輸出で商品を販売すると言っても、中々、具体的な方法がわからないですね!
- どのようにして海外にプロモーションすればいい?
- どのように買い手を見つけれる?
- どのように販売し、代金を回収すればいい?
この記事では、輸出の販売チャネル(流通経路)、輸出の支援サービスと越境EC(Cross Border E-Commerce)の活用方法について解説していきます。
輸出の販売チャネルと輸出支援の内容
販売チャネル
販売チャネルとは、流通経路、販売するための一つの方法です。自社で取り扱う商品をバイヤーに流す流通網とも言い換えられます。輸出の代表的なチャネルには、次の物があります。
- 日本の輸出者を通じた販売
- 海外代理店を通じた販売
- 現地の自社を通じた販売
- 現地の自社で生産&販売
- 越境ECを活用したダイレクト販売
主な販売チャネル | 概要 |
日本の輸出者を通じた販売 | 日本の輸出商社を探し、商社経由で海外販売する方法です。海外販売といいつつ、日本の商社とは国内販売の為、輸出特有のリスクは小さいです。但し、この形態は、楽な分、拡大が難しいのがデメリットです。 |
海外代理店を通じた販売 | 一般的な輸出取引の形態です。日本から輸出販売する相手先は、現地で販売網を持つ代理店です。代理店を通して現地に商品を供給できます。 |
現地の自社を通じた販売 | 現地に自社を設立し、現地の自社会社を通じて商品を供給していきます。 |
現地の自社で生産&販売 | 現地に自社を設立し、現地の自社会社で商品を生産及び販売していきます |
越境ECを通じたダイレクト販売 | 海外バイヤー向け又は現地の一般消費者向けにサイトを構築し販売します。日本から現地の一般消費者にダイレクト販売する場合は、大きな利幅を望めます。 例えば、SHOPIFY等のネットサイト構築サービスを使えば、簡単にクレジット決済対応の海外販売サイトを作成できます。その他、EBAY等で販売するのも一つの方法だと思います。 |
最初は越境ECでもOK!しかし、規模を拡大するなら海外代理店が必要
輸出初期の場合は、越境ECでも十分です。しかし、規模を拡大する場合は、やはり、海外代理店(地元に販路を持つ会社)が必要です。海外代理店は、現地の販売ルートを持っていたり、慣習や文化に詳しかったりします。ある程度、力がある代理店なら、売上目標等を設定し、独占販売権を設定する方法もあります。
現地の販売代理店と手を組むと…..
- 現地の規制を理解している。
- 必要書類がわかる。
- 物流事情も分かる。
- 販売後のサポートにも対応してもらえる。
商品の宣伝方法/バイヤーを見つける手段
商品の宣伝やバイヤーを見つけるには、次の方法があります。
主な宣伝方法 | 概要 |
海外展示会 | |
アリババ等のB2B支援サイト | ジェトロでは、【Alibaba.com】出展支援プログラムを実施しています。アリババとは、世界の200か国以上のバイヤーがアクセスするB2Bプラットフォームです。こちらに商品を掲載することで、貴社商品の販売、需要調査等ができます。 |
JAPAN MALL(ジェトロ支援) | ジェトロが認めた海外バイヤーのみが閲覧できるカタログに掲載することができるサービスです。原則、国内取引、円貨決済で取引が簡潔するため、海外販売ををしつつ、複雑な輸出をしなくても良いです。 |
YOUTUBE等の動画メディア | Youtubeは、使い方によっては海外の見込み客を集める為の情報発信ツールとして活用できます。 貴社商品の宣伝だけではなく、貴社商品の想定ユーザーが好むであろうテーマを取り扱う質の高い動画を公開することがポイントです。 例えば、猫の缶詰を売るなら、猫好きが好むテーマを軸にした動画を展開していきます。Youtubeを戦略的に活用することで世界中にファンを作れます。 |
SNS広告×自社サイト | 自社サイトを構築した後、グーグル広告に出稿して海外の反応を調べることもできます。グーグル広告とは、検索結果の上部又は下部に表示される広告です。実は、あの広告は誰でも出稿ができます。 具体的には、英語等で自社商品を紹介する○○●.comのサイトを作成。その後、このサイトに海外ユーザー呼び込むためにグーグル広告に出稿します。グーグル広告はクリックされるまでは無料です。広告が表示される基準も国や年代等を指定することができる為、無駄な広告費がかからないです。 様々な条件を設定し、テストすることで、貴社の商品に関心を寄せる国や世代、性別等を特定することができます。 |
リンクドイン | リンクドインは、主にビジネスマンが登録しています。ここに魅力的なプロフィール、会社情報等を掲載しておくと、海外のバイヤーとつながれる可能性があります。 |
主な輸出支援サービス
輸出は、多種多様な知識・経験が求められる為、時には外部の力が必要です。ここでは、輸出に関する主な支援サービスについてごご紹介します。なお、サービスを利用する前提として「海外販路を開拓するための準備」が必要です。あわせてご覧ください。
主な輸出支援サービス | サービス内容 |
商品の強み・訴求ポイントを見つける | 海外市場における貴社商品の魅力、強みを明らかにするサービスです。自社商品に自信があっても、そのまま海外に通じるとは限りません。そこで必要なのが海外バイヤー目線での品評です。何が強みなのか?を明らかにすることで、海外への売り出し方が見えてきます。この品評を提案するサービスです。 |
