2.簡易税率
簡易税率は、一般税率よりも大まかな税区分が設定されていて、課税価格の合計が20万円以下の物が対象です。関税区分が7つしかありませんので、比較的、簡単に関税の計算ができます。一般税率をプロ用と考えるなら、簡易税率は、素人用です。国際郵便などで輸入するときは、基本的に簡易税率が適用されます。
簡易税率の適用基準は「課税価格の合計額が20万円以下」だけです。したがって、この条件を満たせば「個人使用目的」「商用目的」などを関係なく簡易税率を適用できます。もちろん、希望する場合は、20万円以下であっても一般税率を適用できます。また、その他、以下の2つの特徴があります。
- 個人使用目的・商用目的問わず一万円以下は免税
- 簡易税率を適用できない貨物がある。
1.個人使用目的・商用目的問わず一万円以下は免税
個人的使用、商用利用を問わずに、課税価格の合計が1万円以下の場合は免税
1-1.個人使用目的で輸入する場合の簡易税率計算例
海外の小売価格×前々週の平均レート×0.6×=課税価格です。この課税価格の合計(小包の中の合計)が1万円以下なら、免税です。一万を超える場合は、課税価格×0.6×簡易税率(7区分のいずれかの税率)
1-2.商用目的で輸入する場合の簡易税率計算例
インボイス価格+海外から日本までの送料+保険料)×前々週の平均レート=課税価格。この課税価格の合計(小包の中の合計)が1万円以下なら、免税です。一万円以上は、課税価格×簡易税率=関税額です。
2.簡易税率を適用できない貨物がある。
簡易税率には、適用できるものと適用できない物があります。(米、ハンドバッグ、革製品、肉の調製品、ニット製品など)簡易税率を適用できない貨物は一般税率が適用されます。もし、一般税率しか適用できないときは、特恵関税制度やEPA協定税率などの適用を検討しましょう!
3.関税の支払い
関税を支払うタイミングは、輸入方法(配送方法)により変わります。
- 国際郵便
- 国際宅配便
- 一般商業貨物
1.国際郵便物の関税の納付
国際郵便物の関税決定と納付は、輸入する額が20万円を超えるのかで判断します。
【郵便】20万円以下
20万円以下は、賦課課税方式(税関が関税を確定)で税額額が決まるため、輸入する人は、何もしなくていいです。
1.全国にある税関外郵出張所に貨物が届く&税関検査
2.検査の結果、関税決定ができない場合は、輸入者へ連絡
3.税金がかからない物は、そのまま配達して終了
4.税金がかかる物は、郵便職員から荷物を受け取るときに関税等を支払う。
【郵便】20万円を超えるとき
20万1千円をこえる場合、原則、一般税率の扱いを受けます。また、自ら関税の申告と納付をする「申告納税方式」が適用されます。したがって、郵便として20万円をこえるものを輸入するときは、郵便会社から「輸入申告はどうするのか?」と問い合わせがきます。自らする。他の通関業者に任せる。または、郵便会社にそのまま通関をお願いするの三つの選択があります。それらの内、いずれかを選び輸入通関に臨みます。いずれにしろ、この選択をしない限り通関はされません。
1.郵便事業会社から通関に関する文書が送付される。
2.郵便事業会社や通関業者に通関を依頼するか、自分で通関をするかを連絡する。
【郵便】自分で通関する場合
3.自ら輸入申告をして関税の納付をします。納付方法は、審査終了後に発行される関税納付書をもって、日本銀行などで納付します。
4.納付が終わると、輸入許可がされる。
5.許可後、郵便物が保管されている国際郵便支店に出向く。
6.許可書を提示して、商品の引き取りを行う。
【郵便】郵便事業会社などに申告を依頼する場合
3.郵便事業会社から、関税納付方法の連絡がくる。(来ない場合も多い)
4.郵便物が自宅に届いた時に、配達員に「通関手数料」「関税」「消費税等」を支払って、郵便物(荷物)と許可書を受け取る。
2.国際宅配便の関税納付