商品のローカライズコンサル | ローカライズとは、商品の地元化、海外の現地消費者に受け入れらるように商品を改良することです。この改良には、味や機能面の他、価格、デザイン、色使い等も含まれます。このローカライズ化を支援するサービスです。 |
チャンスがある国を見つける | 貴社の商品を求める人が多い国を見つける手助けをするサービスです。現地の人口形態、慣習や文化等を総合的に考えて、貴社商品が受け入れられやすい市場を見つけてくれます。 |
その国にあったビジネス形態の提案 | 進出先の国に合わせたビジネス展開の方法をアドバイスしてくれます。 例えば、台湾の場合は、日本の1.5倍ほどのEC市場があります。したがって、台湾への輸出を検討している場合は、まずは越境ECから始めると良いです。 他、ある国の商品は、実質的にある一社が牛耳っているので、そこに話を持っていた方が早いなどの慣習もあります。輸出商品、輸出先国にあっているビジネス形態を提案してくれます。 |
ローカル向けウェブサイトの構築支援 | 海外のバイヤーに対して、貴社商品の魅力が伝わりやすいようにウェブを構築してくます。海外向けSEOを含めて総合的に支援をするサービスです。 |
国際見本市に関する支援 | 日本国内外で開かれる商品見本市に出展する際のブース構築に関するアドバイス、通訳、バイヤー向けの説明資料の作成等を支援してくれます。 |
海外向け商品紹介映像の制作 | 海外向けに貴社商品の魅力・強みを訴求する映像を制作するサービスです。単なる制作だけでなく、動画の展開方法、動画から商品購入までの導線設計等も引き受けてくれる業者もいます。 |
テストマーケティング専門 | 海外消費者に試食機会(使用機会)を提供するサービスもあります。 例えば、日本で販売するお菓子B。これをマレーシアに向けて輸出販売しようとしているとしましょう。実行する前は、マレーシアの方へ試食をお願いして評価をもらいたいですね? このテストマーケティングを支援する業者がいます。 |
マガジンや業界紙 | 海外向けにネット以外で宣伝する場合は、海外現地のマガジンや業界紙を使うのが良いです。日本には、海外業界紙に出稿する為の代理人がいます。これらのサービスも広義に輸出支援サービスだと思います。 |
輸出におけるEコマースの活用
最初は、できるだけリスクや費用負担を減らしたいとお考えの場合は、Eコマース(ネットショップの活用が便利です。Eコマースは、大別すると次の2つがあります。
- B TO C
- B TO B
1番は、日本から海外の一般消費者に対して販売します。B TO Bは、海外のバイヤー向けです。これら2つは、次の特徴があります。基本的には、海外貿易は、B TO Bの形態を目指すべきです。 B TO Cの場合は、よほどブランド力があったり、希少性が高い物を扱っていたりする場合に適しています。
メリット | デメリット | |
B TO C | 利益幅が大きい。 |
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B TO B | 大きく展開ができる。 |
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代表的なB TO BとB TO C
B TO Bの代表格は、アリババですね!約200の国のバイヤーが訪れるプラットフォームです。対する B TO Cの代表格は、アマゾンですね。世界各国に存在し、一般消費者向けの通販ビジネスプラットフォームです。基本的に、これらのプラットフォームサービスに出店社と参加すれば、一つの輸出形態として完成します。
少し意外に感じるかもしれませんが、東南アジアでは、フェイスブック、インスタグラムのショップなどでの販売もあります。特にフェイスブックは、東南アジアの現地ショップがよく利用しています。
B TO B
- Alibaba.com
- EC21
- TradeKey
- Global Sources
B TO C
- Zalora
- Shopee
- Tokopedia
- Zilingo
- Lazada
自社サイトの構築ととターゲット広告の活用方法
海外のバイヤーに伝わる自社サイト(英語ベース)とターゲット広告を組み合わせたテスト販売も検討します。
自社サイトでは、あえて余分な情報を省き、売り込みたい商品の強み、利用シーンをイメージできるL/P(ランディングページ)を作成します。そして、このランディングページに対して、グーグル広告などを出稿しアクセスを集めます。ある一定のアクセスが集まると「結果」がわかります。
この場合の結果とは…..
- 売れた(売れなかった)
- どういうキーワードで流入してくると売れやすい(売れにくい)
- どこの国からのアクセスが売れやすい?
- ページのどこの部分に興味を示している?(ヒートマップを導入)
- ページの上から何パーセントまで読んでいるのか?
- 性別や年代
- 環境(PCやスマホ)
などの情報を言います。これらの情報を検証し、改良を加えることで、少しずつコンバージョンを上げていきます。つまり、ECを活用し、国際的なテスト販売ができるのですね!
【海外販売・輸出用】バイヤーに伝わる英語ウェブサイトに掲載するべき情報

海外サービスの中には、どれだけサイトがグローバル対応しているのか?を評価する物もあります。よろしければ、それらも活用してみましょう!