海外にあるお店などから購入して、自宅へ直送してもらうケースです。フェデックス、DHLなどのインテグレーターのことです。
1.商品が日本へ到着
2.国際宅配会社が税関に申告、関税消費税等を代理納付する。
3.許可後、各配送先に荷物が届く。
4.その場で配達員に関税や消費税、通関手数料などを渡します。(*フェデックスなどは、後程、請求書が届きます。)
3.一般貨物の関税決定と納付の流れ
一般的な商用貿易に用いる方法です。コンテナ単位(CY)や混載(CFS)で輸入するケースです。輸入通関は、ご自身でも可能ですが、通常は「通関業者」に代行をお願いすることが多いです。ご自身で通関をする場合、以下の1~7つのステップをすべて自分でおこなう一方、通関業者を利用すれば丸投げできます。
1.貨物が日本へ到着する。
2.船会社からアライバルノーティスが届く。
3.貨物が保税地域に搬入されたことを確認して、税関に輸入申告書を提出
4.提出書類:インボイス、パッキングリスト、アライバルノーティス
5.貨物が搬入される目安は、CY(コンテナ)であれば、入港当日、または翌日。CFSであれば、入港日の翌日、または翌々日 関連:搬入が上がるとは?
6.税関の書類審査の結果、検査になれば、指定の日付を決めて強制的に税関検査
7.書類審査の結果、問題がなければ、関税納付書が発行される
8.発行された関税納付書を使って、日本銀行などで関税と消費税を納付
9.納付書証明書が発行されるので、それをもって税関へ
10.輸入許可書が発行される
減免税の一覧
関税の減免税は、次の2つの法律の中に規定されています。
- 関税定率法
- 関税暫定措置法
そして、これら2つの中には、次のような減免税や戻し税があります。なお、各減免税の詳しい解説は「輸入するときの免税・減税制度のまとめ」をご覧ください。
関税定率法 | 変質、損傷等の場合の減税 10条 |
生活関連物資の減免税 12条 | |
無条件免税 14条 | |
再輸入免税 加工のための輸出 11条、再輸入免税・減税14条 | |
外国で採捕された水産物の減免税 14-3 | |
課税原料品による製品を輸出した場合の免税 19-2 | |
外交官用貨物の免税 自動車/たばこ以外 16条 | |
特定用途免税 15条 | |
再輸出減免税 免税17条 減税18条 | |
製造用原料品の減免税 13条 | |
輸出貨物の製造用原料品の減免税 19条 | |
変質、損傷の場合の戻し税 10条 | |
輸出貨物の製造用原料品の戻し税 19条 | |
課税原料品を輸出したときの戻し税 19-2 | |
輸入時と同一状態で再輸出するときの戻し税 19-3 | |
違約品等の再輸出又は破棄の場合の戻し税 20条 | |
関税暫定措置法 | 加工又は組み立てのために輸出された貨物の減税 8条 関連記事:暫定八条 |
航空機部部品の免税 4条 |
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- 個人輸入ガイド
- 個人使用関税計算ツール
- 日本側の関税計算ツール
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- EUのショップ活用
- 革靴の関税の決め手!
- プレゼントの関税は?
- 個人輸入の消費税
- 少額貨物の無条件免税
- 簡易税率と一般税率
- 入国者の簡易税率
- 革靴の関税を下げる(LDC、EPA)
- 国際郵便・関税が高ければ受け取り拒否!
商品別関税率
商売目的の関税を削減
-
- 関税の計算方法
- 日本側の関税計算ツール(一般用、小口用)
- 輸入ビジネスの始め方
- スモール輸入ビジネス
- 中小企業のコスト削減
まとめ
- 関税とは、輸入商品価格と国内価格との価格差を縮める目的がある。
- 関税は、日本政府が決めている関税率表に基づく。
- 関税を支払う人は、日本に商品を輸入する人、支払う先は日本税関
- 関税を支払いタイミングは、配送手段位より異なる。

